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よく悲鳴をあげなかったと思う。
崖を飛び降りたソウンディックたちは、その勢いのままで、荷台の傍にいた男たちを上から切り裂いた。
遠目で分かるくらいに血しぶきが上がり、泣き叫ぶ声が耳につく。
アルトリアで打ち合いや魔物の討伐はよく見かけた。
ケガをして動けなくなった人や傷を負ったものもいた。
それでも、こんなに生々しく争いを目にしたことはない。
荷車を囲んでいたのは4人、後続で2人ほど居たはずが、今、眼下に立っている者はソウンディック達がそれぞれに相対している者だけだ。
間髪いれずに動いたのは、アルベルトだった。
低い体勢を維持したまま、前方にいた黒装束の脇をすり抜ける。
さっと振るわれた剣は炎を纏って切り裂き、燃え盛る炎は頭巾から足元までを包み込んで、相手が地に転がるまで消えることはなかった。
対するクリストフは、荷台の奥にいた傭兵の男と対峙していた。
がっしりと筋肉隆々な傭兵は、クリストフがすっぽりと隠れてしまいそうなくらいの体格差がある。
「見たことのない剣だ。値打物か。」
「故郷を知らぬ者には無価値だ。」
湾曲した刃は、確かシャムシールと呼ばれる剣。
アルトリアの商人が、実用か装飾品かで揉めていたところ、隣国での見聞を買われて義兄が意見していた事がある。
クリストフはシャムシールを構えると、傭兵を前にくるりと左右に身を翻し、剣を振るった。
腹から首もとまで十字に斬られた傭兵は、うめき声を上げながら倒れる。
まるで剣舞を見ているようだわ。
軽やかな動きは舞うように、しなやかに切り裂いていた。
ソウンディックは一番崖側、少し乗り出さないと見えない位置にいた。
向かい合いながらジリジリと後退する傭兵に、一歩一歩と間合いを詰めていく。
冷ややかな視線がふっと反らされた途端、傭兵は持っていた剣を大きく振りかぶった。
「…っ。」
思わず声が出そうになって、飲み込む。
ソウンディックがさっと剣を降ろした先には、剣を持ったままの傭兵の両腕だけが落ちていた。
何が起きたか分からない顔をしてる傭兵は、冷ややかに微笑むソウンディックの横に、そのまま倒れた。
彼はレティが見ていたのに気が付いたのか、こちらを向いて手を振っている。
「お顔に血が着いたままですよ。」
流石に、血塗れの笑顔は怖いです。
聞こえないよね。と安心しつつ、顔は笑顔を作って、こちらも手を振り返した。
「動くな。」
ひやっと冷たい感触が首に当たり、ピリッとした痛みがはしる。
首に刃物が当たっていると気が付いた時には、すでに遅かった。
崖を飛び降りたソウンディックたちは、その勢いのままで、荷台の傍にいた男たちを上から切り裂いた。
遠目で分かるくらいに血しぶきが上がり、泣き叫ぶ声が耳につく。
アルトリアで打ち合いや魔物の討伐はよく見かけた。
ケガをして動けなくなった人や傷を負ったものもいた。
それでも、こんなに生々しく争いを目にしたことはない。
荷車を囲んでいたのは4人、後続で2人ほど居たはずが、今、眼下に立っている者はソウンディック達がそれぞれに相対している者だけだ。
間髪いれずに動いたのは、アルベルトだった。
低い体勢を維持したまま、前方にいた黒装束の脇をすり抜ける。
さっと振るわれた剣は炎を纏って切り裂き、燃え盛る炎は頭巾から足元までを包み込んで、相手が地に転がるまで消えることはなかった。
対するクリストフは、荷台の奥にいた傭兵の男と対峙していた。
がっしりと筋肉隆々な傭兵は、クリストフがすっぽりと隠れてしまいそうなくらいの体格差がある。
「見たことのない剣だ。値打物か。」
「故郷を知らぬ者には無価値だ。」
湾曲した刃は、確かシャムシールと呼ばれる剣。
アルトリアの商人が、実用か装飾品かで揉めていたところ、隣国での見聞を買われて義兄が意見していた事がある。
クリストフはシャムシールを構えると、傭兵を前にくるりと左右に身を翻し、剣を振るった。
腹から首もとまで十字に斬られた傭兵は、うめき声を上げながら倒れる。
まるで剣舞を見ているようだわ。
軽やかな動きは舞うように、しなやかに切り裂いていた。
ソウンディックは一番崖側、少し乗り出さないと見えない位置にいた。
向かい合いながらジリジリと後退する傭兵に、一歩一歩と間合いを詰めていく。
冷ややかな視線がふっと反らされた途端、傭兵は持っていた剣を大きく振りかぶった。
「…っ。」
思わず声が出そうになって、飲み込む。
ソウンディックがさっと剣を降ろした先には、剣を持ったままの傭兵の両腕だけが落ちていた。
何が起きたか分からない顔をしてる傭兵は、冷ややかに微笑むソウンディックの横に、そのまま倒れた。
彼はレティが見ていたのに気が付いたのか、こちらを向いて手を振っている。
「お顔に血が着いたままですよ。」
流石に、血塗れの笑顔は怖いです。
聞こえないよね。と安心しつつ、顔は笑顔を作って、こちらも手を振り返した。
「動くな。」
ひやっと冷たい感触が首に当たり、ピリッとした痛みがはしる。
首に刃物が当たっていると気が付いた時には、すでに遅かった。
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