アルトリアの花

マリネ

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ソウンディック 

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「それではソウンディック様、私はクロエを部屋に案内するのに下がらせて頂きますね。」
「ああ。」
まじまじとマリアを眺めていたのが分かったのか、棒立ちになったままの少女を連れると部屋を後にした。

「…はぁ。」
マリアが出て行った扉を眺めながら、再びため息が洩れる。
「凄腕魔物使いが二人になりそうって心配か?」
窓辺に寄りかかって、やり取りを眺めていたアルベルトは、何やらニヤニヤと楽しげだ。

レティシアの事を実家に報告されれば、根回しが足りないとか宰相家での抱え込みが出来ないだろうとか、色々な小言が待っていると落ち込んでいたのがつい先程の事なのに。
「他人事じゃないだろう。王宮騎士団へはお前が説明を考えろよ。」
マリアはクロエの教育を楽しみにしている。
ということは、それなりの見込みがあるのだ。
「いいんじゃねぇか?メイド兼護衛にでも育ってくれれば。」
確かにメイドも護衛も、レティシアには必要な存在だ。
「魔物の山で二人で笑ってそうで、今から怖いですね。」
ソファーに座って書類を並べていたカルテットが、苦笑いを浮かべた。
「剣の指導は私が致しましょう。あの子は短剣が向いてそうだ。」
扉の前で立っていたクリストフまで楽しげに言う。
絆されたな。

「とりあえずは目の前の書類の片付けからだ。残ってるのは何の議案だ?」
起こって無い事を心配していても始まらない。
するべき事も、手を打たなければならない事も山程ある。

「おっ、と。後は王宮関連だから残していけ。お前はあっちだ。」
アルベルトが窓の外に何かを見つけたらしい。
手招きしながら、外を指さす。
「!」
椅子に座ったままで、側の窓から中庭を確認すると、思わず立ち上がった。

ガチャリとアルベルトが窓を開ける。
「こちらからの方が速いかと。」
腰から顔を出せるくらいの窓枠、二階に位置する部屋。
飛び降りるには問題ない。

窓枠に手を掛け、横のアルベルトを振り向いた。
「後でホットミルクでも差し入れますよ。」
「嫌な言い方するな。任せたぞ。」
アルベルトが貴族らしく綺麗な礼をとるのを横目に、窓から飛び降りた。
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