俺の学園生活をこれ以上めちゃくちゃにしないでくれ!!

雪鵠夕璃

文字の大きさ
16 / 66
一学期【中間試験】編

ドタバタなテスト勉強一日目は終わる

しおりを挟む

カーテンの隙間から見える外は真っ暗で、時々、街灯の光が暗くなったり明るくなったりと点滅を繰り返している。

「はぁ~、もういやだぁ~」

窓の外を眺めている俺の耳にリィンの疲労感のある声が聞こえてきた。視線をそちらに移せば、散乱した教科書やノートがある机に頬を乗せて脱力するリィンの姿がある。それに対し、レヴィは、俺がやるように指示した問題を黙々と解いていた。

「おい、レヴィを見習ってお前もしっかりやれ」

コツンとシャープペンの持ち手の方で、リィンの頭を軽く小突く。それに合わせて、ピクリと動いたリィンが恨めしそうにこちらに顔を向ける。その動きを見てナメクジみたいだなと思ったが、すぐさま切り替える。

「なんだ?その不満そうな顔は。 悔しかったら勉強しろ、あほ」

再度、頭を軽く小突く。 

「いたっ!? 何すんのよ!馬鹿!」

リィンは体を起こし、叫んだ。その際に机を叩いたことで、黙々と解いていたレヴィの握るシャープペンの芯が折れた。それに気づかずにリィンはワァワァと暴言を吐く。

「・・・・」

乱れぬ呼吸をしていたレヴィの呼吸のリズムが徐々に震え出す。俺はその小さな変化に即座に気づき、リィンを宥めにかかる。

「おい、叫ぶなって!レヴィの邪魔になるだろ!一旦、落ち着け!」

が、そんな言葉を気にとめないリィンは俺が伸ばした手を弾いた。  なんでやつだ!とイラッときたが、ここで自分まで切れたらコイツを止めるヤツがいなくなってしまう。必死に止めようとするが、どんなに声をかけても罵声が飛んでくるだけで一向におさまる気がしない。流石の俺も我慢の限界になり、

「いい加減にし・・・」

「少しは大人しく勉強出来んのか!! 吸血鬼!」

シャーペンを握り潰しながら、レヴィがキレた。しかも、レヴィの怒りを具現するかのように、黒い小さな焔玉が身体からフツフツと姿を現す。 その焔玉が天井に触れるとそこが一瞬にして焦げた。次々と天井に舞っていく焔玉。 

「・・・まじかよ」

俺は、天井に焦げ跡がついていく光景にガックリと項垂れる。このままでは天井全域が焦げてしまう。それだけは避けたい。その為にレヴィを止めなければならない。だが、普通の人間がレヴィの体に触れようものなら、一瞬にして燃え、跡が消えないほどの目にあうだろう。火傷なんて生易しいものじゃない。最悪、肉が焼けて、骨だけが残る可能性も高い。そのため、レヴィのご機嫌取りをするしか方法はない。 とはいえ、レヴィが喜ぶことってなんだろうか。 何も思いつかない。

食べ物でつる方法も考えたが、雫じゃあるまいし効果はないだろう。 必死に解決策を模索する俺の苦労もつゆ知らず、お馬鹿のリィンは立ち向かう気満々だった。

普段は人間と変わらない瞳の色が血のように紅く染まり、ユラユラと黒いオーラが体から溢れ出す。前にこいつから聞いた【狂血化】というモードだ。1度だけ、見たことがあるがまさかここでまた見ることになるとは。

(って、そんな悠長なこと言ってる場合じゃねえ!)

俺は慌てて、タンスに駆け寄り、1番上の引き出しから円柱の缶とガスマスクを取り出す。そして、ガスマスクを自分に付け、缶のタブを開け、床に投げる。すると、缶から漏れ始める白い煙。それは父がお土産として家に送ってきた何度もでも使えるどんな人外にも効く超強力な睡眠ガス『ハイスリープガス』。

「・・・ぁ」

「・・・ぅ」

焔玉を身体から放出させるレヴィと、『狂血化』したリィンは、そのガスをまともに吸ってしまい一瞬にして眠りについた。俺は2人が眠りについたのを確認して、

「はぁ…今日はもう勉強やめよう」

と告げ、缶の中へとガスを吸引し始めた。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

陰キャの俺が学園のアイドルがびしょびしょに濡れているのを見てしまった件

暁ノ鳥
キャラ文芸
陰キャの俺は見てしまった。雨の日、校舎裏で制服を濡らし恍惚とする学園アイドルの姿を。「見ちゃったのね」――その日から俺は彼女の“秘密の共犯者”に!? 特殊な性癖を持つ彼女の無茶な「実験」に振り回され、身も心も支配される日々の始まり。二人の禁断の関係の行方は?。二人の禁断の関係が今、始まる!

サンスクミ〜学園のアイドルと偶然同じバイト先になったら俺を3度も振った美少女までついてきた〜

野谷 海
恋愛
「俺、やっぱり君が好きだ! 付き合って欲しい!」   「ごめんね青嶋くん……やっぱり青嶋くんとは付き合えない……」 この3度目の告白にも敗れ、青嶋将は大好きな小浦舞への想いを胸の内へとしまい込んで前に進む。 半年ほど経ち、彼らは何の因果か同じクラスになっていた。 別のクラスでも仲の良かった去年とは違い、距離が近くなったにも関わらず2人が会話をする事はない。 そんな折、将がアルバイトする焼鳥屋に入ってきた新人が同じ学校の同級生で、さらには舞の親友だった。 学校とアルバイト先を巻き込んでもつれる彼らの奇妙な三角関係ははたしてーー ⭐︎第3部より毎週月・木・土曜日の朝7時に最新話を投稿します。 ⭐︎もしも気に入って頂けたら、ぜひブックマークやいいね、コメントなど頂けるととても励みになります。 ※表紙絵、挿絵はAI作成です。 ※この作品はフィクションであり、作中に登場する人物、団体等は全て架空です。

彼女に振られた俺の転生先が高校生だった。それはいいけどなんで元カノ達まで居るんだろう。

遊。
青春
主人公、三澄悠太35才。 彼女にフラれ、現実にうんざりしていた彼は、事故にあって転生。 ……した先はまるで俺がこうだったら良かったと思っていた世界を絵に書いたような学生時代。 でも何故か俺をフッた筈の元カノ達も居て!? もう恋愛したくないリベンジ主人公❌そんな主人公がどこか気になる元カノ、他多数のドタバタラブコメディー! ちょっとずつちょっとずつの更新になります!(主に土日。) 略称はフラれろう(色とりどりのラブコメに精一杯の呪いを添えて、、笑)

隣の家の幼馴染と転校生が可愛すぎるんだが

akua034
恋愛
隣に住む幼馴染・水瀬美羽。 毎朝、元気いっぱいに晴を起こしに来るのは、もう当たり前の光景だった。 そんな彼女と同じ高校に進学した――はずだったのに。 数ヶ月後、晴のクラスに転校してきたのは、まさかの“全国で人気の高校生アイドル”黒瀬紗耶。 平凡な高校生活を過ごしたいだけの晴の願いとは裏腹に、 幼馴染とアイドル、二人の存在が彼の日常をどんどんかき回していく。 笑って、悩んで、ちょっとドキドキ。 気づけば心を奪われる―― 幼馴染 vs 転校生、青春ラブコメの火蓋がいま切られる!

小学生をもう一度

廣瀬純七
青春
大学生の松岡翔太が小学生の女の子の松岡翔子になって二度目の人生を始める話

俺は陰キャだったはずなのに……なぜか学園内でモテ期が到来した件

こうたろ
青春
友人も恋人も居ないボッチ学生だった山田拓海が何故かモテだしてしまう。 ・学園一の美人で、男女問わず憧れの的。 ・陸上部のエースで、明るく活発なスポーツ女子。 ・物静かで儚げな美術部員。 ・アメリカから来た金髪碧眼でハイテンションな留学生。 ・幼稚園から中学まで毎朝一緒に登校していた幼馴染。 拓海の生活はどうなるのか!?

詠唱? それ、気合を入れるためのおまじないですよね? ~勘違い貴族の規格外魔法譚~

Gaku
ファンタジー
「次の人生は、自由に走り回れる丈夫な体が欲しい」 病室で短い生涯を終えた僕、ガクの切実な願いは、神様のちょっとした(?)サービスで、とんでもなく盛大な形で叶えられた。 気がつけば、そこは剣と魔法が息づく異世界。貴族の三男として、念願の健康な体と、ついでに規格外の魔力を手に入れていた! これでようやく、平和で自堕落なスローライフが送れる――はずだった。 だが、僕には一つ、致命的な欠点があった。それは、この世界の魔法に関する常識が、綺麗さっぱりゼロだったこと。 皆が必死に唱える「詠唱」を、僕は「気合を入れるためのおまじない」だと勘違い。僕の魔法理論は、いつだって「体内のエネルギーを、ぐわーっと集めて、どーん!」。 その結果、 うっかり放った火の玉で、屋敷の壁に風穴を開けてしまう。 慌てて土魔法で修復すれば、なぜか元の壁より遥かに豪華絢爛な『匠の壁』が爆誕し、屋敷の新たな観光名所に。 「友達が欲しいな」と軽い気持ちで召喚魔法を使えば、天変地異の末に伝説の魔獣フェンリル(ただし、手のひらサイズの超絶可愛い子犬)を呼び出してしまう始末。 僕はただ、健康な体でのんびり暮らしたいだけなのに! 行く先々で無自覚に「やりすぎ」てしまい、気づけば周囲からは「無詠唱の暴君」「歩く災害」など、実に不名誉なあだ名で呼ばれるようになっていた……。 そんな僕が、ついに魔法学園へ入学! 当然のように入学試験では的を“消滅”させて試験官を絶句させ、「関わってはいけないヤバい奴」として輝かしい孤立生活をスタート! しかし、そんな規格外な僕に興味を持つ、二人の変わり者が現れた。 魔法の真理を探求する理論オタクの「レオ」と、強者との戦いを求める猪突猛進な武闘派女子の「アンナ」。 この二人との出会いが、モノクロだった僕の世界を、一気に鮮やかな色に変えていく――! 勘違いと無自覚チートで、知らず知らずのうちに世界を震撼させる! 腹筋崩壊のドタバタコメディを軸に、個性的な仲間たちとの友情、そして、世界の謎に迫る大冒険が、今、始まる!

俺が宝くじで10億円当選してから、幼馴染の様子がおかしい

沢尻夏芽
恋愛
 自他共に認める陰キャ・真城健康(まき・けんこう)は、高校入学前に宝くじで10億円を当てた。  それを知る、陽キャ幼馴染の白駒綾菜(しらこま・あやな)はどうも最近……。 『様子がおかしい』 ※誤字脱字、設定上のミス等があれば、ぜひ教えてください。  現時点で1話に繋がる話は全て書き切っています。  他サイトでも掲載中。

処理中です...