わたしは

momo

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第一章

わたしは…傷心

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わたしは花火大会から帰ってからもドキドキが止まらなかった。
いよいよついにわたしにも彼氏が出来ちゃうのかな♪

どーしよー!!

かおりも帰りの車で、
「池上くんガンガンくるね!絶対○っちゃんのこと好きだよー!」
っと、ヤイヤイ盛り上がった。
なんだかかおりに申し訳ない気持ちもあったが、かおりも長年片思いしてる男子にゾッコンだったので、有りがたくウキウキしていた。

つーくんのことがあってから、なんとなくかおりともはしゃぐことも無くなってたからうれしかった。


が…あの花火の日から三日経っても特に池上くんから何の連絡もなかった。

うみちゃんが痺れを切らして柴野くんに頼んで、地元で有名のデートスポットの公園に呼び出してくれた。 

わたしは夏の暑い日が続いたいたので、その日の前日に髪をショートに切っていた。
ちょっとオシャレなスカートなんか履いちゃって、ドキドキしながら公園に、向かったんだけど…。

入り口で柴野くんと一緒にいる池上くんは、わたしを一瞥しただけで、柴野くんの向こう側を歩き…、
明らかに花火大会の時とは別人のように冷たかった。


さすがのバカなわたしも…明らかに避けられてるのがわかった。

帰宅した後、今日までバカみたいに浮かれて喜んでノロケてウキウキしてた自分が急に恥ずかしくなり…声をあげてお風呂の中で泣いた。

あの後、柴野くんから、池上くんは同じ学校のマドンナ的女子に片思いしてるからわたしとは付き合えないって、しかも髪の長い女の子が好みだって教えてもらった。

そっか、…なんだったんだろうな。

あの、花火大会で手を繋ぎ、ずぶ濡れの雨のなかはしゃいで歩いて、帰りの満員電車であんなに近くに感じたのに…。

そもそも、その日を、楽しみたかっただけなのかな。
髪の毛、昨日切らなきゃよかった…。
いや、そもそもわたしを好きなんかじゃなかったんだ…。

一夜の夢だったんだ。

花火の如く、派手にうち上がって…儚く消えた恋でした。

それから塾でも、池上くんは違うグループの男子たちとつるむようになった。
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