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第二章 神と人と
第五幕 皇女アトワイトと無敵の龍
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わずか3分で不埒者どもの顎を全部砕き、それでも反省しないようならわざわざ回復魔法を使い回復させてから更に砕くを何回か繰り返して何故このような事をしたのかを下手人どもに喋らせた。
「そこにいる女がこの国の第一皇女だからだ」
ガクガクブルブルとしながら一応隊長らしき人物がどうにかといった様子で、しかし、はっきりと口にした。
「そういや、この国の名前を知らねぇな」
と、思い出したように俺が口にすると、
「ケーマ・・・」
「ケーマ君・・・」
マールとウルスラが呆れたような目で俺を見る。
「仕方ないだろう?来た事なかったんだから」
一応の言い訳を聞いても二人の呆れ顔は変わらなかった。
「それなら、二人はこの国の事を知ってるんだよな?」
俺はニッコリとしながら、今夜の事を考えると、
「そういえば、名前をお伺いしてませんでしたね」
「そういえばそうだね、一応聞かせて欲しいかな?」
と、何故か噂の皇女様に話を振った。
「アレクサンドリア帝国の第一皇女、武帝姫のアトワイト・リゼ・アレクサンドリアだ。」
彼女は苦笑しながら俺たちに自己紹介した。
「あなた達の事も教えてもらってもいいか?」
彼女は優しい笑みを浮かべながら俺たちに問い返した。
「龍の聖域があるダイヤ諸島から来ました、マールディアといいます。マールと呼んで頂けたら嬉しいです(ニコッ)。」
服の裾をつまみながら恭しくお辞儀をするマールに続いてウルスラが、
「同じく龍の聖域からウルスラと申します。」
自己紹介とお辞儀をする。
「はぁ、ケーマだ、同じく今は龍の聖域に住んでいる。」
あからさまな二人にため息をついて、俺は自分の事を簡単に紹介する。
「そうか、という事は3人とも龍なのか?」
「まぁ、龍であり人である、といった所か」
俺は皇女の疑問に軽く答える。
「アトワイト様は何故このような所で命を狙われているのですか?」
マールがこちらの疑問を相手にぶつける。
「それは・・・」
アトワイトは悲しそうに顔を沈める。
「私は、どうやら父上や兄上達などの兄妹達に嫌われているらしい。」
目を離すとそのまま消えてしまいそうなくらい静かにそう言った。
「多分、原因はここ最近やっている活動内容が原因だろう。」
彼女は自分の中にある思い当たる節を一つずつ挙げていく。
曰く、彼女は幼い頃から聡明で運動神経もよく武術や魔法の才能も素晴らしかった。
曰く、彼女の容姿は間違いなく美人で彼女と比べると華も霞むと言われる事に嫉妬する人が大勢いるそうだ。
曰く、彼女は民を大事にしていてそのおかげで民からの人気も高いのだが、それが原因で王である父親を含む全ての皇族や貴族から疎まれている。
最後のやつが一番どうしようもないな・・・。
「それほどこの国の貴族や皇族は腐っているし、そして正常なやつは密告とかの裏切りによって長生き出来ない程この国は民を食い物としか見ていないのさ。」
悲しそうな顔で彼女はそう俺たちに告げた。
「そうか、で?これからどうするつもりだ?」
俺の質問に彼女は、
「私は一応でも皇族だ、だからこそ民が虐げられる政治を認める事は出来ない、例え一人でも立ち向かうまでさ・・・」
彼女は覚悟を決めて抗うと、そう断言した。
「ケーマ君はどうするの?」
ウルスラがさらっと俺に聞く。
「そうだな、とりあえず次の街に行ってから決めるか」
俺は彼女を信じていいとは思うが、民がどこまで彼女の事を思っているか知りたかった為そう答える。
「なら、とりあえず私たちだけでアトワイト様に協力しますね(ニコッ)」
マールはもう既にアトワイトを助けるのは確定しているようだ。
「一応しゃべっておくけど、やり過ぎないようにな?」
彼女が負けるとは思えず、むしろボコボコにする未来しか見えなかった為ついつい釘を刺してしまった。
「むう、わかってますよう(プクゥ)」
そう言って頬っぺたを膨らませたマールの頭を撫でながらアトワイトに言う。
「俺は国の状況を見ながらあんたを手助けするよ」
アトワイトは頷きながら、
「わかった、ありがとう」
と短く、だけど嬉しそうにお礼を言った。
「では、この不埒者達から情報を絞り出しましょうか(ニコッ)」
マールが笑顔を向けると下手人どもは震え上がった。
約二時間における尋問による成果は、
一つ、今回の襲撃は皇族は関係なく貴族達が勝手にやった事である。
二つ、アトワイトの予定をリークしたのは、一番上の第一皇子である。
三つ、この件が成功したら今回の件に参加した貴族は位を上げる事が出来る。
といった情報を入手できた。
貴族の位を上げると言うのは簡単に言うと男爵から侯爵、侯爵から大公等と言った具合に使える権力や任される領地の広さ等の幅が広がる事を意味する。
無論、これはあくまで一つの極端な例えでありこれ以外にもメリットは様々に存在する。
本来であれば、こう言った地位などは責任も伴うモノだがこの国にはそれがない。
故にこの国の貴族はやりたい放題にやり尽くしている。
だからこそ民は自分達の味方をしてくれる、国を変えてくれるかも知れないアトワイトに力を貸すし、アトワイトも自分の正義と立場からくる義務を果たす為に民を守ろうとする。
今の政治が何年続いているかはわからないが、俺もこの国を助ける事には異論はない。
だが国とケンカをする以上、最終的にはどういう決着にするかを考えながら手助けをしないと正直やり過ぎてしまう可能性が高い。
分かりやすく言うと、俺ら3人でもこの国に勝てるのはまぁ当たり前で、技の一つでも使おうものなら恐ろしくデカイクレーターが大量に出来るな・・・下手すると大陸が沈む可能性も正直に言うと俺は否定できない。
そんな事を考えている俺をよそに、女3人で今後の方針と確認している。
「アトワイト様はこれからどうするつもりですか?」
マールがそう質問すると、
「襲ってきたのは、貴族の者達の差し金だがこの件には兄上達兄妹が最低でも関わっている以上もう話し合いではどうしようもないかも知れないな」
少し沈んだ表情でそう語るアトワイトにウルスラが、
「大丈夫ですよ~、ケーマ君がどうにかしてくれるでしょうし、もし万が一の時は全員ぶっ飛ばしてアトワイト様が皇位に付いちゃえばいいじゃないですか(ニコッ)」
おい、ウルスラさらっとハードルを上げてくるんじゃねぇ!?
「そうですね、もしあれならケーマを貸しましょうか?」
マールさん?いきなり何を言い出すのかな?
「彼はそなた達の夫なのだろう?こんなに強いし、見た目もその、この世界で一番カッコいいとは私も思うが、私の事情に巻き込むのは少し・・・」
段々声が小さくなっていった時にこの二人は更に爆弾を落とす。
「大丈夫ですよ、多分今晩にでもわかっちゃいますから(ニコッ)」
マールが意味深に微笑み、
「とりあえず少し移動して野営の準備をしましょう、後はアトワイト様の度胸次第です!」
ウルスラが意味不明な事を言い出す。
「よ、よいのか?」
だが、アトワイトには伝わっているようだ、解せぬ。
「はい!ではケーマ、移動しましょう!」
マールに左腕を捕られ、
「今宵は月に吠えるのです!」
意味不明な事を言いながらウルスラが俺の右腕を捕まえる。
そして、さりげなくアトワイトが俺の背中に張り付き、
「その、今晩は世話になる(顔真っ赤)」
左右を固められているからよくわからないがアトワイトの顔、というか耳が赤くなっていた。
表情を見ようとして首を動かすのだが、動かすと反対に逃げるから諦めて3人に引っ張られて森の中に入って行く。
例によって家を出して、野営?の準備をする。
「これ野営じゃないよな?」
どういっていいのかわからない表情をしながら彼女は呟く。
現在、彼女の中の常識が崩れ出している模様!
「ふふっ、驚くのはまだ早いですよ~」
「という訳で、ケーマ君分身してください!」
「どういう訳だよ?」
マールとウルスラにどやしたり顔で催促されたので俺は3人になった。
「「「まったく、これでいいか?」」」
それを見たアトワイトは、
「は?え?う、嘘!?えぇ~~~!?」
半端なく驚いていた。
「よし、成功です!」
ウルスラがマールに親指を立て、
「えぇ、こうなったら私たちの作戦は成功したも同然です!」
マールも親指を立て返した。
ていうか、
「何の作戦だよ?」
俺はやれやれと頭を振りながら二人に聞くと、
「この作戦はケーマにも極秘です!」
マールがそう言い出すと、
「そうです、どんな事をされても言いませんから!?」
ウルスラが何かに期待した目で俺を見る。
「はぁ、わかった。じゃあウルスラはちょっと話をしようか?」
そう言って俺はウルスラを部屋に引っ張って行く。
「ではケーマ、私たちは食事の用意をしましょう(笑顔)」
「わかったよ」
俺はマールと一緒に台所に向かった。
そして、残されたアトワイトは、
「私はどうしよう?」
困惑していた。
「とりあえず、部屋・・・は、今は少しまずいから先に風呂の案内をするか」
そう言って俺はアトワイトを風呂場に案内する。
「ここだ。」
がらがらと戸を開けてアトワイトに中を見せる。
「すごい!城の風呂場よりも狭いが充分広い!」
やはり女性はお風呂が大好きのようだ。
とりあえずシャワー等の使い方を教えて俺は風呂場を出ようとしたところでアトワイトから爆弾を投下される。
「ケーマ殿、そ、その、今回の、お、お礼がしたい、から、一緒に入らないか?」
第一皇女からの不意打ちに俺は思考を停止させた。
「その、鎧も一人で脱げないから、手伝ってくれないか?」
不安そうな表情で俺を見つめるアトワイトの頭を撫でた。
「あ、」
「まったく、」
そのまま彼女の唇にキスをして問う。
「ここまで男の本能を煽ったんだから、覚悟しろよ?」
「私だってマール達に負けないぞ!」
そう言って俺達は熱いお風呂に仲良く入った。
sideマール&ケーマ
ウルスラが上の部屋にアトワイト様をお風呂に行った後、私たちは晩御飯の支度をしていた。
「今日の献立は何にしましょう?」
私は隣にいるケーマにそう聞くと、
「とりあえず、米に合う豚汁に丼ものとかだとかなり簡単に済むけどな」
相変わらずの米命な私たちの旦那様からの提案をバッサリと切る。
「それはダメです!」
好物を却下されて少し子供のような顔をする彼に今日の献立を伝える。
「今日は豚汁に魚の煮付けと後はオムレツにしましょう!」
彼は首を手で掻きながら、
「あいよ」
そう言って冷蔵庫から材料を出し始める。
「とりあえず煮付けからか?」
彼は一番時間がかかりそうな料理の材料をチョイスする。
彼が来てから島で新たに作った醤油に味醂にお酢、そしてワインなんかを料理に使うという知識とそれ用の料理酒の製作等々、正直料理関係の知識が一番浸透していると思うのは私の気のせいだろうか?
「まぁ、あんなに美味しくなっちゃうとそれもそうか」
私が一人で納得していると、
「どうした?」
ケーマに聞かれてしまい私は首を振りながらそれに答える。
「何でもないですよ」
私はどうしようもなく楽しくて、鼻歌を歌い出す。
「♪♪♪~♪♪~~♪♪♪~」
その楽しそうな雰囲気のまま全ての料理を作り終わった。
「これで終わりか?」
後ろから抱きしめてくれる最愛の人にご褒美をねだる。
「ケーマ、ご褒美が欲しいです!」
「・・・ここで?」
「みんなしばらく来ないと思いますよ?」
「全く、しょうがないな」
そう言って私にキスをして、
「料理が冷めちゃうのはもったいないから状態保存の結界をかけて・・・」
料理に対しての気遣いも忘れていなかった。
「むぅ~、そこは野獣のように来てくれるところじゃないんですか!?」
「俺がどれだけマールの料理が好きだと思ってる?」
じたじたと腕の中で暴れる私をぎゅ~っと抱きしめて、彼はまた私にキスをする。
「んっ、」
「それじゃあ、リクエストにあった通りに野獣になってあげる」
そうして私は彼に身を預けて自分の気持ちを隠さずに彼に捧げた。
その時間は、他の二人が来るギリギリまで続いた。
sideウルスラ&ケーマ
彼に腕を引っ張られて部屋に入るなりに結界が張られた。
「はう、ケーマ君お手柔らかにお願いします」
今の私の顔はどうしようもなく赤くなっているだろう事は自分でもわかっている。
自分でも似合わない事を言っていたとも思う。
でも、それでも彼の子供が欲しかったのだ、だから・・・
「私にケーマ君の子供をください!」
両手を彼の方に伸ばして求める私にケーマ君は、逆に私を抱き寄せてぎゅっとして密着した状態でベッドに座る。
「ケーマ君・・・んっ、」
先ほどから何も言わない彼に少し不安になって名前を呼んだ瞬間口を塞がれた。
「焦らなくてもちゃんとわかってるから」
そう言って優しく微笑む彼に私からもキスをして、
「力一杯に私の事をぎゅってしてください」
再び両手を伸ばす私を今度はしっかりと抱きしめて、
「愛してるよ、ウルスラ」
私の耳元で甘く囁きながら、私たちはベッドに倒れこんだ。
「そこにいる女がこの国の第一皇女だからだ」
ガクガクブルブルとしながら一応隊長らしき人物がどうにかといった様子で、しかし、はっきりと口にした。
「そういや、この国の名前を知らねぇな」
と、思い出したように俺が口にすると、
「ケーマ・・・」
「ケーマ君・・・」
マールとウルスラが呆れたような目で俺を見る。
「仕方ないだろう?来た事なかったんだから」
一応の言い訳を聞いても二人の呆れ顔は変わらなかった。
「それなら、二人はこの国の事を知ってるんだよな?」
俺はニッコリとしながら、今夜の事を考えると、
「そういえば、名前をお伺いしてませんでしたね」
「そういえばそうだね、一応聞かせて欲しいかな?」
と、何故か噂の皇女様に話を振った。
「アレクサンドリア帝国の第一皇女、武帝姫のアトワイト・リゼ・アレクサンドリアだ。」
彼女は苦笑しながら俺たちに自己紹介した。
「あなた達の事も教えてもらってもいいか?」
彼女は優しい笑みを浮かべながら俺たちに問い返した。
「龍の聖域があるダイヤ諸島から来ました、マールディアといいます。マールと呼んで頂けたら嬉しいです(ニコッ)。」
服の裾をつまみながら恭しくお辞儀をするマールに続いてウルスラが、
「同じく龍の聖域からウルスラと申します。」
自己紹介とお辞儀をする。
「はぁ、ケーマだ、同じく今は龍の聖域に住んでいる。」
あからさまな二人にため息をついて、俺は自分の事を簡単に紹介する。
「そうか、という事は3人とも龍なのか?」
「まぁ、龍であり人である、といった所か」
俺は皇女の疑問に軽く答える。
「アトワイト様は何故このような所で命を狙われているのですか?」
マールがこちらの疑問を相手にぶつける。
「それは・・・」
アトワイトは悲しそうに顔を沈める。
「私は、どうやら父上や兄上達などの兄妹達に嫌われているらしい。」
目を離すとそのまま消えてしまいそうなくらい静かにそう言った。
「多分、原因はここ最近やっている活動内容が原因だろう。」
彼女は自分の中にある思い当たる節を一つずつ挙げていく。
曰く、彼女は幼い頃から聡明で運動神経もよく武術や魔法の才能も素晴らしかった。
曰く、彼女の容姿は間違いなく美人で彼女と比べると華も霞むと言われる事に嫉妬する人が大勢いるそうだ。
曰く、彼女は民を大事にしていてそのおかげで民からの人気も高いのだが、それが原因で王である父親を含む全ての皇族や貴族から疎まれている。
最後のやつが一番どうしようもないな・・・。
「それほどこの国の貴族や皇族は腐っているし、そして正常なやつは密告とかの裏切りによって長生き出来ない程この国は民を食い物としか見ていないのさ。」
悲しそうな顔で彼女はそう俺たちに告げた。
「そうか、で?これからどうするつもりだ?」
俺の質問に彼女は、
「私は一応でも皇族だ、だからこそ民が虐げられる政治を認める事は出来ない、例え一人でも立ち向かうまでさ・・・」
彼女は覚悟を決めて抗うと、そう断言した。
「ケーマ君はどうするの?」
ウルスラがさらっと俺に聞く。
「そうだな、とりあえず次の街に行ってから決めるか」
俺は彼女を信じていいとは思うが、民がどこまで彼女の事を思っているか知りたかった為そう答える。
「なら、とりあえず私たちだけでアトワイト様に協力しますね(ニコッ)」
マールはもう既にアトワイトを助けるのは確定しているようだ。
「一応しゃべっておくけど、やり過ぎないようにな?」
彼女が負けるとは思えず、むしろボコボコにする未来しか見えなかった為ついつい釘を刺してしまった。
「むう、わかってますよう(プクゥ)」
そう言って頬っぺたを膨らませたマールの頭を撫でながらアトワイトに言う。
「俺は国の状況を見ながらあんたを手助けするよ」
アトワイトは頷きながら、
「わかった、ありがとう」
と短く、だけど嬉しそうにお礼を言った。
「では、この不埒者達から情報を絞り出しましょうか(ニコッ)」
マールが笑顔を向けると下手人どもは震え上がった。
約二時間における尋問による成果は、
一つ、今回の襲撃は皇族は関係なく貴族達が勝手にやった事である。
二つ、アトワイトの予定をリークしたのは、一番上の第一皇子である。
三つ、この件が成功したら今回の件に参加した貴族は位を上げる事が出来る。
といった情報を入手できた。
貴族の位を上げると言うのは簡単に言うと男爵から侯爵、侯爵から大公等と言った具合に使える権力や任される領地の広さ等の幅が広がる事を意味する。
無論、これはあくまで一つの極端な例えでありこれ以外にもメリットは様々に存在する。
本来であれば、こう言った地位などは責任も伴うモノだがこの国にはそれがない。
故にこの国の貴族はやりたい放題にやり尽くしている。
だからこそ民は自分達の味方をしてくれる、国を変えてくれるかも知れないアトワイトに力を貸すし、アトワイトも自分の正義と立場からくる義務を果たす為に民を守ろうとする。
今の政治が何年続いているかはわからないが、俺もこの国を助ける事には異論はない。
だが国とケンカをする以上、最終的にはどういう決着にするかを考えながら手助けをしないと正直やり過ぎてしまう可能性が高い。
分かりやすく言うと、俺ら3人でもこの国に勝てるのはまぁ当たり前で、技の一つでも使おうものなら恐ろしくデカイクレーターが大量に出来るな・・・下手すると大陸が沈む可能性も正直に言うと俺は否定できない。
そんな事を考えている俺をよそに、女3人で今後の方針と確認している。
「アトワイト様はこれからどうするつもりですか?」
マールがそう質問すると、
「襲ってきたのは、貴族の者達の差し金だがこの件には兄上達兄妹が最低でも関わっている以上もう話し合いではどうしようもないかも知れないな」
少し沈んだ表情でそう語るアトワイトにウルスラが、
「大丈夫ですよ~、ケーマ君がどうにかしてくれるでしょうし、もし万が一の時は全員ぶっ飛ばしてアトワイト様が皇位に付いちゃえばいいじゃないですか(ニコッ)」
おい、ウルスラさらっとハードルを上げてくるんじゃねぇ!?
「そうですね、もしあれならケーマを貸しましょうか?」
マールさん?いきなり何を言い出すのかな?
「彼はそなた達の夫なのだろう?こんなに強いし、見た目もその、この世界で一番カッコいいとは私も思うが、私の事情に巻き込むのは少し・・・」
段々声が小さくなっていった時にこの二人は更に爆弾を落とす。
「大丈夫ですよ、多分今晩にでもわかっちゃいますから(ニコッ)」
マールが意味深に微笑み、
「とりあえず少し移動して野営の準備をしましょう、後はアトワイト様の度胸次第です!」
ウルスラが意味不明な事を言い出す。
「よ、よいのか?」
だが、アトワイトには伝わっているようだ、解せぬ。
「はい!ではケーマ、移動しましょう!」
マールに左腕を捕られ、
「今宵は月に吠えるのです!」
意味不明な事を言いながらウルスラが俺の右腕を捕まえる。
そして、さりげなくアトワイトが俺の背中に張り付き、
「その、今晩は世話になる(顔真っ赤)」
左右を固められているからよくわからないがアトワイトの顔、というか耳が赤くなっていた。
表情を見ようとして首を動かすのだが、動かすと反対に逃げるから諦めて3人に引っ張られて森の中に入って行く。
例によって家を出して、野営?の準備をする。
「これ野営じゃないよな?」
どういっていいのかわからない表情をしながら彼女は呟く。
現在、彼女の中の常識が崩れ出している模様!
「ふふっ、驚くのはまだ早いですよ~」
「という訳で、ケーマ君分身してください!」
「どういう訳だよ?」
マールとウルスラにどやしたり顔で催促されたので俺は3人になった。
「「「まったく、これでいいか?」」」
それを見たアトワイトは、
「は?え?う、嘘!?えぇ~~~!?」
半端なく驚いていた。
「よし、成功です!」
ウルスラがマールに親指を立て、
「えぇ、こうなったら私たちの作戦は成功したも同然です!」
マールも親指を立て返した。
ていうか、
「何の作戦だよ?」
俺はやれやれと頭を振りながら二人に聞くと、
「この作戦はケーマにも極秘です!」
マールがそう言い出すと、
「そうです、どんな事をされても言いませんから!?」
ウルスラが何かに期待した目で俺を見る。
「はぁ、わかった。じゃあウルスラはちょっと話をしようか?」
そう言って俺はウルスラを部屋に引っ張って行く。
「ではケーマ、私たちは食事の用意をしましょう(笑顔)」
「わかったよ」
俺はマールと一緒に台所に向かった。
そして、残されたアトワイトは、
「私はどうしよう?」
困惑していた。
「とりあえず、部屋・・・は、今は少しまずいから先に風呂の案内をするか」
そう言って俺はアトワイトを風呂場に案内する。
「ここだ。」
がらがらと戸を開けてアトワイトに中を見せる。
「すごい!城の風呂場よりも狭いが充分広い!」
やはり女性はお風呂が大好きのようだ。
とりあえずシャワー等の使い方を教えて俺は風呂場を出ようとしたところでアトワイトから爆弾を投下される。
「ケーマ殿、そ、その、今回の、お、お礼がしたい、から、一緒に入らないか?」
第一皇女からの不意打ちに俺は思考を停止させた。
「その、鎧も一人で脱げないから、手伝ってくれないか?」
不安そうな表情で俺を見つめるアトワイトの頭を撫でた。
「あ、」
「まったく、」
そのまま彼女の唇にキスをして問う。
「ここまで男の本能を煽ったんだから、覚悟しろよ?」
「私だってマール達に負けないぞ!」
そう言って俺達は熱いお風呂に仲良く入った。
sideマール&ケーマ
ウルスラが上の部屋にアトワイト様をお風呂に行った後、私たちは晩御飯の支度をしていた。
「今日の献立は何にしましょう?」
私は隣にいるケーマにそう聞くと、
「とりあえず、米に合う豚汁に丼ものとかだとかなり簡単に済むけどな」
相変わらずの米命な私たちの旦那様からの提案をバッサリと切る。
「それはダメです!」
好物を却下されて少し子供のような顔をする彼に今日の献立を伝える。
「今日は豚汁に魚の煮付けと後はオムレツにしましょう!」
彼は首を手で掻きながら、
「あいよ」
そう言って冷蔵庫から材料を出し始める。
「とりあえず煮付けからか?」
彼は一番時間がかかりそうな料理の材料をチョイスする。
彼が来てから島で新たに作った醤油に味醂にお酢、そしてワインなんかを料理に使うという知識とそれ用の料理酒の製作等々、正直料理関係の知識が一番浸透していると思うのは私の気のせいだろうか?
「まぁ、あんなに美味しくなっちゃうとそれもそうか」
私が一人で納得していると、
「どうした?」
ケーマに聞かれてしまい私は首を振りながらそれに答える。
「何でもないですよ」
私はどうしようもなく楽しくて、鼻歌を歌い出す。
「♪♪♪~♪♪~~♪♪♪~」
その楽しそうな雰囲気のまま全ての料理を作り終わった。
「これで終わりか?」
後ろから抱きしめてくれる最愛の人にご褒美をねだる。
「ケーマ、ご褒美が欲しいです!」
「・・・ここで?」
「みんなしばらく来ないと思いますよ?」
「全く、しょうがないな」
そう言って私にキスをして、
「料理が冷めちゃうのはもったいないから状態保存の結界をかけて・・・」
料理に対しての気遣いも忘れていなかった。
「むぅ~、そこは野獣のように来てくれるところじゃないんですか!?」
「俺がどれだけマールの料理が好きだと思ってる?」
じたじたと腕の中で暴れる私をぎゅ~っと抱きしめて、彼はまた私にキスをする。
「んっ、」
「それじゃあ、リクエストにあった通りに野獣になってあげる」
そうして私は彼に身を預けて自分の気持ちを隠さずに彼に捧げた。
その時間は、他の二人が来るギリギリまで続いた。
sideウルスラ&ケーマ
彼に腕を引っ張られて部屋に入るなりに結界が張られた。
「はう、ケーマ君お手柔らかにお願いします」
今の私の顔はどうしようもなく赤くなっているだろう事は自分でもわかっている。
自分でも似合わない事を言っていたとも思う。
でも、それでも彼の子供が欲しかったのだ、だから・・・
「私にケーマ君の子供をください!」
両手を彼の方に伸ばして求める私にケーマ君は、逆に私を抱き寄せてぎゅっとして密着した状態でベッドに座る。
「ケーマ君・・・んっ、」
先ほどから何も言わない彼に少し不安になって名前を呼んだ瞬間口を塞がれた。
「焦らなくてもちゃんとわかってるから」
そう言って優しく微笑む彼に私からもキスをして、
「力一杯に私の事をぎゅってしてください」
再び両手を伸ばす私を今度はしっかりと抱きしめて、
「愛してるよ、ウルスラ」
私の耳元で甘く囁きながら、私たちはベッドに倒れこんだ。
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倒れた母を救い、王都の名門・ヴァルセイン伯爵夫人を救ったことで、カミーラは“呪詛”という闇の存在を知る。伯爵邸で出会った炎の力を持つ公爵家次男レグナスとの出会いが、彼女の運命を大きく変えていく。
やがて王都全体に“謎の病”が蔓延。カミーラは治癒スープの炊き出しを行い、人々を次々と回復へ導く。
一方、病の裏で糸を引いていたのは………。
“無価値”と嘲られたスキルが、いま世界を癒し、未来を照らす光となる――。
異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました
雪月夜狐
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ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。
気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。
剣も魔法も使えないユウにできるのは、
子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。
……のはずが、なぜか料理や家事といった
日常のことだけが、やたらとうまくいく。
無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。
個性豊かな子供たちに囲まれて、
ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。
やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、
孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。
戦わない、争わない。
ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。
ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、
やさしい異世界孤児院ファンタジー。
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
アルカス
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16歳になったばかりの高校2年の主人公。
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そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
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