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第一章 異世界にて・・・
第九幕 伝説の悪龍
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sideクズ親子
「はっ!はぁっ!はひ!・・・・」
もう二月になるかならないかぐらい前に、集落でやっていた不正行為が明るみになった。
それから厳罰試合を行い、相手にこの上なくボコボコにされた挙げ句おまけに脚を切り落とされた!
馬鹿息子は腕を切り落とされたが、あの馬鹿がバレなければこんな事にはならなかった!
いざという時は龍化を行い、どうにか獲物を狩って毎日を凌いでいるある日の夜にそれは現れた。
つい今しがた現れ、追って来てるあいつは、集落にいた者なら全員が知っている化け物だ!
「だっ!誰か!!助けてくれ~!!」
必死に声を出すが、集落に向かっているはずなのに一向に着かない。
「何故だ?集落はそこまで遠くなかったはずだ!」
老害の頭の中には彼が施した魔法の事がすっかり抜け落ちてた。
すると前方の茂みから急に何かが飛び出してきた!
「ひぃぃぃぃ!!」
だがそれは、動かない。
それを確認する為に近づいた時に厚い雲に覆われていた月が顔を出して彼の周りを照らした。
「あ、あぁぁぁ!?」
それは、下半身を無くして体の中身も空っぽになった、彼の息子だった!
右目を失って、ガラス玉のような物言わぬ空虚な瞳で彼をうつす。
彼は急いでその場から離れようとしたら声が聞こえる。
「ダイジナ、ムスコヲ、オイテ、ドコニイクンダ?」
非常に聞き取り辛い発音で、でも彼のすぐそばから確かな声が聞こえた。
そう彼の耳元から・・・
「ゴハンハ、ユックリト、カンデ、タベナサイッテ、マミーカラ、オソワラナカッタカ?」
彼は、あらゆるモノを垂れ流しながら続く言葉を聞く。
「マァ、クウノハ、オレデ、オマエハ、クワレル、ダケドナ!!」
楽しそうに目を細めて、口を開ける。
馬鹿息子の体も、老害の悲鳴すら聞こえずに辺りは再び闇で覆われた。
「マズイ、ゼツボウノ、アジハ、マァマァダッタ、ガ、ニクガ、マズカッタ」
次の獲物を探して、化け物は再びさまよいだした。
sideケーマ
あの喧嘩祭りから一月程経過した。
あれから俺の趣味と実益を兼ねた実験はいろいろと成果をあげている。
まず水道やお風呂関係の工事を集落の全員でこなした。
排水を浄化洗浄して更に元の水よりもクリーンで栄養価の高い水に出来る魔道具が出来てしまった。
そう、精々元の世界にあった装置の軽い強化版でも作れたならいいなぁぐらいに作ったら、まぁ規格外な一品が出来ましたよと!
しかも超頑丈でマールやレミィとかはもちろん!ガルム殿や族長であるヴォルグ殿でも壊せない頑丈さ・・・
鑑定したら、二万年は持ちますよと出ました(遠い目)。
どっかの太陽の神様もびっくりな装置に心折れながらも無事設置を完了して、集落の真ん中辺りに空き地があるからそこに大浴場も作った。
当然、男湯と女湯に分けてある。
おまけに、男女共に覗き対策はバッチリだ(龍人族の女は攻めあるのみ!)
正直、龍人族ってその考え方からけっこう婚活に失敗する人が多いんだよね(特に女性)。
肉食系の女性が多い環境だから、男性は草食系の戦闘狂が多いようだ。
うん、改めて思うけど中々濃い集落でした。
話が大分逸れてしまったが、例の魔道具の効果は清浄と聖浄の2つを持っている。
つまり、神具と呼んでいいくらいの性能を持った魔道具が出来上がりました。
いやね、言い訳をさせてもらうとね、そういうイメージをして創世術を使って魔道具を作っただけなんだよね(汗)ホントに(苦笑い)。
成果をあげるとかそういうレベルで済まないぐらいにやらかしてはいるが、喧嘩祭りの時みたいに誰も白目を剥いてないから大丈夫(何が?)なはずだ!多分。
そんなわけで今、集落の連中とマイホーム魔改造計画を遂行してるんだけど、俺がいたあの森ね、かなり種類豊富な薬草がいっぱいあるのよ!
薬の調合もスキルの力を借りれば万事解決するかもしれないしな!
そんな感じで現在、薬草の効能とかスキルを使ってチェック中。
「ふぃ~、ようやく半分くらいか?」
俺は仕分けした薬草の山とまだ仕分けていない薬草の山を見比べる。
「張りきり過ぎですよ、こんなにいっぱい集めてどうするのですか?」
マールが追加を持って来ながら、俺に問いかける。
「一番は各病気に備える為に今から薬とかの備蓄を集める為、二番目が採ってきた薬草を集落の近場で養殖出来ないか試す為、三番目が前に言った森の動植物の生態系を確認する為だ。」
レミィがそれを聞いて疑問に思ったのか質問してくる。
「一番目と二番目はともかくとして、三番目の目的は何で?」
マールがそれに相槌を打ちながら、俺が言っていた理由を確認する。
「確か私たちの食べる量と森の面積や動物達の生態系がおかしいって理由ですよね。」
俺はそれを聞いて、更に捕捉する。
「普通な熊やウサギなんかの哺乳類は、一度に子孫を残せる数が虫や鳥なんかに比べてかなり少ないんだ、だからある程度の強さがある。」
この森も弱肉強食の掟で成り立っているからな。
「だが、俺達は集落のみんなを含めて大量に狩って毎日食いまくってるだろ?」
マールとレミィが同時に頷いた。
「だから、この島から動物がいなくなってもおかしくはないのに未だにいるという事は何か理由があるって事だ。」
そして、俺はこうも言った。
「熊にしろ、薬草にしろ採れなくなってからでは遅いんだ、今から対策を練らないと。」
二人は感心したように俺を見ている。
「ケーマってけっこう先の事を考えてますよね。」
「そうね、たまにすごい意地悪で大胆だけど」
マールは嬉しそうに、レミィはここぞとばかりに俺に絡んでくる。
「こら、二人ともそれじゃ仕分けが出来ないよ。」
困った顔で俺が訴えると、
「残りは家に帰ってからやればいいじゃん?」
「そうですね、獲物は充分過ぎるくらいに狩りましたし。」
と二人に提案されたので、それに乗る。
「仕方ないか、もう日が沈むからな。」
そう言って俺達は集落に戻った。
集落に戻った俺達は、改築した家々を遠目にチェックしながら自分達の家に向かった。
「やっぱり、どうにかして人口を増やしたいな。」
俺が考え事をしながらポツリと漏らすと、
「な、なら私達もがんばる!」
などとレミィが言い出し、
「今日は精のつく物を作らないと!」
マールが気合の入った顔でそれに続く。
俺は、その気持ちが嬉しかったので自分の頭を掻いてから、マールとレミィの頭を撫でてやった。
「ありがとうな」
そう言った瞬間二人俺にしがみついた。
「私達はケーマのモノなんだから!」
「そうです、もっと遠慮しないで獣になっていいのですからね!」
そんな風にイチャイチャしながら俺達は帰宅した。
その後は、当然今後の為の実験もやりつつ、マールとレミィと一緒に甘い夫婦の営みに励んだ。
そこから、更に一週間がたった。
龍人族は長命だ、同じ長命だと言われるエルフよりもずっと長い。
どれだけ長いかと言うとエルフが500年だとすると龍人族はなんと2000年・・・鶴や亀じゃ無いんだからやり過ぎだろう。
ちなみに、俺の寿命は無い・・・そう龍神になった俺に老死というモノは無いようだ。
二人もこれを知ってしまったから、子供を欲しがるのだろうな。
永遠の命か、なんというか、なってみた奴じゃないとわからないよな。
俺はこの世界で何をして生きていくか、悩むしかないな・・・
まぁ、うじうじ悩んでも仕方ないし今は集落改造計画を遂行して行くとしよう。
この日は、家でじっくりと計画を練るのと全知の瞳のスキルを使い、前に発見した薬草を使って調合していろいろな薬を作った。
更にスパイスの代わりになる薬草も見つけたので、それを使った料理を二人に作ってあげて食べさせてあげた。
一月以上経っても集落の独身連中の視線が未だに痛いからな、家の中でイチャイチャしても別にいいだろう(リア充爆発しろ!)?
ちなみに作ったのは、カレーライスだ!この集落に来て二週間で米を見つけたのは幸運だった。
そして、植生を調べて養殖してるんだけど、この世界の稲、雑草よりも強いです。
これもスキルを使って判明したんだけど、田んぼでも育つのだけれど、畑とかでも普通に育っていく。
つまりどんな環境でも成育することができるから、ちゃんと知識を持って育てると多分この世界に飢えという言葉は消えると思う。
そんな感じに米を発見した俺は、釜を作るのが面倒になって創世術を使って炊飯器を作っちゃいました。
しかもかなり量産したし、例に漏れずこれも神器になりました。
そんなこんなでこの集落では、主食に米を食べて生活している。
あ、稲の養殖の結果を言い忘れたけど、この世界の稲、年に8回の収穫ができるからちょっと大きめの田んぼとかで飼育するだけで消費を賄える計算が出た。
2ヶ月も待たずに次を収穫できるんだから、ただでさえ大食らいが多い龍人族にはちょうどいい食べ物だ。
カレーライスをマールとレミィに食べさせて感想を聞いた後に二人にレシピを教える。
このレシピも明日には集落にいる全員に広まっているだろう。
そこから、3日後ぐらいにマールとレミィが女の子を一人連れて来た。
彼女の名前はエルディス、みんなからエルと呼ばれている娘だった。
二人が連れて来た以上何か悩みでもあるのだろう、居間でテーブルがあるところに座らせお茶と茶菓子を出してから訳を聞くと、
「ケーマさんの事が大好きです!結婚して下さい!」
あまりに予想外の事に俺の思考はフリーズした。
「あ、固まった。」
レミィが軽く他人事のように言う。
「まぁ、それだけ私達の事を考えてくれているという事でしょう(ニッコリ)」
その様子に気づいて俺は二人に聞く
「二人は何でこの娘を連れてきたんだ?」
その問いを聞いて二人は同時に、
「「そんなのエルが可愛いからに、決まってるじゃないですか!」」
「そ、そうか・・・」
俺は少し考えて、改めて二人に聞く
「仮に俺がこの娘を気に入ったとしてこのを俺が貰う事になっても二人は構わないのか?」
それを聞いて二人は、微笑みながら
「い~よ~(グッ!)」
「私もエルならいいですよ(ニコッ)」
・・・マールの笑顔に別の意味があるように見えるのは、俺の気のせいだろうか?
「まぁ、二人の気持ちはわかった、とりあえず二人で話がしたいからいいか?」
二人は揃ってごゆっくりと俺とエルを送り出す。
とりあえず俺の部屋に移動した後に彼女に聞いてみる。
「俺は既にマールとレミィを娶ってるけど、エルさんはそれでいいのか?」
その問いに対してエルは、
「その事は全然アタシは気にして無いんです、只、私も混ぜて欲しいな~って二人にはお願いしてみたのだけど・・・」
やっぱり最初は断られたそうだ。
「当然ですよね、二人して世界で一番好きな人って周りにノロけるぐらい好きな人なんだから、ただ龍人族の女の本能があなたを求めているという理由で大好きで一番大事なあなたを分けてくれるはずは無いわよね。」
二人に大切に思われて、嬉しかったが流石に照れる。
「そ、そうか・・・」
ちょっと、気まずくてエルさんから顔を反らす。
その隙に、
「私の理性も本能もあなたが欲しいと求めています!あの二人のおまけでもいい!あなたを、ケーマを愛したいの!遠くからじゃなくてもっと、傍から・・・」
潤んだ瞳で俺をまっすぐ見つめながら、俺はエルを抱き締めてキスをした。
「ここまでされた時点で俺の負けかな?それにしても龍人族の女の子は情熱的過ぎる!みんなに溺れてしまいそうだ(ニコッ)」
少し冗談を入れてそう言ったら、
「いくらでも溺れて下さい!アタシはあなたの、ケーマのモノなんですから!」
目を逸らさずに、更に情熱的な答えをもらって俺はこの日、妻たちの手助けもあって三人目の嫁を貰う事を決心した。
そのまま甘い時間を過ごし日付が変わった瞬間に二人も乱入し激甘トロトロな時間を朝まで楽しんだ。
新たにエルが家族に加わり次の日に族長に挨拶をして、また祭りが始まったのだが・・・今回はレミィ達が前座を引き受けてくれた事で誰も白目を剥くことはなかった。
とりあえず俺は飲み比べの方に参加して、他三人の嫁たちは夜這いを事前に防ぐ為に喧嘩祭りの方に参加した。
つくづく、濃い集落・・・もとい種族である。
この考え方は少し危険な気もするが、今の所間違いではないだろう。
蒸留器や燻製器などの装置は軒並み作成済み(もちろん出来たのは神器)
とりあえず今の所は俺が作れば問題は無いだろう、島から出れないし、俺は出れるかも知れないがレミィ達を置いてくつもりはない。
カレーライス以外にもカツ丼やオムレツなどの料理も広めた(グッ!)
卵はバトル・コッコというまんま闘鶏のようなというか柴犬ぐらいのデカさの鶏を発見したのでそれを捕獲して飼育している。
ちなみに世話をしているのは、集落の子供たちだ。
まだ狩りの訓練が始まる前の子達に世話を任せている。
最初は生キズが絶えなかったが、今では全然普通に捕まえたり出来るので中々の成長ぶりだ。
子供たちの訓練を担当している者たちも子供たちの更なる飛躍に期待しているようだ。
そんな感じに食材や料理に関する成果を祭りで確かめて、俺と妻たちは四人で家に帰り、じっくりと幸せ家族計画についていろんな形で語り合った。
そこから更に一週間たった辺りでマールが少し体調を崩した。
それと同じぐらいの時期にクズ親子の反応が消えた。
とりあえず俺はマールを横にして体調を調べてからクズ親子について調べる事にした。
結論から言うとマールは妊娠していた。
最初は何か病気でもかかったのではと、全知の瞳を全開にして調べていたが、特に以上はなかった。
いや、あったと言えばあった、下半身の方に・・・それに気付いた時にマールのお腹を撫でながら思いっきりキスをしてしまった。
俺の突然の行動に珍しく目を白黒させながら俺の話を聞くと嬉しさのあまりにポロポロと泣き出してしまった。
「一番最初にケーマに貰われたのは私なんですから、それだけは譲りたくなかったんです!」
取り乱したのが恥ずかしいのだろう、少し膨らんだほっぺをプニプニしつつ、レミィとエルが報告から帰ってくるのを待つ。
「ワシの孫はいずこ!?へぶっ!」
すると族長殿が乱入して来て、レミィとエルに頭を叩かれていた。
それを見た俺とマールは笑ってしまった。
その後マールの体調の事を説明したら、
「よし、今宵も宴じゃ!!へぶっ!」
「今からだとみんなに迷惑だから明日にしなさい!」
レミィにまたひっぱたかれた(苦笑)
それでもへこたれずに、明日は絶対に祭り(ランクアップ)をやると息を巻いて帰って行った。
多分、テムシンさんあたりに今から喋るのだろうな・・・
族長殿が帰った後に、俺はレミィとエルに少し出かけてくる事を伝える。
理由はクズ親子の死因を調べる為、あの森ではいくらあの二人がボンクラと言っても殺せる生き物はいない、そう考えていた。
だからこの集落に近づけないように魔法をかけたんだけど、あの二人を同時に狩れる魔物がいるとなるとちょっと放置出来ないから、調べる事にした。
そんな感じで俺は出て行こうとするとエルが、
「マールに何も言わないで行くつもりですか?」
俺は思わずピタッと止まった。
「心配かけたくないのはわかるけど、言った方がいいと思うな~」
「うっ」
レミィからもそう言われて、俺は思わず呻く。
「マールは怒ると長いですよ?」
「確かに10年は口を聞いてもらえないかも?」
「そんなに!?」
俺は思わず大声で驚いていると、
「そこまで長く怒ったりしません!」
ちょっとむくれた顔でマールが出てきた。
「後で二人には、お話をする必要があるようですね(ジロッ)」
「起きて大丈夫なのか?」
俺がそう聞くとマールは、
「はい、理由がわかって落ち着きました。・・・行くのですよね?」
俺が頷くとマールは、
「んっ!」
最初の時のように俺に抱きついて情熱的にキスをした。
「ちゃんといい子にして待ってますから、その早めに・・・」
帰って来てください、そう言う前に俺の方もお返しした。
「明日の朝には帰る。」
そう行って俺は家を出て出発した。
side残された二人
ケーマが出発した後に私とレミィはマールを座らせて食事の用意をする。
ケーマは料理はマールが一番うまいと思っているようだがそのマールに料理を教えたのは誰かをまだ知らない。
私はレミィに指示を出しつつ下拵えを片っ端から終わらせていく。
「ふぇ~」
レミィが感心するようにこちらの手際を見る。
「マールの師匠ってエルだったんだ!」
いきなり核心を突いてくるこの娘に私はドキッとしながら答える。
「あんたも相変わらずズバッと当てるね。」
苦笑しながら言う私にこの娘は、
「だってあの頃のマールってツンツンしてたし、料理だって凄いのしか作れなかったし・・・」
後ろに急に気配を感じるとレミィの後ろからマールが出てきた。
「その話は本人を目の前にして、本人をのけ者にして話す内容ですか?」
そう言ってレミィのほっぺをプニプニと引っ張る。
「ふみぅ~」
レミィが弄ばれているうちに私は作り終わった。
「もう作り終わったからそこまでにしてあげなよ?」
私がそうマールに言うと、
「では、次はエルですね(ニコッ)」
「へっ!?」
一瞬で後ろにまわられて、全身をいじられる。
「ひゃうぅ!ちょっ!ちょっと!?まっ!?んんっ!?あっあん!!」
マールにねっとり絡みつかれて私はあられもない声を出す。
「うわぁ~」
レミィが遠くに離れてこちらを眺めてる。
「れ、れみぃ、たしゅけ、ひゃああぁぁぁ!!」
「ごめんねエル、そうなったマールを止めれるのはケーマだけなんだよ(憂い顔)」
エルは絶望した顔で、マールは凄く楽しそうな顔で、
「まだまだ、夜はこれからですよ?」
「いやぁ~~~~!!!?」
翌朝、ぐったりしたエルと超ご機嫌なマールと、知らないふりをするレミィがリビングで話をしていたと、ケーマは言う。
「はっ!はぁっ!はひ!・・・・」
もう二月になるかならないかぐらい前に、集落でやっていた不正行為が明るみになった。
それから厳罰試合を行い、相手にこの上なくボコボコにされた挙げ句おまけに脚を切り落とされた!
馬鹿息子は腕を切り落とされたが、あの馬鹿がバレなければこんな事にはならなかった!
いざという時は龍化を行い、どうにか獲物を狩って毎日を凌いでいるある日の夜にそれは現れた。
つい今しがた現れ、追って来てるあいつは、集落にいた者なら全員が知っている化け物だ!
「だっ!誰か!!助けてくれ~!!」
必死に声を出すが、集落に向かっているはずなのに一向に着かない。
「何故だ?集落はそこまで遠くなかったはずだ!」
老害の頭の中には彼が施した魔法の事がすっかり抜け落ちてた。
すると前方の茂みから急に何かが飛び出してきた!
「ひぃぃぃぃ!!」
だがそれは、動かない。
それを確認する為に近づいた時に厚い雲に覆われていた月が顔を出して彼の周りを照らした。
「あ、あぁぁぁ!?」
それは、下半身を無くして体の中身も空っぽになった、彼の息子だった!
右目を失って、ガラス玉のような物言わぬ空虚な瞳で彼をうつす。
彼は急いでその場から離れようとしたら声が聞こえる。
「ダイジナ、ムスコヲ、オイテ、ドコニイクンダ?」
非常に聞き取り辛い発音で、でも彼のすぐそばから確かな声が聞こえた。
そう彼の耳元から・・・
「ゴハンハ、ユックリト、カンデ、タベナサイッテ、マミーカラ、オソワラナカッタカ?」
彼は、あらゆるモノを垂れ流しながら続く言葉を聞く。
「マァ、クウノハ、オレデ、オマエハ、クワレル、ダケドナ!!」
楽しそうに目を細めて、口を開ける。
馬鹿息子の体も、老害の悲鳴すら聞こえずに辺りは再び闇で覆われた。
「マズイ、ゼツボウノ、アジハ、マァマァダッタ、ガ、ニクガ、マズカッタ」
次の獲物を探して、化け物は再びさまよいだした。
sideケーマ
あの喧嘩祭りから一月程経過した。
あれから俺の趣味と実益を兼ねた実験はいろいろと成果をあげている。
まず水道やお風呂関係の工事を集落の全員でこなした。
排水を浄化洗浄して更に元の水よりもクリーンで栄養価の高い水に出来る魔道具が出来てしまった。
そう、精々元の世界にあった装置の軽い強化版でも作れたならいいなぁぐらいに作ったら、まぁ規格外な一品が出来ましたよと!
しかも超頑丈でマールやレミィとかはもちろん!ガルム殿や族長であるヴォルグ殿でも壊せない頑丈さ・・・
鑑定したら、二万年は持ちますよと出ました(遠い目)。
どっかの太陽の神様もびっくりな装置に心折れながらも無事設置を完了して、集落の真ん中辺りに空き地があるからそこに大浴場も作った。
当然、男湯と女湯に分けてある。
おまけに、男女共に覗き対策はバッチリだ(龍人族の女は攻めあるのみ!)
正直、龍人族ってその考え方からけっこう婚活に失敗する人が多いんだよね(特に女性)。
肉食系の女性が多い環境だから、男性は草食系の戦闘狂が多いようだ。
うん、改めて思うけど中々濃い集落でした。
話が大分逸れてしまったが、例の魔道具の効果は清浄と聖浄の2つを持っている。
つまり、神具と呼んでいいくらいの性能を持った魔道具が出来上がりました。
いやね、言い訳をさせてもらうとね、そういうイメージをして創世術を使って魔道具を作っただけなんだよね(汗)ホントに(苦笑い)。
成果をあげるとかそういうレベルで済まないぐらいにやらかしてはいるが、喧嘩祭りの時みたいに誰も白目を剥いてないから大丈夫(何が?)なはずだ!多分。
そんなわけで今、集落の連中とマイホーム魔改造計画を遂行してるんだけど、俺がいたあの森ね、かなり種類豊富な薬草がいっぱいあるのよ!
薬の調合もスキルの力を借りれば万事解決するかもしれないしな!
そんな感じで現在、薬草の効能とかスキルを使ってチェック中。
「ふぃ~、ようやく半分くらいか?」
俺は仕分けした薬草の山とまだ仕分けていない薬草の山を見比べる。
「張りきり過ぎですよ、こんなにいっぱい集めてどうするのですか?」
マールが追加を持って来ながら、俺に問いかける。
「一番は各病気に備える為に今から薬とかの備蓄を集める為、二番目が採ってきた薬草を集落の近場で養殖出来ないか試す為、三番目が前に言った森の動植物の生態系を確認する為だ。」
レミィがそれを聞いて疑問に思ったのか質問してくる。
「一番目と二番目はともかくとして、三番目の目的は何で?」
マールがそれに相槌を打ちながら、俺が言っていた理由を確認する。
「確か私たちの食べる量と森の面積や動物達の生態系がおかしいって理由ですよね。」
俺はそれを聞いて、更に捕捉する。
「普通な熊やウサギなんかの哺乳類は、一度に子孫を残せる数が虫や鳥なんかに比べてかなり少ないんだ、だからある程度の強さがある。」
この森も弱肉強食の掟で成り立っているからな。
「だが、俺達は集落のみんなを含めて大量に狩って毎日食いまくってるだろ?」
マールとレミィが同時に頷いた。
「だから、この島から動物がいなくなってもおかしくはないのに未だにいるという事は何か理由があるって事だ。」
そして、俺はこうも言った。
「熊にしろ、薬草にしろ採れなくなってからでは遅いんだ、今から対策を練らないと。」
二人は感心したように俺を見ている。
「ケーマってけっこう先の事を考えてますよね。」
「そうね、たまにすごい意地悪で大胆だけど」
マールは嬉しそうに、レミィはここぞとばかりに俺に絡んでくる。
「こら、二人ともそれじゃ仕分けが出来ないよ。」
困った顔で俺が訴えると、
「残りは家に帰ってからやればいいじゃん?」
「そうですね、獲物は充分過ぎるくらいに狩りましたし。」
と二人に提案されたので、それに乗る。
「仕方ないか、もう日が沈むからな。」
そう言って俺達は集落に戻った。
集落に戻った俺達は、改築した家々を遠目にチェックしながら自分達の家に向かった。
「やっぱり、どうにかして人口を増やしたいな。」
俺が考え事をしながらポツリと漏らすと、
「な、なら私達もがんばる!」
などとレミィが言い出し、
「今日は精のつく物を作らないと!」
マールが気合の入った顔でそれに続く。
俺は、その気持ちが嬉しかったので自分の頭を掻いてから、マールとレミィの頭を撫でてやった。
「ありがとうな」
そう言った瞬間二人俺にしがみついた。
「私達はケーマのモノなんだから!」
「そうです、もっと遠慮しないで獣になっていいのですからね!」
そんな風にイチャイチャしながら俺達は帰宅した。
その後は、当然今後の為の実験もやりつつ、マールとレミィと一緒に甘い夫婦の営みに励んだ。
そこから、更に一週間がたった。
龍人族は長命だ、同じ長命だと言われるエルフよりもずっと長い。
どれだけ長いかと言うとエルフが500年だとすると龍人族はなんと2000年・・・鶴や亀じゃ無いんだからやり過ぎだろう。
ちなみに、俺の寿命は無い・・・そう龍神になった俺に老死というモノは無いようだ。
二人もこれを知ってしまったから、子供を欲しがるのだろうな。
永遠の命か、なんというか、なってみた奴じゃないとわからないよな。
俺はこの世界で何をして生きていくか、悩むしかないな・・・
まぁ、うじうじ悩んでも仕方ないし今は集落改造計画を遂行して行くとしよう。
この日は、家でじっくりと計画を練るのと全知の瞳のスキルを使い、前に発見した薬草を使って調合していろいろな薬を作った。
更にスパイスの代わりになる薬草も見つけたので、それを使った料理を二人に作ってあげて食べさせてあげた。
一月以上経っても集落の独身連中の視線が未だに痛いからな、家の中でイチャイチャしても別にいいだろう(リア充爆発しろ!)?
ちなみに作ったのは、カレーライスだ!この集落に来て二週間で米を見つけたのは幸運だった。
そして、植生を調べて養殖してるんだけど、この世界の稲、雑草よりも強いです。
これもスキルを使って判明したんだけど、田んぼでも育つのだけれど、畑とかでも普通に育っていく。
つまりどんな環境でも成育することができるから、ちゃんと知識を持って育てると多分この世界に飢えという言葉は消えると思う。
そんな感じに米を発見した俺は、釜を作るのが面倒になって創世術を使って炊飯器を作っちゃいました。
しかもかなり量産したし、例に漏れずこれも神器になりました。
そんなこんなでこの集落では、主食に米を食べて生活している。
あ、稲の養殖の結果を言い忘れたけど、この世界の稲、年に8回の収穫ができるからちょっと大きめの田んぼとかで飼育するだけで消費を賄える計算が出た。
2ヶ月も待たずに次を収穫できるんだから、ただでさえ大食らいが多い龍人族にはちょうどいい食べ物だ。
カレーライスをマールとレミィに食べさせて感想を聞いた後に二人にレシピを教える。
このレシピも明日には集落にいる全員に広まっているだろう。
そこから、3日後ぐらいにマールとレミィが女の子を一人連れて来た。
彼女の名前はエルディス、みんなからエルと呼ばれている娘だった。
二人が連れて来た以上何か悩みでもあるのだろう、居間でテーブルがあるところに座らせお茶と茶菓子を出してから訳を聞くと、
「ケーマさんの事が大好きです!結婚して下さい!」
あまりに予想外の事に俺の思考はフリーズした。
「あ、固まった。」
レミィが軽く他人事のように言う。
「まぁ、それだけ私達の事を考えてくれているという事でしょう(ニッコリ)」
その様子に気づいて俺は二人に聞く
「二人は何でこの娘を連れてきたんだ?」
その問いを聞いて二人は同時に、
「「そんなのエルが可愛いからに、決まってるじゃないですか!」」
「そ、そうか・・・」
俺は少し考えて、改めて二人に聞く
「仮に俺がこの娘を気に入ったとしてこのを俺が貰う事になっても二人は構わないのか?」
それを聞いて二人は、微笑みながら
「い~よ~(グッ!)」
「私もエルならいいですよ(ニコッ)」
・・・マールの笑顔に別の意味があるように見えるのは、俺の気のせいだろうか?
「まぁ、二人の気持ちはわかった、とりあえず二人で話がしたいからいいか?」
二人は揃ってごゆっくりと俺とエルを送り出す。
とりあえず俺の部屋に移動した後に彼女に聞いてみる。
「俺は既にマールとレミィを娶ってるけど、エルさんはそれでいいのか?」
その問いに対してエルは、
「その事は全然アタシは気にして無いんです、只、私も混ぜて欲しいな~って二人にはお願いしてみたのだけど・・・」
やっぱり最初は断られたそうだ。
「当然ですよね、二人して世界で一番好きな人って周りにノロけるぐらい好きな人なんだから、ただ龍人族の女の本能があなたを求めているという理由で大好きで一番大事なあなたを分けてくれるはずは無いわよね。」
二人に大切に思われて、嬉しかったが流石に照れる。
「そ、そうか・・・」
ちょっと、気まずくてエルさんから顔を反らす。
その隙に、
「私の理性も本能もあなたが欲しいと求めています!あの二人のおまけでもいい!あなたを、ケーマを愛したいの!遠くからじゃなくてもっと、傍から・・・」
潤んだ瞳で俺をまっすぐ見つめながら、俺はエルを抱き締めてキスをした。
「ここまでされた時点で俺の負けかな?それにしても龍人族の女の子は情熱的過ぎる!みんなに溺れてしまいそうだ(ニコッ)」
少し冗談を入れてそう言ったら、
「いくらでも溺れて下さい!アタシはあなたの、ケーマのモノなんですから!」
目を逸らさずに、更に情熱的な答えをもらって俺はこの日、妻たちの手助けもあって三人目の嫁を貰う事を決心した。
そのまま甘い時間を過ごし日付が変わった瞬間に二人も乱入し激甘トロトロな時間を朝まで楽しんだ。
新たにエルが家族に加わり次の日に族長に挨拶をして、また祭りが始まったのだが・・・今回はレミィ達が前座を引き受けてくれた事で誰も白目を剥くことはなかった。
とりあえず俺は飲み比べの方に参加して、他三人の嫁たちは夜這いを事前に防ぐ為に喧嘩祭りの方に参加した。
つくづく、濃い集落・・・もとい種族である。
この考え方は少し危険な気もするが、今の所間違いではないだろう。
蒸留器や燻製器などの装置は軒並み作成済み(もちろん出来たのは神器)
とりあえず今の所は俺が作れば問題は無いだろう、島から出れないし、俺は出れるかも知れないがレミィ達を置いてくつもりはない。
カレーライス以外にもカツ丼やオムレツなどの料理も広めた(グッ!)
卵はバトル・コッコというまんま闘鶏のようなというか柴犬ぐらいのデカさの鶏を発見したのでそれを捕獲して飼育している。
ちなみに世話をしているのは、集落の子供たちだ。
まだ狩りの訓練が始まる前の子達に世話を任せている。
最初は生キズが絶えなかったが、今では全然普通に捕まえたり出来るので中々の成長ぶりだ。
子供たちの訓練を担当している者たちも子供たちの更なる飛躍に期待しているようだ。
そんな感じに食材や料理に関する成果を祭りで確かめて、俺と妻たちは四人で家に帰り、じっくりと幸せ家族計画についていろんな形で語り合った。
そこから更に一週間たった辺りでマールが少し体調を崩した。
それと同じぐらいの時期にクズ親子の反応が消えた。
とりあえず俺はマールを横にして体調を調べてからクズ親子について調べる事にした。
結論から言うとマールは妊娠していた。
最初は何か病気でもかかったのではと、全知の瞳を全開にして調べていたが、特に以上はなかった。
いや、あったと言えばあった、下半身の方に・・・それに気付いた時にマールのお腹を撫でながら思いっきりキスをしてしまった。
俺の突然の行動に珍しく目を白黒させながら俺の話を聞くと嬉しさのあまりにポロポロと泣き出してしまった。
「一番最初にケーマに貰われたのは私なんですから、それだけは譲りたくなかったんです!」
取り乱したのが恥ずかしいのだろう、少し膨らんだほっぺをプニプニしつつ、レミィとエルが報告から帰ってくるのを待つ。
「ワシの孫はいずこ!?へぶっ!」
すると族長殿が乱入して来て、レミィとエルに頭を叩かれていた。
それを見た俺とマールは笑ってしまった。
その後マールの体調の事を説明したら、
「よし、今宵も宴じゃ!!へぶっ!」
「今からだとみんなに迷惑だから明日にしなさい!」
レミィにまたひっぱたかれた(苦笑)
それでもへこたれずに、明日は絶対に祭り(ランクアップ)をやると息を巻いて帰って行った。
多分、テムシンさんあたりに今から喋るのだろうな・・・
族長殿が帰った後に、俺はレミィとエルに少し出かけてくる事を伝える。
理由はクズ親子の死因を調べる為、あの森ではいくらあの二人がボンクラと言っても殺せる生き物はいない、そう考えていた。
だからこの集落に近づけないように魔法をかけたんだけど、あの二人を同時に狩れる魔物がいるとなるとちょっと放置出来ないから、調べる事にした。
そんな感じで俺は出て行こうとするとエルが、
「マールに何も言わないで行くつもりですか?」
俺は思わずピタッと止まった。
「心配かけたくないのはわかるけど、言った方がいいと思うな~」
「うっ」
レミィからもそう言われて、俺は思わず呻く。
「マールは怒ると長いですよ?」
「確かに10年は口を聞いてもらえないかも?」
「そんなに!?」
俺は思わず大声で驚いていると、
「そこまで長く怒ったりしません!」
ちょっとむくれた顔でマールが出てきた。
「後で二人には、お話をする必要があるようですね(ジロッ)」
「起きて大丈夫なのか?」
俺がそう聞くとマールは、
「はい、理由がわかって落ち着きました。・・・行くのですよね?」
俺が頷くとマールは、
「んっ!」
最初の時のように俺に抱きついて情熱的にキスをした。
「ちゃんといい子にして待ってますから、その早めに・・・」
帰って来てください、そう言う前に俺の方もお返しした。
「明日の朝には帰る。」
そう行って俺は家を出て出発した。
side残された二人
ケーマが出発した後に私とレミィはマールを座らせて食事の用意をする。
ケーマは料理はマールが一番うまいと思っているようだがそのマールに料理を教えたのは誰かをまだ知らない。
私はレミィに指示を出しつつ下拵えを片っ端から終わらせていく。
「ふぇ~」
レミィが感心するようにこちらの手際を見る。
「マールの師匠ってエルだったんだ!」
いきなり核心を突いてくるこの娘に私はドキッとしながら答える。
「あんたも相変わらずズバッと当てるね。」
苦笑しながら言う私にこの娘は、
「だってあの頃のマールってツンツンしてたし、料理だって凄いのしか作れなかったし・・・」
後ろに急に気配を感じるとレミィの後ろからマールが出てきた。
「その話は本人を目の前にして、本人をのけ者にして話す内容ですか?」
そう言ってレミィのほっぺをプニプニと引っ張る。
「ふみぅ~」
レミィが弄ばれているうちに私は作り終わった。
「もう作り終わったからそこまでにしてあげなよ?」
私がそうマールに言うと、
「では、次はエルですね(ニコッ)」
「へっ!?」
一瞬で後ろにまわられて、全身をいじられる。
「ひゃうぅ!ちょっ!ちょっと!?まっ!?んんっ!?あっあん!!」
マールにねっとり絡みつかれて私はあられもない声を出す。
「うわぁ~」
レミィが遠くに離れてこちらを眺めてる。
「れ、れみぃ、たしゅけ、ひゃああぁぁぁ!!」
「ごめんねエル、そうなったマールを止めれるのはケーマだけなんだよ(憂い顔)」
エルは絶望した顔で、マールは凄く楽しそうな顔で、
「まだまだ、夜はこれからですよ?」
「いやぁ~~~~!!!?」
翌朝、ぐったりしたエルと超ご機嫌なマールと、知らないふりをするレミィがリビングで話をしていたと、ケーマは言う。
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