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第一章:神聖リディシア王国襲撃編
命がけの尾行
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「それにしても、姉様」
「あら?どうしたの、セリア?」
庭園を出て、城内へと足を踏み入れたセリアは、先を歩くセリナに声をかける。
「うーん。大したことじゃないんだけど、あの子の気配が消えちゃったみたい」
「あの子・・・あぁ、アクトね。まぁ、いいんじゃないかしら?どうせ使い捨ての道具みたいなもんなんだし」
「それもそっか! 使い捨ての道具ならまだまだあるもんね、姉様♪」
セリアはセリナの言葉に納得し、廊下を歩く。どこもかしこも爆発やらなんやらで騒がしい。暫くして長い廊下の先に、騎士達の姿を捉える。どうやら急いでいるみたいで、彼女たちに気づいていない。
「なんであんなに急いでるのかしら?もしかして祭り?」
「はしゃがないの、セリア。こんな時にお祭りなんてするほど人間は強くないわ。恐らく、ファラか、他の捨て駒が見つかったんでしょ。まぁ、私達には関係ない事だし、さっさと主様を見つけてあの方と魔王様の元に帰るわよ」
はしゃぐセリアをなだめながら、セリナは懐から一枚の写真を取り出す。それはどう見てもこの世界に存在しない技術で撮られた物。そしてその写真に映っているのは、一人の青年。
この世界では珍しい黒髪と暗めの黒眼。目の下にうっすらとクマを浮かべた中肉中背。学生服と呼ばれる珍しい服装。
「あの方から渡された、この写真に映るのが主様。とても若くて美味しそう♪」
「あー、ずるい! 姉様には、あの方がいるじゃない!! 出発前に約束したでしょ!主様は私のモノって!!」
セリナの発言にセリアが怒る。
「あ、ごめんなさいね。美味しそうでつい」
「もう!姉様はすぐ気に入ったものはなんでも欲しがろうとするんだから!」
ご立腹のセリアと謝るセリナ。そんな彼女達を背後から襲う者がいた。しかし--
「きもいから死んで」
あと少しで襲撃者の剣が届くという所で、その持ち主の肉体が跡形もなく消し飛んだ。トンっと床に着地したセリアは、吐き捨てるようにそう告げてセリナの元まで駆け寄り、何事も無かったかのように無邪気な少女の笑みを浮かべて歩き始めた。
「な、なんなのよ、あの子達…」
その光景を騎士の更に奥の角でたまたま目撃したヨレヨレの白衣を身につけたヒメライは息を潜めながら小さく呟く。
「外が騒がしいと思って部屋から出てみたら、見知った子達が無惨な死に方してるわ、王様が亡くなり姫ちゃんが新しい王様になってるわ、と情報量多すぎな展開で流石の私も頭が追いつかないわよ」
警戒を解かぬまま、彼女は頭を抱える。数年ぶりにリディシア城が襲撃されたという事は、それほどの相手ということだ。しかし、どこの国の人間達なのだろうか。今はほとんどの国と休戦協定を結んでいる筈だ。という事は今回の襲撃者は国ではなくなにかの組織。ヒメライは自分自身に気配と音を消す魔法をかけ、どこかに向かうセリアとセリナの後を尾行し始めた。
「あら?どうしたの、セリア?」
庭園を出て、城内へと足を踏み入れたセリアは、先を歩くセリナに声をかける。
「うーん。大したことじゃないんだけど、あの子の気配が消えちゃったみたい」
「あの子・・・あぁ、アクトね。まぁ、いいんじゃないかしら?どうせ使い捨ての道具みたいなもんなんだし」
「それもそっか! 使い捨ての道具ならまだまだあるもんね、姉様♪」
セリアはセリナの言葉に納得し、廊下を歩く。どこもかしこも爆発やらなんやらで騒がしい。暫くして長い廊下の先に、騎士達の姿を捉える。どうやら急いでいるみたいで、彼女たちに気づいていない。
「なんであんなに急いでるのかしら?もしかして祭り?」
「はしゃがないの、セリア。こんな時にお祭りなんてするほど人間は強くないわ。恐らく、ファラか、他の捨て駒が見つかったんでしょ。まぁ、私達には関係ない事だし、さっさと主様を見つけてあの方と魔王様の元に帰るわよ」
はしゃぐセリアをなだめながら、セリナは懐から一枚の写真を取り出す。それはどう見てもこの世界に存在しない技術で撮られた物。そしてその写真に映っているのは、一人の青年。
この世界では珍しい黒髪と暗めの黒眼。目の下にうっすらとクマを浮かべた中肉中背。学生服と呼ばれる珍しい服装。
「あの方から渡された、この写真に映るのが主様。とても若くて美味しそう♪」
「あー、ずるい! 姉様には、あの方がいるじゃない!! 出発前に約束したでしょ!主様は私のモノって!!」
セリナの発言にセリアが怒る。
「あ、ごめんなさいね。美味しそうでつい」
「もう!姉様はすぐ気に入ったものはなんでも欲しがろうとするんだから!」
ご立腹のセリアと謝るセリナ。そんな彼女達を背後から襲う者がいた。しかし--
「きもいから死んで」
あと少しで襲撃者の剣が届くという所で、その持ち主の肉体が跡形もなく消し飛んだ。トンっと床に着地したセリアは、吐き捨てるようにそう告げてセリナの元まで駆け寄り、何事も無かったかのように無邪気な少女の笑みを浮かべて歩き始めた。
「な、なんなのよ、あの子達…」
その光景を騎士の更に奥の角でたまたま目撃したヨレヨレの白衣を身につけたヒメライは息を潜めながら小さく呟く。
「外が騒がしいと思って部屋から出てみたら、見知った子達が無惨な死に方してるわ、王様が亡くなり姫ちゃんが新しい王様になってるわ、と情報量多すぎな展開で流石の私も頭が追いつかないわよ」
警戒を解かぬまま、彼女は頭を抱える。数年ぶりにリディシア城が襲撃されたという事は、それほどの相手ということだ。しかし、どこの国の人間達なのだろうか。今はほとんどの国と休戦協定を結んでいる筈だ。という事は今回の襲撃者は国ではなくなにかの組織。ヒメライは自分自身に気配と音を消す魔法をかけ、どこかに向かうセリアとセリナの後を尾行し始めた。
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