寝起きで転生 ~鍋から始める魔王討伐~

べるんご

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迷子の迷子のDK譚

いざ、王都へ

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「だるいってほんまに」


「そんなに気を落とさないでくださいよぉ」


俺は今、本気で泣いている。
加減せずに燃やしたせいでムカデソードはあのキモいクソ植物ごとパァになってしまった。


「ほら、焼け跡を漁れば出てくるかも知れませんよ!」


「無理だよぉ。虫は炎に弱いってゲームで学んだもーん」


「そのゲームで岩は燃えにくいとか学ばなかったんですか?」


「鋼は燃えちゃったもん」


「そうそう簡単に燃えるわけないでしょ!さぁ、いつまでも体操座りしてないで探してみる!」


ケツを制裁されて、無理矢理焼け跡を捜索させられる。
何時間か前まで元気にウゾウゾしていた植物は、根本の一部を除いてほとんど炭になっていた。


「これじゃあ金にも代えられないし……あーあ、もーやだ」


「刀剣一振で大袈裟な……いや、あれ一点モノですね。もう替えが効かないでしょうし、もうちょっと泣いててもいいですよ」


「どぉぉぉしてお前はトドメになるようなこと言っちゃうんだよホントにさあああっ!!」


むしゃくしゃして足元の炭の塊を蹴飛ばすと、何やらキラリと光るものが。


「ンだよクソがッ!今さら宝石なんか要らねぇよ!」


「要らないならください」


「やらんッッッ!!」


その光っていたものを少しずつ掘り出していく。
少しずつ姿を表していくそれは……


「……え、え、ちょ、……あぇっ!」


燃え尽きたはずの、ムカデソードだった。


「なんだ、やっぱりあるじゃないですか。ギャン泣きする必要無かったですねぇ」


炭で刀身がくすんでいるが、それでもあのムカデソードだ。
折れてもいないし、刃こぼれもしていない。
元々、虫の体にくっついていたものだから、もうダメかと思っていたが……。


「大体ユーマくんはですねぇ、考えが足らないんですよ。散々炎を纏わせておいて、いざ本格的に燃えたらギャン泣きとか、バカじゃないのかと」


「ほんとすんません」


木製だった柄は本当に燃え尽きていたが、それ以外は無事だった。
修理すればまた振り回せるだろう。

漁るべきを漁り尽くした俺達は、周りの遺体を一ヶ所に集めて祈りを捧げる。
腐敗が始まってしまっていて気持ちのいいものじゃなかったが、それでも何もせずには立ち去れなかった。
俺も、エルも。


「王都に辿り着いたら、まず彼らの報告をしないといけませんね。増援くらい、もう来ていてもいい頃合いですが」


「どこも大変なんだろ。ムカデとかラフレシアとか、そんなのがもっと居るんだろうから。……さぁ、行こうか」


ようやく森を抜け、街道を歩く俺達。
その先には、この世界で始めて目にするみやこの堂々たる姿があった。
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