人から龍へ、龍から神へ 神に至った者の異世界改革

菊一片

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第一章 異世界にて・・・

第七幕 漢比べ(後半)+女の度胸試し

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sideケーマ
ガルム殿を下した後の相手は、集落で最強と言われる族長 ヴォルグ殿だ。
「ようやくワシの番か、待ちわびたぞ!」
中々だ、ウズウズして仕方なかった模様!
これ以上待たせると、面倒になりそうなので対峙して構える。
「ほう?ガルムの時までそこまでの形ではなかったが?」
「俺はどうやら、素手の格闘技が合わないようですから、ここら辺で自分の適正を見極めようと思ってます」
「なるほど、このワシで試すか!」
「この集落で一番強いヴォルグ殿を侮っている訳ではありませんよ?むしろあなたが一番危ない目に合います。」
「なに!?」
「なぜなら、上手く手加減できるかどうかをあなたで試すのだから危ないのは当然でしょう?」
要約すると集落で最強の族長様で技の人体実験をしま~す(親指グッ!)
意味がわかったのか、ヴォルグ殿の顔がひきつっている。
「まぁそこら辺の正確な把握は今後しっかりとしていくつもりですが、素手だとこれ以上の手加減は無理そうなので、魔力と気を使っていろいろと試させて貰いますね?」
そんな危険な事(逃げろ~!奴のステータスは既に化け物だぁ!)を確認してなかった族長殿は、先程ザッスの時に感じた感覚からかなりプラス思考で考えてしまった模様!
「面白い!ならば見せてもらおう!」
俺と戦った面々だったら族長殿に何か一言送る事が出来ただろうが、戦った4名のうち3名は伸びてるからな、まだ幼いアルヴィス君に族長に意見をしろ等と口が裂けても言えない。
そして、唯一立つ事が出来るアルヴィス君が審判の役を担った。
「それでは!用意!」
俺は双剣を意識して構えると、族長も腕を上げて空手に近い構えをとる。
「始め!」
「せぇいやぁ!」
小細工無しに真正面から突きを繰り出してくるヴォルグ殿の拳を弾き体勢を崩し右手でを極める。
やはり力加減が難しい、それだけでヴォルグ殿の体が浮く!
が、勝負は勝負なのでそこから更にを決める為に踏み込む!
ボディを横から左拳で叩く!族長殿の体が逆くの字に曲がる。
そこに右拳でボディアッパーが炸裂!族長殿の体が更にホッピングする。
落ちてきた所に左拳で無数の突きを一瞬でに叩き込もうとしたら、アルヴィスが抱きついてきた!?
「もう!もうやめてー!!」
アルヴィスの様子に眉をひそめつつヴォルグ殿の様子を見ると、
「あ、白目剥いてる。」
ピクピクと痙攣してました!
「やばっ!」
やり過ぎたと思って族長殿の体をスキルを使って調べると、
「良かった、大怪我はしてない!普通に痛かっただけみたいだ(安堵)」
そんな風に族長殿の容態を調べているとレミィが傍に来て後ろから逃がさないとばかりに抱きつく。
「お父様の時だけ随分と本気でしたけど、何故ですか?」
「正直に言って俺自身が力を持て余していてね。狩りの時だと上手くいくんだけどその他だとあまり手加減出来なくてね、だからヴォルグ殿は一番強いと言うから、その、でやって自分の力の把握をしようとしただけなんだよね。」
そうレミィに弁明すると、彼女はため息をついて、
「まぁ今回はお父様が大分悪いですし、どうせ私とマールの話を信じてなかったでしょうし、後で御自分が悪いと言うことにしましょう。」
そう言って彼女は周りを見渡し、取り仕切る
「では、私レミティアとマールティアとケーマの婚姻に異議があるものはいませんね?」
俺も周りを見ると、みんな凄い勢いで縦に首振っているな!
「無いようなので、ここからは酒宴といきましょう!新しく我らの集落の仲間になるケーマ殿を歓迎する為に、皆様お飲み物は手に持ったでしょうか?」
隅っこの方に放置される、再起不能な不憫な四人組(あちゃ~)
「では、乾杯ッ!」
「かんぱ~い!!!」

龍人族が作っているお酒は中々強く、それはまるで日本酒のようにフルーティーな香りがするし、辛いだけでなくスッキリした舌触りとフワッとしたのど越しの余韻を味わう元の世界でも飲んだ事がない風味だった。
あまりの美味しさに頬が緩んでしまう。
「龍人族の酒は気にいっていただけましたか?」
マールが俺の隣に声を掛けながら座る。
「ああ、あまり酒を飲み馴れてない俺でも飲める、美味しいよ」
そう言いながらマールに微笑むと、
「はう、その笑顔はズルいです。」
そう言って俺の腕に抱きついて甘えるように肩に頭を乗せる。
「叔父様には少々やり過ぎてしまいましたが、それでも他の四人にはしっかり手加減したのですから、あなたの強さはみんなに知れ渡ったと思います。」
そう言って少しだけ悲しい顔をする。
「私達の掟とはいえ、あんな弱い者イジメみたいな真似をさせてしまって・・・」
ごめんなさい、そう言おうとした彼女を抱きしめて思いっきり口づけをした。
「あっ・・・」
全てを言う前に俺に口を塞がれて言えなかった彼女は俺の事を熱に浮かされたように見つめる。
「俺の居場所を作ってくれたんだから・・・」
そんな事は気にしなくていい。
等と言おうとしたら、
「私を除け者にして、二人でなにやってんのよ~!」
レミィが頬を膨らませて怒り顔でこちらに来た。
「みんなから祝いの言葉を受け取ってる隙にさりげなく独占するなんてマールズルい!」
レミィは、大変ご立腹のご様子。
「レミィも隣に」
おいで、と言う前に俺の右側に移動した。
「私の事も相手してくれなきゃダメなんだから!」
力一杯ちからいっぱいに俺の腕にしがみつく彼女に苦笑しているとマールがさりげなく行動を起こす。
「両手に華となってしまったので、私が食べさせてあげますね♪」
ご機嫌な様子で俺の口にお肉を持ってくるマールを見たレミィは、
「む~、独占禁止!私もやるの~!」
酔ってるせいだろうか?随分と子供っぽく見えるレミィが俺に野菜のスープをふーふーして食べさせてくる。
「えへへ~、美味しい?」
「ああ、美味しいよ」
そう言ってレミィの頭を撫でてあげると、
「えへへ~ん、もっと撫でて撫でて!」
凄い甘えっぷりにマールが、
「このまま行くと大変な事になりそうなので、料理をいくつか持って私の家に戻りましょうか。」
そう言ってみんなに挨拶してマールの家に戻った。
他の人達も大分飲んでたと思うのだけど、みんなまだ飲むらしい。
お酒に大分弱そうなレミィでもかなり飲んでるからな、一般人の酒豪が龍人族の普通か、凄まじいな。
マールの家に入ってからレミィが大分ソワソワしている。
するとマールが、
「私はお風呂に入ってから寝ますから眠いのであれば先に部屋で休んでいても大丈夫ですからね、レミィはどうしますか?いっそのこと3人で一緒に入りますか?」
マールから爆弾を落とされたレミィは、
「はうう~、何でそんな平気な顔で言えるの~?」
ものすごい顔が真っ赤である。
「話が長引きそうだし、俺が先にお風呂入ってもいいかな?」
本人が決心ついてないのに、訳にはいかないからな。
「そうですね、ならもう少しレミィと話をしたら私もまた一緒に入らせてもらいますね♪」
今マールの頭に何かが閃いたような・・・気にしないで風呂に入るか(逃亡)!


sideレミィ
婚姻する男女の仲を邪魔しようとする意味のわからない祭りが今回も始まった。
ただ、今回の相手は私やマールに圧勝したと言うことで過去最強のメンバーが選抜された。
お父様やガルムはいいとして、何故かアルヴィスやテムシンさんまでもが参加している。
ザッスについては・・・コメントは控えさせてもらうわ。
それにしても実際に戦ったから強い事はわかっていたけれど、いま私の前に伸びてる四人を見ると私とマールで戦った時は本当に手加減されていたんだなぁ、と思ってしまう。
少し悔しいと思いつつそれまでの相手との試合風景を思い出す。
まず一番手にアルヴィス君が出てきたのは、私やマールだけではなく、他のみんなも驚いた顔をしていた。
集落のルールでは、一番強い者から順に、がルールだからだ。
それをなにやらザッスの奴が何か言ったみたいだけど、あの人は何でもないように了承した。
実際アルヴィス君では全く相手にならなかった。
アルヴィス君があそこまで強くなっていた事にも驚いたが、あの怒涛の攻めを難なく捌くなんて・・・楽しそうにアルヴィス君の相手をしていた彼の顔が頭から離れない、意外と子供とか好きなのかな?
そんな風に考え事をしながらケーマの事をぼんやりと眺めていると、マールがお酒とコップを持ってこっちに来た。
「あらあら、惚れ直しちゃった?」
既にいくらか飲んでいるのだろう、うっすらと顔を赤くしながら私にもお酒を進める。
「悩んでも答えなんて出ないわよ?龍人族の女は攻めあるのみ!」
他人事だと思って、いや当事者なんだけど軽く煽ってくるマールに私はじとっと睨む。
「自分は上手くいったからって、簡単に言わないでよ。」
私は膨れっ面でお酒をちびちびと味わっていると、テムシンさんとのが始まった。
テムシンさんは多分、問題無いとわかっているのだろうけど多分ケーマと戦いたかったんだろうな~(ため息)
お父様もそうだけど、少しでも強いととりあえず戦ってみるって言うのはどうかと思う。
「男って嫌ね~やぁね~
のんびりとした口調でまるで私の心を読んだかのように話を振ってくる女の人が私達の傍に座った。
「テムシンさんの応援はいいんですか?ユーリさん?」
男前に酒を煽る彼女に聞くと何かすごい事を言って来た。
「あのケンカ馬鹿、アタシに土下座してまで族長と一緒に祭りに参加しやがった!」
コップの中の酒をぐいっと飲み干してダンッ!とコップをテーブルに勢いよく置く。
「レミィちゃんとマールちゃんが妹みたいに可愛くて仕方ないのはわかる!わかりますとも!アタシだってレミィちゃんもマールちゃんも可愛くて仕方ないんですもの!!」
あう~、そんな大きい声で可愛いって連呼しないでよ~(赤面)。
マールの方をチラチラと見ながらユーリさんをどうにか抑えるタイミングを探る。
「だからって二人がベタ惚れだからって何でわざわざ参加してんのよ~!あんたはアタシの夫でしょう?旦那でしょう?亭主でしょ~!!」
マールの方をもう一回見ると・・・!!?
いない!いつの間に!?ユーリさんを私一人に押し付けられた?!
「今日だって、今日こそは子供を授かる為にさ~、凄いのを今着てるんだからね~、アタシがテムシンの事を、旦那様の事を思ってさ~、言うのも恥ずかしいくらい凄いのを今着てるんだからね~!」
あっ!ウトウトしだした!このまま寝てくれれば!
「テムシン~、アタシの事も見てよ~、・・・・す~す~」
寝てくれた!今のうちに脱出を図る!
その場を後にしてケーマの方を見るといつの間にかガルムと戦っていた。
「う~、ユーリさんの相手をしてたらいつの間にかガルムと戦ってるし~」
う~う~と唸りながらいい所を探すと、アルヴィスがいた所がいい場所だと判断していくと、私を置いて逃げたマールがいた。
「あら、レミィ様もここから観戦するつもりですか?」
私は無言でマールの頬っぺたを両手で引っ張った。
「ふみぅ~」
「よくも、私を囮にして逃げたわね~!」
「い、いひゃいれす~」
私がマールの頬っぺたにお仕置きをしていると、
「ねーちゃん達、静かにしろよ!今にーちゃんがガルム師匠にサムソンさんの時みたいなカウンターを仕掛けようとしてんだから!」
あら?今この子、私やマールでも読みきれなかった彼の動きを読まなかったかしら?
「アルヴィスはケーマの動きが見えているんですか?」
マールが同じ事に気づいたのだろうアルヴィスに質問した。
「何を言ってるんだ?ねーちゃん達?当たり前だろ?」
アルヴィスは首をひねりながらこちらを見ようとして急にガルムとケーマの方に視線を戻した。
「にーちゃんが動く!」
口の中で小さくアルヴィスが呟くと、二人の動きがブレたと思ったらガルムが吹き飛んだ!
「すげぇ!」
子供らしく目をキラキラさせながら、アルヴィスが興奮しながらこちらを見る。
「ねーちゃん達、よくケーマみたいな人を見つけて来れたよな!」
いつの間にかケーマの事を本気で認めているアルヴィスに私は苦笑しながら答える。
「ケーマに会えたのは偶然だけど、そういう風に認めてくれるのは嬉しいわね。」
私が赤くなりながらそう言うと、横からマールが
「今回は私の機転があったから、レミィ様もすぐにお嫁さんに行けますけどそれが無いと、後三百年は独身確定ですね。」
余計な事を言った!!
「会ってその日のうちにとか喋っちゃう突撃オープンスケベとは違うし!」
すると今度はマールが、
「普段はさっぱりしてる癖に、土壇場でウジウジモジモジの誰かさんよりは全然いいと思いますけどね~、私がこういう風に誘わなければ一人で夜這いに来れたのですか?」
「ううぅぅぅぅ!!!わかってるわよ、マールのバカァ!!」
顔真っ赤にしながら怒る私に、余裕の笑みすら浮かべるマール(悔しいぃぃぃ!!)
「大体マールは・・・」
いっつもそう言おうとしたら、
「まずい!」
アルヴィス君が急に大声を出して立ち上がる。
私達もそちらに目を向けると、
「お父様!!」
お父様が一方的にやられていた!
それを見た私は思わず、
「レミィ様!?」
「レミィねーちゃん!?」
お父様の方へ走り出していた。
「もう、やめてー!」
そう叫んだ私の横を風よりも速く、アルヴィスが飛び込んでお父様を助けた。
「もう、もうやめてー!」
アルヴィスが必死にケーマを止めている。
ケーマも多分冷静になったのだろう、お父様に怪我がないか調べている。
「良かった、大きな怪我はしていない!」
そんな事を言った彼の後ろから私は抱きついた。
「お父様の時だけ随分と本気だったようですけど、何故ですか?」
私がそう聞くと彼は、
「まだ力加減に自信がないから、ヴォルグ殿でいろいろ試してみただけなんだけど・・・」
どうやらお父様に下手な手加減をして機嫌を損ねるのが嫌だったようだ。
「まぁ今回はお父様が悪いですし」
私はため息をつきながらお父様の事を適当に済ませて、周りを見渡す。
「では、私レミティアとマールティアの婚姻に異議があるものはいませんね?」
周りのみんなに私がお父様の事を気にしていない事をアピールするためにそのまま宴会を始めてしまう。
「では、乾杯!」
「かんぱ~い!」
そうして男達のくだらない祭りは終わった。
その後お父様に変わっていろいろな人に挨拶を終えてから、ケーマの事を探すとマールが既にいた。
「ううぅぅぅぅ!!!」
私は唸りながら二人に近づく。
「マール、ズルい!」
いろいろと捲し立てた後にそう言うと、
「おいで」
彼は空いてる右手を差し出して私を右隣に座らせた。
「えへへ~」
そんな風にいろいろと満喫してマールの家に泊まる。
その後、女同士でいろいろ話をしてたら先にケーマがお風呂に行っちゃった。
「ではレミィ約束通りに譲ってあげますね」
マールにそう言われて私は、
「わかってるわよ~、でもありがとう(ゴニョゴニョ)」
「お礼は明日どんな感じだったかを聞かせてもらえばいいですから(ニコッ)」
そう言って彼女は部屋の用意に行った。
私はお風呂場に行ってケーマが入っている所に生まれたままの姿で乱入した。
「失礼します。」
身体にタオルも巻かずに私は突撃した。
恥ずかしさで頭が真っ白になっていると、ケーマが傍に来て私を軽く引っ張って座らせてしてくれた。
「まずは身体を洗ってからな」
そう言って私の頭から順に身体を洗っていく。
「あう~、前は自分で・・・んんっ!」
「ほら、終わったから流すよ?」
「ふぁ~」
彼に泡を流されて、二人いっしょに湯船に浸かる。
「マールが自慢するだけあって幸せすぎます。」
私がそう言うと、
「気にいってくれて何よりかな」
タオルを巻いてる私の頭をなでなでしながら本人はそのつもりはないのだろうけど、私の耳元で囁く。
私はその声がする方に向いてキスをする。
「ケーマ、まだ会ったばかりでケーマの事を何も知らない、なのに私はあなたが好きです!あなたの事をもっと知りたい!」
私はようやく自分の気持ちを伝えた。
そんな私にキスをして全身を撫でながらケーマは私にこう言った。
「君の全部を全てもらって、俺を君に、レミィあげる、だから」
部屋に行こうか?そう言った彼に頷き私達は夜が明けるギリギリまで甘い幸せな時間を過ごした。


sideマール
分家宗家の間も関係なしにお互いに一人の男の妻になれた所で私はレミィにケーマを譲る。
「後で私も混ぜてもらいますからね!」
決意するようにぐっと拳を握って集落の方を見ると、集落の掟の女側のが目の前で機能していた。
「喧嘩祭りが男側の悪い掟だとすれば、女側の悪い掟ですからね~」
そうである。
いい男、すなわち強い男と結ばれる為に既成事実を作るという女どもの捨て身の力技ちからわざ
「今回は・・・7人、どれだけ彼が魅力的でも手を出すことは許しません!」
そう言って私は最速最短で女どもを一蹴するが、最後の一人に意外な娘がいた。
「エル、あなたまで参加するなんてそこまで・・・」
彼は魅力的だったか?そう聞くと彼女は顔を赤くしながら、
「ええ、凄く魅力的だったわ、こんな悪い風習に身を委ねてしまうくらい。」
「そう」
私はそう返事をしながら、構えた。
「なら何を言っても無駄みたいね。」
「マール、押し通らせて貰う!」
すると彼女は最大戦速で突っ込んで来たが、私は彼女の攻撃を受け止めて、エルに攻撃を一撃加えた!
龍姫連舞りゅうきれんぶ!」
それは先程、叔父様にケーマが繰り出そうとした彼の動きを見たままに模倣した技。
最初の一撃で足を止めた彼女を更に蹴りあげ浮かせて空中に連撃を放ち、最後に渾身の突きを極める。
「がはっ!」
「あなたの気持ちはわからない訳じゃないけど、今日は空気を読みなさい!」
そう言って私は家に戻った。
「はぁ、毎回の事とはいえどうにか風習を変えないと面倒が増える一方だなぁ~」
手早く身体を洗って湯船に身を委ねていると、風呂場の戸が開く。
「っと、すまん入ってるとは思わなかった。」
この世界で一番好きな人が入って来た!
「このままいっしょに入りませんか?」
彼は少し考えてそのまま入ることにしたようだ(やった!)。
私は湯船から出てケーマの身体を洗うために彼に近づく。
「マールはもう洗ったのか?」
「はい、ですからケーマの身体を隅々まで洗わせてください。」
仕方ないなといった顔をしながら私に身を委ねてくれる彼に精一杯ご奉仕する。
すると、
「あ~!マールズルい!」
レミィが裸で突撃してきた。
「レミィも洗ってあげるからこっちにおいで?」
「む~、マールとケーマは洗っちゃったの?」
するとケーマがすごい意地悪な顔で、
「そっ、だから今度はマールと俺でレミィを洗ってあげる。」
「ふええぇぇぇ!?ら、らめぇぇぇ!?」
動揺してるうちに彼に捕まり座らせ二人がかりでレミィをアワアワする。
「ふあぁ、ふ、二人とも、もう許して、んんっ!」
珍しく素直になったレミィと意外と意地悪なケーマにイタズラ好きの私の三人で湯船に浸かる。
「あう~、ひどい目にあった。」
彼にピタッとくっつきながら甘えるレミィ。
同じくピタッとくっつきながらケーマにさりげなくされてる私
「んっ!ふふ♪レミィが、かわいいからつい(テヘペロ)」
そして、両手に華な状態なケーマが
「二人ともかなりはしゃいだからな、結構長い時間入ってるし、続きもしたいからあがろうか?」
「「はい」」
その後、お風呂からあがった私達は、夢のような時間を日が高くなるまで堪能しました。


side???
「奴があそこまでの化け物になるとは!」
その声の主はイライラとしながら辺りをうろつく。
「ねぇ、イライラするのはいいんだけど余所でイライラしてくれない?」
「正直に言って、ウザイ」
その彼に向けて放たれる心ない言葉に彼はピタッと動きを止めて、問いただす。
「なんだと?」
「そもそも今回の件はあんたが勝手にやったんだし、私達は関係ないし」
「勝手に失敗した人の自業自得」
「黙れ!」
そう言って彼は物にあたる。
「物に当たんないでよ!」
「それ、壊しちゃダメなヤツ」
「何っ!?」
そう言って見るとそれは大昔の悪龍の封印の鍵だった。
「ばっ、馬鹿な!何故この封印がこんな所に!」
「それは前管理神が適当に放置してたから」
「あ、あの!駄女神がぁぁぁ!!」
「やれやれ、あいつじゃどうしようもないし龍どころか、龍神に神化しちゃった彼に期待するしかないか。・・・あいつにバレないようにまたスキルをぶっこんでおかないと、今でも私達よりも強いのに今回の件で完全にステータスに干渉できなくなるでしょうし・・・」
それからしばらくして龍の聖域に謎の吠え声が木霊こだまする。
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