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第11話 ルクレツィアとの再会
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ラウナス大神官と話し合ってからカークは解読の手掛かりを探し続けた。
だが一向に掴めないまま、父親との約束の期限である1学年が終了する日が訪れた。
アルシウスもクレイもレオナードも皆、ルクレツィアが目覚めないままなのでどこかいつもと違った。
アルシウスは一見いつも通りに見えるが、やはり、カークにはいつもと違い無理をしているのが分かる。
教室で1学年最後の挨拶を先生から聞いていた時、急に教室の扉が開いた。
学園の事務員が慌てて姿を現すと、先生にメモを渡した。
先生がそのメモを確認して驚きの表情を見せると、アルシウスを見て言った。
「ルクレツィア・モンタール嬢の意識が回復したそうだ。直ぐに……」
そう言ったところで、ガタッと大きな音を立ててクレイが立ち上がった。
生徒が一斉にクレイを振り返る。
クレイはそんな事も構わず、そのまま駆け出すと教室を飛び出していった。
一同その様子を呆気にとられながら眺めているとアルシウスが口を開いた。
「先生、では私もこれで失礼させて下さい。」
頭を下げてそう言った後、アルシウスはカークとレオナードに視線を向けた。
「カーク、レオ、後は頼んだ。」
2人が頷くのを確認すると、アルシウスは足早に教室を後にした。
カークの胸に喜びが込み上げてくる。
モンタール嬢がようやく目を覚ました。
彼女が助かって本当に良かった。
そこまで関わりがなかった人だけれど、自分の大切な人達がずっと生気がない様子を見れば他人事には感じられなかった。
そして、メルファが涙して喜んでいるだろうと想像して、顔が自然と綻んでいくのを感じた。
本当に、良かった……。
◈·・·・·・·◈·・·・·・·◈
それから王城が俄かに慌ただしくなり父親も国王の補佐をしているため、1学年を終了してもまだカークが呼び出される事はなかった。
当然、聖女との結婚が可能かの証明はまだ出来ていない。
そんな中、意外な人物から手紙が来た。
その差出人はルクレツィアだった。
内容は、快気祝いのお礼の言葉とお見舞いに来て欲しいという申し出が書かれていた。
カークは不思議に思ったがきっと何かあると思い、了承の手紙を返した。
後日、今だ王城で療養中のルクレツィアの私室へとお見舞いに向かったカークは、中へ入ると直ぐに応接間に座っていたルクレツィアを見つけた。
ルクレツィアはカークを確認すると直ぐに立ち上がり、声を掛けてきた。
「わざわざお呼び立てしてすみません。来てくれてありがとうございます。どうぞ、お掛け下さい。」
「こちらこそ、療養中にもかかわらずお声掛けしていただき、ありがとうございます。」
カークが儀礼の挨拶をした後、促された席に着いた。
侍女がカークのお茶を用意すると、奥に下がっていった。
カークはその用意されたお茶を口に含むと、ルクレツィアが口を開いた。
「ユリゲル様。お祝いの品ありがとうございました。改めてお礼を言わせていただきます。」
「いいえ。本当に元気になられて良かったです。モンタール嬢が目覚めていない時の周囲の人々は普段と変わらない様にあろうと無理をしていて、とても居たたまれないものでした。そんな時に何もできない自分が歯痒かった……」
「そうでしたか……」
ルクレツィアが少し眉を顰めた。
それから直ぐに立ち上がると言った。
「ユリゲル様。此度の騒動。あなたには全く非がありません。それなのに多大なる心配とご迷惑をお掛けしてしまいました。本当に、申し訳ありませんでした。」
ルクレツィアが深々と頭を下げた。
カークが慌てて立ち上がると、それを否定した。
「それを言うならモンタール嬢も同じです。頭を上げて下さい。今回の事はあなたのせいじゃない。言うなれば、この様な事を起こしたのは神です。あなたが起こした訳ではありませんから。神がそう運命を作ったなら、私達にはどうしようもない……」
ルクレツィアが顔を上げると、瞳が潤んでいる。
「そうかもしれません……。でも私がもっとしっかりしていれば、メルファも悲しませずに済んだかもしれない。もっと、違う未来が作り出せたかもしれません。」
ルクレツィアの手に力が込められた。
「モンタール嬢。それは結果論です。そうだったかもしれないし、もっと悪い結果だったかもしれません。ですが、これだけは言えます。あなたが精一杯生きようと努力していた事を私達は知っています。結果、あなたは助かった。それが今の全てです。それが一番大事な事だと思うのです。違いますか?」
カークが力強い声で、ルクレツィアに問い掛けた。
ルクレツィアは目元を少し押さえると、直ぐにカークを真っ直ぐに見詰めた。
「そう言っていただいて、嬉しいです。ありがとうございます。そうですね。私は目覚めて、周囲の人々に本当に愛されているんだと実感させて貰いました。だから……この命、大切にしていきたいと改めて思いました。」
「それは良かった。その想いはあなたを想う人々にとって最上の言葉だと思います。」
カークが頷きながら言った。
ルクレツィアも頷くと、真剣な瞳でカークを見詰めた。
「だから、せめてメルファとユリゲル様のお力になるために精一杯尽力させて下さい。私も2人が結ばれるのを心から応援しています。」
カークはその言葉を聞き、心が温かくなっていくのを感じた。
「モンタール嬢が応援して下さるのはとても心強いです。ありがとうございます。」
カークは笑顔で答えた。
ルクレツィアも微笑みを返す。
するとそこで、扉がノックがされてルクレツィアは扉の側にいる侍女に合図を送ると、侍女が扉を開いた。
そして部屋に姿を現したのはメルファだった。
カークは驚いて目を見開いた。
メルファはカークを見て満面の笑みを見せた。
どうやらメルファの方はカークがいる事を知っていた様だ。
そんな中、ルクレツィアが口を開いた。
「お互いに会う事が中々できないと聞きまして、いただいたお祝いに対する私のささやかなお返しです。」
カークはルクレツィアを振り返った。
「モンタール嬢。……これは過分なお返しです。むしろまた何かを送らなければ割に合わない。……本当にありがとうございます。」
カークは立ち上がると、メルファの方へと歩み寄った。
いつも間にか部屋にいる侍女達は消えていた。
カークはメルファの側に寄ると、思わず抱き締めた。
いつもの甘い香りが鼻を擽る。
彼女の香りに包まれて、全てが満たされていくのを感じた。
だが一向に掴めないまま、父親との約束の期限である1学年が終了する日が訪れた。
アルシウスもクレイもレオナードも皆、ルクレツィアが目覚めないままなのでどこかいつもと違った。
アルシウスは一見いつも通りに見えるが、やはり、カークにはいつもと違い無理をしているのが分かる。
教室で1学年最後の挨拶を先生から聞いていた時、急に教室の扉が開いた。
学園の事務員が慌てて姿を現すと、先生にメモを渡した。
先生がそのメモを確認して驚きの表情を見せると、アルシウスを見て言った。
「ルクレツィア・モンタール嬢の意識が回復したそうだ。直ぐに……」
そう言ったところで、ガタッと大きな音を立ててクレイが立ち上がった。
生徒が一斉にクレイを振り返る。
クレイはそんな事も構わず、そのまま駆け出すと教室を飛び出していった。
一同その様子を呆気にとられながら眺めているとアルシウスが口を開いた。
「先生、では私もこれで失礼させて下さい。」
頭を下げてそう言った後、アルシウスはカークとレオナードに視線を向けた。
「カーク、レオ、後は頼んだ。」
2人が頷くのを確認すると、アルシウスは足早に教室を後にした。
カークの胸に喜びが込み上げてくる。
モンタール嬢がようやく目を覚ました。
彼女が助かって本当に良かった。
そこまで関わりがなかった人だけれど、自分の大切な人達がずっと生気がない様子を見れば他人事には感じられなかった。
そして、メルファが涙して喜んでいるだろうと想像して、顔が自然と綻んでいくのを感じた。
本当に、良かった……。
◈·・·・·・·◈·・·・·・·◈
それから王城が俄かに慌ただしくなり父親も国王の補佐をしているため、1学年を終了してもまだカークが呼び出される事はなかった。
当然、聖女との結婚が可能かの証明はまだ出来ていない。
そんな中、意外な人物から手紙が来た。
その差出人はルクレツィアだった。
内容は、快気祝いのお礼の言葉とお見舞いに来て欲しいという申し出が書かれていた。
カークは不思議に思ったがきっと何かあると思い、了承の手紙を返した。
後日、今だ王城で療養中のルクレツィアの私室へとお見舞いに向かったカークは、中へ入ると直ぐに応接間に座っていたルクレツィアを見つけた。
ルクレツィアはカークを確認すると直ぐに立ち上がり、声を掛けてきた。
「わざわざお呼び立てしてすみません。来てくれてありがとうございます。どうぞ、お掛け下さい。」
「こちらこそ、療養中にもかかわらずお声掛けしていただき、ありがとうございます。」
カークが儀礼の挨拶をした後、促された席に着いた。
侍女がカークのお茶を用意すると、奥に下がっていった。
カークはその用意されたお茶を口に含むと、ルクレツィアが口を開いた。
「ユリゲル様。お祝いの品ありがとうございました。改めてお礼を言わせていただきます。」
「いいえ。本当に元気になられて良かったです。モンタール嬢が目覚めていない時の周囲の人々は普段と変わらない様にあろうと無理をしていて、とても居たたまれないものでした。そんな時に何もできない自分が歯痒かった……」
「そうでしたか……」
ルクレツィアが少し眉を顰めた。
それから直ぐに立ち上がると言った。
「ユリゲル様。此度の騒動。あなたには全く非がありません。それなのに多大なる心配とご迷惑をお掛けしてしまいました。本当に、申し訳ありませんでした。」
ルクレツィアが深々と頭を下げた。
カークが慌てて立ち上がると、それを否定した。
「それを言うならモンタール嬢も同じです。頭を上げて下さい。今回の事はあなたのせいじゃない。言うなれば、この様な事を起こしたのは神です。あなたが起こした訳ではありませんから。神がそう運命を作ったなら、私達にはどうしようもない……」
ルクレツィアが顔を上げると、瞳が潤んでいる。
「そうかもしれません……。でも私がもっとしっかりしていれば、メルファも悲しませずに済んだかもしれない。もっと、違う未来が作り出せたかもしれません。」
ルクレツィアの手に力が込められた。
「モンタール嬢。それは結果論です。そうだったかもしれないし、もっと悪い結果だったかもしれません。ですが、これだけは言えます。あなたが精一杯生きようと努力していた事を私達は知っています。結果、あなたは助かった。それが今の全てです。それが一番大事な事だと思うのです。違いますか?」
カークが力強い声で、ルクレツィアに問い掛けた。
ルクレツィアは目元を少し押さえると、直ぐにカークを真っ直ぐに見詰めた。
「そう言っていただいて、嬉しいです。ありがとうございます。そうですね。私は目覚めて、周囲の人々に本当に愛されているんだと実感させて貰いました。だから……この命、大切にしていきたいと改めて思いました。」
「それは良かった。その想いはあなたを想う人々にとって最上の言葉だと思います。」
カークが頷きながら言った。
ルクレツィアも頷くと、真剣な瞳でカークを見詰めた。
「だから、せめてメルファとユリゲル様のお力になるために精一杯尽力させて下さい。私も2人が結ばれるのを心から応援しています。」
カークはその言葉を聞き、心が温かくなっていくのを感じた。
「モンタール嬢が応援して下さるのはとても心強いです。ありがとうございます。」
カークは笑顔で答えた。
ルクレツィアも微笑みを返す。
するとそこで、扉がノックがされてルクレツィアは扉の側にいる侍女に合図を送ると、侍女が扉を開いた。
そして部屋に姿を現したのはメルファだった。
カークは驚いて目を見開いた。
メルファはカークを見て満面の笑みを見せた。
どうやらメルファの方はカークがいる事を知っていた様だ。
そんな中、ルクレツィアが口を開いた。
「お互いに会う事が中々できないと聞きまして、いただいたお祝いに対する私のささやかなお返しです。」
カークはルクレツィアを振り返った。
「モンタール嬢。……これは過分なお返しです。むしろまた何かを送らなければ割に合わない。……本当にありがとうございます。」
カークは立ち上がると、メルファの方へと歩み寄った。
いつも間にか部屋にいる侍女達は消えていた。
カークはメルファの側に寄ると、思わず抱き締めた。
いつもの甘い香りが鼻を擽る。
彼女の香りに包まれて、全てが満たされていくのを感じた。
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