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第10-2話 お母さんは魔導師っ!?
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うおぉぉっと!
お、思わず失礼極まりない言葉を発してしまった気がする!
うぅぅぅん、だって正直、私はあの王様がクエリちゃんと血が繋がってるなんて思ってなかったんだよね。
だってクエリちゃんへの態度があまりに冷たく感じるし、寝所にあったクエリちゃんの絵に対しても感想も言わずに『片付けろ』なんて言う人だったからさ……。
てっきり、王様にとってクエリちゃんは全く血の繋がりのない他人だとばかり思ってた。
「ええ、そうです。私はクエリを身籠ったことを知った日、国王陛下へそのことをお伝えしました。その時陛下は、私のお腹にクエリがいることを大変に喜んでくださったのですよ」
「ほぇっ……?」
ん?
んん~?
やっぱり違和感のある話だなぁ!?
私は思わず『むーん』と唇を尖らせて考え込んでしまった。
「ん? なんだ、ピルタ?」
「どうかなさいましたか? 聖女様」
「えっ!? あ、いや、その……すみません、何というかその……」
二人に顔を覗き込まれるような姿勢になった私は、両手をひらひらとさせながら笑ってみせた。
「……やっぱりヘンだなーって思って。だってレアリーダの王様は、当時マドラさんを好きでいてくれたんでしょ? そんな愛するマドラさんがクエリちゃんを身籠ったコトを知って喜ぶのはまぁ当然だとしてもさ、なんでそんな人がマドラさんとクエリちゃんをこんな土地に追放するの!?」
私は疑問に感じたコトを、そのまま口に出してみた。
そうなんだよ、どうしてもそこが納得できない。
だって正室になる王妃様がいるくらいなのに、それでも王様はマドラさんを愛してたってコトでしょ?
それほどまでに想っていた相手を、子供ごと追放するなんてどう考えたっておかしい。
私が発した疑問を聞き、マドラさんは少し俯き加減になってから口を開いた。
「……私も、国王陛下に明確な理由をお伺いすることは適いませんでした。ですが、恐らくではありますが理由は察しております」
「えっ……??」
そう言ってマドラさんは、両手を自身の左耳のあたりに持っていった。
白くしなやかな指が、艶やかな金髪をかき上げる。
すると、その下からマドラさんの耳が出てきた……んだけど…………
「み、耳のかたちが……!?」
「はい。実は私は、エルフ族の者なのです」
「エ、エルフ族! ひょえぇぇーー!」
思わず大きな声を出しちゃった。
私の叫び声のせいで、お布団で寝ているクエリちゃんが少しだけ身をよじらせた。
あぁぁぁ、ごめんねクエリちゃん! 大きな声出して!
でも、これはビックリせずにはいられない。
この異世界では、人間族の国にエルフがいるのはすっごい珍しいコトなんだっ!
「はぇ~、エルフ族とはまた珍しいな。たしかレアリーダ国は、エルフの国と事実上の断交状態だったはずだろ?」
「ええ、ネム様のおっしゃるとおりです。このレアリーダは今からおよそ50年前に、エルフの国のひとつである『ネヌル・ブレタール』との同盟を一方的に破棄するかのようなふるまいをしたことで、すべてのエルフの国々との国交が絶えてしまいました。私はその『ネヌル・ブレタール』出身のエルフです」
「まさかこの国にまだエルフがいたなんて、俺でもビックリするぜ」
いつもひょうひょうとしてるネムちゃんが、口をぽかんと開けて驚いている様子なんてめったに見れない。
それくらい、この国にエルフのひとがいるのって珍しいんだよね。
「なるほどなぁ。つまりマドラさんは、自分がレアリーダと敵対状態にある国のエルフであった事が影響して、王城から追い出されちまったと感じた訳か」
「……私自身、エルフの国民を代表している訳でも、政治に明るい訳でもございませんので、レアリーダの王政周辺がエルフである私が陛下の子を身籠った事をどう思われていたのかまでは解りません。ですが、はじめは妊娠を喜んでくれていた陛下が、ある日を境に困惑したような表情を見せるようになり、ついには私たちを忌み嫌っているかのような言動をされはじめたのです」
「ある日を境に……?」
「ええ、まるでお人が変わられてしまったのかと思うほどでした」
今まで聖母のような笑みを浮かべて話していたマドラさんだったが、ふと俯き加減になった。
伏せられた瞼と、かたく結ばれた唇からは悲しみの感情が伝わってくるかのようだ。
お、思わず失礼極まりない言葉を発してしまった気がする!
うぅぅぅん、だって正直、私はあの王様がクエリちゃんと血が繋がってるなんて思ってなかったんだよね。
だってクエリちゃんへの態度があまりに冷たく感じるし、寝所にあったクエリちゃんの絵に対しても感想も言わずに『片付けろ』なんて言う人だったからさ……。
てっきり、王様にとってクエリちゃんは全く血の繋がりのない他人だとばかり思ってた。
「ええ、そうです。私はクエリを身籠ったことを知った日、国王陛下へそのことをお伝えしました。その時陛下は、私のお腹にクエリがいることを大変に喜んでくださったのですよ」
「ほぇっ……?」
ん?
んん~?
やっぱり違和感のある話だなぁ!?
私は思わず『むーん』と唇を尖らせて考え込んでしまった。
「ん? なんだ、ピルタ?」
「どうかなさいましたか? 聖女様」
「えっ!? あ、いや、その……すみません、何というかその……」
二人に顔を覗き込まれるような姿勢になった私は、両手をひらひらとさせながら笑ってみせた。
「……やっぱりヘンだなーって思って。だってレアリーダの王様は、当時マドラさんを好きでいてくれたんでしょ? そんな愛するマドラさんがクエリちゃんを身籠ったコトを知って喜ぶのはまぁ当然だとしてもさ、なんでそんな人がマドラさんとクエリちゃんをこんな土地に追放するの!?」
私は疑問に感じたコトを、そのまま口に出してみた。
そうなんだよ、どうしてもそこが納得できない。
だって正室になる王妃様がいるくらいなのに、それでも王様はマドラさんを愛してたってコトでしょ?
それほどまでに想っていた相手を、子供ごと追放するなんてどう考えたっておかしい。
私が発した疑問を聞き、マドラさんは少し俯き加減になってから口を開いた。
「……私も、国王陛下に明確な理由をお伺いすることは適いませんでした。ですが、恐らくではありますが理由は察しております」
「えっ……??」
そう言ってマドラさんは、両手を自身の左耳のあたりに持っていった。
白くしなやかな指が、艶やかな金髪をかき上げる。
すると、その下からマドラさんの耳が出てきた……んだけど…………
「み、耳のかたちが……!?」
「はい。実は私は、エルフ族の者なのです」
「エ、エルフ族! ひょえぇぇーー!」
思わず大きな声を出しちゃった。
私の叫び声のせいで、お布団で寝ているクエリちゃんが少しだけ身をよじらせた。
あぁぁぁ、ごめんねクエリちゃん! 大きな声出して!
でも、これはビックリせずにはいられない。
この異世界では、人間族の国にエルフがいるのはすっごい珍しいコトなんだっ!
「はぇ~、エルフ族とはまた珍しいな。たしかレアリーダ国は、エルフの国と事実上の断交状態だったはずだろ?」
「ええ、ネム様のおっしゃるとおりです。このレアリーダは今からおよそ50年前に、エルフの国のひとつである『ネヌル・ブレタール』との同盟を一方的に破棄するかのようなふるまいをしたことで、すべてのエルフの国々との国交が絶えてしまいました。私はその『ネヌル・ブレタール』出身のエルフです」
「まさかこの国にまだエルフがいたなんて、俺でもビックリするぜ」
いつもひょうひょうとしてるネムちゃんが、口をぽかんと開けて驚いている様子なんてめったに見れない。
それくらい、この国にエルフのひとがいるのって珍しいんだよね。
「なるほどなぁ。つまりマドラさんは、自分がレアリーダと敵対状態にある国のエルフであった事が影響して、王城から追い出されちまったと感じた訳か」
「……私自身、エルフの国民を代表している訳でも、政治に明るい訳でもございませんので、レアリーダの王政周辺がエルフである私が陛下の子を身籠った事をどう思われていたのかまでは解りません。ですが、はじめは妊娠を喜んでくれていた陛下が、ある日を境に困惑したような表情を見せるようになり、ついには私たちを忌み嫌っているかのような言動をされはじめたのです」
「ある日を境に……?」
「ええ、まるでお人が変わられてしまったのかと思うほどでした」
今まで聖母のような笑みを浮かべて話していたマドラさんだったが、ふと俯き加減になった。
伏せられた瞼と、かたく結ばれた唇からは悲しみの感情が伝わってくるかのようだ。
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