なんでも屋

平野 裕

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 カラン、と扉につけた小さな鐘が子気味いい音をたてた。積み重ねた品物の影からひょいと顔を出すと、扉の前にはいつかの少年が片手に人形を持って立っていた。
「おやおや、いらっしゃい。どんな用事かな。」
すると、少年は満面の笑みで顔をあげ、人形を差し出した。
「お爺さん、人形ありがとう。この人形、魔法の人形だったんだね!ぼく、この子にそっくりな友達ができたんだ!」
「そうですか、そうですか。それはよかった。」
老人は微笑みながら差し出された人形を受け取った。
「だから、その人形はもういいんだ。これから友達と遊んでくるから!」
「はい、行ってらっしゃい。何かあればまたいらっしゃい、いつでも待っていますよ。」
そういって、少年は足早に店を去って行ってしまった。元気よく扉を飛び出していく姿を、老人は人形と共に、手を振って見送った。その口元に、静かな笑みをたたえながら。
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