飼い主と結婚したい猫は人間になる

Ryo

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1年目夏

45 私と初めてのデート(1)

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猫宮くんとお付き合いをして2ヶ月ほどたった。
熱を出したあの日、猫宮くんの事を信じるようになったあの日から、少しはカップルっぽくなった気がする。

「おはよう小春ちゃん、今日も可愛いね。」

相変わらず毎日この調子の猫宮くんに、私はまだ慣れる事が出来ない。
朝は駅で待ち合わせて、手を繋いで登校する。
猫宮くんと歩いている時の周りの視線にもまだ慣れる事は出来ていない。

私いつかいじめとかに遭うんじゃないかな……。
よくあるドラマや映画の展開だと、そのうち私はクラスや学校の女子に恨まれていじめに遭うはず。

だけど、今のところクラスメイトはとても優しいし、変な雰囲気すらない。
あの時図書委員を争って泣かせてしまったあの子ですら

「推しの幸せは私の幸せだから。幸せにしてあげてね。」

そんな事を言っていた。
何もない事はありがたい事だった。

「何か考え事?」

考え事をしていたのがバレて、猫宮くんに顔を覗き込まれる。
薄い茶色の目と目が合い、隙ありと軽くキスをされる。

「僕といる時は僕の事だけを考えていてよ?」
「っ、こんなとこで、恥ずかしいからっ!」

顔に一気に熱が上る。
キョロキョロと周りを見渡したが、幸いちょうど建物の陰に隠れていて見られてなかった。

「違う事を考えてる小春ちゃんが悪いんだよ?」

少し唇を尖らせて首を傾げる猫宮くんがあざとくてずるい。
こんなの許してしまうしかない。

この調子で猫宮くんの私に対する愛情表現が多くなって、
私は毎日をドキドキして過ごしている。
恥ずかしいから人前ではスキンシップを控えて欲しいと伝えたら、しっかり守ってくれている。

「じゃあ、人がいない場所だったらいいんだよね?」

その代わり、人目を忍んでこうやってキスしたりハグしたりとするようになってしまった。


「また何か考えてる。」
「待って、猫宮くんの事考えてたから!キスはだめ!」

またキスされそうになって、両手で口を隠す。

「僕の何考えていたの?知りたいな?」
「あの、その……、あ、たまには、休日デートとかもしてみたいなって。」

猫宮くんとは土日にデートをした事がない。
いつか誘ってくれるかなと待っていたけど、お誘いはなく2ヶ月経っていた。
タイミングがなかっただけだと思うけど、いつも放課後の少しの時間じゃ私は物足りなく感じるようになっていた。
これは今考えたんじゃなくて、少し前から思っていた事だった。

「いいよ?今週の土曜日どっか行こうか?」
「え、いいの?」

あっさりと決まってしまったデートに、呆気なく感じた。
あんなに待っていたのに、もっと早く自分から誘えばよかった。

「でも大丈夫かな僕。小春ちゃんを1日独り占めしちゃうと、幸せで死んじゃうかも。」
「ふふ、そんな事ならないから大丈夫だよ。」

大袈裟に言う猫宮くんに笑ってしまう。

「どこ行こうか?」
「小春ちゃんと一緒ならどこでもいいよ。」
「言うと思った。猫宮くんも行きたい所決めて。2人で考えようよ。」

ちょうど見たかった映画が今放映されてるから、映画館デートとかいいな。
デートコースを考えながら歩く学校までの道のりは、いつもとまたちょっと違った感じがした。

今週の土曜日がとても楽しみになった。
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