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89 目覚めた元王子さま
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玩具箱をひっくり返したような、あれ? 宝石箱だったかしら? 例え違ったかもしれない。まぁとにかく、大変だった。
ガルドもシンシアも意識が無く、幸い息はしているけど放置なんて出来ないし、運が悪い事に私達を監視する兵士も居ないし、まったく緊急性に困るんだから見張りぐらい付けときなさいよ!
そう、怒った所で、さっきまで開放的っていったにゃよね? と、アマンダの突っ込みが入ったりと……。
とにかく私がシンシアをおぶり、アマンダがガルドをおぶって城まで走ったのだ。
だってガルド重いんだもん、いくら私が高身長だからって男性運べるほど体力ないわよ。
もちろん、なるべく人目に付かないようになので途中で金に物を言わせてホロ馬車を使った。
で、今はゲストハウスで私達は待機中である。
「こう、探し物は見つかったら見つかったで大変だってのが、わかったわ……」
「にゃはー……同感ー」
「ってか、笛吹けばよかったのよね」
「にゃのよねー」
気が動転して、サミダレを呼ぶのを忘れており、城に戻ってから気がついた。
笛を吹くとサミダレが飛んで来て、いや、飛んでくるのは嬉しいんだけど、なんで背後から来るのか、そして、何故耳元で、……ご用件でしょうか? と、呟くのか。
なんだかんだと色々と手配をしてくれたのは嬉しいんだけど、解せぬ。
私とアマンダが……いや、主に私がぐったりしてると扉がノックされる。
事前に足音でわかったけど。
「お疲れ様でござるよ」
私が、お疲れ様ーと返事をすると、コタロウは黙って私を見ている。
「何?」
「とても貴族に見えない体勢でござる」
ふむ、私の今の体勢は、ソファーに横になり、反対側の手すり部分に両足を小さく空けて足をかけている。
「別にいいじゃないの、細かい事はいいのよ、ズボンだってはいているんだし」
私は自慢の長い足を天井に向けてみせる。
ぐふふふと聞こえてきたので、コタロウへと、ガルドの事を聞いてみた。
「で、容態は?」
「シンシア姫のほうは、まだ眠っているでござる。もう一人のほうは意識が戻りリハビリ中でござる」
「了解」
「今はアジトっぽい所何箇所かに向けて何人かの兵士が向かってるでござるよ」
「まったく、シンシアちゃんを助けたのはいいけど、自分も捕まるとか馬鹿じゃないの?
目つき悪いし口も悪いし、オマケにシスコンってヘルン王子も、あれを兄って呼ぶのかしら、大変よねー」
私は自分の爪を見ながら返事する。
コタロウのグフフと笑い声が聞こえたかと思うと、
「馬鹿ですまない、迷惑をかけた」
と、別の声が聞こえ来た。
…………。
……………………。
私は起き上がると、コタロウの後ろにいる人に話しかけた。
「ええっと、馬鹿だけと純粋な熱い男よねって言いたかったのよ。ガルド王子ってか、居るなら居るっていいなさいよコタロウ!」
「拙者はリハビリ中と伝えたでござる、ぐっふっふ」
「少し体を動かそうと思ってな、何から何まで世話になったと礼をいいに来たのだが、それと王位継承権は無い、呼び捨てで結構だ」
とりあえず、ガルドをソファーへ座らせた。
「煎茶でいい? 昨日の残りがまだあったはず」
「えるんちゃん、うちがやるにゃー?」
「座っていて良いわよ」
私は手早く、煎茶を入れる。
パトラ女王が昨日持って来たのは粉茶になっており、お湯に溶かせば直ぐ飲める奴だ。
専用のコップですわと、置いていってくれた湯飲み三つにお茶を入れ私とアマンダ、そしてガルドの前に置く。
コタロウが何が言いたそうな顔で見ているけど、気にしない。
ガルドが自らの湯のみをコタロウへと移動させようとしたので、顔を向けると止まった。
「ぐふふ、大丈夫でござるよ。エレン殿のささやかな悪戯は、拙者の事が好きだから――――」
「一ミリも無い! ただの嫌がらせでーすー! たっく、なんでコタロウの事が好きなのよ!」
「じゃぁ、えるんちゃん、好きな人はだーれー?」
お茶を飲んで一息ついたアマンダが話を振って来る。
………………。
「まぁとりあえず、その話は置いておいて」
「おや、エルン殿――」
「その話戻したら、今度は本気でキレるわよ」
見得ない箱を、横に置いたのに、それを手で戻しそうになったコタロウは、私の一言で動きを止めた。
「で、これで私達も自由に帰っていいのよね?」
「…………」
「聞いているんだけど? ガルド、ガルド王子ー? おーい」
「し、失礼した。その俺の知っている貴族の集まりとは全然違っていて、驚いてしまったようだ。グラン王国の貴族とはこういう物なのだろうか?」
あーえー……確かに貴族らしくはないわね。
小さい頃誕生パーティーなどしてもらったけど、もっと殺伐としてたし。
ある年から、同年代の子供が一切来なくなった……あ、一人だけリュートが毎年着てたわね。
今年の誕生日は誰にも知らせなかったのに、相変わらずリュートだけはお酒を送ってくれたわ。
ナナにその事を伝えたら、何で誕生日なのを教えてくれなかったんですか! と久々に怒られた。
「っと、違うと思うわよ。なんていうか自分で言うのもなんだけど、私が変わってるのかもしれない」
「「変わり者」よね」でござる」
旅の仲間に肯定される。
私から見たら、アマンダもコタロウも変わり者すぎるし、なんだったら私のほうがまともなんですけどー。
腕を組んで難しい顔をしてるガルドは、なるほどなと呟くと顔を上げてきた。
「いや、シンシア姫が目覚めた時に話し相手が居ないと寂しがる。
それに、もう直ぐシンシア姫の誕生日が近いんだ、珍しい料理もでると聞く。
もう少し居てくれないか?」
珍しい料理!?
この場合って珍しいイコール和食よね! 食べたい、食べたい、食べたい、食べたい……。
ガルドもシンシアも意識が無く、幸い息はしているけど放置なんて出来ないし、運が悪い事に私達を監視する兵士も居ないし、まったく緊急性に困るんだから見張りぐらい付けときなさいよ!
そう、怒った所で、さっきまで開放的っていったにゃよね? と、アマンダの突っ込みが入ったりと……。
とにかく私がシンシアをおぶり、アマンダがガルドをおぶって城まで走ったのだ。
だってガルド重いんだもん、いくら私が高身長だからって男性運べるほど体力ないわよ。
もちろん、なるべく人目に付かないようになので途中で金に物を言わせてホロ馬車を使った。
で、今はゲストハウスで私達は待機中である。
「こう、探し物は見つかったら見つかったで大変だってのが、わかったわ……」
「にゃはー……同感ー」
「ってか、笛吹けばよかったのよね」
「にゃのよねー」
気が動転して、サミダレを呼ぶのを忘れており、城に戻ってから気がついた。
笛を吹くとサミダレが飛んで来て、いや、飛んでくるのは嬉しいんだけど、なんで背後から来るのか、そして、何故耳元で、……ご用件でしょうか? と、呟くのか。
なんだかんだと色々と手配をしてくれたのは嬉しいんだけど、解せぬ。
私とアマンダが……いや、主に私がぐったりしてると扉がノックされる。
事前に足音でわかったけど。
「お疲れ様でござるよ」
私が、お疲れ様ーと返事をすると、コタロウは黙って私を見ている。
「何?」
「とても貴族に見えない体勢でござる」
ふむ、私の今の体勢は、ソファーに横になり、反対側の手すり部分に両足を小さく空けて足をかけている。
「別にいいじゃないの、細かい事はいいのよ、ズボンだってはいているんだし」
私は自慢の長い足を天井に向けてみせる。
ぐふふふと聞こえてきたので、コタロウへと、ガルドの事を聞いてみた。
「で、容態は?」
「シンシア姫のほうは、まだ眠っているでござる。もう一人のほうは意識が戻りリハビリ中でござる」
「了解」
「今はアジトっぽい所何箇所かに向けて何人かの兵士が向かってるでござるよ」
「まったく、シンシアちゃんを助けたのはいいけど、自分も捕まるとか馬鹿じゃないの?
目つき悪いし口も悪いし、オマケにシスコンってヘルン王子も、あれを兄って呼ぶのかしら、大変よねー」
私は自分の爪を見ながら返事する。
コタロウのグフフと笑い声が聞こえたかと思うと、
「馬鹿ですまない、迷惑をかけた」
と、別の声が聞こえ来た。
…………。
……………………。
私は起き上がると、コタロウの後ろにいる人に話しかけた。
「ええっと、馬鹿だけと純粋な熱い男よねって言いたかったのよ。ガルド王子ってか、居るなら居るっていいなさいよコタロウ!」
「拙者はリハビリ中と伝えたでござる、ぐっふっふ」
「少し体を動かそうと思ってな、何から何まで世話になったと礼をいいに来たのだが、それと王位継承権は無い、呼び捨てで結構だ」
とりあえず、ガルドをソファーへ座らせた。
「煎茶でいい? 昨日の残りがまだあったはず」
「えるんちゃん、うちがやるにゃー?」
「座っていて良いわよ」
私は手早く、煎茶を入れる。
パトラ女王が昨日持って来たのは粉茶になっており、お湯に溶かせば直ぐ飲める奴だ。
専用のコップですわと、置いていってくれた湯飲み三つにお茶を入れ私とアマンダ、そしてガルドの前に置く。
コタロウが何が言いたそうな顔で見ているけど、気にしない。
ガルドが自らの湯のみをコタロウへと移動させようとしたので、顔を向けると止まった。
「ぐふふ、大丈夫でござるよ。エレン殿のささやかな悪戯は、拙者の事が好きだから――――」
「一ミリも無い! ただの嫌がらせでーすー! たっく、なんでコタロウの事が好きなのよ!」
「じゃぁ、えるんちゃん、好きな人はだーれー?」
お茶を飲んで一息ついたアマンダが話を振って来る。
………………。
「まぁとりあえず、その話は置いておいて」
「おや、エルン殿――」
「その話戻したら、今度は本気でキレるわよ」
見得ない箱を、横に置いたのに、それを手で戻しそうになったコタロウは、私の一言で動きを止めた。
「で、これで私達も自由に帰っていいのよね?」
「…………」
「聞いているんだけど? ガルド、ガルド王子ー? おーい」
「し、失礼した。その俺の知っている貴族の集まりとは全然違っていて、驚いてしまったようだ。グラン王国の貴族とはこういう物なのだろうか?」
あーえー……確かに貴族らしくはないわね。
小さい頃誕生パーティーなどしてもらったけど、もっと殺伐としてたし。
ある年から、同年代の子供が一切来なくなった……あ、一人だけリュートが毎年着てたわね。
今年の誕生日は誰にも知らせなかったのに、相変わらずリュートだけはお酒を送ってくれたわ。
ナナにその事を伝えたら、何で誕生日なのを教えてくれなかったんですか! と久々に怒られた。
「っと、違うと思うわよ。なんていうか自分で言うのもなんだけど、私が変わってるのかもしれない」
「「変わり者」よね」でござる」
旅の仲間に肯定される。
私から見たら、アマンダもコタロウも変わり者すぎるし、なんだったら私のほうがまともなんですけどー。
腕を組んで難しい顔をしてるガルドは、なるほどなと呟くと顔を上げてきた。
「いや、シンシア姫が目覚めた時に話し相手が居ないと寂しがる。
それに、もう直ぐシンシア姫の誕生日が近いんだ、珍しい料理もでると聞く。
もう少し居てくれないか?」
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