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第20話 悪役令嬢、復讐計画を練る
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「…む、夢魔…ですの?」
医務室で看護師のマーニャと向き合いながら、私は、彼女の口から飛び出してきた思いも寄らない単語に思わず眉を潜めた。
マーニャはそんな私の動揺にも臆することなく言葉を続ける。
「…はい。サキュバスやインキュバスと言われることもある魔物ですね」
「は、はぁ…」
「彼らは人間の夢に入り込み、その人間に淫らな夢を見せることで精気を…つまり、生命エネルギーを吸収して自らの命を維持する魔物だと言われていますね」
オタクだった波佐間悠子の記憶の引き出しには当然サキュバスやインキュバスという知識はあったものの、エリスレアにとっては初めての情報だ。
この世界における彼らがどんな存在であるかの確認も兼ね、知らなかったという体で話を聞いていこう。
「…勝手に人の夢に侵入してエネルギーを吸って行く魔物と言う事ですの?」
「そういう事になります。実を言いますと、これまでも年に数件程度被害の報告はあったのですが、人々の夢の中を移動してくる…という、捕まえ難い生態をしていることもありまして、何らかの対策を練るよりも彼らが満足して去っていくのを待つのが一番簡単だと言われているくらいなのですよね…」
「…そうでしたの…」
まさか悠チェリの世界にこんな如何わしい魔物が存在していたなんて…。と、私の中の波佐間悠子がちょっとショックを受けていたけれど、今はそれどころではない。
「…そんな不埒な連中を好き放題させておくしかないなんて…許せませんわね…」
夢の中とは言え、自分の身体を弄ばれたことを思い返すと、今度は羞恥よりも怒りが込みあがってきた。
そもそも、そんな奴がこの世界を自由にふらふらしているなんて、下手をしたら自分だけではなくアリシアまでその魔の手に襲われてしまう可能性があるのではないか???と、気がついてしまった。
もしそんなことになったら…?想像しただけで腸が煮えくり返りそうになる。
「エリスレア様…。お怒りはご尤もですが…」
ふつふつとこみ上げる怒りに震える私を、マーニャが心配そうな目で見ている。
「まだ候補とは言え、正式なこの国の王子の婚約者であるわたくしに淫らな夢を見せて辱めるなど、死罪に値する行為だと思いませんこと?」
「…それは確かにそうですが…」
「それに、そんなものを調子に乗らせておいたら更に被害者が増えるかもしれないのですわよね?」
「ええ…まぁ…」
マーニャは、恐らく私がろくでもないことを言い出そうとしていることを察しているのだろう。何となく引き気味の様子だ。
しかし、私は怖いもの知らずの我儘悪役令嬢(キャラ変中ではあるけれど…)。都合の悪い事に聞こえないふりもお手の物だ。
「ねぇ、マーニャ? わたくし、自分が夢で受けたような辱めを、もし貴女や折角仲良くなれた友人のアリシアが受けたら…って思うと、絶対に許せない気持ちになりますのよ」
「エリスレア様…そのお気持ちはとても光栄ですが、そのせいで貴女が危険なことに首を突っ込むなんてことになったら…その方が、私もアリシアも心配してしまいます」
「マーニャ」
「…」
マーニャは眉間に皴を寄せた顔のまま返事をしない。
私は更に彼女の名前を呼ぶ。
「マーニャ」
「…はい」
彼女は観念したように返事をした。
「夢魔を捕まえる方法を教えて頂戴」
「本気ですか…?」
「勿論よ」
「…あの、せめて、せめて他のものにご命令下さい。王子の婚約者候補である貴女にそんなことをさせたとなれば、私だって先生だって王様に何を言われるか…」
「だからこそ、内密に…ですわよ」
当たり前でしょう?という調子で肩を竦めると、マーニャは心底困った顔で眉を潜めた。私を何とか言いくるめられないか必死に考えているのだろう。
「エリスレア様、貴女って人は…」
「ふふふ。貴女のことですもの。知ってるんでしょう?」
「…………まぁ、ある程度の推測はしているのは確かですけれど…」
「そう来なくちゃ。…ね、うら若き乙女の純情を弄ぶ悪質な魔物を、わたくしたちで成敗してしまいましょう?」
逃がさないと言わんばかり、私はマーニャの手をぎゅっと握ってしまう。巻き込んでしまうのは申し訳ないが、一人で出来ることには限界がある。
私の可愛いアリシアの貞操が、わけのわからない夢魔に奪われてしまうかも知れないなんてことを考えたら、もう私はなりふり構ってはいられないのだ。
打倒!クソったれインキュバス!!!ですわよ!
************
「…サキュバスやインキュバス…総じて夢魔といわれているこの魔物たちが、いつどんな手段を用いて人里にやってくるかのメカニズムはまだ解明されていません。…ですが、一件彼らが原因だと思われる事例が報告されると、同時期にそのすぐ近辺でばかり連続して同じような事例が報告される…と言うことが非常に多いのです」
「一人の夢に入り込んだ夢魔が、その周辺の夢を食い荒らしている…という感じですかしら?」
「恐らくは―…。そして、その辺りが、私が彼らが恐らく”夢から夢へ”渡り歩いているのではないか?と推測している理由ですね…」
「…もしかしたら乗り移れる夢の距離?にも制限があるのかもしれませんわね」
「ええ」
「…という事は、今、わたくしの中に夢魔が居るとしたら、この夢魔の気まぐれで私の周囲の人間に取り付いてしまう可能性が高いということですわよね」
「……その可能性が高いかと………」
「……………」
「……………」
「マーニャ、夢魔を捕まえる方法と言うのはどう言うものを考えていますの?」
「…夢魔は魔法的な力で夢に入り込んでいるとされていますので…、夢魔が夢に入り込んでいる方が寝ているところに解除魔法をかけ、無理やり夢から引き摺り出す…という感じですね」
「なるほどね…」
「………………」
「それじゃあ、マリエッタには話しを通しておきますので、今夜はわたくしの部屋にいらして下さいませね」
私はマーニャにそうニッコリと微笑んだ。
気がつかないふりをしたけれど、マーニャは何処か遠い目をして頷いた。
医務室で看護師のマーニャと向き合いながら、私は、彼女の口から飛び出してきた思いも寄らない単語に思わず眉を潜めた。
マーニャはそんな私の動揺にも臆することなく言葉を続ける。
「…はい。サキュバスやインキュバスと言われることもある魔物ですね」
「は、はぁ…」
「彼らは人間の夢に入り込み、その人間に淫らな夢を見せることで精気を…つまり、生命エネルギーを吸収して自らの命を維持する魔物だと言われていますね」
オタクだった波佐間悠子の記憶の引き出しには当然サキュバスやインキュバスという知識はあったものの、エリスレアにとっては初めての情報だ。
この世界における彼らがどんな存在であるかの確認も兼ね、知らなかったという体で話を聞いていこう。
「…勝手に人の夢に侵入してエネルギーを吸って行く魔物と言う事ですの?」
「そういう事になります。実を言いますと、これまでも年に数件程度被害の報告はあったのですが、人々の夢の中を移動してくる…という、捕まえ難い生態をしていることもありまして、何らかの対策を練るよりも彼らが満足して去っていくのを待つのが一番簡単だと言われているくらいなのですよね…」
「…そうでしたの…」
まさか悠チェリの世界にこんな如何わしい魔物が存在していたなんて…。と、私の中の波佐間悠子がちょっとショックを受けていたけれど、今はそれどころではない。
「…そんな不埒な連中を好き放題させておくしかないなんて…許せませんわね…」
夢の中とは言え、自分の身体を弄ばれたことを思い返すと、今度は羞恥よりも怒りが込みあがってきた。
そもそも、そんな奴がこの世界を自由にふらふらしているなんて、下手をしたら自分だけではなくアリシアまでその魔の手に襲われてしまう可能性があるのではないか???と、気がついてしまった。
もしそんなことになったら…?想像しただけで腸が煮えくり返りそうになる。
「エリスレア様…。お怒りはご尤もですが…」
ふつふつとこみ上げる怒りに震える私を、マーニャが心配そうな目で見ている。
「まだ候補とは言え、正式なこの国の王子の婚約者であるわたくしに淫らな夢を見せて辱めるなど、死罪に値する行為だと思いませんこと?」
「…それは確かにそうですが…」
「それに、そんなものを調子に乗らせておいたら更に被害者が増えるかもしれないのですわよね?」
「ええ…まぁ…」
マーニャは、恐らく私がろくでもないことを言い出そうとしていることを察しているのだろう。何となく引き気味の様子だ。
しかし、私は怖いもの知らずの我儘悪役令嬢(キャラ変中ではあるけれど…)。都合の悪い事に聞こえないふりもお手の物だ。
「ねぇ、マーニャ? わたくし、自分が夢で受けたような辱めを、もし貴女や折角仲良くなれた友人のアリシアが受けたら…って思うと、絶対に許せない気持ちになりますのよ」
「エリスレア様…そのお気持ちはとても光栄ですが、そのせいで貴女が危険なことに首を突っ込むなんてことになったら…その方が、私もアリシアも心配してしまいます」
「マーニャ」
「…」
マーニャは眉間に皴を寄せた顔のまま返事をしない。
私は更に彼女の名前を呼ぶ。
「マーニャ」
「…はい」
彼女は観念したように返事をした。
「夢魔を捕まえる方法を教えて頂戴」
「本気ですか…?」
「勿論よ」
「…あの、せめて、せめて他のものにご命令下さい。王子の婚約者候補である貴女にそんなことをさせたとなれば、私だって先生だって王様に何を言われるか…」
「だからこそ、内密に…ですわよ」
当たり前でしょう?という調子で肩を竦めると、マーニャは心底困った顔で眉を潜めた。私を何とか言いくるめられないか必死に考えているのだろう。
「エリスレア様、貴女って人は…」
「ふふふ。貴女のことですもの。知ってるんでしょう?」
「…………まぁ、ある程度の推測はしているのは確かですけれど…」
「そう来なくちゃ。…ね、うら若き乙女の純情を弄ぶ悪質な魔物を、わたくしたちで成敗してしまいましょう?」
逃がさないと言わんばかり、私はマーニャの手をぎゅっと握ってしまう。巻き込んでしまうのは申し訳ないが、一人で出来ることには限界がある。
私の可愛いアリシアの貞操が、わけのわからない夢魔に奪われてしまうかも知れないなんてことを考えたら、もう私はなりふり構ってはいられないのだ。
打倒!クソったれインキュバス!!!ですわよ!
************
「…サキュバスやインキュバス…総じて夢魔といわれているこの魔物たちが、いつどんな手段を用いて人里にやってくるかのメカニズムはまだ解明されていません。…ですが、一件彼らが原因だと思われる事例が報告されると、同時期にそのすぐ近辺でばかり連続して同じような事例が報告される…と言うことが非常に多いのです」
「一人の夢に入り込んだ夢魔が、その周辺の夢を食い荒らしている…という感じですかしら?」
「恐らくは―…。そして、その辺りが、私が彼らが恐らく”夢から夢へ”渡り歩いているのではないか?と推測している理由ですね…」
「…もしかしたら乗り移れる夢の距離?にも制限があるのかもしれませんわね」
「ええ」
「…という事は、今、わたくしの中に夢魔が居るとしたら、この夢魔の気まぐれで私の周囲の人間に取り付いてしまう可能性が高いということですわよね」
「……その可能性が高いかと………」
「……………」
「……………」
「マーニャ、夢魔を捕まえる方法と言うのはどう言うものを考えていますの?」
「…夢魔は魔法的な力で夢に入り込んでいるとされていますので…、夢魔が夢に入り込んでいる方が寝ているところに解除魔法をかけ、無理やり夢から引き摺り出す…という感じですね」
「なるほどね…」
「………………」
「それじゃあ、マリエッタには話しを通しておきますので、今夜はわたくしの部屋にいらして下さいませね」
私はマーニャにそうニッコリと微笑んだ。
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