グラン王国の錬金術師 if 悪役錬金術師に転生してました!

えん水無月

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56 後始末とその結果

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 ってな事が昨日あってね。
 私はナナにそう伝えると、クッキーを一つ摘み、紅茶を口に含む。
 あーリンゴの紅茶が美味しい…………なんでここに居るんだっけと、現実から遠ざかっていく。

 ええっと……図書室から帰って来て寝て、翌日に起きる。
 カー助が帰って来ていたので、頭を叩いてノエの怒られ、朝食をすますと…………そうそう手紙が来たのだっけ。

 依頼されていた物が出来ました。と、そこでカー助を探すため、いや指輪を探す為に道具を使わせて欲しいって言ったけと思い出し。
 途中で買った手土産を持参したのよ。思い出した所でナナが話しかけてきた。


「ええっと、カー助君は探さなくていいんでしょうか?」
「別にいいわよ、昨日ちらっと帰って来てご飯食べてまた遊びに行ったし」

 朝食の後に肩に乗って来たので、風呂にいれてやろうとしたら逃げた。

「それにしても、ナナも災難ね。作った道具は、用なしになったんでしょ」
「あはは、そうなんですけど。作るのは好きですし、料金も貰ってますので。
 でも良かったです、よくわからないですけどヘルン王子様も結婚できるって聞いて」
「そうね、私が打ち首にならなくて良かったら?」
「打ち首?」
「い、いやなんでもないのよ」

 ナナは不思議そうな顔をする。話題を変えなくては…………ええっと。

「そう、それでなぜかわからないけど、私とディーオが結婚ってデマまで流れて、本当に誰か流したのか、誰も知らなくてよかったわ。でも、そのお掛けでミーナからお祝いに図書地下書庫のカード貰ったわ」
「良かったですね! あれ………………?」

 嬉しそうな顔から反転何か考える顔に変わった。
 地下書庫のカードを貰った事が気に食わなかったとか? でも、ゲームではナナは王様から貰っていたし、私がミーナから余った分を貰っても大丈夫よね。
 それともディーオと婚約の噂が流れた事?
 はっ! もしかしてナナは……。

「ごめん。ナナの気持ちを考えてなかったわ。そうねディーオが好きなのねそれなのに私ったら……」
「え、あの……ち、ちがいます!」
「いいのよ人を好きに――」
「ち・が・い・ま・す!!」
「ご、ごめん」


 あまりに気迫が凄いので謝ると、ナナのほうも慌てて謝ってきた。

「こちらこそ、その……私から見るとエルンさんとディーオ先生はいいカップルと思います!」
「そんなのは要らないわよ。ディーオに悪いし、で。他に気になった事あったんでしょ」
「はい! エルンさん以外はその悪戯? は知らなかったんですよね?」

 張り紙も張り出す前、受付が数人知っていたようだけど誰も広めて無いと思うわと、ナナへ伝える。

「でも、ミーナさんは事前に知っていてお祝いまで用意してたんですよね?」


 うん、確かにお祝いは容易されていた。
 あれ、用意されていたって事は知っていたって事をナナは言いたいのよね。
 じゃぁなんで知っていた、誰も喋ってない…………あっ。

「………………あの、お騒がせミーナああ! ミーナね! ミーナが紙を作ったのね。
 確かにあの人なら、城にコネも有りそうだし紙もてに入るわよね、でもなんで?」


 二人で腕を組んで推理する。
 ナナが小さく手を上げた。

「あのー多分ですけど、ミーナさんってエルンさんとディーオ先生との会話を聞いていたんですよね」
「ああ、カインの婚約を断ったってやつね」
「はい、それでエルンさんが困ってるって聞いて、ディーオ先生と結婚したら求婚されてないですしwin-winと思ったのではないでしょうか……」

 お互いに顔を見合わせる。
 まさかと思いつつもそれしか考えられなくなって来た。
 そして、ディーオの苦労がわかった気がする。
 嫌いになれないけど関わると火傷をするというか…………。


「今度来た時に問い正すわ……」
「あの、あんまり怒るようなことは」
「わかってるわよ、カードキーも貰ったし、さてマリアちゃんのお見舞い行ってくるわ。新星花は好きに使って、どうせ私じゃ加工できないし」
「あの……」
「何?」
「エルンさんも錬金術師ですよね……?」


 白い目で見送られながらナナの工房を出る。
 数ヶ月たっても中和剤一つも作れない私は何なんだろうか? 頭を振って気持ちを切り替える。
 さて、指輪は問題無いって伝言受けたけどどうしたのかしら。やっぱ権力で奪ったのかしら。

「こんにちはー」
「やぁいらっしゃい」

 優しい顔のイケメン夫のパック、今日は奥さんもいるらしく微笑んで迎え入れてくれた。
 手土産を渡してマリアちゃんの部屋へと入った。
 読んでいた絵本を置くと私の顔を見て大きく微笑む、可愛い。

「はーい、エルンおねーちゃんだよー」
「こんにちわー」
「はい、こんにちわ。新星花持って来たわよ」


 部屋に一緒に入ってきたパックが思わず噴出した。
 パパ変なかおーとマリアちゃんにからかわれ、話があるからと部屋の外へと連れ出される。
 小さい声で、
「新星花ってあの新星花!?」
 と聞いてきた。

「どの新星花がわからないけど、氷結の洞窟にある奴よ」
「一本だけでも金貨、いや白金貨数枚クラスの価値がある……君は錬金術師なんだろ、その価値は知らないわけじゃ」

 へぇ、こんな花がそんな高いのね。
 感情に浸ってないでもう数十本抜いて来てもよかったわね。

「ごめん、しらなかった。でもいいのよ、持って来るって約束したし。実家もお金持ちなので」

 微笑むと、呆気に取られるパックを置いてマリアちゃんの部屋へと戻る。
 花の入ったガラスの置物を枕元へと置く。

「きれい……」
「そうね、このケースから取り出すと枯れちゃうらしいの。もし枯れたらカー助に手紙を渡して、次のを持ってくるわあっ大人には内緒よ」

 大きく頷くと、枕元から私に指輪を手渡してくれた。
 木の指輪で宝石部分はガラスのおもちゃのような指輪。
 その指輪を見て思わず微笑えみたくなる、なるほどね。

 
 ◇◇◇

 私はお見舞いの後、酒場熊の手へと立ち寄った。
 クマのような顔のブルックスが手を上げて挨拶をする。

「一番高い酒を奢りで頂戴」
「奢りっておめえ、一人じゃないか?」
「あんたのおごりよ。マリアちゃんのお見舞い、私のお見舞いの後に誰を連れて行ったのかしら? マリアちゃんは白髭のながーい、おじいちゃんがぶるっくすと来たって言ってたわよ?」

 ブルックスの声が少し裏返った。周りをみて小さい声で私にささやいてくる。

「しょうがねえだろ、相手は王だぞ。どこで情報しいれたのか下々の病気で可愛そうな女の子を見舞いたいから伝手をとれって言われたら従うしかないだろ」

 カウンターに透明なお酒が、場に似合わない小さなグラスに注がれて置かれた。
 口では被害者ぶっているけど、そうグルなのだ。
 ブルックスと王はどこかで繋がっていて情報も共有していると私は考えた。

生命の雫酒せいめいのしずくさけだこの量で金貨三つ」
「高いわね」

 一口で飲むと、一気に胃が熱くなる。

「ごちそうさま」

 私は席をたって帰る事にする。

「あ、おいっ! 本当に俺が奢るのか?」
「お代は置いたわよ、そこに。本物だったら国が買えるほどの指輪。あ、おつりは要らないわ」

 私は王と、ブルックスの手によってすり返られた玩具の指輪を置いて店を後にした。 
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