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「そんな事、無いわ。とても可愛らしい方だったわよ。」
「いいえ。シュタイン殿下が可愛らしいと思えたなんて、ほんの一時だけよ。まして、ソウンディック様の近くに居る者に、何もしないなんてあり得ないわ。」
先程見たシュタインの姿を思い返しても、ただただ慕う兄に会えたのを喜んでいた、可愛らしい弟にしか思えない。
苦い顔をするマリアを疑う訳では無いが、杞憂な気がしてしまう。
「あら。この部屋、しっかりと影が出来てるのね。あんまり詮索すると、後でシュタイン殿下が怖いから止めとくわ。」
キョロキョロと周りを見渡すが、マリアとクロエ、レティシアの3人しか部屋にはいない。
「でもね。何か少しの事でも相談してね。」
がしっと手を掴むと、とても冗談には出来ない顔で訴えられてしまう。
「分かったわ。」
そう伝えるとともに何回も頷くと、やっと手を離してくれた。
「そういえば、今夜の予定を開けとくように伝えてと言われてたんだわ。」
そういいながら、マリアはどこからかペンと紙を出すとさらさらと書き始めた。
ー 声に出さないで。 シュタイン殿下は影を使って情報を得る。 聞かれてる可能性有り。ー
「大丈夫よね?」
チラリとこちら伺う。
まさか。
思わず手で口を覆ってしまった。
「体調が良くないなら後日でも良いか、聞いてみましょうか?」
ー 夜にエディル様から連絡がある。ソウンディック様の執務室なら大丈夫。会話は続けて。 ー
「大丈夫よ。夜だなんて、ビックリしただけだから。」
「良かった。」
かすれた声に自分でも驚きながらも、乱れてしまった呼吸を整えようと、紅茶を口に含んだ。
「もちろん私も付いて行くから、心配はいらないわよ。時間まで、私もここで過ごしても良いかしら?」
ー 一人の時も注意して。ソウンディック様がいる時と影が出来ない闇の中なら大丈夫。 ー
「マリアが一緒に居てくれるなら嬉しいわ。」
「本当!?良かった。そういえば、図書室では、どんな本を読んでたの?」
平然として見えるマリアが凄い。
まだドキドキが収まらないのに…。
「これよ。少しでも勉強しておきたくて。」
借りてきた本をマリアにも見えるように差し出す。
いつもは晩餐までの時間や寝る前に読んだりしていた。
「あら、ちょうど良いわ。時間まで私が講師をしましょう!クロエもこっちにいらっしゃい。」
「マリアが教えてくれるの?」
「…。」
こちらを見ながら控えていたクロエが、僅かに身動ぐ。
「魔物も精霊もとなったら、私がぴったりでしょう!任せて。」
「そうね!色々と聞けるのは助かるわ。クロエ?」
そっと後ろに後退するクロエに、マリアはにっこりと微笑む。
「レティシアと一緒に勉強しましょうね。クロエ。」
「…さすがレティシア。」
「え?何。」
クロエが遠巻きにレティシアの背に隠れるように立つのと、マリアの腰から魔物ようの鞭が外されるのは、ほぼ同時だった。
「いいえ。シュタイン殿下が可愛らしいと思えたなんて、ほんの一時だけよ。まして、ソウンディック様の近くに居る者に、何もしないなんてあり得ないわ。」
先程見たシュタインの姿を思い返しても、ただただ慕う兄に会えたのを喜んでいた、可愛らしい弟にしか思えない。
苦い顔をするマリアを疑う訳では無いが、杞憂な気がしてしまう。
「あら。この部屋、しっかりと影が出来てるのね。あんまり詮索すると、後でシュタイン殿下が怖いから止めとくわ。」
キョロキョロと周りを見渡すが、マリアとクロエ、レティシアの3人しか部屋にはいない。
「でもね。何か少しの事でも相談してね。」
がしっと手を掴むと、とても冗談には出来ない顔で訴えられてしまう。
「分かったわ。」
そう伝えるとともに何回も頷くと、やっと手を離してくれた。
「そういえば、今夜の予定を開けとくように伝えてと言われてたんだわ。」
そういいながら、マリアはどこからかペンと紙を出すとさらさらと書き始めた。
ー 声に出さないで。 シュタイン殿下は影を使って情報を得る。 聞かれてる可能性有り。ー
「大丈夫よね?」
チラリとこちら伺う。
まさか。
思わず手で口を覆ってしまった。
「体調が良くないなら後日でも良いか、聞いてみましょうか?」
ー 夜にエディル様から連絡がある。ソウンディック様の執務室なら大丈夫。会話は続けて。 ー
「大丈夫よ。夜だなんて、ビックリしただけだから。」
「良かった。」
かすれた声に自分でも驚きながらも、乱れてしまった呼吸を整えようと、紅茶を口に含んだ。
「もちろん私も付いて行くから、心配はいらないわよ。時間まで、私もここで過ごしても良いかしら?」
ー 一人の時も注意して。ソウンディック様がいる時と影が出来ない闇の中なら大丈夫。 ー
「マリアが一緒に居てくれるなら嬉しいわ。」
「本当!?良かった。そういえば、図書室では、どんな本を読んでたの?」
平然として見えるマリアが凄い。
まだドキドキが収まらないのに…。
「これよ。少しでも勉強しておきたくて。」
借りてきた本をマリアにも見えるように差し出す。
いつもは晩餐までの時間や寝る前に読んだりしていた。
「あら、ちょうど良いわ。時間まで私が講師をしましょう!クロエもこっちにいらっしゃい。」
「マリアが教えてくれるの?」
「…。」
こちらを見ながら控えていたクロエが、僅かに身動ぐ。
「魔物も精霊もとなったら、私がぴったりでしょう!任せて。」
「そうね!色々と聞けるのは助かるわ。クロエ?」
そっと後ろに後退するクロエに、マリアはにっこりと微笑む。
「レティシアと一緒に勉強しましょうね。クロエ。」
「…さすがレティシア。」
「え?何。」
クロエが遠巻きにレティシアの背に隠れるように立つのと、マリアの腰から魔物ようの鞭が外されるのは、ほぼ同時だった。
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