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第6話 金メダリスト
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藤ヶ谷虎夏、大失敗。お昼のお弁当を忘れたのだよ。
忘れてしまったものを くよくよ考えていても仕方がないので素早く切り替えて購買所に行くことにした。
何気に私はポジティブ思考の人間、これも妄想の賜物。家に帰ればお弁当があるなんて思えばラッキーってね。
既に購買所では多くの生徒が群がっていた。
世間の荒波に私はこれから揉まれなきゃならない。覚悟を決めて民衆の群に加わった。
目指すものは一緒。共に同じ方向を見据えた仲間であり、限られた食材を求め合う上で敵同士でもある。
体と体で押し合いになるため、体中がもの凄く圧迫感を受ける。何の食べ物が残っているのか分からないが私は必死に前を……ただ前を見て進んだ。男子達の力を乗り越えるのは難しいが、群れを抜け出し称号である金メダルを目指した。
私は群がる生徒達の間をすり抜けたて、私は共に戦いあった者たちの最前線に立って金メダリストとなった。私は必要最低限の量を手に入れるだけで十分なのだ。トップアスリートであるならば体調管理や食事管理は必須事項、己の体がどれだけの栄養素を必要としているかぐらいは分かっている。
涎を垂らしながら食べ物を選ぶ……すでに空っぽなんですけど。私は視線を売店のおばあちゃんに向けた。
「売り切れだよ」
いや、まだ私の背後にはまだかまだかと背中を指圧してきますけど。売り切れのアナウンスしてくれなきゃ無駄だな時間になるぜよ。
私は金メダリストとして、皆のためにも代表して私は抗議をする。
「せめて売り切れなら、早めに教えなさいよー」
「仕方がないじゃないか」
私は皆のために一人で抗議をしていたが、金メダリストの効果も働き始めて次第に多くの人々の心を動かし、多数の賛同者を募らせた。売店のおばあちゃんに対して抗議の声を上げる勢力を強めていった。
「売り切れって書いた看板を置くとかできるでしょ」
「そうだ、そうだ」
まさしく私は英雄。売店のおばちゃんの降参宣言を引き出すのも時間の問題だったが。
「あ? あったよ。一個だけあんパンが下に落ちてたよ」
売店のおばあちゃんは混雑中に落としていたであろうあんパンを足元から拾い上げた。落ちてはいても袋に入っているのであれば汚いものでもない、私は先頭であるのであんパン購入の優先権がある。なのでお金を出そうとした時だった。背後から反旗の声が。
「ズルいぞ、ガヤ。お前順番を守って無かっただろ」
「……」
「本当かい?」
競技の不正疑惑をもたれた私は審判員(売店のおばあちゃん)による度重なる審問の末に横割りと断定され、欲望に負けた卑怯者としてあんパンの購入権を失った。
私は一度は卑怯者の烙印を押される。その後、購買所の順番制度に疑問を抱いた数名の人間により再度審議が行われた。結果、購買所は公式レースではなく、戦場(順番待ちではない)であり早い者勝ちであるという意見多数により、卑怯者の烙印を取り下げられた。
もう金メダリストは懲り懲りだよ。
結局、私は自販機で粒々みかんジュースでお昼を乗り切る羽目になった。
「何? ダイエット」
私がどれだけ大変な思いをしていたか知らないとはいえ、平和な人間だな十佳は。この若さで競争、審問、罵声、汚名などを数分間とは言え経験してきたんだから。
「冗談は置いといて、あんたまた妄想してたらしいわね」
「どこ情報だ」
「購買所で売店のおばあちゃんに抗議してるまでは良かったけど、そこから微動だせずにぶつぶつ言ってる姿が気持ち悪がられていたわよ」
「……」
「1人で妄想してると周囲からは何やってるのか分からないから気持ち悪いのよ、分かった?」
私にどうしろと言うのだ十佳よ。妄想を止めろと言うのか、それともお前の傍なら安心して妄想して良いと言うことか。
「炊き込み御飯の素で有名なメーカーが出したカレーが美味しいらしいわよ」
突然に話題が変更された。お腹を空かせている時に限って食べ物ネタになるのは何故だ。これは陰謀か?
兎にも角にも、今日は疲れたよ。
忘れてしまったものを くよくよ考えていても仕方がないので素早く切り替えて購買所に行くことにした。
何気に私はポジティブ思考の人間、これも妄想の賜物。家に帰ればお弁当があるなんて思えばラッキーってね。
既に購買所では多くの生徒が群がっていた。
世間の荒波に私はこれから揉まれなきゃならない。覚悟を決めて民衆の群に加わった。
目指すものは一緒。共に同じ方向を見据えた仲間であり、限られた食材を求め合う上で敵同士でもある。
体と体で押し合いになるため、体中がもの凄く圧迫感を受ける。何の食べ物が残っているのか分からないが私は必死に前を……ただ前を見て進んだ。男子達の力を乗り越えるのは難しいが、群れを抜け出し称号である金メダルを目指した。
私は群がる生徒達の間をすり抜けたて、私は共に戦いあった者たちの最前線に立って金メダリストとなった。私は必要最低限の量を手に入れるだけで十分なのだ。トップアスリートであるならば体調管理や食事管理は必須事項、己の体がどれだけの栄養素を必要としているかぐらいは分かっている。
涎を垂らしながら食べ物を選ぶ……すでに空っぽなんですけど。私は視線を売店のおばあちゃんに向けた。
「売り切れだよ」
いや、まだ私の背後にはまだかまだかと背中を指圧してきますけど。売り切れのアナウンスしてくれなきゃ無駄だな時間になるぜよ。
私は金メダリストとして、皆のためにも代表して私は抗議をする。
「せめて売り切れなら、早めに教えなさいよー」
「仕方がないじゃないか」
私は皆のために一人で抗議をしていたが、金メダリストの効果も働き始めて次第に多くの人々の心を動かし、多数の賛同者を募らせた。売店のおばあちゃんに対して抗議の声を上げる勢力を強めていった。
「売り切れって書いた看板を置くとかできるでしょ」
「そうだ、そうだ」
まさしく私は英雄。売店のおばちゃんの降参宣言を引き出すのも時間の問題だったが。
「あ? あったよ。一個だけあんパンが下に落ちてたよ」
売店のおばあちゃんは混雑中に落としていたであろうあんパンを足元から拾い上げた。落ちてはいても袋に入っているのであれば汚いものでもない、私は先頭であるのであんパン購入の優先権がある。なのでお金を出そうとした時だった。背後から反旗の声が。
「ズルいぞ、ガヤ。お前順番を守って無かっただろ」
「……」
「本当かい?」
競技の不正疑惑をもたれた私は審判員(売店のおばあちゃん)による度重なる審問の末に横割りと断定され、欲望に負けた卑怯者としてあんパンの購入権を失った。
私は一度は卑怯者の烙印を押される。その後、購買所の順番制度に疑問を抱いた数名の人間により再度審議が行われた。結果、購買所は公式レースではなく、戦場(順番待ちではない)であり早い者勝ちであるという意見多数により、卑怯者の烙印を取り下げられた。
もう金メダリストは懲り懲りだよ。
結局、私は自販機で粒々みかんジュースでお昼を乗り切る羽目になった。
「何? ダイエット」
私がどれだけ大変な思いをしていたか知らないとはいえ、平和な人間だな十佳は。この若さで競争、審問、罵声、汚名などを数分間とは言え経験してきたんだから。
「冗談は置いといて、あんたまた妄想してたらしいわね」
「どこ情報だ」
「購買所で売店のおばあちゃんに抗議してるまでは良かったけど、そこから微動だせずにぶつぶつ言ってる姿が気持ち悪がられていたわよ」
「……」
「1人で妄想してると周囲からは何やってるのか分からないから気持ち悪いのよ、分かった?」
私にどうしろと言うのだ十佳よ。妄想を止めろと言うのか、それともお前の傍なら安心して妄想して良いと言うことか。
「炊き込み御飯の素で有名なメーカーが出したカレーが美味しいらしいわよ」
突然に話題が変更された。お腹を空かせている時に限って食べ物ネタになるのは何故だ。これは陰謀か?
兎にも角にも、今日は疲れたよ。
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