グラン王国の錬金術師 if 悪役錬金術師に転生してました!

えん水無月

文字の大きさ
141 / 209

137 楽しみでしょうがない 

しおりを挟む
 目標を発見。
 私はゆきぽよぽよへと突進をする。
 鈍い衝撃が体全体を包むと、すぐにその衝撃は消えてなくなった。

 よし、一体撃破っと。

 右を見ると、ガーラが私の貸した剣で三体目のゆきぽよぽよを倒している。
 あ、背後の気づいていない。

 対寒冷用極地装備、グレート皇帝ペンキンを着ている私は高くジャンプすると魔物へと蹴りを入れた。
 核を貫き雪ぽよぽよは砕け散る。


「ふう、こんなものかな?」
「ありがとうございます、助かりました」

 今私達の居る場所は町から徒歩で七時間ほどにある湖のほとり。夏になったら避暑地らしく馬車で二時間ほどの場所だそうな。

 ゆきぽよぽよが大量発生した場所へきて駆除、駆除をして掃除をしていく。

 カルロスもついてくる予定だったけど、先生はお疲れでしょうから家に居てください。と言うガーラの熱心なお願いで家にいる。

 お願い。というよりは脅迫に近かったけど。

 私は今回も、ガーラの馴染みの防具屋へいってペンギンスーツ借りての出動だ。

 数十匹倒した所で周りのは居なくなった。
 私としては、この装備のおかげで疲れてないけど、ガーラの息が少し上がってるわね。


「休憩しましょ?」
「そ、そうですね。もう少ししたら管理小屋がありますので、そこで」


 ガーラの案内で小屋へとついた。
 小屋といっても、大人数名が寝泊りできる大きさ。
 二重玄関で寒さ対策もばっちりである、早速ペンギンスーツを脱いで室内を物色、もとい何かないか見て回る。

 小さい厨房に、かまどがあり、暖炉もついている。
 薪も近くにあり、まだ室内も暖かい。


「ここに居ないということは……多分温泉でしょうか」


 なんだと…………。


「温泉!? 温泉あるの!? 温泉って温泉よね!」
「エ、エルンさん!?」
「いや、だって温泉よ、にほ……ごほん。貴族なら温泉と聞いたら入らずに居られないわ!」

 ガチャと、私達がいる管理室の扉が開かれた。
 雪まみれのお爺さんが、私とガーラをみて目を見開いている。


「ガーラっ!」
「お爺様っ!」


 白髪の老人は私をみて、シワだらけの笑みを浮かべる、私は笑顔で会釈した。

「ほう、この体を見ても微笑むとは、肝っ玉なお嬢さんだ」

 膝から下の義足は木の棒になっていて、これ見よがしに見せ付けている。


「初めまして、エルン・カミュラーヌと申します」


 一応は貴族流の挨拶をして出方をみる。


「ダンだ。エルン様。生憎と貴族ではないので礼儀をしらないが許してくれ、ガーラから少し話は聞いている、想像より美人でびっくりした」


 まぁまぁまぁ美人だなんて、嘘でも嬉しい。
 それにちゃんと、名前に様をつけてくれるなんて、さすがとしか言いようが無い。
 なんせ、悪女の笑みとか、子供が逃げる顔とか色々言われてきたので。


「そういう事なら、ダンさん、私に様はいらなくてエルンで結構ですよ。錬金術師見習いで来てますので」
「そうか、すまないな。ではエルンさん、ガーラが見つけてきた人物だから、信頼をする。あれだろ? 現場を見たいんだろ?」


 私は頷くと白い歯を見せてくれる。


「私一人じゃどうしようもないんだけど、なんと錬金術師の先生が来てますので、私は現場を見て伝えます。失敗したら責任は全部あっちもちという事で」
「エ、エルンさん!?」


 ガーラが、そんな話が違うんじゃって驚いた顔をしているが、だって私よ? 解決なんて出来るわけないじゃない。
 名探偵でもないんだし、絶対に解決するとも言ってない。

「ぶっはっはっは、面白い冗談だ、さてさて、ガーラお前はまた他の人に無理やり……」
「まったまったまった! お願いはされたけど無理やりじゃないわよ。解決出来そうなら手伝うと言ったのは私だし」
「エ、エルンさん……」


 ガーラが怒られそうになっているので助けると、今度は嬉しそうに私の名前を呼んでいる。

 ともあれ、現場はここからさらに、徒歩で三時間ほどの場所らしく、今はまだ危険性はないらしい。
 ダンさんは丁度、そこを掃除して帰って来たとかなんとか。
 でも、このままのペースで行くとゆきぽよぽよを食べに来た魔物が増え連鎖的に町に被害が出る可能性があるという事だ。


「でだ。今から行くのにも空模様が怪しい、明日だな。街に帰るのにも遅いだろうし。
 こんな爺さんと良ければ泊まってくれ、所でガーラ。カルロスはどうした」


 ガーラがカルロス先生は、お疲れのようなので休息してもらいました。と、いうとガーラは相変わらず甘いなぁと、顔を喜ばせる。


「それよりも、温泉があるって……」
「ほう……温泉に興味がおありか」
「もちろん!」

 私は頷くと、ダンさんも笑顔になる。


「といっても、ゆきぽよぽよの大量発生した近くの場所にあるんだ。駆除するまでは入れないな……」
「露天?」
「もちろん露天だ。風呂など上流貴族しかは入れない時代を考えれば、いや、いまでも湯が使い放題は贅沢な事だ」


 入りたい、入りたい、入りたい。
 自宅のお風呂は、人が二人入ったら狭い。王都にある公共浴場なんて貴族なので行きたいけど行けない。
 だって、貸切にでもしないと問題になるから……。
 そして貸しきったらもっど問題ガ大きくなる。

 実家のお風呂もそんなに大きくないし、大きくても入るだけに実家には帰れないし。
 ガーランドでもお風呂を借りたけど、風呂というよりは温水プールに近かった。

 なので!

 大きなお風呂でお湯が使い放題ならぜったいいに入りたい。


「どれ、保存した肉があったかな。エルンさんや飯にしよう」
「へ? ああ、ありがとうございます」


 おっと、自分の世界に入っていたらしい。
 雪を完全に落としたダンさんは、ひょこひょっこと器用に動き室内へと歩く、その後ろをガーラがついていった。

「お爺様、わたしも手伝います」
「すまんな」


 食事を終えると後は寝るだけ。

 こんな小屋に老人といえと男性と女性二人、何も問題が起きるはずもなく…………というのは冗談で、うん起きるはずが無い。
 孫と爺さんだし、私はグレート皇帝ペンギンスーツを着込んで寝るし。

 部屋割りは寝室に私とガーラ。ダンさんは別室で寝ると。
 もちろん、老人であるダンさんを寝室という話はでたけど押し問答のすえに譲り受けた。
 ちょっとだけ罪悪感を残しつつ就寝した。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

溺愛最強 ~気づいたらゲームの世界に生息していましたが、悪役令嬢でもなければ断罪もされないので、とにかく楽しむことにしました~

夏笆(なつは)
恋愛
「おねえしゃま。こえ、すっごくおいしいでし!」  弟のその言葉は、晴天の霹靂。  アギルレ公爵家の長女であるレオカディアは、その瞬間、今自分が生きる世界が前世で楽しんだゲーム「エトワールの称号」であることを知った。  しかし、自分は王子エルミニオの婚約者ではあるものの、このゲームには悪役令嬢という役柄は存在せず、断罪も無いので、攻略対象とはなるべく接触せず、穏便に生きて行けば大丈夫と、生きることを楽しむことに決める。  醤油が欲しい、うにが食べたい。  レオカディアが何か「おねだり」するたびに、アギルレ領は、周りの領をも巻き込んで豊かになっていく。  既にゲームとは違う展開になっている人間関係、その学院で、ゲームのヒロインは前世の記憶通りに攻略を開始するのだが・・・・・? 小説家になろうにも掲載しています。

悪役令嬢に転生したので地味令嬢に変装したら、婚約者が離れてくれないのですが。

槙村まき
恋愛
 スマホ向け乙女ゲーム『時戻りの少女~ささやかな日々をあなたと共に~』の悪役令嬢、リシェリア・オゼリエに転生した主人公は、処刑される未来を変えるために地味に地味で地味な令嬢に変装して生きていくことを決意した。  それなのに学園に入学しても婚約者である王太子ルーカスは付きまとってくるし、ゲームのヒロインからはなぜか「私の代わりにヒロインになって!」とお願いされるし……。  挙句の果てには、ある日隠れていた図書室で、ルーカスに唇を奪われてしまう。  そんな感じで悪役令嬢がヤンデレ気味な王子から逃げようとしながらも、ヒロインと共に攻略対象者たちを助ける? 話になるはず……! 第二章以降は、11時と23時に更新予定です。 他サイトにも掲載しています。 よろしくお願いします。 25.4.25 HOTランキング(女性向け)四位、ありがとうございます!

婚約者に毒を飲まされた私から【毒を分解しました】と聞こえてきました。え?

こん
恋愛
成人パーティーに参加した私は言われのない罪で婚約者に問い詰められ、遂には毒殺をしようとしたと疑われる。 「あくまでシラを切るつもりだな。だが、これもお前がこれを飲めばわかる話だ。これを飲め!」 そう言って婚約者は毒の入ったグラスを渡す。渡された私は躊躇なくグラスを一気に煽る。味は普通だ。しかし、飲んでから30秒経ったあたりで苦しくなり初め、もう無理かも知れないと思った時だった。 【毒を検知しました】 「え?」 私から感情のない声がし、しまいには毒を分解してしまった。私が驚いている所に友達の魔法使いが駆けつける。 ※なろう様で掲載した作品を少し変えたものです

村娘になった悪役令嬢

枝豆@敦騎
恋愛
父が連れてきた妹を名乗る少女に出会った時、公爵令嬢スザンナは自分の前世と妹がヒロインの乙女ゲームの存在を思い出す。 ゲームの知識を得たスザンナは自分が将来妹の殺害を企てる事や自分が父の実子でない事を知り、身分を捨て母の故郷で平民として暮らすことにした。 村娘になった少女が行き倒れを拾ったり、ヒロインに連れ戻されそうになったり、悪役として利用されそうになったりしながら最後には幸せになるお話です。 ※他サイトにも掲載しています。(他サイトに投稿したものと異なっている部分があります) アルファポリスのみ後日談投稿しております。

【完結】転生したらラスボスの毒継母でした!

白雨 音
恋愛
妹シャルリーヌに裕福な辺境伯から結婚の打診があったと知り、アマンディーヌはシャルリーヌと入れ替わろうと画策する。 辺境伯からは「息子の為の白い結婚、いずれ解消する」と宣言されるが、アマンディーヌにとっても都合が良かった。「辺境伯の財で派手に遊び暮らせるなんて最高!」義理の息子など放置して遊び歩く気満々だったが、義理の息子に会った瞬間、卒倒した。 夢の中、前世で読んだ小説を思い出し、義理の息子は将来世界を破滅させようとするラスボスで、自分はその一因を作った毒継母だと知った。破滅もだが、何より自分の死の回避の為に、義理の息子を真っ当な人間に育てようと誓ったアマンディーヌの奮闘☆  異世界転生、家族愛、恋愛☆ 短めの長編(全二十一話です) 《完結しました》 お読み下さり、お気に入り、エール、いいね、ありがとうございます☆ 

転生しましたが悪役令嬢な気がするんですけど⁉︎

水月華
恋愛
ヘンリエッタ・スタンホープは8歳の時に前世の記憶を思い出す。最初は混乱したが、じきに貴族生活に順応し始める。・・・が、ある時気づく。 もしかして‘’私‘’って悪役令嬢ポジションでは?整った容姿。申し分ない身分。・・・だけなら疑わなかったが、ある時ふと言われたのである。「昔のヘンリエッタは我儘だったのにこんなに立派になって」と。 振り返れば記憶が戻る前は嫌いな食べ物が出ると癇癪を起こし、着たいドレスがないと癇癪を起こし…。私めっちゃ性格悪かった!! え?記憶戻らなかったらそのままだった=悪役令嬢!?いやいや確かに前世では転生して悪役令嬢とか流行ってたけどまさか自分が!? でもヘンリエッタ・スタンホープなんて知らないし、私どうすればいいのー!? と、とにかく攻略対象者候補たちには必要以上に近づかない様にしよう! 前世の記憶のせいで恋愛なんて面倒くさいし、政略結婚じゃないなら出来れば避けたい! だからこっちに熱い眼差しを送らないで! 答えられないんです! これは悪役令嬢(?)の侯爵令嬢があるかもしれない破滅フラグを手探りで回避しようとするお話。 または前世の記憶から臆病になっている彼女が再び大切な人を見つけるお話。 小説家になろうでも投稿してます。 こちらは全話投稿してますので、先を読みたいと思ってくださればそちらからもよろしくお願いします。

異世界転生した私は甘味のものがないことを知り前世の記憶をフル活用したら、甘味長者になっていた~悪役令嬢なんて知りません(嘘)~

詩河とんぼ
恋愛
とあるゲームの病弱悪役令嬢に異世界転生した甘味大好きな私。しかし、転生した世界には甘味のものないことを知る―――ないなら、作ろう!と考え、この世界の人に食べてもらうと大好評で――気づけば甘味長者になっていた!?  小説家になろう様でも投稿させていただいております 8月29日 HOT女性向けランキングで10位、恋愛で49位、全体で74位 8月30日 HOT女性向けランキングで6位、恋愛で24位、全体で26位 8月31日 HOT女性向けランキングで4位、恋愛で20位、全体で23位 に……凄すぎてびっくりしてます!ありがとうございますm(_ _)m

【完結】ヒロインに転生しましたが、モブのイケオジが好きなので、悪役令嬢の婚約破棄を回避させたつもりが、やっぱり婚約破棄されている。

樹結理(きゆり)
恋愛
「アイリーン、貴女との婚約は破棄させてもらう」 大勢が集まるパーティの場で、この国の第一王子セルディ殿下がそう宣言した。 はぁぁあ!? なんでどうしてそうなった!! 私の必死の努力を返してー!! 乙女ゲーム『ラベルシアの乙女』の世界に転生してしまった日本人のアラサー女子。 気付けば物語が始まる学園への入学式の日。 私ってヒロインなの!?攻略対象のイケメンたちに囲まれる日々。でも!私が好きなのは攻略対象たちじゃないのよー!! 私が好きなのは攻略対象でもなんでもない、物語にたった二回しか出てこないイケオジ! 所謂モブと言っても過言ではないほど、関わることが少ないイケオジ。 でもでも!せっかくこの世界に転生出来たのなら何度も見たイケメンたちよりも、レアなイケオジを!! 攻略対象たちや悪役令嬢と友好的な関係を築きつつ、悪役令嬢の婚約破棄を回避しつつ、イケオジを狙う十六歳、侯爵令嬢! 必死に悪役令嬢の婚約破棄イベントを回避してきたつもりが、なんでどうしてそうなった!! やっぱり婚約破棄されてるじゃないのー!! 必死に努力したのは無駄足だったのか!?ヒロインは一体誰と結ばれるのか……。 ※この物語は作者の世界観から成り立っております。正式な貴族社会をお望みの方はご遠慮ください。 ※この作品は小説家になろう、カクヨムで完結済み。

処理中です...