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第5話 村主姉妹って・・・
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私が未来から来た人物だとしたら十佳や湖乃佳は驚くことでしょうね。
そう、私は今から約55年後からやってきたのだ。
AIが発達しているため生身の人間はもはや働かなくても良い時代になっている。普通にアンドロイドと人間が恋愛感情を持つことも不思議ではなくなっているのよね。当然だけどIoT進化しているので自動運転の車なんて当たり前の世界。
私はなぜ未来からわざわざ過去に来たかというと、それは純粋な人と人の恋がしたかったから。でも、私のことを独り占めにしようとしていた彼、要するにアンドロイドが私を執拗に追って来るのでこの時代に逃げ込んだ。
「虎夏、もう逃げられないぞ」
「アンドロイド」
強引にアンドロイドに抱き寄せられる。私は人と恋することが出来ない運命なのね。
「虎夏ー」
「あ、あなたはこの時代で出会った名前も知らない人ではないですか」
「俺はお前が好きだー」
私のことを愛してくれる人間がいたなんて嬉しい。
私と名前も知らない人間はアンドロイドを一緒に撃退して結ばれた。
「私、もう未来には戻らない」
「お前が帰るって言っても俺がお前を返さなかったぜ」
お互いを求め合うように濃厚な口づけを交わしあった……。
「何で登場人物に名前がないのよ? アンドロイド、それに名前も知らない人間って」
「ちょっと今良いところだから黙って」
せっかく良い展開に発展させている段階なのに相変わらず空気読めないよね十佳は。妄想から現実に戻された時の虚無感と来たら最悪なんだからね。
「またも妄想の邪魔をしに現れたな十佳よ」
「あんたが誘ったんでしょ」
「何を? 」
「嘘でしょ、湖乃佳のことを知りたいからって、お茶に誘ってきたじゃん」
言われてみればそんな気がしてきた。
「妄想ばっかしてるからボケてきたんじゃないの? 」
失礼な発言だ。そもそもお主が待ち合わせの時間よりも1時間ほど遅れたことが原因だろ。1時間も待たされれば待ち時間の長さをカバーするためにも妄想の一つや二つするっての。
「関係ないけど、あんたの妄想って意外に雑なとこが多いわよね」
デリケートな部分に触れるのはやめて欲しいものだ。私はごくまれに知識不足により細かく設定された妄想が出来ない時があるのも事実だ。だが、大ざっぱでも自分好みの展開に持って行けば十分楽しめるから大丈夫だ。
私と十佳はショッピングモールをぶらぶらしながら時間を費やしていく。途中、小腹が減りおやつタイムへ移行した。パンケーキの専門店に入った。甘い蜜に騙された私と十佳は席に座ると、奥から魔女が現れて強引に店内の裏に連れて行かれた。
「今日からお前たちはここで働くんだよ」
「そんな馬鹿な、私たちには帰る家があるんです」
「二度と帰れると思うんじゃないよ」
私と十佳はまるでヘンゼルとグレーテルのように魔女にこき使われました。
「ガヤ、妄想してないで早く選びなさいよ」
突然、ヘンゼルが話しかけてきました。どうやら脱走するかどうかを問いかけてきたのね。
「いきなり選べないわ、ヘンゼル」
このまま働かされる道か、捕まったら処刑されてしまうリスクがあっても逃亡する、命に関わる可能性があるだけにいきなり選べないに決まってる。
「早く選べ」
「時間を、せめて1週間ください」
「……あんた、パンケーキのメニュー決めるのに1週間って頭どうかしてるわよ」
「今だけの期間限定の商品はいかかでしょうか? 」
誰か別の人の声が聞こえる。天使かしら。
「いい加減にしなさい」
物凄い力で顔をテーブルに押さえつけられた。ものすごい圧力だ。
残念ながら妄想する余裕が無くなり意識は現実に戻った。テーブルに顔を押さえつけられたままの残酷なほど可哀想な姿で私はパンケーキのメニューを見させられている。
正直、メニュー近すぎて分かりません。でも十佳は現在ヘンゼルではなくメドゥーサ化してると思うので変に逆らうのは得策ではない。
「限定メニューで……」
「……はい、分かりましたー。少々お待ちください」
明らかに引いていたわ、あの店員さん。
私はパンケーキが運ばれてくるまでに十佳の笑顔を取り戻さなければいけないという使命がある。
「十佳って最近痩せたよね? 」
「痩せてないわよ」
そこは遠慮せずに喜んでくれればいいのに。
「まぁ、冗談はさておき湖乃佳のことで私が親近感がもてそうな話はない? 」
「あんたと話していると殺意を感じることが多くて疲れるわ」
十佳は文句を言いつつ湖乃佳ネタを思い出しているようだ。
「この間なんだけど、二人きりで部屋で寛いでいた時に湖乃佳がおならをしたのよ」
「十佳、ここは飲食店だぞ。おならを話題として提供するには適さない気がする……が、面白い」
「湖乃佳がおならの音に驚いたのよ。自分でおならをしたくせによ」
「……」
自分のおならに驚くということはどれだけ爆音を響かせたというのだ。湖乃佳は結構可愛い顔をしていたがおならはスゴイんだな。
「何を驚いているのよって私が聞いたら、今の何の音って聞き返してきたのよ」
「それは自分がおならをしたことを必死に隠そうとしていたのかもしれんな」
「でね、ずっと話しを聞いていたら、どうやら湖乃佳はこの歳までおならの存在を知らなかったみたいなのよ」
「……ご冗談を」
「本当よ」
おならの存在を16歳まで知らずに成長することがあるなんて衝撃的だ……と言うか、今までおならをした時に何だと思って16年間生きてきたというのだ。
よくよく考えると怖いな、お尻から自然に出ている空気を自分が出しているとも気づかずに公衆の面前で堂々としていた可能性も高いだけに……。
ざっくり親近感を持つことは不可能だが、十佳同様に湖乃佳とも仲良くなれそうな気がしてきた。色んな意味でね……。
そう、私は今から約55年後からやってきたのだ。
AIが発達しているため生身の人間はもはや働かなくても良い時代になっている。普通にアンドロイドと人間が恋愛感情を持つことも不思議ではなくなっているのよね。当然だけどIoT進化しているので自動運転の車なんて当たり前の世界。
私はなぜ未来からわざわざ過去に来たかというと、それは純粋な人と人の恋がしたかったから。でも、私のことを独り占めにしようとしていた彼、要するにアンドロイドが私を執拗に追って来るのでこの時代に逃げ込んだ。
「虎夏、もう逃げられないぞ」
「アンドロイド」
強引にアンドロイドに抱き寄せられる。私は人と恋することが出来ない運命なのね。
「虎夏ー」
「あ、あなたはこの時代で出会った名前も知らない人ではないですか」
「俺はお前が好きだー」
私のことを愛してくれる人間がいたなんて嬉しい。
私と名前も知らない人間はアンドロイドを一緒に撃退して結ばれた。
「私、もう未来には戻らない」
「お前が帰るって言っても俺がお前を返さなかったぜ」
お互いを求め合うように濃厚な口づけを交わしあった……。
「何で登場人物に名前がないのよ? アンドロイド、それに名前も知らない人間って」
「ちょっと今良いところだから黙って」
せっかく良い展開に発展させている段階なのに相変わらず空気読めないよね十佳は。妄想から現実に戻された時の虚無感と来たら最悪なんだからね。
「またも妄想の邪魔をしに現れたな十佳よ」
「あんたが誘ったんでしょ」
「何を? 」
「嘘でしょ、湖乃佳のことを知りたいからって、お茶に誘ってきたじゃん」
言われてみればそんな気がしてきた。
「妄想ばっかしてるからボケてきたんじゃないの? 」
失礼な発言だ。そもそもお主が待ち合わせの時間よりも1時間ほど遅れたことが原因だろ。1時間も待たされれば待ち時間の長さをカバーするためにも妄想の一つや二つするっての。
「関係ないけど、あんたの妄想って意外に雑なとこが多いわよね」
デリケートな部分に触れるのはやめて欲しいものだ。私はごくまれに知識不足により細かく設定された妄想が出来ない時があるのも事実だ。だが、大ざっぱでも自分好みの展開に持って行けば十分楽しめるから大丈夫だ。
私と十佳はショッピングモールをぶらぶらしながら時間を費やしていく。途中、小腹が減りおやつタイムへ移行した。パンケーキの専門店に入った。甘い蜜に騙された私と十佳は席に座ると、奥から魔女が現れて強引に店内の裏に連れて行かれた。
「今日からお前たちはここで働くんだよ」
「そんな馬鹿な、私たちには帰る家があるんです」
「二度と帰れると思うんじゃないよ」
私と十佳はまるでヘンゼルとグレーテルのように魔女にこき使われました。
「ガヤ、妄想してないで早く選びなさいよ」
突然、ヘンゼルが話しかけてきました。どうやら脱走するかどうかを問いかけてきたのね。
「いきなり選べないわ、ヘンゼル」
このまま働かされる道か、捕まったら処刑されてしまうリスクがあっても逃亡する、命に関わる可能性があるだけにいきなり選べないに決まってる。
「早く選べ」
「時間を、せめて1週間ください」
「……あんた、パンケーキのメニュー決めるのに1週間って頭どうかしてるわよ」
「今だけの期間限定の商品はいかかでしょうか? 」
誰か別の人の声が聞こえる。天使かしら。
「いい加減にしなさい」
物凄い力で顔をテーブルに押さえつけられた。ものすごい圧力だ。
残念ながら妄想する余裕が無くなり意識は現実に戻った。テーブルに顔を押さえつけられたままの残酷なほど可哀想な姿で私はパンケーキのメニューを見させられている。
正直、メニュー近すぎて分かりません。でも十佳は現在ヘンゼルではなくメドゥーサ化してると思うので変に逆らうのは得策ではない。
「限定メニューで……」
「……はい、分かりましたー。少々お待ちください」
明らかに引いていたわ、あの店員さん。
私はパンケーキが運ばれてくるまでに十佳の笑顔を取り戻さなければいけないという使命がある。
「十佳って最近痩せたよね? 」
「痩せてないわよ」
そこは遠慮せずに喜んでくれればいいのに。
「まぁ、冗談はさておき湖乃佳のことで私が親近感がもてそうな話はない? 」
「あんたと話していると殺意を感じることが多くて疲れるわ」
十佳は文句を言いつつ湖乃佳ネタを思い出しているようだ。
「この間なんだけど、二人きりで部屋で寛いでいた時に湖乃佳がおならをしたのよ」
「十佳、ここは飲食店だぞ。おならを話題として提供するには適さない気がする……が、面白い」
「湖乃佳がおならの音に驚いたのよ。自分でおならをしたくせによ」
「……」
自分のおならに驚くということはどれだけ爆音を響かせたというのだ。湖乃佳は結構可愛い顔をしていたがおならはスゴイんだな。
「何を驚いているのよって私が聞いたら、今の何の音って聞き返してきたのよ」
「それは自分がおならをしたことを必死に隠そうとしていたのかもしれんな」
「でね、ずっと話しを聞いていたら、どうやら湖乃佳はこの歳までおならの存在を知らなかったみたいなのよ」
「……ご冗談を」
「本当よ」
おならの存在を16歳まで知らずに成長することがあるなんて衝撃的だ……と言うか、今までおならをした時に何だと思って16年間生きてきたというのだ。
よくよく考えると怖いな、お尻から自然に出ている空気を自分が出しているとも気づかずに公衆の面前で堂々としていた可能性も高いだけに……。
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