生まれ変わりがあるとして

樫和 蓮

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すれ違う春と夏と秋(2)

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挫けた私に光が差したと思ったのは、最初のメッセージの次の日だった。
ぽこん。
通知音がしてスマホを確認すると、桜井くんからメッセージが来ていた。飛び上がるくらい驚いてしまう。
「今何してるの?」
えっ今?私のこと気にしてくれてる?
舞い上がる気持ちを抑えながら、返信を考える。きっと深い意味はないだろうから自然に、自然に……。
「えー?特に何もしてないよ、アプリで漫画読んでた」
そしてスタンプ、と。
「漫画?なになに?」
「少女漫画だよ」
「オレ、少女漫画も読むよ?」
「えー意外!」
た、楽しい……。テンポよく会話が進んでいく。文面はあっさりしているけど、やり取りが進んでいくたび、私の心はどんどん弾んでいく。

「あー、会って話してみたいなあ」
思わず独り言を言ってしまう。電話したいって言う勇気はないけれど、授業以外でも声が聴きたい。
ほんとうは、会って、話したい。
「入学が今年じゃなけりゃなあ」
言っても仕方ないことはわかっているけど、高校生活の始まりがこんなだなんて、さすがにあんまりだ。しかもこんなに気の合いそうな男の子もいるというのに。
「まあ、スマホでやりとりできるだけ、ましだよな」
独り言が捗ってしまう。一人で部屋にいる時間が長すぎて、お母さんのことを笑えないくらい独り言が増えてきた。

桜井くんとのメッセージは急に途切れてしまう。私だけが楽しんでるのかな、付き合いで嫌々返してくれているのかな。
「あーやめやめ!」
どんどん嫌なほうに考えてしまう。

明日は休みだし中学の友だちに相談してみよう。
「ねーねー、高校で気になる人できたかも」
「えーまじで!?」
「どんな人?」
「会ったことある?」
「写真は!?」
仲良しグループに発信してみたら、矢継ぎ早に返信が来る。
そのまま通話を始めることになった。

クラスメイトなのに、「会ったことある!?」って聞かれるの、意外ときついなあ……。
友だちとの通話は楽しいし、門限を気にすることもないから際限なく喋れてしまう。でも門限ぎりぎりまでポテトを食べながら話す時間も好きだったんだなあ、と通話を終了しながら身に染みてきた。

そのままベッドに転がる。外にも出てないしお風呂は明日の朝でいいか。
眠気に襲われながら、SNSをチェックする。

生まれ変わりがあるとして。
君と出会えた今ももしかしたらもっとよくなるのかもしれないけれど。
願わくば、毎日君と会って、お喋りできる世の中に生まれ変わりたい。
高校生活を最初から、やり直せたら。

「とりあえずクラス替えで一緒になることを祈るかー」
私はそのまま、眠りに落ちる。
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