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1年目春
35 私と変わらない関係(1)
しおりを挟む好きな気持ちを伝えてからしばらく経った。
相変わらず猫宮くんは人気者だし、私に優しくしてくれている。
「なーんにも変わってないの?」
「うん……。」
お昼休み、パンを食べ終わると颯太はバスケをしに行ってしまい
猫宮くんはこの時間いつもいない。
私は里奈と2人でゆっくりとお弁当を食べながら話していた。
「部活とか図書委員の担当の日とかぐらいしか一緒じゃないし。」
「それっぽい事はなし?」
「うーん、どうなんだろう。可愛いとか好きとかは言ってくるけど。前からだし……。」
猫宮くんは前と変わらず私にストレートに好意を向けてくる。
私が好きって伝えた後もずっと。
「付き合ってるの?」
「分からない……。」
「一回ちゃんと聞きなよ!」
「うぅ、そうなんだけど……。そう思ってるの私だけだったら、恥ずかしいというか…。」
ちゃんと付き合ってって言われたわけじゃないし、私もはっきり好きって言ってないし。
もしかしたら、何も関係は変わってないのかもしれない。
「そもそも、連絡先すらしらないし……。」
「はぁ!?」
里奈がバンと机を叩く。その音にびっくりして周りも私たちを注目してしまった。
「ちょっと里奈、落ち着いて……。」
「あのギャル達はID交換してたのに!なんでこはるんとは交換しないの意味わかんない!やっぱり遊ばれてるんじゃない!?」
初めて知った情報に少し傷つく。
私には連絡先すら聞いてこないのに、あの人達のは知ってるんだ。
猫宮くんと仲良くしているギャル…、中川さんと野村さん。今日は教室で過ごしていた。
2人とも美人だし明るいし、私とは正反対の人達だった。
もやっとしたモノが胸の中に生まれる。これは嫉妬だ。
「もしこはるんを弄んでるなら本当許さない!てゆうか、あいつどこ行ってるの!?」
「待ってよ、里奈!」
こうなった里奈を落ち着かせるのは大変だった。
立ち上がって、中川さんと野村さんが話している所に向かう。
「ちょっと、あいつどこにいるか知らない?」
「うわ、なんかめっちゃ怒ってるじゃんウケる。」
「こはるんだけなら教えてもいいよ?」
私を見て手招きする野村さんに近寄ってみる。
どうして私だけなんだろう。
「猫宮もこはるんだけなら教えても怒らなそうだし。」
「ちょっと、こはるんって私の呼び方なんだけど!」
「いーじゃんりなっち!細かい事気にすんな!」
「りなっち!?」
2人とも見た目がちょっと派手だから怖そうって勝手に思ってたけど、
話してみると結構話やすくて、人好きするような感じの人達だった。
「りなっちはウチらとお留守番な?」
「2人の時間邪魔しちゃ悪いからね。」
私は野村さんにこっそり猫宮くんの居る場所を教えてもらって、1人でそこへ向かった。
場所を聞いたけど、私何話したらんだろう…?
私たち付き合ってるんだよね?とかは恥ずかしくて聞けないし。
お互いに好きですって気持ちのその先。
私はその先は付き合うって事だと思ったけど、猫宮くんは違うのかな?
ぐるぐるといろんな事を考えながら私は屋上の扉を開けた。
扉を開けた瞬間冷たい風が吹き込んできてびっくりした。
「あ…。猫宮くん。」
屋上の日が当たってる所で猫宮くんは仰向けで寝転んでいた。
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