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森の奥深く、日差しも入らない場所を歩いていたはずが、今は明るく開けた草原の中にたたずんでいる。
じめじめとしていた風は清々しく、暖かな日差しは枯れ果てた巨木を神々しく照らしていた。
「精霊王出てこい。見つけたぞ。」
ソウンディックは巨木に向き合うと、指先に炎を灯す。
「ソウ様ここは?あ、危ないですよ。」
こんな枯れた木の前で火を持つなど、あまりにも危険だ。
よく燃えちゃいそう。
「ここは精霊王の境界の中。こうでもしないと毎回出て来ないんだ。これは深遠の力の応用でね。事前に深遠で取り込んで置くと、必要な時に取り出せる。アルベルトの炎だよ。」
便利でしょ。と目を細める。
深遠の力は、消すだけじゃなく取り出せるのか。と、昨日の剣がいつの間にかソウンディックの手の内にあったのを思い出す。
「深遠の力をそんな風に使うのはお前くらいだ。馬鹿者。」
巨木の回りに白金の光が集まると、うっすらとした人型を取りはじめた。
長身でうす緑色の長い髪をした男性が現れる。
全身に光を纏っているように見えるのは、白い装束に身を包んでいるからだけではないだろう。
「結構難しかったんだ。誉めて欲しいもんだね。」
「精霊王様ですか?」
「あぁ、リュクスか。今代はそんな『精霊に厭われし者』を選ぶとは、人の身は煩わしいな。」
「何とでも言え。レティはリュクスと違う。何があってもお前の側には侍らせないぞ。」
「それを決めるのは彼女だ。」
二人の視線が痛い。
ソウンディックはともかく、精霊王の瞳は全てを見透かされてしまいそうで落ち着かない。
身を包む光に輪郭はぼやかされ、はっきりと表情は見れないが、柔らかな雰囲気だけはしっかりと伝わってきた。
「えっと、よく分かりませんが、兄の事をご存知ですか?」
思わず、側に居たソウンディックの軍服の裾をギュッと握りしめた。
ソウンディックはそれに気がつくと、艶やかに微笑んでレティの腰に手を回す。
精霊王はそれを見て、大きくため息をついた。
「あれは精霊と人間との間の子でな。そなたの側にいるように命じてたが、ここのところ音沙汰がない。ちょうど、こやつが訪ねて来た頃だ。人の世で何かあるのではないか?」
意味ありげな視線をソウンディックへと向ける。
「お前が知らないならいい。こちらで対処する。」
ソウンディックの眉間に皺がよる。
「リュクスの力を持つ者よ。人の世に嫌気が差したら呼ぶが良い。何時でも迎えに行こう。」
精霊王はそう言うと、ふわりとした笑顔を残したまま消えてしまった。
ゆらりと光だけが名残に揺らめいている。
精霊王の言っていた事はよく分からないが、人間が嫌になったら迎えに来るって、幽霊みたいだし怖くなっちゃうから止めて欲しい。
「さて、戻ってお兄さんを探すしかないな。レティ、いいと言うまで目をつむっていて貰える?」
じめじめとしていた風は清々しく、暖かな日差しは枯れ果てた巨木を神々しく照らしていた。
「精霊王出てこい。見つけたぞ。」
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「ソウ様ここは?あ、危ないですよ。」
こんな枯れた木の前で火を持つなど、あまりにも危険だ。
よく燃えちゃいそう。
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便利でしょ。と目を細める。
深遠の力は、消すだけじゃなく取り出せるのか。と、昨日の剣がいつの間にかソウンディックの手の内にあったのを思い出す。
「深遠の力をそんな風に使うのはお前くらいだ。馬鹿者。」
巨木の回りに白金の光が集まると、うっすらとした人型を取りはじめた。
長身でうす緑色の長い髪をした男性が現れる。
全身に光を纏っているように見えるのは、白い装束に身を包んでいるからだけではないだろう。
「結構難しかったんだ。誉めて欲しいもんだね。」
「精霊王様ですか?」
「あぁ、リュクスか。今代はそんな『精霊に厭われし者』を選ぶとは、人の身は煩わしいな。」
「何とでも言え。レティはリュクスと違う。何があってもお前の側には侍らせないぞ。」
「それを決めるのは彼女だ。」
二人の視線が痛い。
ソウンディックはともかく、精霊王の瞳は全てを見透かされてしまいそうで落ち着かない。
身を包む光に輪郭はぼやかされ、はっきりと表情は見れないが、柔らかな雰囲気だけはしっかりと伝わってきた。
「えっと、よく分かりませんが、兄の事をご存知ですか?」
思わず、側に居たソウンディックの軍服の裾をギュッと握りしめた。
ソウンディックはそれに気がつくと、艶やかに微笑んでレティの腰に手を回す。
精霊王はそれを見て、大きくため息をついた。
「あれは精霊と人間との間の子でな。そなたの側にいるように命じてたが、ここのところ音沙汰がない。ちょうど、こやつが訪ねて来た頃だ。人の世で何かあるのではないか?」
意味ありげな視線をソウンディックへと向ける。
「お前が知らないならいい。こちらで対処する。」
ソウンディックの眉間に皺がよる。
「リュクスの力を持つ者よ。人の世に嫌気が差したら呼ぶが良い。何時でも迎えに行こう。」
精霊王はそう言うと、ふわりとした笑顔を残したまま消えてしまった。
ゆらりと光だけが名残に揺らめいている。
精霊王の言っていた事はよく分からないが、人間が嫌になったら迎えに来るって、幽霊みたいだし怖くなっちゃうから止めて欲しい。
「さて、戻ってお兄さんを探すしかないな。レティ、いいと言うまで目をつむっていて貰える?」
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