人から龍へ、龍から神へ 神に至った者の異世界改革

菊一片

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第一章 異世界にて・・・

第六幕 漢比べ(前半)

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sideケーマ
族長 ヴォルグとその娘のレミィの案内で俺は龍人の集落 バハムルに来た。
集落はかなり牧歌的で一言で言うとのどかだ。
龍人族の住居は、普通の人間の住居と変わりがなく全体的に背が大きいのか、入り口が普通の家に比べて外から見た感じ大きい作りになっている。
俺が物珍しそうにものめずしそうに歩いていると、
「のどかで何もない所だけど、住んでる人達はいい人ばかりよ。」
レミィが前を歩きながらそう言った。
「まだ朝早いからみんな寝てたりしてるのか?」
まだ集落全体が寝ている感じがするな。
「起きているのは、基本的にこの集落で狩りの役割を担っている人だけよ。」
マールが、横から俺の疑問に答える。
「さすがにみなの前でいきなり集落に入れる訳にはいかぬからな、只、それでも一悶着は起こるであろうからそのつもりでな。」
ヴォルグさんがそう忠告した。
その後、更に余計な事を言った。
「マールのやつが前々から強い男がよいと言っていたが、それでもすんなり受け入れるやつはおらんだろうが、もう既にそういう仲なのだ、お主にはマールの家に泊まってもらうからそのつもりでな。」
それを聞いたレミィは不機嫌そうに、その逆にすごく嬉しそうにしたのがマールだ。
「ふふっ!最初は叔父様の家に泊めるのかと思ったから嬉しい!」
このままくるくると踊り出しそうな勢いである。
「もうってちょっといろいろすっ飛ばしすぎじゃない?」
逆に恐ろしく不機嫌なのがレミィだ。
「ごめんな、服を取りに行ってもらったのにこういう事になっちゃって(苦笑)」
そうすまなそうに言ったら逆効果だったようで愚痴り出した。
「私だって、自分よりも強い男がいいのにこんなにあっさり出し抜かれるなんて・・・、でも男はみなけだものマールみたいそんな美味しく食べてなんて恥ずかしい真似は私には無理だし・・・」
余程ショックだったのだろうか?本人達を目の前にしながらすごい事を口走っている。
というか実の父親が目の前にいるのだが・・・
その父親は、更なる爆弾を落とした。
「この集落に一夫一妻なんてそんな掟はないしお前達二人をまとめて相手にできるのだ、別にお前達が良ければいいのではないか?」
「叔父様、さりげなく何を言い出すのですか!」
今度はマールがご立腹だ!さっきよりも腕に力を込めて、俺にくっつく。
「お父様、本当にいいの?」
レミィは、急に出来た希望に戸惑いながら確認する。
「ワシは構わんと思うぞ。只ケーマ殿が苦労するだろうがな。」
この親父殿は中々食えない事をしてくれる。
「あなたがそう言うのであればいいのかも知れないけど、マールとはまだ出来たばかりだし、もう少しじっくりと三人で話し合ってから俺達三人で決めますよ。」
それに、
「龍人族の女は強い男が好みなんだろう?簡単に受け入れると、独身の女性が片っ端から迫ってきそうだ。」
俺がそう言うとレミィとマールが同時に目を反らした。
「まぁ確かに、向こうの方から容赦なく夜這いに来るだろうな。」
族長さんがあまり嬉しくない事を肯定した。
「龍人族の女は弱い男には全然興味を示さないけど、これが自分よりも強い男だとどんな手を使っても自分が選ばれるようにしようとするからな~」
レミィがそう言うと、今度はマールが・・・
「だから言ったじゃないですか、龍人族の女は強い男が好みだって、まぁそこら辺は私がちゃんと考えてますから安心してください!」
どうやらマールに策があるようだ。
「でもその為にもレミィ様の事をお嫁さんに貰わないといけないんですよね~」
「あ~、そこはもう確定路線なんだ・・・」
ついマールにそう返したら、レミィがマールの反対を、つまり俺の右側に引っ付き、上目遣いをしながら、
「私じゃダメですか?」
と可愛くウルウルとしながら、そう言った。
「そうじゃないけど、俺の世界だと一夫一妻が基本だったから急にお嫁さんをいっぱい貰ってもいいって言われても困ってしまう」
そう言ったら今度は親父殿が
「うち自慢の娘では不足か?」
「ちが~う、そうじゃなくてせめて3日とか一週間とか二人きりの時間が欲しいの!仲間外れとかじゃなくて!」
そう言ったら親父殿は顎に手を当てながら、
「それは、うちの娘の時もその時間をとるのか?」
「まぁそうなった場合はそうなるな、ただ横から割り込むのはダメだぞ。」
「なるほどな、ワシはセティしか、亡くなってしまったレミィの母親しかおらんかったから判りづらいが確かに新婚の時は二人きりでいろいろと話をしたものよ。」
「まぁ、そういう感じだからレミィには少しだけ我慢してくれると嬉しいかな。」
「うん、わかった、我慢する。でも私の番が来たらちゃんと私にもマールにしたことをしてよね!」
俺が言った事をレミィは理解したのだろう、本当は早くマールと同じ位置に立ちたいのに今は我慢してくれると言ってくれた。
彼女からして見れば、俺が手を出してくれるのが何よりも嬉しいのかもしれない、っていうのは自意識過剰だろうか?
「ふむふむ、とりあえずワシの家に着いたぞ。」
すると周りの家よりもやや大きめな家にたどり着いた。
「集落の者達に対する紹介は明日行うから、今日の所はワシの家で茶でも飲んで、終わったらマールの家に行ってゆっくりと休むといい。」
今の俺はまだこの集落、ひいてはこの世界に来てから一週間くらいしか経っていない。
だから今はこの好意に甘える事にした。
「はい、馳走になります。」
若干、武士のような礼のいい方になってしまったが、ヴォルグ殿からすれば印象が良かったようだ。
「そんなに緊張しなくてもいい、ゆっくりしていきなさい。」
そうして俺はレミィとヴォルグ殿にもてなしをされた。

朝食どころか昼食までご馳走になった後に、マールに腕を引かれてマールの住んでる家に来た。
「ここが私が住んでる家ですね、さすがにレミィ様の家よりも小さいですけど二人で暮らす分には全然大丈夫だと思います。」
マールはそう言いながら俺を招き入れる。
そして冗談っぽくこう言った。
「いらっしゃいませ、旦那様(笑顔)これから何になさいますか?すぐに私が用意いたしますからね!?」
途中から恥ずかしくなったのだろうか?顔を赤くしながらそう言い切った彼女を俺は抱きしめて、頭撫でた。
「とりあえずお風呂とかはどういう作りになっているか見せてもらっていい?」
「ふぁい」
気持ちいいのだろうか?そんな風に顔を俺の手を引いて風呂場に案内する。
「ここがお風呂場です。」
井戸のそばになんというかでっかい桶みたいのがあって、見た目的にはドラム缶風呂が一番イメージが近いと思う。
何よりも周りに仕切りを囲っているが、これが一般家庭のお風呂なら覗きが大量発生してないかな?
「お風呂とか用意して入るのはいいのですけど、なんというか覗きとかがすごく多くて困っちゃうんですよね~(苦笑)」
やはり覗きはいるようだ!マールは今や俺の女、そのマールの裸を覗いていいのは俺だけだ!(鼻息MAX)
「よし、じゃあお風呂場を改築しよう!」
そう言って俺はスキルを発動させる(スキルの無駄遣い!!)
まず材料の木材を無駄に高い自前の能力を駆使して集め、錬成術でお風呂小屋を作成して魔石も作り出す。
「魔石ってスキルで作れるんだ!」
マールがなにやら驚いているが、俺は何でもないように言う。
「魔石は調べた感じだと凝縮した魔力の結晶と表現するのが正しい感じだからね。」
だから魔獣の体内から手に入るのだと、俺はマールに解説する。
「では、魔獣化という存在ものは動物達が魔力をうまくコントロール出来ずに起こす現象なのですか?」
昨日、一緒にいたときに動物が好きだと言っていたからな、魔獣という存在は彼女にとって心が痛む問題なのだろう。
「そう捉えても問題はなさそうだけどなスキルで見る感じだけだと、後は実際の動物達を観察しながら研究しないとわからないかな。」
「そうですか。」
解説をしながらも、俺はスキルで得た知識を使い水を汲み上げる魔道具と水を加熱する魔道具を作成する。
「これで井戸の水を簡単に汲み上げる事ができるぞ!」
それすなわちお風呂の用意も簡単!
そんな風に意気込みながら設置していく。
そして始まる楽しい楽しい動作チェックのお時間だ!
自分で作ったとはいえ初作品である!魔道具なんてファンタジーなものをスキルの力を借りて作ったとはいえ未知のアイテムに心踊らないやつはいるはずがない!そして俺はゲームとかやるとアイテムはなるべくとっておくタイプである!(アイテム大好き!)
そんな俺を隣でマールがかなり顔を近づけて見ている。
そして、それに気づかないくらい俺は魔道具作りに集中している。
全部で二時間くらいでお風呂場改築計画は完了する。
日本人のお風呂に対するこだわりがかなり出てしまったが、後悔も反省もしていないどころか、やや物足りない気もする。
「とりあえずやっつけ仕事にしては上出来としておこう!」
うむ!と満足気に頷く俺にマールが声をかけて来た。
「ちょっと早いかもしれないですけど、ご飯の支度が出来ましたのでいかがですか?」
昨日さっきまで着ていた胴着ではなくて民族衣装的な服にマールは着替えていた。
「是非いただくけど、いつの間に着替えたんだ?」
首をひねる俺をおかしそうクスクスと微笑みながらすっと俺の左隣に来て腕をとる。
「ケーマにとってお風呂の改築が楽しいのはわかりましたが、どんなに横から顔を見ても気づかないのですもの、少しくらいこっちを見てくれてもいいと思うんだけどな~(ウリウリ)」
俺の隣で彼女はいじけるように言った。
そんな彼女を俺は抱きしめて、チューする(リア充)
「後で使い方とか教えてあげるから、まずはご飯食べよ?」
「はい!」
チューの効果でテンションアゲアゲな彼女に引っ張られながら俺は席に着いていただきますを言ってから彼女のご飯を堪能する。
「すごく美味しいな!」
パンも自作したのだろうか?ふっくらとしていて向こうでも中々食えない味が出ている。
スープなんかもしっかりと煮込んであって、具材もいい感じに味が出て量も満足である!
メインの肉は熊肉を漬けた味付け肉だろうか?ソースなどを使わずそのまま食べてもしっかりとした味がしている。
二人しかいないので、品目は少し少なめだが量はその分かなり多く用意してあるが、美味しさのあまり全部食べてしまった。
「あ~、美味しくってついつい食べてしまった。」
ご馳走さまと彼女に言いながら、俺はポリポリと頭をかく。
「いえ、むしろ全部食べてくれて嬉しいですから、いくらケーマが男の人で食べるだろうと思って作ったけど、ちょっと作り過ぎたかなって思ってたから」
だから全部食べてくれて嬉しいとそう言いながら彼女は皿を洗う。
俺はそんな彼女の手伝いをするために彼女の隣にいって彼女が洗って流した皿を乾いた布でふく。
すると嬉しかったのか彼女から鼻歌が聞こえてきた。
「ふふ~ん♪る~らら~♪」
彼女の可愛い声を隣で堪能しながら後片付けを終えて、二人でお風呂場に行く。
「その、改めてこう裸になるのは恥ずかしいですね。」
顔を赤く染めながら彼女は衣服を脱いでいく。
俺も着ている衣服を脱いでいきながら彼女に言う。
「お風呂場のルールとか教えてあげるから、ほらおいで?」
そう生まれたままの姿で誘ったら彼女は先程より顔を赤くして全部脱いだ。
「あうう、ケーマぁ」
トコトコと俺に甘えて来た彼女にキスをしながら俺は彼女に掛け湯をする。
「今まではあーゆう簡素なお風呂だからルールとか関係なかったけど、お風呂に入る時はちゃんと体を洗ってから入るようにな。」
俺は魔道具からシャワーを流して、彼女の身体を洗っていく。
「はっ、んっ」
「ちょっと痛いか?」
彼女の華奢な身体を洗いながらもっと優しく洗うように意識する。
すると、
「こ、今度は私がケーマの背中を流します!」
そう言って俺の背後に行って、俺を座らせた。
「もうケーマばかりずるいです、私だってケーマにいろいろしてあげたいんですから!」
決意を秘めた瞳で俺を見つめながら、彼女は俺のを洗った。
「どうでしたか?」
俺の身体を洗えた事が嬉しかったのか、身体をピタリと寄せながらマールは聞いてきた。
だから、まず行動で示した。
生まれたままの彼女を抱きしめてキスをした後にこう答えた。
「すごく気持ち良かったよ、ありがとうマール」
そして身体が冷えないうちに湯船に使って極楽を味わう。
「はぁ~、覗かれる心配のないお風呂がこんなに幸せなんて」
彼女は俺の隣で湯船に身を任せて無防備な姿を見せる。
すると自分の姿勢に気づいたのか姿勢を正して取り繕う。
「そのケーマが作ってくれたお風呂すごく気持ちいいです。」
とろけるような笑顔を俺に向けてそう言った彼女を俺は抱き寄せながらキスをした。
「お風呂に入ってる時ぐらい、さっきみたいに無防備な姿をもっと見せてくれてもいいのに」
俺がちょっと残念そうに言うと彼女は、
「あうあうあう~」
すごく赤くなってしまった(効果抜群だ!)
このままではのぼせてしまいそうなので、今日はここら辺で上がる事にした。
「寝室はどの辺りかな?」
「その、私の部屋で一緒に・・・」
どうですか?という前に俺は彼女にキスをした。
「案内してくれる?」
「はい!」
俺たちは今夜もまた熱く甘い夜を過ごした。

また濃密な一時をマールと過ごした翌日の朝に俺とマールは二人でレミィの家、すなわち族長の所に訪ねて来ていた。
「よく来たな、とりあえず説明するから座ってくれ。」
俺が椅子に座るとマールが、
「私はレミィ様にちょっと話をしておきたいので失礼しますね」
「何を話するんだ?」
「まぁ、女同士でいろいろあるんだろう、それよりもまぁ、わかっていた事だが男どもがウダウダ言っていたから喧嘩祭りをやることになった。」
なんですと?
「喧嘩祭りってなんです?」
激しく嫌な予感が、
「まぁ簡単に言う意中の女が他の男にとられそうなのをその男をぶったおして自分をアピールする為の祭りだ。」
なんと面倒な!
「既に連れ合いや意中の相手がいるやつは参加せずに、酒なんかを飲み食いするだけだが今回はほとんどの男連中が参加するだろうから、何人か代表を決めてやる事にしたからそんなに時間はかからんよ、それよりもお主、獲物は何を使っている?」
「基本的にっていうか、この身一つで森の中でしたからね、身体能力が恐ろしく高いからそれとスキルで狩りをしてました。」
「なるほどな、では祭りは素手行う事になっているから魔法などはなるべく使わないようにな。」
使っても問題ないそうだが、ウダウダと喋るやつがいるらしい。
「まぁ、そんな訳だ、あまりやり過ぎないように手加減してくれ」
「わかりました」
そういえば、
「マールが戻って来ませんね?」
「ふむ、レミィのやつも来ぬな。」
呼びにいくことも考えたが、
「まぁ女同士の話をするといっておったし、そこまで気にする事はないのではないか?」
「そうですね、ではなんか適当な料理のレシピをお渡ししておきます。」
スキルを使って再現出来そうな料理のレシピをいくつか渡す。
「それを一番料理が得意な人に渡して見てください。」
「ふむ、わかった、そうしておこう」
その後、族長殿としばらく話をしていたが、祭りが始まるギリギリまでマールはレミィと話をしていた。

そして、迎えたその日の夜、祭りが始まった!
俺の相手に選ばれた5名はなぜか混ざっている族長殿を含めて5人いる。
まず一人目が先程言った族長であるヴォルグ殿

続いて二人目が男性陣の中で族長の次に強いと言われるガルム殿
その次の三人目が一応男性陣で三番手らしいのだがあの手この手といろいろと使いまくるせいかあまりモテないザッス君
四人目は真正面から当たればガルム殿に迫る実力があるテムシン殿、テムシン殿はガルム殿よりも年上でレミィとマールの事を妹もしくは姪っ子と言っていいくらいに思っているらしいのでこれに参加したらしい(ちゃんと既に相手がいて許可をとってから参加した模様)

少し脱線したが五人目は集落の弟たちを代表してアルヴィス君が参戦、子供たちの中では一番期待されている子らしい。
以上の5名が俺の相手として選ばれた訳だが、族長殿にガルム殿、テムシン殿は普通に手加減すればいいかもしれないが、他二人は相当気を付けないと普通に怪我をさせてしまいそうだ。
そんな訳で本当は族長殿が、真っ先にやりたかったようだがザッス君の余計な一言で弱い順からやる事になった。
族長の忌々しげ視線をどこ吹く風と流してこちらを見る。
メインディッシュは後から出てくるものだからな、と一言余計に言って構わないと伝えるとアルヴィス君が鼻息荒くして構える。
「前座かどうか試してみろ!」
するとただシンプルにまっすぐ踏み込み拳を握り突きを
俺はそれを半身だけ避ける。
たったそれだけの動作で俺の力量を悟ったらしく顔つきが変わった、確かに皆が期待する気持ちもわかる。
中々将来が有望な子だ、だからこそあえて全力を出させるように挑発する。
「ほら、君の実力はあれだけかい?遠慮はいらないから全力でおいで」
すると相手を見くびっていた自分を恥じたのか、大きく深呼吸をして右手と左手を組んで武道における礼をした。
「若輩者でありますが、全力で行かせて貰います!」
「来い!」
そういうとアルヴィスは風のような速さで踏み込んで突きや蹴りを放つ。
聞いていた通りに打撃技オンリー、俺からしてみると中々手加減が難しい。
3分ぐらいだろうか?そこまでがむしゃらに攻撃してきたアルヴィスの息が切れて動きが鈍くなる。
「もうそろそろおしまいかな?」
対して俺は最少限の動きでアルヴィスの攻撃を避けたり捌いたりしたので、全然余裕がある。
「まだまだぁ!」
根性で攻撃しようとする彼の蹴りを流して投げる。

[闘技 霞流しかすみながし]
相手の蹴りを上方向に流して重心を崩して相手の軸足を手で払う打投合技だとうごうぎの返し技である。

キレイに1回転して受け身をとった彼は立ち上がろうとするが、その前に俺に人差し指でおでこを抑えられて動けなくなった。
「どうする?まだ続けるかい?」
息を全く切らしてない俺を見て観念したのか、
「参りました。」
彼は悔しそうに降参した。
俺は彼に握手しながら、彼を誉めた。
「マールやレミィもかなりやるけど君は二人よりも強くなれるかもな。」
彼は少しむくれながら、
「かすりもしない人に言われても悔しいだけですよ!でもまた今度手合わせをお願いします!」
中々いい子だな、かなりモテるとみた。
「いいよ、これからここに一緒に住むんだから仲良くいこう。」
そんな感じで一戦目を終えた。

二人目はテムシン殿だ、真っ向勝負が好きなようなので先程のアルヴィスと同じように攻めて来てもらうつもりだ。
「中々なんてかなり生易しい表現だな。」
テムシン殿はそうと、構える。
「安い挑発など必要ない、さぁ全力でぶつかり合おうぞ!」
血沸き肉踊る、そんな言葉が似合う表情で俺と一戦交えるのを楽しみにしていたようだ。
「わかりました、真っ向から叩き潰しますので、つまらない油断で怪我をしないでくださいね!」
そう言って俺は
「上等!!」
そう言いながらテムシン殿は俺に向かって突っ込んで来る。
戦い方はアルヴィスとそんなに変わらないが、テムシン殿の方がペース配分と言うものを知ってる・・・のは当然か。
それ以外に技のキレなんかもやはり彼の方が凄い!
正直に言って中々の勉強になる。
アルヴィスにかました技は多分、あのままだと俺しか使えない。
どう考えても、足を手で払うとか普通に考えて無理だ、だから本来なら足払いが正解だと思う。
まぁ何が言いたいのかと言うと、とんでも身体スペックで大概はどうにかなってしまうから手加減すんのが恐ろしく手間だと言いたい!
けどアルヴィスの時みたいにあからさまな手加減は出来ない、出来ないようにテムシン殿が技を放ってカウンターのカウンターを狙っているのは、俺は読んでいるので、それに対抗する為に寸止めの突きを繰り出す。
[ドコォッ!!]
テムシン殿の腹が
「ゴフッ」
技も何もなく身体能力の高さを利用して少し本気で突きを出しただけ、たったそれだけで俺の拳は音速の壁をぶち抜いた。
衝撃波の威力が少々強すぎたがまぁ相手の強さを考えるとこれ以上の手加減は失礼だな、と判断していると訳わからない事を言い出したバカがいた。
「こいつ魔法を使いやがった!」
「はっ?なに言ってんだ?お前?」
「魔法で見えなくした獲物を使ったんだろう!?じゃなきゃ」
「じゃなきゃ?何だ?」
こいつがやろうとしている行為はテムシン殿の名誉に関わる。
そう判断した俺は、リミッターを2段階緩くした。
それだけで俺のステータスから出る存在感と言えばいいのだろうか?動物園で虎といっしょに檻に入って虎を無視することができないように、皆俺から視線を外せなくなった。
「お前はちょっと許せない事をやろうとした、テムシン殿は俺に真っ向から立ち向かい敗れた勇気の持ち主!それを侮辱する事は俺が許さない!」
あまりの圧力にザッスは顔を青くしてガタガタと震えるだけで動けないようだ。
「いつまでそんな所でプルプルしてるつもりだ?さっきの攻撃をどうやったか、直接味あわせてやるよ!」
族長殿が仕切って合図を下す。
「始めぃ!!」
今回は俺から攻めた。
文字通りテクニックもなにもない、ただの喧嘩殴り、そう拳骨をやつの顔面にめり込ませた!
[ゴジャッ!!]
顔面を中心に2回転半、縦回転して腹から落ちた根性無しはそれだけでピクピクと伸びている。
「弱すぎだろうこいつ(ため息)」
能力的には2段階上げたが、動きは先程の二人よりもぬるいのにこの様と言うことは、何かズルでもしてるのだろうか?

そんな事があっても皆は気にせずに祭りを継続させる。
四人目のガルム殿は、明らかにテムシン殿よりも強いな。
隙がないとかじゃなくて、存在そのものが強い、そういう気配を出してる。
「オレ本気でいく。だからお前もオレが死なない程度にホンキ出す!」
なんと言うか、テムシン殿といいガルム殿といい競う事の楽しみを俺に与えてくれる。
それは俺のステータスが以上であることを知っていて、それでも挑んでくる。
だから俺はそれに応えて思いっきり戦う!
「では、始めるぞ?」
俺たち二人は構える。
「始めぃ!!」
そうして俺はガルム殿の拳が繰り出してきた拳を、拳で
「ぬぅ!?」
中々驚いたみたいだが、それだけではなく攻撃を繰り出し捲ると少し速すぎるのか、ガルム殿は徐々に押しきられていく。
「これで一気に決める!」
体勢を崩したガルム殿に俺は技を繰り出す。

[闘技 無槍一閃むそういっせん]
何も持っていないのに、そこに槍があるように拳に宿っている魔力が槍の形に変わって、彼に伸びていく。
だが彼は
高々と跳躍して俺の突きをかわすと、拳に魔力を集中させて俺を狙って振り下ろす。

[秘技 オーガ・ブレイク鬼砕き]
細かい説明など何もいらないくらいに単純な一撃、ただ全力を込めた一撃を今までの修練で培った経験も全てまとめて叩きつける。
そんな一撃を、俺は魔力と気を両方使って無効化する。

[闘技 水鏡身 水無月すいきょうしん みなづき]
魔力と気を使って巨大な膜を張って攻撃を減衰させながら受け流す、技と言っていいか、わからないくらいの力業。

ガルム殿の拳は地面を少し削ったくらいで止まった。
そして、俺は何も変哲もない左中段正拳突きを繰り出しガルム殿の腹に音速を超える速さで寸止めする。
「ブゥルバァ!」
その瞬間ガルム殿は崩れ落ちて、俺の勝ちは確定する。

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