わたしは

momo

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第一章

わたしは…報い

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キーンコーンカーンコーン

おはよう
おはよう~

朝下駄箱に行くと、ヤンキー女子グループの二人が、

「あんた!最低!!」

いきなり怒鳴られて状況が飲み込めず頭が真っ白になった、

「あんたのせいで!!あんたのせいで!みっちゃんつーくんと別れたんだよ!!」

『えっ、えっ、ウソっ』

衝撃が走った!

『で、でも…つきあってないって…』

「うっさい!あんた最低!!」

この子たちと話しててもラチがあかない。
慌てて教室へ向かおうとすると、

女子トイレで集まってるヤンキー女子の一番奥で泣いているみっちゃんが見えた。

『みっ、みっちゃん。ごめんなさい!!ほんとごめんなさい…。』 

謝り頭を下げるわたしに周りのヤンキー女子たちはサイテーだの消えろだの言ってきた…。

『みっちゃん…わたしのせいで傷つけてごめんなさい。わたしの告白はなかったことに、してもらうから。』

「んなこと、きーてねーんだよ!」
「当たり前だよ!!このサイテー女!」
「お前が森くんに告げ口しやがったから!」

グズっ、
「もういいよ。気にしないで。友達じゃん。」

みっちゃんは涙目になりながらも、
わたしの謝罪を受け入れてくれた。

『ほんとっごめんなさい。』

わたしもたまらず泣けてきてその場を立ち去った。



えっ、どうして…付き合ってないって言ってたのに。
でも…別れたってことは付き合ってたんだよね。
わたし、わたしの、せい?
森くんに告げ口って…わたしはかおりとともみちゃんに、相談はしたけど…。
みっちゃんと付き合ってるってバレたくなかったってこと?
どうして別れたの?
わたしの告白のせい?
どうして…。

教室に着くと、別のクラスだったともみちゃんがやってきて小声で、話しかけられる。

「大変だったね、でも…この事誰にも言わないほうが○っちゃんの為だよ。」

そうわたしの肩を持って念押しすると、戻っていった。

わたしは涙目のみっちゃんを、見て心が痛かった。
何がどうあれわたしの行動のせいで、みっちゃんを結果的に傷つけてしまったことは間違いない。

つーくんへの気持ちも…。
人を傷つけてまで自分が幸せになんてなれるわけがない。
なかったことにしてもらおう…。

そう思い、1日うつ向いて過ごした。
放課中にともみちゃんから事態を聞いたかおりが話しかけてきた。

「私に何か出来ることある? 」

その言葉に、前にリサちゃんや他の女子がヤンキー女子たちに何をされてきたかを思いだし…。こわくなった。

『何もしなくていいから…。ひとりに…。しないで。』

わかったっとかおりは頷いてくれた。


バレー部にはみっちゃんの仲間のヤンキー女子たちがいるからやめておきなよと、ともみちゃんに勧められ、わたしも1日ショックで何も手につかなかったから帰ることした。

帰り道、同じバレー部のさっちゃんが泣きながら歩いてるわたしを、見つけて、

「大丈夫?○っちゃん?どうしたの?」

っと心配そうにきいてくれた。

が、ともみちゃんの、誰にも言わないほうがいいという言葉が頭のなかをグルグルと反復していた。

泣いてすがってしまいたい、全部打ち明けてしまいたい気持ちを、圧し殺し、

『だ、大丈夫。ちょっとお腹痛いだけ。じゃっ。』

と立ち去ることしか出来なかった。


家に帰って台所で、夕食の支度をしていた母に、

『ごめん、もうわたし終わった。学校行けなくなるかもしれない。』

「へっ!○っちゃんどうしたの!?」

お母さんのことばも無視して二階の部屋に閉じ籠ってひたすら泣いた。

もう、ダメだ。わたしはサイテーなんだ。
人を傷つけたサイテーなやつなんだ。

わたしもリサちゃんのように鞄やら靴やら捨てられて、いじめられるんだ。
もう、ダメだ。ヤンキーグループに目をつけられたんだ。もう…。

つーくんを好きになって…、
ただ、わたしは気持ちを伝えたかっただけだった。
誰かを傷つけて押し退けてまで奪い取りたかったわけじゃない……。

どうして…こんな、ことに…。

うわーーーーーーーーーーー


布団にもぐってひたすら叫んだ泣いた…泣きつかれて寝てしまうまで…。


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