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第16話 悪役令嬢、恋バナをする
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私が、アリシアとこれから先も一緒に居る為に必要なこと。
まずひとつは、彼女と駆け落ちの可能性がある男を彼女から遠ざけるor仲良くさせ過ぎないよう注意を払うこと。
もうひとつはどちらかが妃になった後、もう一方を輔佐役か何かとして傍に置くことを王子に許可をしてもらうこと。
…こちらは今のところ問題が無いと思う。アリシア自体が私と同じ気持ちでいてくれることは大前提だけれど…。
私は、アリシアが王子と結ばれること…、彼の妃になることを望むのなら、それを応援してもいいと思っている。
むしろそれならその方が、彼女はずっとこの王都に居てくれるということになるし、私も何かしらの城の役職につくことができれば自然に傍にいることは出来るからだ。
「ねぇ、アリシア。貴女は王子の妃になりたいと思っていますの?」
「…え?」
「王子の婚約者候補…お妃候補に選ばれると言うのはとても光栄なことなのは、わたくしも重々承知していますし、わたくし自身もそう思ってはいますけれど、貴女にとっては突然のことだったでしょう?」
アリシアは少しだけ驚いたように目をぱちくりとさせた。
「大きな声では言えないけれど、故郷に恋人や好きな人がいたら…離れ離れになってしまったことになるし…」
ゲームではそんな設定もなかったから、多分そんなことはないと思いつつ、もしも"居たら"????と考えてしまったら、妙に胸がずきっとした。
アリシアはそんな私の様子に、心底びっくりした様子でぶんぶんと首を横に振って、さらに身体の前に両手を広げたポーズをとった。
「そ、そんな人いないよぉ!もう、エリスったら唐突なんだから…!」
「…ご、ごめんなさいね?ほら、やっぱりそう言うのって気になってしまって」
「…もしかして、エリスの方こそ好きな人がいたり……」
「え?」
「…え?」
「………」
「………」
「い、いませんわよ?」
「ホントに?」
「本当ですわよ!」
「…じゃあ、本当はエリスの方こそ…お妃様になりたいとは思ってないの…?」
私はなんて答えたら良いのか少し悩んでしまった。
だってゲームでは女主人公の口説き方は学べなかったんだもの…。
そんな私の動揺や躊躇いにもお構いなしに、アリシアの言葉は続く。
「……エリスと王子様は幼馴染なのよね」
「え、ええ」
「私ね、エリスと王子様は相思相愛なんだと思ってたの」
「ええ!?」
「だって、仲も良いし。…あ、でもジェイドさんとも仲良しだよね」
「よ、良く見てますのねぇ」
確かに彼女の目に見えるところでも彼らと接していることはあっただろうけれど、そこまで観察されているとは思いも寄らなくて、私もびっくりしてしまう。
王子と幼馴染だという事は、誰かから聞いたのかもしれないけれど…。
「エリスと王子様が両思いなのに、私が婚約者候補として現れたなら、私は二人のお邪魔虫になってしまうってことじゃない?だから、二人とも優しくしてくれるけれど、本当は凄く苦しんでいるのかも…ってちょっと心配だったんだ…」
「アリシア、貴女…」
「…でも、そうじゃないなら良かった」
「気を遣わせてしまったのね。ごめんなさい…」
「ううん、良いの!私のせいで誰かが嫌な思いをしちゃうのが嫌だっただけで…」
「確かにわたくしと王子は幼馴染ですし、大事な友人であるのは確かですけれど…」
「そうなんだ…」
「…あ…ここだけの話にして下さいませね?」
「…うん。わかった。二人だけの秘密ね…」
"二人だけの秘密"と言う甘美な響きの単語に少しだけときめきを覚えるが、顔には出さないように表情を引き締める。
「…それで、アリシアはこっちに来てから良いなって思うような男性は居ますの?」
ちょっと流れ的に不自然だったかも知れない。けれど、このニアリー恋話の流れが次いつ訪れるかわからない。チャンスがあったなら逃すわけには行かない。
「え、えぇ!?良いなって…えっと…」
明らかに動揺しているし、なんだかちょっとモジモジしてる気がする…。これは怪しい…。
「…どなたですの?わたくしの知ってる方ですの?」
「え、えーっと…えっと…王子様はカッコイイと思うし、ジェイドさんも優しくって素敵な人だよね!」
「………」
誤魔化すようなアリシアの様子に、思わず私はじっと問い詰めるような視線を向けてしまう。
「…あ、あはぁ…」
アリシアは笑って誤魔化そうとするのを諦めたようで、小さくため息を一つついた後、小声でもじもじと話出した。
「………んと、……男の人にそういうのは、いない…かな?」
「そうですの…」
「…うん。王子様やジェイドさんが素敵な人だなって思ったのは本当だけど…」
「そう…そうなんですのね」
私は心からホッとしてしまった。アリシアはちょっと気まずそうなまま。
「…エリスは? エリスも本当に好きな人はいないの?」
何処か一生懸命な様子に、私は少しドキっとしてしまう。
これは"そういう"意味の質問だ。
だから、ここでアリシアの名前を出すのは変なことになってしまう。それくらいはわかっている。
だから私は口ごもってしまうのだけれど、アリシアの顔は真剣だ。
「わたくしは…」
「………………」
「………………」
「………………」
私とアリシアが見詰め合っている静寂を不意に引き裂いたのは、メイドのマリエッタだった。
「お嬢様、アリシア様!もう良いお時間ですよ!そろそろお部屋に戻りましょう!」
気がつけば空はほんのりオレンジ色に染まっていて、私達が随分と長い間お喋りに興じていたことを示していた。 予定よりも帰宅が遅かったことで心配したマリエッタが私を迎えに来たのだという。
「お喋りに夢中になるのは良いのですが、ちゃんと門限は守って頂かないと!旦那様に怒られてしまうのは私なんですからね」
そんな風にブツブツと文句を言うマリエッタを横目に、私はアリシアに「ごめんね」と言う気持ちを込めた視線を向けた。
アリシアは「大丈夫」とでも言う様にいつも通りの優しい微笑みを返してくれた……のだけれど、その後ハッと何かに気がついたような顔をしたかと思うと、突然拗ねたように唇を尖らせ、ふいっと横を向いてしまったのだった。
まずひとつは、彼女と駆け落ちの可能性がある男を彼女から遠ざけるor仲良くさせ過ぎないよう注意を払うこと。
もうひとつはどちらかが妃になった後、もう一方を輔佐役か何かとして傍に置くことを王子に許可をしてもらうこと。
…こちらは今のところ問題が無いと思う。アリシア自体が私と同じ気持ちでいてくれることは大前提だけれど…。
私は、アリシアが王子と結ばれること…、彼の妃になることを望むのなら、それを応援してもいいと思っている。
むしろそれならその方が、彼女はずっとこの王都に居てくれるということになるし、私も何かしらの城の役職につくことができれば自然に傍にいることは出来るからだ。
「ねぇ、アリシア。貴女は王子の妃になりたいと思っていますの?」
「…え?」
「王子の婚約者候補…お妃候補に選ばれると言うのはとても光栄なことなのは、わたくしも重々承知していますし、わたくし自身もそう思ってはいますけれど、貴女にとっては突然のことだったでしょう?」
アリシアは少しだけ驚いたように目をぱちくりとさせた。
「大きな声では言えないけれど、故郷に恋人や好きな人がいたら…離れ離れになってしまったことになるし…」
ゲームではそんな設定もなかったから、多分そんなことはないと思いつつ、もしも"居たら"????と考えてしまったら、妙に胸がずきっとした。
アリシアはそんな私の様子に、心底びっくりした様子でぶんぶんと首を横に振って、さらに身体の前に両手を広げたポーズをとった。
「そ、そんな人いないよぉ!もう、エリスったら唐突なんだから…!」
「…ご、ごめんなさいね?ほら、やっぱりそう言うのって気になってしまって」
「…もしかして、エリスの方こそ好きな人がいたり……」
「え?」
「…え?」
「………」
「………」
「い、いませんわよ?」
「ホントに?」
「本当ですわよ!」
「…じゃあ、本当はエリスの方こそ…お妃様になりたいとは思ってないの…?」
私はなんて答えたら良いのか少し悩んでしまった。
だってゲームでは女主人公の口説き方は学べなかったんだもの…。
そんな私の動揺や躊躇いにもお構いなしに、アリシアの言葉は続く。
「……エリスと王子様は幼馴染なのよね」
「え、ええ」
「私ね、エリスと王子様は相思相愛なんだと思ってたの」
「ええ!?」
「だって、仲も良いし。…あ、でもジェイドさんとも仲良しだよね」
「よ、良く見てますのねぇ」
確かに彼女の目に見えるところでも彼らと接していることはあっただろうけれど、そこまで観察されているとは思いも寄らなくて、私もびっくりしてしまう。
王子と幼馴染だという事は、誰かから聞いたのかもしれないけれど…。
「エリスと王子様が両思いなのに、私が婚約者候補として現れたなら、私は二人のお邪魔虫になってしまうってことじゃない?だから、二人とも優しくしてくれるけれど、本当は凄く苦しんでいるのかも…ってちょっと心配だったんだ…」
「アリシア、貴女…」
「…でも、そうじゃないなら良かった」
「気を遣わせてしまったのね。ごめんなさい…」
「ううん、良いの!私のせいで誰かが嫌な思いをしちゃうのが嫌だっただけで…」
「確かにわたくしと王子は幼馴染ですし、大事な友人であるのは確かですけれど…」
「そうなんだ…」
「…あ…ここだけの話にして下さいませね?」
「…うん。わかった。二人だけの秘密ね…」
"二人だけの秘密"と言う甘美な響きの単語に少しだけときめきを覚えるが、顔には出さないように表情を引き締める。
「…それで、アリシアはこっちに来てから良いなって思うような男性は居ますの?」
ちょっと流れ的に不自然だったかも知れない。けれど、このニアリー恋話の流れが次いつ訪れるかわからない。チャンスがあったなら逃すわけには行かない。
「え、えぇ!?良いなって…えっと…」
明らかに動揺しているし、なんだかちょっとモジモジしてる気がする…。これは怪しい…。
「…どなたですの?わたくしの知ってる方ですの?」
「え、えーっと…えっと…王子様はカッコイイと思うし、ジェイドさんも優しくって素敵な人だよね!」
「………」
誤魔化すようなアリシアの様子に、思わず私はじっと問い詰めるような視線を向けてしまう。
「…あ、あはぁ…」
アリシアは笑って誤魔化そうとするのを諦めたようで、小さくため息を一つついた後、小声でもじもじと話出した。
「………んと、……男の人にそういうのは、いない…かな?」
「そうですの…」
「…うん。王子様やジェイドさんが素敵な人だなって思ったのは本当だけど…」
「そう…そうなんですのね」
私は心からホッとしてしまった。アリシアはちょっと気まずそうなまま。
「…エリスは? エリスも本当に好きな人はいないの?」
何処か一生懸命な様子に、私は少しドキっとしてしまう。
これは"そういう"意味の質問だ。
だから、ここでアリシアの名前を出すのは変なことになってしまう。それくらいはわかっている。
だから私は口ごもってしまうのだけれど、アリシアの顔は真剣だ。
「わたくしは…」
「………………」
「………………」
「………………」
私とアリシアが見詰め合っている静寂を不意に引き裂いたのは、メイドのマリエッタだった。
「お嬢様、アリシア様!もう良いお時間ですよ!そろそろお部屋に戻りましょう!」
気がつけば空はほんのりオレンジ色に染まっていて、私達が随分と長い間お喋りに興じていたことを示していた。 予定よりも帰宅が遅かったことで心配したマリエッタが私を迎えに来たのだという。
「お喋りに夢中になるのは良いのですが、ちゃんと門限は守って頂かないと!旦那様に怒られてしまうのは私なんですからね」
そんな風にブツブツと文句を言うマリエッタを横目に、私はアリシアに「ごめんね」と言う気持ちを込めた視線を向けた。
アリシアは「大丈夫」とでも言う様にいつも通りの優しい微笑みを返してくれた……のだけれど、その後ハッと何かに気がついたような顔をしたかと思うと、突然拗ねたように唇を尖らせ、ふいっと横を向いてしまったのだった。
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