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第四章 変わってく、君と私
進路、未来、そして君
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秋も深まってきたある日。
教室では、進路希望調査の紙が配られた。
「もうこんな時期かぁ……」
憧子は、ふぅっとため息をつく。
バスケを続けたい気持ちもあるけれど、将来の夢はまだ決まっていない。
目の前の“今”で精一杯だった。
──
放課後。
教室の裏庭にあるベンチで、和真と憧子は並んで座っていた。
「進路、決まった?」
和真が静かに聞く。
「ううん、まだ迷ってる。和真は?」
「オレはね、スポーツ推薦の話が来てて、県外の大学も視野に入ってる」
「……県外、かぁ」
思わずこぼれた言葉に、和真がそっと憧子を見る。
「でも、まだ決めたわけじゃない。
……憧子と離れたくないって思っちゃうから、余計に迷ってる」
その言葉に、憧子の胸がぎゅっとなる。
「わたしも。……ううん、わたしのせいで選択狭めてほしくないって思うのに、そう言われると、ちょっと嬉しいのが悔しい」
和真が笑う。
「そっか。じゃあ、お互いちゃんと悩んで決めよう。後悔しないように」
──
その頃、陽菜もまた、進路のことで頭を抱えていた。
音楽をあきらめて美術に転んだばかり。
今の自分が何をしたいのか、まだはっきり見えていない。
「将来とか言われてもねー」
と、陽菜は美術室で絵を描きながら航太にこぼす。
「そんな急に見つかるもんじゃないし。私さ、好きなことには真っ直ぐになれるけど、それ以外は全然自信ないの」
航太は、筆を持つ手を止めてぽつりと言う。
「……でも、それだけ“好き”に正直になれる陽菜は、すげぇと思うよ」
思いがけない言葉に、陽菜は目を丸くする。
「……なにそれ、ずるい」
「え?」
「そういうとこだよ、惚れたの」
そう言って、陽菜はほんの少しだけ、照れながら笑った。
──
それぞれが、「今」と「これから」を見つめ始める秋。
誰かのために悩むことも、
自分のために選ぶことも、
きっと全部、恋の一部なんだ。
教室では、進路希望調査の紙が配られた。
「もうこんな時期かぁ……」
憧子は、ふぅっとため息をつく。
バスケを続けたい気持ちもあるけれど、将来の夢はまだ決まっていない。
目の前の“今”で精一杯だった。
──
放課後。
教室の裏庭にあるベンチで、和真と憧子は並んで座っていた。
「進路、決まった?」
和真が静かに聞く。
「ううん、まだ迷ってる。和真は?」
「オレはね、スポーツ推薦の話が来てて、県外の大学も視野に入ってる」
「……県外、かぁ」
思わずこぼれた言葉に、和真がそっと憧子を見る。
「でも、まだ決めたわけじゃない。
……憧子と離れたくないって思っちゃうから、余計に迷ってる」
その言葉に、憧子の胸がぎゅっとなる。
「わたしも。……ううん、わたしのせいで選択狭めてほしくないって思うのに、そう言われると、ちょっと嬉しいのが悔しい」
和真が笑う。
「そっか。じゃあ、お互いちゃんと悩んで決めよう。後悔しないように」
──
その頃、陽菜もまた、進路のことで頭を抱えていた。
音楽をあきらめて美術に転んだばかり。
今の自分が何をしたいのか、まだはっきり見えていない。
「将来とか言われてもねー」
と、陽菜は美術室で絵を描きながら航太にこぼす。
「そんな急に見つかるもんじゃないし。私さ、好きなことには真っ直ぐになれるけど、それ以外は全然自信ないの」
航太は、筆を持つ手を止めてぽつりと言う。
「……でも、それだけ“好き”に正直になれる陽菜は、すげぇと思うよ」
思いがけない言葉に、陽菜は目を丸くする。
「……なにそれ、ずるい」
「え?」
「そういうとこだよ、惚れたの」
そう言って、陽菜はほんの少しだけ、照れながら笑った。
──
それぞれが、「今」と「これから」を見つめ始める秋。
誰かのために悩むことも、
自分のために選ぶことも、
きっと全部、恋の一部なんだ。
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