上 下
21 / 120
高校生

第20話 学校イチ美少女と初詣

しおりを挟む
 年は明け、一月一日元日。
 俺と六花は初日の出を家から見たあと、初詣に行くことにした。
 俺は洋服の上にコートを羽織った普通の格好だが、六花はピンク色の着物を着ている。
 俺的には似合うとは思うが、わざわざ着物を着なくてもいいんじゃないかとも思う。
 
 「六花、着物着る必要あるの?」

 そう言うと六花は肩をすくめ、

 「分かってないなー。こーいうのは気持ちが大事なんだよ!」

 そう言った。
 俺が聞きたいのは着物を着る必要性なのだが……。

 「お!隼人、神社に着いたよ!」

 神社に到着すると、結構人が集まっていた。
 参道の両脇にはたこ焼きや焼きそばなどの屋台がたくさん並んでいる。

 「……グー」

 誰かの腹が鳴ったな。
 横にいる六花を見ると、顔を赤くしてお腹を恥ずかしそうに押さえていた。
 
 「何か食べるか?」

 俺がそう聞くと、よっぽどお腹が空いていたのだろう。すぐに食いついてきた。

 「じゃあ、たこ焼き!」

 「俺もついでに食べるか。六花、少しそこで待っとけ」

 俺はたこ焼きの屋台に向かい、たこ焼きを二人分購入した。

 「ふぅー……ごちそうさま!」

 「はやいな」

 六花にたこ焼きを渡して、約三分後に全てをたいらげていた。ちなみにたこ焼きは八個入りで作りたてのアツアツである。

 「そうかな?隼人が遅いだけだよ笑」

 八個入りのアツアツたこ焼きを約三分で食べ終えた者はそう言った。
 いやいや、普通は違うよ!君が早すぎるだけ!
 俺も食べ終えると、参拝しに行きたいということで本殿に向かった。

 「結構並んでいるな……」

 列は本殿から五十メートルほどになっていた。
 待つこと、三十分。やっと本殿に辿り着くと、それぞれ五円玉を入れて、参拝をした。
 たった五円と思う人もいるかもしれないが、ちゃんと意味があるんだからね!五円……ご縁。
 参拝を終え、また屋台が立ち並ぶ参道に向かう最中、どんな願いをしたか聞いてみた。

 「六花はどんな願い事をしたんだ?」

 六花は少し考えたあと、イタズラっぽい笑顔で

 「隼人にはナイショ!」

 と、言われた。
 なので、逆に六花も俺の願い事を聞いてきたので、

 「六花にはナイショ!」

 と、真似をしたらみぞを殴られた。……痛い!
 俺は涙目になりながら、次は何をするか聞いたら、もう家に帰ろうということだった。

 「まだ何か食べたいものとかあれば買うが、いいのか?」

 「うん、今日はもう家でゆっくりしたい」

 俺たちは神社を出ると、店で予約していたおせちを取りに行き、午後十二時まえに家に帰り着いた。
しおりを挟む

処理中です...