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第一章 異世界にて・・・
第十幕 それは奇跡でもなんでもなくて・・・
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sideケーマ
マールが妊娠している事がわかった俺は、この幸せを脅かす可能性があるモノを排除する為に島の集落のある西側からクズ親子を捨てた東側にある森へ移動していた。
しかも龍化して軽く飛んで来たので、10分もしないうちに目的の場所に到着した。
「この辺りがあのクズ親子のテリトリーになっていたはずだ。」
龍化を解いて、地上へと降りる。
その際に周囲に魔力を拡げて何かいないか、探索魔法を発動させる。
「反応は無いが・・・この辺りは魔物が多いって話だったはずだ・・・」
全知の瞳のスキルを使えば簡単に場所がわかると思うかも知れないが、あれはどちらかと言えば遠くにあるモノや過去のモノを見るのに適している。
つまり現在進行形で動いているモノに対して効果が薄くなるのだ。
更に言えば、未来を見るのにはかなりの魔力が必要となり、場合によっては体力も消耗する。
だから戦闘等では全知の瞳はひどく使い辛いスキルなのだ。
「場合によっては透視なんかも出来るけど、望遠鏡を覗きこんだまま歩くのと一緒だからな。」
スナイパーライフルのスコープは狙撃だと役に立つが、肉眼で見える位置までくれば使わないのと似ていると思ってくれていい。
「いるのは確実だが・・・とりあえず後の先でいくか!」
そう言って俺は周囲の探索をするために歩き始める。
「さてと、とりあえずあのクズ親子の拠点でもチェックしてみるか。」
しばらく歩くと岩壁に辿り着く。
見渡すと洞窟を見つけた。
「あそこが拠点か。」
俺は無造作に近づいて洞窟を覗く。
「ふむ、結構頑張っていたようだな。」
狩った獲物の処理の途中だったのだろう、腐った匂いが残っている。
「これで奴らが死んだのは確実、死体がないのは・・・あまり考えたくないな(しかめ面)」
気配が俺の隙を探ろうとしているのがわかる。
「どうするかな・・・」
さすがに悩んでしまう、なぜならこれ以上の隙を見せろと言われても、演技が下手な俺にこれ以上どうしろと?
そうして悩みながら辺りを見渡すと、洞窟の傍に祭壇のような場所があるのを見つけた。
「これは?」
祭壇に近づいて調べようとしたら、
「グゥルアァァァ!」
急に何かが襲いかかって来た!
「でも、まぁ想定内だ(にやっ)」
が、俺はあっさりと避ける。
[ドガァァァ!]
俺が調べようとした、祭壇のようなものは急に襲いかかって来た黒い人型の蜥蜴の手によって粉々になった。
「コレデ、ワレノ、フウインハ、デキナイ!!」
デカイ口で弧月を描いて、まるで自分の勝ちを確信したかのように俺に吠えた。
「まったく何の祭壇かわからないモノを壊した事を自慢されてもな(呆れ顔)」
俺の態度が気に入らなかったのだろうか?まるで癇癪でも起こしたように、奇声をあげながら俺に襲いかかる。
「ゴゥガアァァァ!」
右腕で力ずくでなぎ払おうとする奴の攻撃を俺は軽く飛んで避ける。
「ギャアァシャアァァァ!!」
左腕で叩き潰そうとする奴の攻撃をバックステップで俺は軽く避ける。
「ゴゥグルッシャァァァァァァ!!」
避けられないように、回転数を上げてめちゃくちゃに両腕で振り下ろしてくる奴の攻撃を俺は右に左にと普通に動き回って回避した。
「そんなんじゃ俺には当たらんよ(澄まし顔)」
余裕を持ちながら、じっくりと相手を観察する。
全体を見ると相手は、蜥蜴なんだけど、頭は蛇の頭で手足がドラゴンのようにも見えなくもない。
背中についてる翼は黒くボロボロな布のようにも見えなくはない。
現在、集落に伝わっている逸話や伝説の類いは
一通りマール達や族長殿たちから聞いてある。
大昔、確か500年か600年ほど前に現れた異形の龍だったかな?この龍は暴食で物でも生物でもなんでも食べてしまう悪魔だと集落では伝わっている。
「多くの龍人族を食い殺した暴食の悪龍だったかな?」
悪龍は、俺の異常なまでの動きや魔力に警戒しているようだ。
「キサマ、ナニモノダ?」
「見ての通り、人だよ?」
俺はさも当然のように奴の問いに答える。
「普通の人間はあんな動きは出来ない。」
「そうか?かなり軽く動いただけだぞ?」
俺の答えを聞いて、悪龍は顔をしかめた。
「アレデ、カルク、ダト?」
「ああ、そうだ、軽くだ」
すると、悪龍は急に震えだして大声で笑いだした。
「ハァッハハハハッ!!」
ひとしきり、笑い終わってスッキリしたのか、再び俺に話かける。
「オマエ、ナハ、ナントイウ?」
「ケーマだ、新道 桂馬、で?そっちの名は?」
平然と問い返す俺を面白げに見ながら悪龍はこう返した。
「ヤハリ、コノセカイノニンゲンデハ、ナイカ、ナラバ、ワガ、シンノ、スガタヲ、トクベツニ、ミセテヤロウ。」
すると、悪龍の体が黒色の光を纏い出した。
「グゥルゥゥォォォォ!」
そして、黒色の光は収縮していき、悪龍がいた場所に青年が一人立っていた。
「へぇ、人化出来たんだ?」
「ふん、舐めるなよ?これくらいの事、多少知識がある龍であれば造作も無いわ!」
そう言った瞬間、俺に攻撃を加える為に踏み込んで来た。
「やれやれ、とりあえず一発食らえ」
[グシャァァ!]
奴の踏み込みに合わせて右ストレートを綺麗にぶちこんだ!
「くぶぁぁ!・・・馬鹿な、こんな龍に至ったばかりの若造に我が、この我が相手にならぬだと!?」
膝をガクガクさせて、鼻や口から血をダラダラと垂れ流しながら面白いくらいに狼狽する。
「で?お前さんは、誰なんだい?」
「我はニーズヘッグ!!悪に染まりし暴食の龍ぞ!!貴様ごとき青二才に負けること等あり得ぬ!!」
ニーズヘッグと名乗った龍人は、魔力と気を最大限に高めて、俺に攻撃を繰り出して来た。
[獄技 命喰擊]
魔力を吸収するタイプの技のようだ。
しかも、どの部分の攻撃でも効果が出る厄介なタイプの攻撃だ。
が、俺には関係ない。
「!!?!?!!?」
なぜなら奴の攻撃は俺には当たらないからだ。
「ば、馬鹿なこのスピードでも追いつけぬとは!?」
また動揺したので、ゼ〇カウンターで昇〇拳を炸裂させる。
「ガプラァァッ!?」
「ふむ、ステータスに差がないとこの遊び技は絶対に使えないな。」
脳ミソを揺さぶられたせいか、悪龍殿は膝をガクガクさせて、焦点の合わない目でこちらに攻撃を加えようとする。
「がッ!?」
案の定、検討違いの方へ転けて行った。
「ぐぬぅぅ、オノレェェ!!」
荒ぶって更に攻撃しようとした所で、俺は声をかける。
「おいおい、このままやっても埒があかないだろう?インターバルをやるから俺の質問に答えろよ?」
「なに?」
相手が困惑した所で俺は更に告げる。
「俺とお前の実力差は明白、只でさえ差があるのに良いのを何発ももらったから足にも力が入らないだろう?」
「・・・・・・」
「だから、休む時間をやるから情報をよこせ!」
俺の話を聞いて、しばらく悩んだのちに俺に問いかける。
「何が聞きたい?」
「地球に存在する神々や悪魔の一柱であるお前が、何故この世界で封印されていたのかを教えてくれ」
悪龍はしばし悩み、答えた。
「いいだろう、但し後悔するなよ?」
「望むところ!」
「俺がこの世界にいる理由はお前に分かりやすく言うと俺がこの世界を滅ぼす為に送られた魔神だったからだ。」
「なぜこの世界を滅ぼす事にしたんだ?」
「この世界を管理する神々が責務を放棄し遊び呆けていたからだ。」
「この世界の神々は、何回か変わったりしているが、それも関係あるのか?」
「そうだ、一番最初にこの世界の管理を始めた女神はちゃんと管理をしていたが、新しい世界を造り出してそちらの管理に行ってしまった。」
「なるほど、ではその次からの神が穀潰しって訳か。」
「そういう考えでも構わない、事実、我がこの世界に来るまでに、3、4回は変わっているからな。」
「一番最初の神は呼び戻せないのか?」
「出来なくもないが・・・無理だろう、今は別の世界の管理をしているしな。」
「そうか」
俺は少し考え、もう1つの質問をぶつける。
「では、この世界の管理神になるにはどうすればいい?」
その答えを聞いた悪龍は、ニヤリと笑いながら
「お前自分が何を言っているのか、わかっているのか?」
俺はその問いに答えた。
「勿論だ、ちなみに俺は既に龍神だ、だから神に至るっていう条件は既にクリアしている。」
俺が既に龍どころか神に至っているのを知って悪龍ニーズヘッグは、
「なるほど、やはり既に我よりも強いか・・・教えてやってもいいが、条件がある。」
「条件?」
「そうだ、だからその一つ目の条件として、誰にも覗き見られないように不可視の結界を張れ、そしてこの話が終わったら本気で戦え、それが出来るなら、餞別代わりに教えてやろう!」
これ以上無いくらいにニヒルな笑顔でそう俺に言った。
どうやら彼も戦闘狂のようである。
「わかった、じゃあとりあえず結界を張ればいいんだな。」
そうして俺は手を合わせて、集中して魔力と気を練りあげて自分の中で合成し体の外に放出する。
[結界術 神域降誕]
術を発動した瞬間、俺とニーズヘッグの周囲が変化する。
結界術 神域降誕は文字通りに神域を作る。
神域とは一言で言えば自分だけの絶対空間、つまりこの世界からは勿論、他の世界からの干渉も一切出来ない絶対領域を作る事である。
「やれやれ、条件を出した我が言うのもなんだが、本当にお前デタラメだぞ?」
ニーズヘッグが呆れているのは、ただ結界を張った事ではなく、神域を作った事に呆れているのだ。
多分、不可視の結界を作るなら神域を作る必要は無いから呆れているのだと思われる。
「で、どうするんだ?俺的には、先に話をする方が嬉しいかな、本気出したら最後、手加減なぞ出来ないからな?」
普通の神なら神の領域でしか展開出来ない結界を俺は下界で発動させた。
その事実が、ニーズヘッグを更に興奮させる。
「面白い!面白すぎるぞお前!!」
黒い何かを湯気のように体から揺らめかせながら喜色を隠す事なく満面に表現した。
「やれやれ、龍族っていうのは基本的に好戦的なのか?」
俺の表情を見たニーズヘッグは些か冷静に戻ったようだ。
「何を今さら最強を目指すのが男だろう!」
全然冷静じゃなかった・・・
「そういう意味じゃねえよ・・・」
俺は、全身でガックリと表現しながら、改めて問う。
「さぁ、わざわざこんな所を作ってやったんだ、そろそろ教えて貰おうか?」
「・・・いいだろう」
そう言ってニーズヘッグは語り始める。
「まず世界について話そうか。」
「世界?」
「そう世界だ、各神が管理する世界がある。その世界の作り方によって管理の手順が変わるのだ。まず一つ目は物質界、まぁ、お前や我の元々いた世界の事よ、この世界だと我ら神と呼ばれるモノはほとんど干渉出来ない。なぜなら世界を存在させる為に必要なエネルギー、これをカルマと言うが、を循環させているからだ。」
わざわざエネルギーの名に業とつける以上何かリスクがあるのだろう。
「それでこのカルマはな、物質界だと増える事は無いが、それでも人間や生物も増えない訳ではない。そしてそのカルマは世界を存在させるだけでは無く、人間や生物、果ては無機物まで全てを存在させるのに必要なエネルギーだ。」
「つまり?」
「お前のいた世界は寿命が近かった・・・という話だが、まぁ後千年やそこらですぐに滅ぶ訳ではない、とりあえずここまでがカルマの必要性と重要性だ。物質界についてはあまり説明は要らんだろ?二千年以上歴史を積み重ねてきたその先から来たのだから。」
「つまり俺が知らない法則はそのカルマぐらいって事か?」
「そうだ、物質界は物理法則によって管理されている。例外なのが普通の人間や生物に感知できないカルマぐらいだ、あの世界の人間は貪欲だから一度発見したらあっという間に次々発見していきおった。本来なら一万年くらいのペースで発見されるはずだったのに。」
「それに何か問題が?」
「発見する事はいい、だがそれの最初の目的がほぼ戦争が理由だろう?だからあの世界は短命なのだ。」
嘆かわしそうに首を振って次の話に行く。
「物質界の説明は以上だ、次は幻想界についてだ。幻想界はお前に分かりやすく言うとファンタジー世界の事を言う。剣と魔法、つまり物理と非物理で成り立っている世界だ。」
「ほう、この世界もか?」
ニーズヘッグはニヤッとして、続ける。
「その答えはまだ答えられないな、とりあえず幻想界の説明からだ。この幻想界はいろいろなパターンがあって一概に説明は出来ない。
ただ先程説明した、カルマはこの世界にも当然ある。そして物質界同様、世界を存在させていて、世界を循環している。」
ここまでいいか?と俺を見るノリノリなあいつに俺は頷く。
「だが、幻想界には先程も言ったように魔法などの非物理法則がある。従来の物理法則に加えて更に別の法則が存在している。そしてその法則は世界ごとに違う法則が存在している。」
「その違う法則は一つだけなのか?」
ニーズヘッグは首を振る。
「大体は一つだが、二つも三つも付け加えている世界もある。だから一概に説明出来ないのだ、ここまではいいか?」
ここまでの流れで学生時代を思い出してしまった、いつの間にか周りが教室だ。
「ふむ、黒板は丁度いいなチョークもあるし、使わせて貰おう。」
そう言ってニーズヘッグ先生は授業を始める。
「では次は幻想界のカルマについてだ。幻想界のカルマも物質界のカルマ同様に世界を循環しているとは先程伝えたが、幻想界と物質界の最大の違いはこのカルマを消費するかしないか、この部分の違いが決定的に違う。」
ニーズヘッグ先生は熱く語る。
「物質界は消費せずに世界を循環させるタイプの世界であったのに対して、幻想界はカルマの生産消費型の形を採っている。この部分だけはどの幻想界も変わらない部分だ。」
先生のチョークに力が入る。
「魔法などの非物理法則は、すべてにおいてカルマを消費する。故に、幻想界には世界樹と呼ばれる、カルマ生産装置と呼ばれる特殊な樹木や我ら神たちが作った神具などでこの幻想界内でのカルマの消費を賄っている。」
熱く語る先生に俺はミネラルウォーターを先生に差し出す。
「ふぅ、熱くなったがここまでが幻想界のカルマについてだ。次が最後のパターンだ。」
そう言って先生は黒板を消していく。
「最後の世界は精神界だ、この世界がそれに当たる。先程の幻想界が生産消費を自動的にこなすシステムだとすれば、この精神界は、カルマの生産はもちろん、消費に地形の作成に気候の変化まで人間や生物を含めてすべて管理神が管理する世界である。」
「つまり、この世界は遅れていると?」
「いや、一概にそうとは言えない、そこも含めて説明しよう。」
そう言って先生は黒板にまた書き出した。
「神になったばかりの者が一番最初に管理を任される世界が精神界だ。これには理由があってまず一つ目に神としてやっていけるかどうかの適性を調べる為のモノだ。次がこれも神としての適性を調べる為のモノである。つまり普通に世界を管理する神だったり、人の前に出現したりしてアイドルみたいな事をして人の注目を集める神だったり、後は、他の神が管理する世界に行って暴れる神だったりと、意外と神にも役職と言うものがあるのだ。」
後半がかなりの愚痴に聞こえたが、まぁいい先生にもいろいろあるのだろう。
「そんな感じの世界でな、巧くやれば幻想界や物質界のような管理は当然可能だ。」
一息の間を入れて、
「そして管理神になる方法も簡単でな、この世界の核に自分の力を注ぎこむだけでいい。これから成長する世界それが精神界だ。」
「精神界の細かい所の説明は?」
「そこは自分で確かめろと言わせてもらう。なに随分とチートなスキルを持っているようだし、どうにかなる。」
そう言って一言付け足す。
「精神界は幻想界や物質界と違って神が外を出歩いてもリスクがない世界だ。だから管理神になったらあちこちに行って見るのも一つの手だろう。」
「幻想界と物質界は、神が出歩くのにどんなリスクがあるのだ?」
「精神界と違って幻想界も物質界もきちんとしたルールが出来てしまっている。故に神なんて何でもアリなモノは、世界に降臨するだけでありとあらゆる意味のバランスブレイカーにしかならない。」
「正規手順で降りればいいけど、無視してやると街や国が消し飛ぶやつね。」
あ~、っと遠い目をする俺にニーズヘッグは
「さて、お前の条件は達成したぞ?今度はこちらの要望を満たして貰おうか!」
先程とは打って変わって、獰猛な笑みを浮かべる奴に俺は一個条件を付け足す。
「全力でやる以上もし万が一お前の事を殺したらお前の魂は俺が使わせて貰うぞ?」
「面白い!やって見せろ!小僧!!」
そうして授業は終わって、試練の時間は始まった。
マールが妊娠している事がわかった俺は、この幸せを脅かす可能性があるモノを排除する為に島の集落のある西側からクズ親子を捨てた東側にある森へ移動していた。
しかも龍化して軽く飛んで来たので、10分もしないうちに目的の場所に到着した。
「この辺りがあのクズ親子のテリトリーになっていたはずだ。」
龍化を解いて、地上へと降りる。
その際に周囲に魔力を拡げて何かいないか、探索魔法を発動させる。
「反応は無いが・・・この辺りは魔物が多いって話だったはずだ・・・」
全知の瞳のスキルを使えば簡単に場所がわかると思うかも知れないが、あれはどちらかと言えば遠くにあるモノや過去のモノを見るのに適している。
つまり現在進行形で動いているモノに対して効果が薄くなるのだ。
更に言えば、未来を見るのにはかなりの魔力が必要となり、場合によっては体力も消耗する。
だから戦闘等では全知の瞳はひどく使い辛いスキルなのだ。
「場合によっては透視なんかも出来るけど、望遠鏡を覗きこんだまま歩くのと一緒だからな。」
スナイパーライフルのスコープは狙撃だと役に立つが、肉眼で見える位置までくれば使わないのと似ていると思ってくれていい。
「いるのは確実だが・・・とりあえず後の先でいくか!」
そう言って俺は周囲の探索をするために歩き始める。
「さてと、とりあえずあのクズ親子の拠点でもチェックしてみるか。」
しばらく歩くと岩壁に辿り着く。
見渡すと洞窟を見つけた。
「あそこが拠点か。」
俺は無造作に近づいて洞窟を覗く。
「ふむ、結構頑張っていたようだな。」
狩った獲物の処理の途中だったのだろう、腐った匂いが残っている。
「これで奴らが死んだのは確実、死体がないのは・・・あまり考えたくないな(しかめ面)」
気配が俺の隙を探ろうとしているのがわかる。
「どうするかな・・・」
さすがに悩んでしまう、なぜならこれ以上の隙を見せろと言われても、演技が下手な俺にこれ以上どうしろと?
そうして悩みながら辺りを見渡すと、洞窟の傍に祭壇のような場所があるのを見つけた。
「これは?」
祭壇に近づいて調べようとしたら、
「グゥルアァァァ!」
急に何かが襲いかかって来た!
「でも、まぁ想定内だ(にやっ)」
が、俺はあっさりと避ける。
[ドガァァァ!]
俺が調べようとした、祭壇のようなものは急に襲いかかって来た黒い人型の蜥蜴の手によって粉々になった。
「コレデ、ワレノ、フウインハ、デキナイ!!」
デカイ口で弧月を描いて、まるで自分の勝ちを確信したかのように俺に吠えた。
「まったく何の祭壇かわからないモノを壊した事を自慢されてもな(呆れ顔)」
俺の態度が気に入らなかったのだろうか?まるで癇癪でも起こしたように、奇声をあげながら俺に襲いかかる。
「ゴゥガアァァァ!」
右腕で力ずくでなぎ払おうとする奴の攻撃を俺は軽く飛んで避ける。
「ギャアァシャアァァァ!!」
左腕で叩き潰そうとする奴の攻撃をバックステップで俺は軽く避ける。
「ゴゥグルッシャァァァァァァ!!」
避けられないように、回転数を上げてめちゃくちゃに両腕で振り下ろしてくる奴の攻撃を俺は右に左にと普通に動き回って回避した。
「そんなんじゃ俺には当たらんよ(澄まし顔)」
余裕を持ちながら、じっくりと相手を観察する。
全体を見ると相手は、蜥蜴なんだけど、頭は蛇の頭で手足がドラゴンのようにも見えなくもない。
背中についてる翼は黒くボロボロな布のようにも見えなくはない。
現在、集落に伝わっている逸話や伝説の類いは
一通りマール達や族長殿たちから聞いてある。
大昔、確か500年か600年ほど前に現れた異形の龍だったかな?この龍は暴食で物でも生物でもなんでも食べてしまう悪魔だと集落では伝わっている。
「多くの龍人族を食い殺した暴食の悪龍だったかな?」
悪龍は、俺の異常なまでの動きや魔力に警戒しているようだ。
「キサマ、ナニモノダ?」
「見ての通り、人だよ?」
俺はさも当然のように奴の問いに答える。
「普通の人間はあんな動きは出来ない。」
「そうか?かなり軽く動いただけだぞ?」
俺の答えを聞いて、悪龍は顔をしかめた。
「アレデ、カルク、ダト?」
「ああ、そうだ、軽くだ」
すると、悪龍は急に震えだして大声で笑いだした。
「ハァッハハハハッ!!」
ひとしきり、笑い終わってスッキリしたのか、再び俺に話かける。
「オマエ、ナハ、ナントイウ?」
「ケーマだ、新道 桂馬、で?そっちの名は?」
平然と問い返す俺を面白げに見ながら悪龍はこう返した。
「ヤハリ、コノセカイノニンゲンデハ、ナイカ、ナラバ、ワガ、シンノ、スガタヲ、トクベツニ、ミセテヤロウ。」
すると、悪龍の体が黒色の光を纏い出した。
「グゥルゥゥォォォォ!」
そして、黒色の光は収縮していき、悪龍がいた場所に青年が一人立っていた。
「へぇ、人化出来たんだ?」
「ふん、舐めるなよ?これくらいの事、多少知識がある龍であれば造作も無いわ!」
そう言った瞬間、俺に攻撃を加える為に踏み込んで来た。
「やれやれ、とりあえず一発食らえ」
[グシャァァ!]
奴の踏み込みに合わせて右ストレートを綺麗にぶちこんだ!
「くぶぁぁ!・・・馬鹿な、こんな龍に至ったばかりの若造に我が、この我が相手にならぬだと!?」
膝をガクガクさせて、鼻や口から血をダラダラと垂れ流しながら面白いくらいに狼狽する。
「で?お前さんは、誰なんだい?」
「我はニーズヘッグ!!悪に染まりし暴食の龍ぞ!!貴様ごとき青二才に負けること等あり得ぬ!!」
ニーズヘッグと名乗った龍人は、魔力と気を最大限に高めて、俺に攻撃を繰り出して来た。
[獄技 命喰擊]
魔力を吸収するタイプの技のようだ。
しかも、どの部分の攻撃でも効果が出る厄介なタイプの攻撃だ。
が、俺には関係ない。
「!!?!?!!?」
なぜなら奴の攻撃は俺には当たらないからだ。
「ば、馬鹿なこのスピードでも追いつけぬとは!?」
また動揺したので、ゼ〇カウンターで昇〇拳を炸裂させる。
「ガプラァァッ!?」
「ふむ、ステータスに差がないとこの遊び技は絶対に使えないな。」
脳ミソを揺さぶられたせいか、悪龍殿は膝をガクガクさせて、焦点の合わない目でこちらに攻撃を加えようとする。
「がッ!?」
案の定、検討違いの方へ転けて行った。
「ぐぬぅぅ、オノレェェ!!」
荒ぶって更に攻撃しようとした所で、俺は声をかける。
「おいおい、このままやっても埒があかないだろう?インターバルをやるから俺の質問に答えろよ?」
「なに?」
相手が困惑した所で俺は更に告げる。
「俺とお前の実力差は明白、只でさえ差があるのに良いのを何発ももらったから足にも力が入らないだろう?」
「・・・・・・」
「だから、休む時間をやるから情報をよこせ!」
俺の話を聞いて、しばらく悩んだのちに俺に問いかける。
「何が聞きたい?」
「地球に存在する神々や悪魔の一柱であるお前が、何故この世界で封印されていたのかを教えてくれ」
悪龍はしばし悩み、答えた。
「いいだろう、但し後悔するなよ?」
「望むところ!」
「俺がこの世界にいる理由はお前に分かりやすく言うと俺がこの世界を滅ぼす為に送られた魔神だったからだ。」
「なぜこの世界を滅ぼす事にしたんだ?」
「この世界を管理する神々が責務を放棄し遊び呆けていたからだ。」
「この世界の神々は、何回か変わったりしているが、それも関係あるのか?」
「そうだ、一番最初にこの世界の管理を始めた女神はちゃんと管理をしていたが、新しい世界を造り出してそちらの管理に行ってしまった。」
「なるほど、ではその次からの神が穀潰しって訳か。」
「そういう考えでも構わない、事実、我がこの世界に来るまでに、3、4回は変わっているからな。」
「一番最初の神は呼び戻せないのか?」
「出来なくもないが・・・無理だろう、今は別の世界の管理をしているしな。」
「そうか」
俺は少し考え、もう1つの質問をぶつける。
「では、この世界の管理神になるにはどうすればいい?」
その答えを聞いた悪龍は、ニヤリと笑いながら
「お前自分が何を言っているのか、わかっているのか?」
俺はその問いに答えた。
「勿論だ、ちなみに俺は既に龍神だ、だから神に至るっていう条件は既にクリアしている。」
俺が既に龍どころか神に至っているのを知って悪龍ニーズヘッグは、
「なるほど、やはり既に我よりも強いか・・・教えてやってもいいが、条件がある。」
「条件?」
「そうだ、だからその一つ目の条件として、誰にも覗き見られないように不可視の結界を張れ、そしてこの話が終わったら本気で戦え、それが出来るなら、餞別代わりに教えてやろう!」
これ以上無いくらいにニヒルな笑顔でそう俺に言った。
どうやら彼も戦闘狂のようである。
「わかった、じゃあとりあえず結界を張ればいいんだな。」
そうして俺は手を合わせて、集中して魔力と気を練りあげて自分の中で合成し体の外に放出する。
[結界術 神域降誕]
術を発動した瞬間、俺とニーズヘッグの周囲が変化する。
結界術 神域降誕は文字通りに神域を作る。
神域とは一言で言えば自分だけの絶対空間、つまりこの世界からは勿論、他の世界からの干渉も一切出来ない絶対領域を作る事である。
「やれやれ、条件を出した我が言うのもなんだが、本当にお前デタラメだぞ?」
ニーズヘッグが呆れているのは、ただ結界を張った事ではなく、神域を作った事に呆れているのだ。
多分、不可視の結界を作るなら神域を作る必要は無いから呆れているのだと思われる。
「で、どうするんだ?俺的には、先に話をする方が嬉しいかな、本気出したら最後、手加減なぞ出来ないからな?」
普通の神なら神の領域でしか展開出来ない結界を俺は下界で発動させた。
その事実が、ニーズヘッグを更に興奮させる。
「面白い!面白すぎるぞお前!!」
黒い何かを湯気のように体から揺らめかせながら喜色を隠す事なく満面に表現した。
「やれやれ、龍族っていうのは基本的に好戦的なのか?」
俺の表情を見たニーズヘッグは些か冷静に戻ったようだ。
「何を今さら最強を目指すのが男だろう!」
全然冷静じゃなかった・・・
「そういう意味じゃねえよ・・・」
俺は、全身でガックリと表現しながら、改めて問う。
「さぁ、わざわざこんな所を作ってやったんだ、そろそろ教えて貰おうか?」
「・・・いいだろう」
そう言ってニーズヘッグは語り始める。
「まず世界について話そうか。」
「世界?」
「そう世界だ、各神が管理する世界がある。その世界の作り方によって管理の手順が変わるのだ。まず一つ目は物質界、まぁ、お前や我の元々いた世界の事よ、この世界だと我ら神と呼ばれるモノはほとんど干渉出来ない。なぜなら世界を存在させる為に必要なエネルギー、これをカルマと言うが、を循環させているからだ。」
わざわざエネルギーの名に業とつける以上何かリスクがあるのだろう。
「それでこのカルマはな、物質界だと増える事は無いが、それでも人間や生物も増えない訳ではない。そしてそのカルマは世界を存在させるだけでは無く、人間や生物、果ては無機物まで全てを存在させるのに必要なエネルギーだ。」
「つまり?」
「お前のいた世界は寿命が近かった・・・という話だが、まぁ後千年やそこらですぐに滅ぶ訳ではない、とりあえずここまでがカルマの必要性と重要性だ。物質界についてはあまり説明は要らんだろ?二千年以上歴史を積み重ねてきたその先から来たのだから。」
「つまり俺が知らない法則はそのカルマぐらいって事か?」
「そうだ、物質界は物理法則によって管理されている。例外なのが普通の人間や生物に感知できないカルマぐらいだ、あの世界の人間は貪欲だから一度発見したらあっという間に次々発見していきおった。本来なら一万年くらいのペースで発見されるはずだったのに。」
「それに何か問題が?」
「発見する事はいい、だがそれの最初の目的がほぼ戦争が理由だろう?だからあの世界は短命なのだ。」
嘆かわしそうに首を振って次の話に行く。
「物質界の説明は以上だ、次は幻想界についてだ。幻想界はお前に分かりやすく言うとファンタジー世界の事を言う。剣と魔法、つまり物理と非物理で成り立っている世界だ。」
「ほう、この世界もか?」
ニーズヘッグはニヤッとして、続ける。
「その答えはまだ答えられないな、とりあえず幻想界の説明からだ。この幻想界はいろいろなパターンがあって一概に説明は出来ない。
ただ先程説明した、カルマはこの世界にも当然ある。そして物質界同様、世界を存在させていて、世界を循環している。」
ここまでいいか?と俺を見るノリノリなあいつに俺は頷く。
「だが、幻想界には先程も言ったように魔法などの非物理法則がある。従来の物理法則に加えて更に別の法則が存在している。そしてその法則は世界ごとに違う法則が存在している。」
「その違う法則は一つだけなのか?」
ニーズヘッグは首を振る。
「大体は一つだが、二つも三つも付け加えている世界もある。だから一概に説明出来ないのだ、ここまではいいか?」
ここまでの流れで学生時代を思い出してしまった、いつの間にか周りが教室だ。
「ふむ、黒板は丁度いいなチョークもあるし、使わせて貰おう。」
そう言ってニーズヘッグ先生は授業を始める。
「では次は幻想界のカルマについてだ。幻想界のカルマも物質界のカルマ同様に世界を循環しているとは先程伝えたが、幻想界と物質界の最大の違いはこのカルマを消費するかしないか、この部分の違いが決定的に違う。」
ニーズヘッグ先生は熱く語る。
「物質界は消費せずに世界を循環させるタイプの世界であったのに対して、幻想界はカルマの生産消費型の形を採っている。この部分だけはどの幻想界も変わらない部分だ。」
先生のチョークに力が入る。
「魔法などの非物理法則は、すべてにおいてカルマを消費する。故に、幻想界には世界樹と呼ばれる、カルマ生産装置と呼ばれる特殊な樹木や我ら神たちが作った神具などでこの幻想界内でのカルマの消費を賄っている。」
熱く語る先生に俺はミネラルウォーターを先生に差し出す。
「ふぅ、熱くなったがここまでが幻想界のカルマについてだ。次が最後のパターンだ。」
そう言って先生は黒板を消していく。
「最後の世界は精神界だ、この世界がそれに当たる。先程の幻想界が生産消費を自動的にこなすシステムだとすれば、この精神界は、カルマの生産はもちろん、消費に地形の作成に気候の変化まで人間や生物を含めてすべて管理神が管理する世界である。」
「つまり、この世界は遅れていると?」
「いや、一概にそうとは言えない、そこも含めて説明しよう。」
そう言って先生は黒板にまた書き出した。
「神になったばかりの者が一番最初に管理を任される世界が精神界だ。これには理由があってまず一つ目に神としてやっていけるかどうかの適性を調べる為のモノだ。次がこれも神としての適性を調べる為のモノである。つまり普通に世界を管理する神だったり、人の前に出現したりしてアイドルみたいな事をして人の注目を集める神だったり、後は、他の神が管理する世界に行って暴れる神だったりと、意外と神にも役職と言うものがあるのだ。」
後半がかなりの愚痴に聞こえたが、まぁいい先生にもいろいろあるのだろう。
「そんな感じの世界でな、巧くやれば幻想界や物質界のような管理は当然可能だ。」
一息の間を入れて、
「そして管理神になる方法も簡単でな、この世界の核に自分の力を注ぎこむだけでいい。これから成長する世界それが精神界だ。」
「精神界の細かい所の説明は?」
「そこは自分で確かめろと言わせてもらう。なに随分とチートなスキルを持っているようだし、どうにかなる。」
そう言って一言付け足す。
「精神界は幻想界や物質界と違って神が外を出歩いてもリスクがない世界だ。だから管理神になったらあちこちに行って見るのも一つの手だろう。」
「幻想界と物質界は、神が出歩くのにどんなリスクがあるのだ?」
「精神界と違って幻想界も物質界もきちんとしたルールが出来てしまっている。故に神なんて何でもアリなモノは、世界に降臨するだけでありとあらゆる意味のバランスブレイカーにしかならない。」
「正規手順で降りればいいけど、無視してやると街や国が消し飛ぶやつね。」
あ~、っと遠い目をする俺にニーズヘッグは
「さて、お前の条件は達成したぞ?今度はこちらの要望を満たして貰おうか!」
先程とは打って変わって、獰猛な笑みを浮かべる奴に俺は一個条件を付け足す。
「全力でやる以上もし万が一お前の事を殺したらお前の魂は俺が使わせて貰うぞ?」
「面白い!やって見せろ!小僧!!」
そうして授業は終わって、試練の時間は始まった。
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