俺に婚約者?!

ながしょー

文字の大きさ
3 / 15

第3話 クラスマッチ!

しおりを挟む
 ときは過ぎ、7月中旬頃の朝、体操服を着た俺は学校のグラウンドのすみに座り込んでいた。
 1学期も残りわずかとなったこの日、クラスマッチがあった。
 太陽はギンギンと照りつけ、雲ひとつない青空が広がっていた。
 俺は空を見上げて.........暑いし、だっる
 俺、クラスマッチに参加する必要あるかな?特に何かできるというわけでもねーし
 てか、種目はサッカーなのか.........
 憂鬱になりながら黄昏ていたとき、向こうから聞き覚えのある声がした。

 「おーい優希、何しんでだよ」

 「悠人か…別に何もしてねーぞ」

 こいつは同じクラスの室田悠人。
 記憶を無くしたあとから結構話しかけてきてくれて、俺の親友である。
 サッカー部に所属しており、背は高く、学校イチのイケメンである。また、成績も優秀だから女子からはモテまくっている。
 クソっ!羨ましい!妬ましい!

 「というか、悠人。お前サッカー部だろ?クラスマッチで使うサッカーコートとか作らなくていいのか?」

 「ああ、それもう終わってるぞ。前見てみろよ」

 「!?……いつのまに……」

 「お前どんだけボーとしていたんだよ笑」

 そう言われ、外に付けられた大時計を見るなり、ビックリ!
 1時間ぐらいボーとしながら座っていたのか?!

 「優希、なんか悩みでもあんのか?例の婚約者のこととか?」

 「ぶふぉ……ゴホンゴホン」

 思わず、吹いてしまった。
 ニヤニヤしていたから嫌な予感はしたが…直球すぎるな!
 まあ、だが親友だし、もう1人の婚約者のことを言ってみた。

 「実はさ、もう1人婚約者ができちゃったんだよね!(๑´ڡ`๑)テヘペロ☆」

 「……」

 え、何その沈黙は?!
 真顔になるのはやめて!
 冷たい目で見るのもやめて!

 「優希にもとうとうモテ期がきたんだね!良かったじゃないか!バンザーイ!」

 「え……さっきの沈黙はなんだったの?」

 「別になんとなく?」

 「じゃあ、あの真顔と冷たい目はなんだったの?」

 「別になんとなく?」
 
 「てっめぇえええええ!!!」

 「まぁまぁ怒るなよ。ごめんごめん」

 そりゃー怒るだろ!絶対面白がってやっただろ!

 「で、もう1人の婚約者って誰?」

 「ああ、同じクラスに莉々っているだろ?その子なんだけど、どうやら小学校からの幼馴染らしくて、前から俺のこと好きだったらしいんだよね。それで、俺と美紀との関係を知って、婚約者みたいな感じに強制的にさせられたんだが.........」

 「ふーん……お前は今のこの状況どう思っているんだ?」

 「そりゃー……二人とも可愛いし、嬉しいけど俺には好きな人がいるし、この状況をなんとかしないといけないとは思っている」

 「なら、二人とも婚約解消すればいいじゃん!」

 「それができてれば、もうやってるよ」

 そう、今の状況は本当にやばい。
 自分でもなんとかしないといけないとは思っているがなかなか、いい解決案が生み出せないでいた。

 「優希、俺にいい案があるぞ」

 え?いい案があるって?
 俺、これでも結構毎日考えているが、悠人が自信満々で言うということはよほどいい案なのか?
 俺はすがるような想いで悠人に聞いた。

 「……それは、どういう案なんだ?」

 「婚約を一旦全て解約するんだよ」

 「いやいや、そんな……」

 「まあ、最後まで話を聞け。このままじゃ、修羅場だろ?だから、一旦婚約を解約したあと、結婚できる年、つまり、お前が18歳になるまで2人には勝負をしてもらうんだよ」

 「勝負?」

 「ああ、勝負だよ!成績とかいろいろなことで争ってもらうんだよ!そして、お前が18歳になったときに、勝った数が多い方が結婚できるって言うことにしておけばいいんじゃねーか?まあ、今の二股の状況を退けるぐらいだけどな」

 「なにが二股だ!!!まあ、だけどありがとな」

 俺は悠人が提案してくれたことを美紀と莉々に伝えるために、すぐさまに立ち上がった。
 そして、悠人に別れを告げた。

 「じゃあな!また後で!」

 「おう!」

 後で思ったのだが、「悠人に別れを告げた。」て言うところ、BLぽいな!と思っていながら校舎に入ろうとしたときにちょうど靴箱あたりで美紀と莉々を見つけた。
 今日も2人は言い争っていた。
 莉々との婚約以来、2人は顔を合わせるなり、睨み合い、争っている。犬猿の仲だな!てか、どちらとも婚約した覚えないし、2人が勝手に言っているだけなんだよね!

 「おーい、美紀、莉々話があるんだが…」

 「「なに?」」

 こ、コワイ!てか、声ピッタリそろったし!
 本当はこの2人気が合うんじゃなかろうか…
 てか、それどころじゃない!早く悠人が出してくれた案を伝えないと!

 「あのー……えっとー……」

 「「何よ早く言いなさいよ!」」

 やっぱりこの2人気が合うんだな!
 恐る恐る俺は覚悟を決め、言った。

 「実は2人に提案があるんだけど、婚約を解約しよう!」

 「「は?」」

 「ちょっと待って!!2人とも怖いよ!!落ち着いて、聞いて欲しいんだけど、このままだと修羅場になるから……」

 「「もう、なってるわよ!!」」

 ですよねー。2人のことを見て分かってました。

 「と、とりあえず、結婚できるのは俺が18歳になってからだから、婚約を解消したあと2人には勝負をしてもらいましゅっ!」

 やべぇ。怖いよ怖いよ!てか、「ましゅっ」てなんだよ!こういうときに噛むなんて有り得ないだろ!

 「勝負ってなんですか?」

 「勝負ってなによ?」

 美紀と莉々がそれぞれ問う。

 「勝負の内容は成績とかいろいろ……かな。そして、俺が18歳になった頃に勝った数が多い方が結婚できるっていうのはど、どうかな?」

 「……」

 「……」

 2人とも口を固く閉ざしてしまった。というより、考えているのだろう。
 そして、どちらかともなく2人は固く結んでいた口を開いた。

 「わかりました。私はそれでいいと思います」

 「わかったわよ。うけてたつわ!」

 2人の目にはメラメラとした炎が燃えているように見える。
 幻覚かと思って目を擦ったがなぜか見える。新たな能力に目覚めちゃたのかしらん。
 ともかく俺は今日のクラスマッチから勝負ということを伝えたところ、

 「わかりました。優希くんのためにも勝ってみせます」

 「なによ!私が絶対に勝ってやるんだから!」

 こうしているうちにチャイムがなり、開催式のためみんなは一旦体育館に向かったのだった。

 開催式の後、俺はグラウンドにでた。
 この学校のクラスマッチはトーナメント式で1年から3年までの全クラスが競い争う。1試合20分。
 俺のクラスは1試合目からで相手は2年A組だ。
 正直、俺がいなくても俺のクラスにはサッカー部が5人もいるし、この勝負は勝てるだろう。
 
 「ピーッ!」

 試合開始のホイッスルがなった。
 俺は左サイドのディフェンスにいった。
 それから20分後……

 「ピーッピッピー!!」

 試合終了のホイッスルがなった。
 5ー0で圧勝だった。
 試合終了後、俺は女子の試合の方を見に行った。
 試合は始まっており、莉々がいる俺たちのクラス、1年A組 VS 美紀の1年B組だ。
 俺は、莉々と美紀を探したが、なぜかいない。
 どこなんだ……と辺りを見回していると2人とも揃って先生と話している。いや、怒られている。
 試合終了後、同じクラスの女の子に聞いたところ、美紀にボールがパスされたさい、莉々が美紀に目掛けてタックルをしたらしい。まだ、これくらいならファールでもないと思うが、腹を立てた美紀は莉々を殴ったらしい。それで殴り合いのケンカで先生に呼び出されたという。
 ……殴り合いって、男か!お前ら!
 まあ、この勝負はドローだな!てか、どちらとも負けだよ負け!
 このあと、俺は次の試合に向けて悠人たちがいるところに向かった。

 放課後、惜しいところで3年C組に負け、俺たちのクラスは準優勝になり、クラスマッチは無事、終えることができた。
 殴り合いのケンカをしたあの2人はというと……まだケンカをしていた。
 俺は逃げるように家に帰り、疲れたため、夕食、風呂をすませた後、すぐにベッドで深い眠りについたのだった。
 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

『専属メイド全員が重すぎる愛で迫ってくる!~大学生の僕、11人?の美女に24時間甘やかされ尽くす生活~』

まさき
青春
僕は、ちょっと普通じゃない日常を送ることになった――それは、専属メイドが全員僕のことを溺愛してくれる暮らしだ。 朝は髪を整えてくれるリナ、朝食で笑顔を見せてくれるミユ、どの瞬間も全力で僕を甘やかす。掃除、料理、悩み相談まで、僕のためだけに動くメイドたち。 「ご主人様の笑顔が見たいんです」 その一言で、僕の毎日はちょっとドキドキ、ちょっと幸せ。 全員が僕を独占したいと競い合う日常の中、僕はどうやってこの溺愛地獄(?)を生き抜けばいいのか――!? 甘々、至れり尽くせりの日常ラブコメ、開幕。

普段高校生ゲーム実況者として活動している俺だが、最近仲良くなりつつあるVTuberが3人とも幼馴染だった件について。

水鳥川倫理
青春
主人公、目黒碧(めぐろあお)は、学校では始業時間になっても現れない遅刻常習犯でありながら、テストでは常に学年トップの高得点を叩き出す「何とも言えないクズ」として教師たちから扱いにくい存在とされている。しかし、彼には誰にも明かせない二つの大きな秘密があった。 一つ目の秘密は、碧が顔を隠し、声を変えて活動する登録者数158万人を誇るカリスマゲーム実況者「椎崎(しいざき)」であること。配信中の彼は、圧倒的なゲームスキルと軽妙なトークでファンを熱狂させ、学校での「クズ」な自分とは真逆の「カリスマ」として存在していた。 二つ目の秘密は、彼が三人の超絶可愛い幼馴染に囲まれて育ったこと。彼らは全員が同じ誕生日で、血の繋がりにも似た特別な絆で結ばれている。 習志野七瀬(ならしのななせ): 陽光のような明るい笑顔が魅力のツンデレ少女。碧には強い独占欲を見せる。 幕張椎名(まくはりしいな): 誰もが息をのむ美貌を持つ生徒会副会長で、完璧な優等生。碧への愛情は深く、重いメンヘラ気質を秘めている。 検見川浜美波(けみがわはまみなみ): クールな外見ながら、碧の前では甘えん坊になるヤンデレ気質の少女。 だが、碧が知らない三重目の秘密として、この三人の幼馴染たちもまた、それぞれが人気VTuberとして活動していたのだ。 七瀬は元気いっぱいのVTuber「神志名鈴香」。 椎名は知的な毒舌VTuber「神楽坂遥」。 美波はクールで真摯なVTuber「雲雀川美桜」。 学校では周囲の視線を気にしながらも、家では遠慮なく甘え、碧の作った料理を囲む四人。彼らは、互いがカリスマ実況者、あるいは人気VTuberという四重の秘密を知らないまま、最も親密で甘い日常を謳歌している。 幼馴染たちは碧の「椎崎」としての姿を尊敬し、美波に至っては碧の声が「椎崎」の声に似ていると感づき始める。この甘くも危険な関係は、一つの些細なきっかけで秘密が交錯した時、一体どのような結末を迎えるのだろうか。

幼馴染が家出したので、僕と同居生活することになったのだが。

四乃森ゆいな
青春
とある事情で一人暮らしをしている僕──和泉湊はある日、幼馴染でクラスメイト、更には『女神様』と崇められている美少女、真城美桜を拾うことに……? どうやら何か事情があるらしく、頑なに喋ろうとしない美桜。普段は無愛想で、人との距離感が異常に遠い彼女だが、何故か僕にだけは世話焼きになり……挙句には、 「私と同棲してください!」 「要求が増えてますよ!」 意味のわからない同棲宣言をされてしまう。 とりあえず同居するという形で、居候することになった美桜は、家事から僕の宿題を見たりと、高校生らしい生活をしていくこととなる。 中学生の頃から疎遠気味だったために、空いていた互いの時間が徐々に埋まっていき、お互いに知らない自分を曝け出していく中──女神様は何でもない『日常』を、僕の隣で歩んでいく。 無愛想だけど僕にだけ本性をみせる女神様 × ワケあり陰キャぼっちの幼馴染が送る、半同棲な同居生活ラブコメ。

至れり尽くせり!僕専用メイドの全員が溺愛してくる件

こうたろ
青春
普通の大学生・佐藤健太は目覚めると、自宅が豪華な洋館に変わり10人の美人メイドたちに「お目覚めですか、ご主人様?」と一斉に迎えられる。いつの間にか彼らの“専属主人”になっていた健太は戸惑う間もなく、朝から晩までメイドたちの超至れり尽くせりな奉仕を受け始める。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

小さい頃「お嫁さんになる!」と妹系の幼馴染みに言われて、彼女は今もその気でいる!

竜ヶ崎彰
恋愛
「いい加減大人の階段上ってくれ!!」 俺、天道涼太には1つ年下の可愛い幼馴染みがいる。 彼女の名前は下野ルカ。 幼少の頃から俺にベッタリでかつては将来"俺のお嫁さんになる!"なんて事も言っていた。 俺ももう高校生になったと同時にルカは中学3年生。 だけど、ルカはまだ俺のお嫁さんになる!と言っている! 堅物真面目少年と妹系ゆるふわ天然少女による拗らせ系ラブコメ開幕!!

隣の家の幼馴染と転校生が可愛すぎるんだが

akua034
恋愛
隣に住む幼馴染・水瀬美羽。 毎朝、元気いっぱいに晴を起こしに来るのは、もう当たり前の光景だった。 そんな彼女と同じ高校に進学した――はずだったのに。 数ヶ月後、晴のクラスに転校してきたのは、まさかの“全国で人気の高校生アイドル”黒瀬紗耶。 平凡な高校生活を過ごしたいだけの晴の願いとは裏腹に、 幼馴染とアイドル、二人の存在が彼の日常をどんどんかき回していく。 笑って、悩んで、ちょっとドキドキ。 気づけば心を奪われる―― 幼馴染 vs 転校生、青春ラブコメの火蓋がいま切られる!

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

処理中です...