海の近くの喫茶店の中で♪

碧海

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ビターチョコ&コーヒー

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パタン…
ドアが閉まる音…

碧海「いらっしゃいませー♪」

シャツにタイトスカートの女性が現れた!!

碧海「!?」

冗談はさておき。





髪は綺麗に束ねており、シャツが少し
着崩れている。


カウンターの席に腰を掛ける

可里奈「はぁー…。」
カウンターに肘をつき少し曇った顔の可里奈。


マスター「碧海ちょっと今日は早上がりでいいか?」

小声で碧海にボソッと言うマスター。

碧海「ぇえー。給料減るんですけどぉー。はい。はい。おうせのままにぃ~。」

しょんぼりしながら碧海はエプロンを外す。

碧海「そのかわり明日から時給上げてくださいよっー♪」
マスター「ツナマヨのオニギリ買っとくわ笑」

碧海「ゔ、そう来たかっ。ここ時給500円なのにぃー!!ブラックマスターめっ!怒」

きっとした目で碧海がマスターを睨む

碧海「また明日ね♪マスター♪」

マスター「了解。」

カランカラン
パタン…ドアが閉まる音。

はっとした表情で

可里奈「あの子大丈夫?」
マスター「機嫌良く帰らせたから大丈夫♪ニヒッ♪」

またまたやって参りましたぁー♪
マスターの皮肉混じりの笑みー♪(碧海帰宅中)




トポポポポ。コーヒーを注ぐ音。
ファーっとコーヒーの香りが一気に店内へ漂う。

可里奈「わーっ♪相変わらずマスターの注ぐコーヒーは美味しそうねっ~」

マスターはふふふんっとにんまりしながら

コトン…とカウンターの上に出来上がった
コーヒーを置く。

ゴクン…可里奈の口の中へコーヒーのほろ苦さが広がる…。

可里奈「もう不倫疲れちゃってさぁ~。最初は割り切った関係で楽だったんだけどぉ~。」

口につけたコーヒーを見つめながら
ボヤく可里奈。

可里奈「会社の仕事出来る上司ってなーんであんなに輝いて見えるんだろっーて。」



可里奈は上司と不倫をしていた。
最初は手に入らなくてもいいからと軽い気持ちで抱かれてみて3年は経過していた。
気づいた頃には彼女は今年28歳だ。
そろそろ結婚しててもいい歳だった。
ただ可里奈は自分が子供を育てる想像が
つかなかった。自分自身がまだ子供ぽさが
あったのか、ずるずると3年が過ぎたのか
時間とゆう波に流され続けたのか。

いや。きっと彼女の中で楽しかったのであろう自分自身も女として抱かれたのだから…。



ゴクッ。
可里奈「…最初は向こうからだったんだけどなぁー。なーんでこうなっちゃったんだろ」

マスター「……。」

可里奈「まぁ。もう終わりにするけどね。疲れたぁー3年ーー。」

両手を上げて軽く背伸びをする可里奈

コトン…
マスターがカウンターにお皿へ盛り付けた
ビターチョコをそっと置いた。

そっと口にビターチョコを運ぶ可里奈

可里奈「にっがぁぁい!ゔゔ泣ゔゔ泣」

5分くらい可里奈は子供のように
いっぱい泣いた。

可里奈「はぁー♪スッキリしたぁー!」
ゴクンゴクン…
残りのコーヒーを飲み干す。

カランカラン
バッタン!

勢い良く可里奈の元へ駆け寄る

純也「可里奈!ここにいたのかよ!会社に明日の資料忘れて!!」

勢い良く走ったのか純也の息が
ゼェーゼェーと鳴いている。

可里奈「あれ?純也?何でここに居るの?」

キョトンとする可里奈

純也「歩いて行く所見たんだよ!ふらつきながら!まぁーおれは優しいからな!ドヤッ」

可里奈「仕事の時も優しくしてくれたらいいのにぃー!怒私の方が仕事では優しい!怒」

マスター「……」心の声(くっついたらいいのに)

純也「私物はこれとこれか?」

純也が可里奈の鞄にせかせかと
携帯とタバコをしまう。

不器用ながらに
可里奈「…ありがと。」

ガタン…席を立つ音

体が固まるマスター。ぎこちなく
マスター「お会計4500円になります。」

財布から可里奈がお札を取り出す。

泣き疲れたのか
スッキリした笑顔をみせる可里奈。

可里奈「マスターありがとうねぇ。」

純也「同僚やけどまた来ますわ!」

カラン…カラン…
パタン


ホッとひと段落した表情のマスター。
まるで嵐が来たようだった。
















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