すばくんの毎日 ～発達障害の子育てエッセイ～

突然に。

突然に。

   夏休み最後の日。
   8月31日。
   父が事故にあいました。
   家の近くで事故にあい、偶然仕事を終えて帰ってきた弟が慌ててかかりつけの大学病院へと連れていき、   そこで入院になりました。
   事故で足を怪我してしまい、またそれに加えて肺炎になっていました。
   元々風邪をひいてしまい、市販の風邪薬で治そうとしていたみたいだったのですが、それでも治らず肺炎になってしまっていたのです。
   全立癌もある中での病気。
   当然治療を全て並行して行われる事は出来ませんので、癌の治療を一度中断して病気の治療をする事になりました。

    治療の方は3、4ヵ月掛かりました。
    その後はリハビリと癌の治療が出来る病院に移り、   そこで癌の治療をする事になったのです。
この時癌の方はステージ3になっていました。
   癌の治療を一度中断してしまった為に状態が進行してしまっていたのです。

   この頃はなるべく私も実家に帰るようにしていました。
   実家には弟一人で父のお世話とか大変そうでしたし、弟自身も若かったので精神的に大丈夫なのか心配な面もありました。

   父は私が子供を連れてくるのが嬉しかったみたいでした。
   でも子供は病院の雰囲気が少し苦手だったみたいで私の後ろに隠れていました。

   入院して半年後。
   リハビリして、やっと念願だった家に帰れる許可が出ました。
   本当に父は嬉しそうに楽しみにしていました。帰宅を心待ちにしていた父。
   だけど家に帰れる事はありませんでした。
それは病院でトイレに行く際に何かにつまづき転倒をしてしまったのです。

   転倒というものは怖いです。
   私達がただつまづいて転んで怪我するとは訳が違い、転倒して身体を打ってしまう。
頭をぶつけてしまう。
   それらは悪ければ身体の機能に関わる事になってしまう恐れがあるのです。
   そのせいで父は頭を打ってしまい、結果家に帰れませんでした。
   それは酷く落ち込んでいました。
   自宅に帰る為にリハビリも凄い勢いで頑張っていた父。
   落ち込むのも無理はありません……。
   そんな父の姿を見るのは本当に切なく、何も出来ない自分がやるせなかったです。