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一章「火の女神アナトとオークの叛乱」
10話 「アナトの神剣」
しおりを挟むデュノスは山の中腹にある洞窟へ来ていた。
「……この惨状、しかし全員生きておるな。アナトがやったのか」
デュノスは地面に膝をつき、入り口付近に倒れていたオークを抱えて言う。
気絶するオークを優しく地面に寝かせ、洞窟の中へと進む。
「ま、魔王様!?」
デュノスが最深部に着くと、奥で洞窟の壁に寄りかかって座っている一体のオークが驚きの声をあげる。
「おぉ、目覚めておったか、身体に異常はないか?」
デュノスはオークに歩みより語りかける。
「は、はい! しかし、なぜ魔王様がこのようなところへ……」
オークは、まだ目を覚まして時間が経っていないようで、はっきりしない意識の中、デュノスの存在に困惑している。
「お主たちが叛乱を起こしたと聞いたのでな」
「は、叛乱!? め、滅相も御座いません! そのようなこと――」
慌てて両手を振り否定する。
「よい、分かっておる。お主たちは操られておったのだ」
「操られて?」
デュノスが頷き、続ける。
「そうだ、お主らを操り、人間の女たちを誘拐させ、何かに使おうとしていたらしい。安心せよ、もうお主たちを操っていたものたちは葬った」
「……は、はあ……。――えっ!? と、ということは、魔王様が我々を助けてくださったのですか!?」
「余の大切な部下のためだ、当然であろう」
「……ま、魔王様……オレたちのために……」
オークは目に涙を溜めている。
「……んん……」
その場に倒れていた他のオークたちが続々と目を覚まし、のそり、と起き上がる。
「オレ達……何でこんなとこに寝てんだ……?」
「あれ? オレまだ寝ぼけてんのかな、魔王様が見える……」
「ばっか、そんなわけねぇ……いや、オレにも見える……」
オークたちは目を擦りながら、何度も、デュノスの姿を確認してる。
「馬鹿野郎! 正真正銘、本物の魔王様だ!」
先に起きていたオークが、呆ける他のオークたちを怒鳴りつける。
「お主達にも迷惑かけたな、辛かったであろう」
「エェェッェェェェェェ! ほ、本物の魔王様!? どうしてこんなところに!?」
先ほどと同じように他のオークたちも驚く。
「オレ達、全員操られてたんだ! それを魔王様が自らお救い下さった!」
「そ、そういえばオレ、なんか記憶がぽっかり穴空いてる感じが……」
「た、確かに」
オークたちは頭を抱えて小さく左右に振っている。
「皆、元気そうで何よりだ。余が至らぬばかりに、お主たちに苦しい思いをさせたな。すまぬ、愚かな王を許せ」
デュノスが頭を垂れ、オークたちに謝罪する。
「な、何をなさるのです! 王が我々などに頭をさげるなど、早くお挙げください!」
オークたちは動揺し、一体のオークが慌ててデュノスに言った。
「王は御輿に過ぎぬ、お主ら、担いでくれる部下がいて、初めて余は王としての意味を成す。その部下を、任務以外で危険に晒したのだ。謝るのが筋というものだ」
デュノスは頭を下げたまま言う。
「や、やめてくだせぇ! そもそもオレたち何されたかも覚えてねえんだ、魔王様が責任感じる必要なんかどこにもねぇ!」
「そうだそうだ!」
他のオークたちも同調する。
デュノスはやっと顔をあげた。
「 ……ていうか、オレたち何やらされたんだ?」
「村の女たちを誘拐させられたそうだ」
先に目覚めていたオークが答える。
「えー、またオレたちが女たちを手篭めにするってイメージが広がっちまうぜ」
「最近、人間の間で流行ってるらしいからな、オレ達が女の冒険者にイロイロしちゃうやつ」
「ふざけんな、こちとら、人間の女なんて興味ねぇっつんだよ」
「そうだ、もっとふくよかで、毛ダルマじゃねぇと興奮しねぇ」
オークたちは皆、深く頷き賛同している。
「今後、このようなことにならぬよう、しっかりと目を配る故、安心してくれ」
「ありがとうございます、魔王様。今後もしっかり働きますんで!」
「そうだな、またイベントやる時はこき使ってくだせぇ」
「できれば、〝攫わない系〟でたのんます」
ガハハ、と辺りがオークの笑い声に包まれる。どうやら本当に心配いらないようだ。
「そうだな、その時はよろしく頼む。では、名残惜しいが余はこれで失礼する」
「本当にありがとうございました! このお礼はいずれ必ず!」
オークの一体がそう言って頭を下げる。続いて、他のオークたちも深々と頭を下げた。
デュノスはその場を後にした。
「おーい! みんなー!」
力なくうな垂れているオスロ村の民のところへ、ミカエルが走ってやってきた。
「なんだ、うるせえな。よそ者に構ってるほど暇じゃねえんだ」
一人の若い男が冷たくあしらう。
「助けてきたよ! 女の人たち!」
「何言ってやがる、大人をからかうんじゃ――」怒気を含めてミカエルに迫ろうとした若い男がミカエルの背に見える人影に視線を向ける。
距離があってあわなかったピントが徐々に整っていく。
「――お、おい、あれは、まさかっ」
そう言って森の方を指す男の目に入ったのは、泣きながら走る女たち。歓喜の涙。笑顔で涙を流しながら手を振り走っている。
男の声に反応し、力なくうな垂れていた他の男たちも顔を上げ、男の指の先に目を向ける。
「まさか、本当に……」
目を擦って、何度も何度も確認する男たち。
「あなたー!」
「パパー!」
一人の女とその娘が、男に飛びつく。
「お、お前たち……怪我はないのか?」
「えぇ……えぇ……あの人たちが助けてくれて……」
「パパ、わたしこわいモンスターにつかまっても泣かなかったんだよ!」
娘が父の顔を見上げながら、笑顔を向ける。
「そうか……そうか……本当によかった……」
父が涙を流しながら、妻と娘を力いっぱい抱き寄せる。
騒ぎを聞きつけ、家から飛び出してきた他の村人たちも、自分の家族の帰還を涙ながらに喜んでいる。
村長を呼びに行った村の男の子に手を引かれ遽しく杖を突きながら村長も遅れて現れる。
「う、嘘だ、そんなことが……」
村長は村の人々が歓喜するその光景が信じられないと、しかし、否定する脳とは反対に、目の前の現実を受け入れたのか、身体が震えている。
「約束したでしょ、助けるってさ」
ミカエルが立ち尽くす村長に笑顔で言う。追いついたアーシェと、殿にいたアナトがミカエルの下へやってくる。
「おまえたち……本当に、本当に……」
ミカエルがグッと親指を立てる。
「――爺さん」
「ば、婆さん……」
お婆さん、村長の妻が肩に手を添える。半ば諦めていた長年連れ添った妻の生還に、年甲斐もなく泣き崩れる。
三人は村長たちを、村のみんなを笑顔で見守った。
「お前たち、本当に感謝する」
暫く、妻と抱き合い泣いていた村長が、やっと落ち着き曲がった腰をさらに曲げ、三人に頭を下げる。
「や、やめてよ、僕たちは何もできなかったから」
ミカエルは両手を前に突き出して恐縮している。
「……うん、お礼はアリアさんとデュアルさんに」
アーシェも恥ずかしそうにしながら俯いている。
「そういえば、もう一人のあの背の高い男はどこにおるんじゃ?」
「デュアルさんなら後から……」
「……ちょうど来たようね」
アナトは特に振り向くこともなく、村長たちに視線を向けたまま言う。
「え!?」
ミカエルとアーシェが驚きながら森の方角を振り向くと、アナトの言う通り、デュノスがゆっくり歩いてこちらに向ってきていた。
「どうして分かったんですか?」
アーシェが不思議そうに尋ねる。
「アイツって無駄に存在感強いでしょ?」と笑って返す。が、本当のところ、デュノスがオーラを隠しているとはいえ、アナトほどの力を持つものであれば、デュノスの気配に気づくことはそう難しい話ではなかった。
「すまない、待たせたな」
一同の下へやってきたデュノスが言う。
「デュアルさん! 無事だったんですね!」
ミカエルが子犬がじゃれつくようにデュノスを迎える。
「ウム、それよりアリア」
デュノスは軽くあしらってアナトの名を呼んだ。
「えぇ、そうね。早く帰って知らせなきゃ」
全てを察して、アナトが頷く。
「えぇ、もう行っちゃうんですか!?」
ミカエルは寂しげな表情を浮かべている。
「ダメだよ、ミカエルくん。デュアルさんたちはアタシたちと違って忙しいんだから」
「そうだけどさぁ……」
そんな二人を見てアナトが優しく微笑みながら自分より背の低い二人の頭に手を置き優しく微笑む。
「またそのうち会えるわよ、それまでにしっかり強くなりなさい」
二人はアナトを見上げ、少し間を置いた後元気よく頷いた。
「そうか、もう言ってしまうのか。せめて礼だけでも言わせてくれ、本当にありがとう」
村長はデュノスとアナトの前に立ち改めて頭を下げる。
「よい、気にするな。我々よりも、そやつらにしっかり礼をしてやってくれ」
デュノスが顎をクイッと動かし、ミカエルたちを示す。
「え? 僕たち?」
自分を指しながら首を傾げるミカエルと、ポカンとしているアーシェ。
「そうね、村長さん。このオスロ村には確か〝アレ〟が祭られてるんじゃなかった? それをこの子たちに託すのはどう?」
「――!? なぜ、それをアンタが知っているのじゃ」
村長が瞠目する。
「〝アレ〟って何のこと? 村長さん」
ミカエルが村長の顔を覗きこみながら尋ねる。
「……女神の落し物じゃ」
「――えぇぇぇっぇぇえええぇっぇ!?」
「本来この村でも、我々、村の長だけに伝えられてきた機密じゃ。それをなぜ……」
「そ、そんなスゴイ物をどうして僕たちに……」
腑に落ちないと怪訝な表情をするミカエル。
「なんとなくよ、いらないなら断りなさい」
「その……女神の落し物ってどんなものなんですか? デュアルさんの説明だと、確かアーティファクトって物だったと思うんですけど」
アーシェが長い睫毛をパチパチと動かしながら、おずおずと訊く。
「我々は〝アナトの神剣〟と呼んでいる。この国の女神、アナト様が使っておられた剣じゃ」
「女神って本当にいたんだ……」
ミカエルは信じられないと首を振る。
「資格ある者が〝アナトの神剣〟を振るえば、刀身に炎が宿り、天を焦がし魔を焼き払う。そう伝えられている。小僧、お主に資格があるのかどうかはわからぬが、死ぬ覚悟があるのなら授けてよい」
「死ぬ覚悟?」
「〝アナトの神剣〟はある場所に隠されておる。それを取りに行って貰うことになるが……中は仕掛けや魔物で満たされておる。最悪の場合、命を落とすだろう」
「…………」
ミカエルは黙って地面を見つめる。
「……ミカエルくん?」
アーシェが心配そうに覗き込む。
デュノスとアナトは黙って見守っている。
「……行きます、魔王を倒すために」
しっかりと村長の目を見据えて、意を示す。
「……そうか、ならば後でワシの家に来い。隠されている場所を伝えよう」
二人は力強く頷いた。
その後、村長は妻を連れ、家に帰り二人を待つと伝えて去っていった。
村の入り口にあるアーチの前に四人は居た。
「ミカエル、アーシェ」
デュノスが二人の名を呼ぶ。
「はい」
「……はい」
「お前たちは魔王を倒す、と言っておったな」
「……はい」
ミカエルの返事にアーシェも頷く。
「そうか……ならば、各地を回り女神の落し物を探せ。〝アナトの神剣〟同様各地に収められいる」
「……わかりました。どこまでできるかわからないけど……精一杯やってみます」
暗かった表情が段々と明るくなり、最後はしっかりと決心したようだ。
デュノスたちは別れを告げて、最初に来た来た道を歩いていく。
ミカエルとアーシェは姿が見えなくなるまで手を振っていた。
「良かったのか、お前の〝神剣〟を託して」
転移のため、村から離れた二人はミカエルたちと出会った森までやってきていた。
転移自体はどこでも可能なのだが、人目につく場所で行なうわけにもいかないので、わざわざ山奥まで足を運んだ。
「うん、アンタ、あの子たちに〝特別な何か〟を感じたから連れて行ったんでしょ?」
「分かっていたのか」
「舐めないで。さすがにそのぐらいはわかるわよ」
「まぁ、ただの勘なのだがな」
「アンタの勘が外れたところなんて見たことないわよ」
「そうだと良いが……あの村に〝神剣〟があったのはたまたまか?」
「さあ……でも天界のヤツらが、オスロ村が剣を祭っていることを知っていたとは思えないし、たまたまなんじゃない?」
デュノスは少し考え込むように沈黙したが、その答えは出さず、二人は黙って歩いていった。
人目につかない森の奥まで移動した二人は、下界に下りてきた時と同じようにデュノスが突き上げた腕から発せられた光に包まれ、空にある城へと転移した。
「おかえりなさいませ、デュノス様」
玉座の間に居たセアルが帰ってきた二人の姿を確認し、頭を下げて迎える。
「ウム、セアルよ、頼んでいた調査はどうだった」
「はい――」
「ちょっと待ちなさいよ!」
返事をして、書類に目をやり説明しようとするセアルをアナトが遮る。
「……? どなたですか?」
「アナトよ! ア・ナ・ト! 火の女神! 私にも『おかえり』ぐらいあってもいいんじゃない?」
「あぁ……あまりにもみすぼらしい格好でしたので、誰だがわかりませんでした」
「もー、ホントムカつくわ、この悪魔」
二人がお互いを睨みながらいがみ合う。
「帰ってきて早々ケンカをするな、セアル、続けよ」
「はっ」
デュノスに諌められ、アナトから視線を外し再び書類に目を落とす。アナトは眉を吊り上げながらも、渋々引き下がった。
「各女神の協力を得て、さらに魔王城からも密偵を派遣し、徹底的に調べ上げました。結果、いくつか問題点が発見されました」
フードを脱ぎ捨て、玉座に腰を落ち着けたデュノスは黙って先を待つ。
「各地で、天界の扉が開かれた形跡があります。詳細までは掴めませんでしたが、何か善からぬことを企んでいるのは確かでしょう」
「やはりか、オークたちの叛乱を陽動……操っていたのも天界の使途であった」
「……八十年前のデュノス様が破壊された、天界の門の出現は確認できませんでしたが」
「空にあった門は余が粉々にしてからな、その監視も含め、天空にこの城を浮かべておるが」
「えぇ、ですのでもう暫くは問題ないと思っておりましたが……」
「読みが甘かった……ということか、セアル〝アレ〟の準備は進んでおるのか」
「はい、デュノス様の命令から五十年。……ついに、もうすぐ完成する予定でございます」
「そうか、できるだけ急がせろ。恐らく、もうそれほど時間は残されてはおらぬ」
「かしこまりました」
セアルがもう一度頭を下げる。
話しを終えたデュノスが傍らに立つアナトを見た。
アナトは俯き、その表情には不安が滲んでいる。
「心配するでないアナト、貴様ら女神は余の捕虜だ。天界の好きにはさせん」
「――はっ、はぁ!? 心配なんかしてないわよ!」
アナトが強がっていることは誰の目にも明らか。女神として国を治めていたころの記憶を思い出し、その時の恐怖が蘇っているのだろう。
アナトは焦って否定した後、再び俯き、そして重々しく口を開く。
「……私はどうなってもいい。国のみんなを……世界のみんなを守ってあげて」
自分の力に自身を持ち、プライドの高いアナトらしくない頼み。しかし、彼女にはそうするしか道はなかった。そして、その頼みを実現できるのも、デュノスをおいて他に居なかった。
デュノスはアナトの不安と涙の滲んだ瞳を少し見つめフッ、と鼻を鳴らして言った。
「……この世界に、神などいらぬ」
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