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転生しました
しおりを挟む《――第一次転生準備を開始します――》
……ん?
《対象者………第一次転生準備を開始しますか? はい/いいえ》
まてまてまて、転生とかなんといきなり言われても
《転生を中止しますか? はい/いいえ》
中止とかは一旦置いておいて、取り敢えず状況説明をしてくれると助かるんですけど……
《転生対象者からの問いを確認 問いの解答を試行》
話が通じた……のか?
《現段階の貴方様の状況について御説明致します》
《現在貴方様は死亡又は存在消滅により、ここ次元の狭間へと魂が移動されてきました》
は?
《前世での貴方様は既に存在せず、今は魂だけの存在となっています》
俺死んだのか……?
《はい。現状貴方様は肉体を持たず、精神存在となり今私との会話を行っています》
《本来ですと死亡又は存在消滅した存在は魂も同様に消滅する筈ですが、貴方様の場合は『個体個性…個性創造』のよって作成された『限定個性…転生』の効果により、再び現世へと転生する事が可能となっています》
頭が痛くなってきたぞ……いや待て、まず俺はさっきまで普通にモンスター狩ってた一冒険者だぞ? それが何、「転生出来ます」って言われても驚きが頭の中巡って訳が分からないぞ
《――私の説明に不備があるか確認致します》
あー、いやごめんごめん。俺がまだこの状況に対応しきれてないだけだから、大丈夫
《現状を簡単にまとめて説明しますと、貴方様は前世の個性によって新たに、『転生』という転生可能となる個性を作りました。それによって、貴方様は死亡又は存在消滅した現在能力が発動、転生を行っている最中になります》
おぉ、分かりやすい。……で、俺は取り敢えずどうしたらいい?
《転生の説明を行い、それと同時に貴方様のご希望を把握、転生後に対応させてます。また、これから先の質問に対しては、はい/いいえ の二択でのみ返答とさせて頂きます》
急にすたこら進むね、まぁいい、もう一度転生出来るってことは俺としてもありがたい。分かった、よろしく頼むわ
《はい》
《では、再び第一次転生準備を開始します。転生対象者……は『個体個性…個性創造』によって作成された『限定個性…転生』の効果により転生。発動条件である①個性所持者の死亡確認 ②個性所持者の存在消滅 のどちらかを満たしたことを確認。今回②の条件を満たした為、前世での存在消滅前後の記憶の欠落を確認、記憶の補充を行いますか? はい/いいえ》
はい
《返答、はいを確認。記憶の補充を開始……失敗。再び欠落を補充を行いますか? はい/いいえ》
あー、失敗するなら大丈夫よ。迷惑かけてるし
《返答、中止を確認。記憶の欠落補充を中止、第一次転生準備を引き続き行います。前世での個性を引き継ぎますか? はい/いいえ》
はい。だけど、俺が所持していた個性ってどんな物があって、どれを持って行けるんだ?
《……確認致しました。貴方様が所持している個性のうち、個体個性一つ、限定個性二つまで転生後の肉体へと付与できます。所持能力一覧を開きますか? はい/いいえ》
ふむふむ、なら開かないでいいや。知らずうちに増えていた個体個性と元々把握していた限定個性の『個性鑑定』と『個性強化』の三つでお願いします
《返答、いいえを確認。また、転生後の肉体へと付与する個性三つを確認。付与を行います。……付与確認。転生後、三つのうち二つの個性を統合できますが、行いますか?》
個性とかの管理は任せたいんだけどいいかな?結合しても能力とかが消えるわけじゃないでしょ?
《……対象者の問いを確認、返答を開始。個性統合後は能力が変化する場合があります。ですが、基本は元の能力を引き継ぎますので消えることはございません。個性の統合を行いますか? はい/いいえ》
はい
《返答、はいを確認。転生後に統合を行います。続いて、転生後に転生前の能力値を移行しますか? はい/いいえ》
んー……いいえかな
《返答、いいえを確認。転生後は新たに能力値を振り分けます。第一次転生準備を修了、第一次転生を開始しますか? はい/いいえ》
はい
《返答、はいを確認。第一次転生を開始します》
その声と共に視界すらなかった俺に光が差し込む。その光は段々と形をなし、俺の周りを包んでいった。
《転生開始に伴って、容姿、種族、性別、年齢の四項目を設定致します。容姿につきましてはどうなさいますか? なお、この項目に関しては対象者の返答を反映致しますので、はい又はいいえでの返答は受け付けません。では、容姿についてはどうなさいますか?》
容姿かぁ……前世のままってのもいいんだけどなぁ、どうしよう。悩むなぁ、けど、まぁ普通に一般的な感じでお願いします
《返答、一般的な容姿を確認。反映致します……反映完了。続きまして、種族の選択に移ります。選択なされる種族は、人、獣人、亜人、魔人、竜人、天人、神人、魔族、天使、覇王、魔王、神、龍、その他貴方様のご希望となる種族の中から選択できます》
………多い、てか、魔王とか神とかって転生したらなれてたんか……初めて知った
《どの種族を選択なさいますか?》
んー……亜人ってのはあれだよな、人だけど特別な体質の人とかだよな? そのさ、体質ってのも転生で選べたりする?
《返答、亜人の体質確認について確認。はい、亜人選択の場合別項目として体質一覧から選択できます》
ふむ、なら亜人で
《返答、亜人を確認。反映致します……反映完了。亜人選択により体質を選択できます。体質を選択してください。体質…熱耐性、状態異常耐性、飛行能力、水中呼吸、未来予知、空間移動…………………強奪の以上からお選びください》
多いな………またもや、あー、未来予知とかしてる奴いたなぁ、個性は雑魚だったから呆気なく死んでたけど。ふむふむ…あ、これいいな
《体質の説明をお聞きしたいものはございますか?》
ならさ、この強奪ってのは?
《返答、強奪の能力説明を確認。説明を開始します。体質…強奪の能力は、対象者となる相手から何かしらを強奪することが可能。強奪するものは発動者の意思によります》
へぇ……意思ねぇ、面白そうだね。なら、体質は強奪で
《返答、体質強奪を確認。反映致します……反映完了。続いて性別の確認、どちらに致しますか? 男性/女性》
男性
《返答、男性を確認。反映致します……反映完了。最後に年齢の確認、年齢を選択ください》
俺が生きていた年齢からっても大丈夫?
《返答、年齢継続を確認。確認中……確認完了。はい、年齢を引き継ぐことも可能です。ですがその場合は寿命その物の変更は出来ませんがよろしいですか? はい/いいえ》
はい
《返答、はいを確認。反映致します……反映完了。これにより第一次転生完了》
おぉ、やっと終わったな
《転生に先立ちまして、ボーナスを付与致しますか? はい/いいえ》
ボーナス……? まじか、転生までさせてもらってさらに特典付きとか、最高じゃねぇか。こら、迷わず、はい
《返答、はいを確認。ボーナスの種類を選択してください。①基礎能力値強化 ②個性強化 ③黄金律強化 ④???》
え、まって最後のめちゃくちゃ気になるんだけど。それに、①と②は分かるけど③って……
《③黄金律強化とは、貴方様の生涯における黄金律、運命その物を強化致します》
ほぇ……凄いこと出来るなぁ…。んー…②が一番気になるけど、④も捨て難い……
《先程から個性の項目に関して好奇心が強いように見受けられます。前世での想い入れでもごさいますか? はい/いいえ》
え、何いきなり。今までとは違う……、でも、あるにはあるから……はい
《返答、はいを確認。創造主へと直接交渉中……交渉完了。貴方様のその個性への執着から、創造主より②を特別に無条件で付与致します。反映致します……反映完了。また、残る①、③、④よりもう一つ付与が可能ですが付与致しますか? はい/いいえ》
創造主とか、もう話のスケールが分からなくなってきたよ! いや、もう慣れてきたのかな俺……。んと、②を既に取得しててもう一つ選べるとなると……はい、④をお願いします
《返答、④の反映を確認。反映致します……反映完了。》
なんか、俺色々と凄いのかな……転生なんかして、転生するようにいつの間にか個性生み出す個性なんか持ってて……
《その問いに関する返答ですが、貴方様のように個性その物を創造する力というのは我が創造主の意志に反するものとして、本来ですと存在し得ない物です。ですが、貴方様は何かしらの条件を前世で満たした為に取得していたと思われます》
ほー、凄いこった
《では、第一次転生は完了致しました。貴方様の転生は今回が初めてですので手順はここで終わりです。転生を開始しますか? はい/いいえ》
あ、まって、あなたは一体……
《……精霊意思とでも言っておきましょう》
急に流暢な……。まぁ、精霊意思さん、ありがと。転生したらまた一から頑張るよ
《はい。貴方様の転生後に祝福がありますよう願っております。最後にもう一度確認致します、転生致しますか? はい/いいえ》
はい!
《では、言ってらっしゃいませ》
こうして俺は転生後のことを何も聞かずして(後々後悔するハメになるのだが)、第二の人生へと転生したのであった。
応援ありがとうございます!
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