27 / 73
エディル
しおりを挟む
邸に案内されたエディルは、事前に連絡があったのか、待機していた医師の診察を受け、遅い晩餐になるからと、ソウンディックの部屋に通された。
邸の外では篝火が焚かれ、炊き出しが始まり、活気が伝わってくる。
「この度はご迷惑をお掛け致しました。」
執務机に肘をつくソウンディックに、すっと臣下の礼を取る。
「いや顔を上げて下さい。ご無事で何よりでした。もう少し早く捜索に行けたら、怪我を負う事も無かったのですが…。」
「いえ、レティシアが殿下と出逢えた事が幸運でした。」
「そのレティは部屋か?聞かせたくない話なのか?」
アルベルトの手には、いつの間に持ってきたのか、ワインとグラスが4人分ある。
ギルデガンドはクリストフを伴って夜営の管理に行っているので、ソウンディック、アルベルト、カルテット、エディルの分だろう。
「マリア殿が湯浴みに誘って下さいました。レティが聞いても、面白くはないと思いますので。」
ソファーに座ってたアルベルトとカルテットが、パッとソウンディックを見る。
「覗きに行くなよ。」
「嫌われちゃいますよ?」
ソウンディックの顔はみるみる赤くなって、両手で覆い隠した。
「お前ら、そう言うこと止めろ!呼ばれなければ行かないから!」
呼ばれたら行くんだ。とカルテットは頷く。
「えー、エディル殿、まずはお座り下さい。」
まだ耳まで赤い。
レティシアは好意的に受け入れられてるのだろう。
「ありがとうございます。」
カルテットの隣の空いていたソファーに腰を下ろすと、アルベルトは目の前でワインを注ぎはじめた。
「堅苦しいのは苦手なので、どうぞ寛いで下さい。まだ傷も痛むでしょうし楽に。」
ソウンディックも執務机を離れ、目の前に座った。
「はい。では、早速ですが、確認したき事とご報告したき事が御座います。」
「聞きましょう。」
「まずはレティシアの事。殿下はいかがなさるおつもりですか?」
それによって、エディル自身の身の振り方も変わってくる。
きっかけは精霊王かもしれない。それでも情はあるのだ。
レティシアが悲しむような事は避けたい。
「人として共に歩みたいと思っている。」
ソウンディックは真摯な眼差しを向けてくる。
「もちろんレティシアが受け入れてくれればだが。」
邸の外では篝火が焚かれ、炊き出しが始まり、活気が伝わってくる。
「この度はご迷惑をお掛け致しました。」
執務机に肘をつくソウンディックに、すっと臣下の礼を取る。
「いや顔を上げて下さい。ご無事で何よりでした。もう少し早く捜索に行けたら、怪我を負う事も無かったのですが…。」
「いえ、レティシアが殿下と出逢えた事が幸運でした。」
「そのレティは部屋か?聞かせたくない話なのか?」
アルベルトの手には、いつの間に持ってきたのか、ワインとグラスが4人分ある。
ギルデガンドはクリストフを伴って夜営の管理に行っているので、ソウンディック、アルベルト、カルテット、エディルの分だろう。
「マリア殿が湯浴みに誘って下さいました。レティが聞いても、面白くはないと思いますので。」
ソファーに座ってたアルベルトとカルテットが、パッとソウンディックを見る。
「覗きに行くなよ。」
「嫌われちゃいますよ?」
ソウンディックの顔はみるみる赤くなって、両手で覆い隠した。
「お前ら、そう言うこと止めろ!呼ばれなければ行かないから!」
呼ばれたら行くんだ。とカルテットは頷く。
「えー、エディル殿、まずはお座り下さい。」
まだ耳まで赤い。
レティシアは好意的に受け入れられてるのだろう。
「ありがとうございます。」
カルテットの隣の空いていたソファーに腰を下ろすと、アルベルトは目の前でワインを注ぎはじめた。
「堅苦しいのは苦手なので、どうぞ寛いで下さい。まだ傷も痛むでしょうし楽に。」
ソウンディックも執務机を離れ、目の前に座った。
「はい。では、早速ですが、確認したき事とご報告したき事が御座います。」
「聞きましょう。」
「まずはレティシアの事。殿下はいかがなさるおつもりですか?」
それによって、エディル自身の身の振り方も変わってくる。
きっかけは精霊王かもしれない。それでも情はあるのだ。
レティシアが悲しむような事は避けたい。
「人として共に歩みたいと思っている。」
ソウンディックは真摯な眼差しを向けてくる。
「もちろんレティシアが受け入れてくれればだが。」
0
あなたにおすすめの小説
五歳の時から、側にいた
田尾風香
恋愛
五歳。グレースは初めて国王の長男のグリフィンと出会った。
それからというもの、お互いにいがみ合いながらもグレースはグリフィンの側にいた。十六歳に婚約し、十九歳で結婚した。
グリフィンは、初めてグレースと会ってからずっとその姿を追い続けた。十九歳で結婚し、三十二歳で亡くして初めて、グリフィンはグレースへの想いに気付く。
前編グレース視点、後編グリフィン視点です。全二話。後編は来週木曜31日に投稿します。
私は既にフラれましたので。
椎茸
恋愛
子爵令嬢ルフェルニア・シラーは、国一番の美貌を持つ幼馴染の公爵令息ユリウス・ミネルウァへの想いを断ち切るため、告白をする。ルフェルニアは、予想どおりフラれると、元来の深く悩まない性格ゆえか、気持ちを切り替えて、仕事と婚活に邁進しようとする。一方、仕事一筋で自身の感情にも恋愛事情にも疎かったユリウスは、ずっと一緒に居てくれたルフェルニアに距離を置かれたことで、感情の蓋が外れてルフェルニアの言動に一喜一憂するように…?
※小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しております。
出来レースだった王太子妃選に落選した公爵令嬢 役立たずと言われ家を飛び出しました でもあれ? 意外に外の世界は快適です
流空サキ
恋愛
王太子妃に選ばれるのは公爵令嬢であるエステルのはずだった。結果のわかっている出来レースの王太子妃選。けれど結果はまさかの敗北。
父からは勘当され、エステルは家を飛び出した。頼ったのは屋敷を出入りする商人のクレト・ロエラだった。
無一文のエステルはクレトの勧めるままに彼の邸で暮らし始める。それまでほとんど外に出たことのなかったエステルが初めて目にする外の世界。クレトのもとで仕事をしながら過ごすうち、恩人だった彼のことが次第に気になりはじめて……。
純真な公爵令嬢と、ある秘密を持つ商人との恋愛譚。
わたしたちの庭
犬飼ハルノ
恋愛
『夜明けになるまで絶対に寝室の扉を開けないで』
未来の義母が告げたのは奇妙な夜の掟だった。
父に売られる形でブルーノ伯爵子息の婚約者になったフィリスの物語。
ヒロインのフィリスが自らの力と周囲の人々に支えられて幸せをつかむ話ですが、しばらくは暗く重い展開です。
タグを途中から追加します。
他サイトでも公開中。
愛する義兄に憎まれています
ミカン♬
恋愛
自分と婚約予定の義兄が子爵令嬢の恋人を両親に紹介すると聞いたフィーナは、悲しくて辛くて、やがて心は闇に染まっていった。
義兄はフィーナと結婚して侯爵家を継ぐはずだった、なのにフィーナも両親も裏切って真実の愛を貫くと言う。
許せない!そんなフィーナがとった行動は愛する義兄に憎まれるものだった。
2023/12/27 ミモザと義兄の閑話を投稿しました。
ふわっと設定でサクっと終わります。
他サイトにも投稿。
お姫様は死に、魔女様は目覚めた
悠十
恋愛
とある大国に、小さいけれど豊かな国の姫君が側妃として嫁いだ。
しかし、離宮に案内されるも、離宮には侍女も衛兵も居ない。ベルを鳴らしても、人を呼んでも誰も来ず、姫君は長旅の疲れから眠り込んでしまう。
そして、深夜、姫君は目覚め、体の不調を感じた。そのまま気を失い、三度目覚め、三度気を失い、そして……
「あ、あれ? えっ、なんで私、前の体に戻ってるわけ?」
姫君だった少女は、前世の魔女の体に魂が戻ってきていた。
「えっ、まさか、あのまま死んだ⁉」
魔女は慌てて遠見の水晶を覗き込む。自分の――姫君の体は、嫁いだ大国はいったいどうなっているのか知るために……
三年目の離婚から始まる二度目の人生
あい
恋愛
三年子ができなければ、無条件で離婚できる――王国の制度。
三年目の夜、オーレリアは自らその条文を使い、公爵ルートヴィッヒに離婚を告げた。
理由はただ一つ。
“飾り”として生きるのをやめ、自分の手で商いをしたいから。
女性が公の場で立てる服を作るため、彼女は屋敷を去り、仕立て屋〈オーレリア・テイラーズ〉を開く。
店は順調に軌道に乗り、ついに王女の式典衣装を任されることに。
だが、その夜――激しい雨の中、彼女は馬車事故に遭い命を落とす。
(あと少し早く始めていたら、もっと夢を叶えられたのに……)
そう思った瞬間、目を覚ますと――三年前、ルートヴィッヒと結婚する前の世界に戻っていた。
これは、“三年目の離婚”から始まる、二度目の人生。
今度こそ、自分の人生を選び取るために。
ーーー
不定期更新になります。
全45話前後で完結予定です、よろしくお願いします🙇
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる