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漸進的愛情表現
、
しおりを挟む辻本が今までどんな恋愛をしてきたのか、本人の口から聞いた事はないし聞きたいとも思わないけど大体の予想はつく。
きっと、触れる事に怖がっているのは辻本の方だ。
そう思えば思う程、面白いくらいに手が出せなくなる。
辻本に触れるたびに身体を駆け巡るほどの情動を感じながらも、あの泣きそうな顔を見ると理性が勝ってしまう。
泣かれたりしたら多分、俺のメンタルがもたない。
「なんかさ、辻本って最近可愛くね?」
突然聞こえた低い声に、ぴく…っと肩が上がる。
授業と授業を繋ぐ10分間の休憩。
席を立つ気にもなれず何をするわけでもなく頬杖を突いて窓の外の景色を眺めていると、今まさに自分の頭の中を独占していた人物の名前が前触れもなく耳に飛び込んできた。
声がした方向に視線を向ければ、クラスメイトの男2人が机に浅く腰を掛けながら談笑していた。
「分かる。入学したての時はギャルって感じだったけど、最近なんか妙に色っぽいっつーかさ」
「そーそ。髪暗くしたあたりからマジで可愛いよな」
この男子生徒が言った通り、髪色を暗くしてから雰囲気がガラリと変わった辻本の事を“可愛い”と言う奴が増えてきた。
「しかもスタイルいいし」
「それ。スタイルだけで言えば学年イチじゃね?細いのに出るとこ出てるよな~」
「あれ絶対胸でけえよな。揉んでみてー」
ケラケラと下品な笑い声と共に聞こえてきた言葉に、無意識に眉が寄る。
「ぶっちゃけさ、誘えばすぐヤラせてくれそうじゃね?」
笑いを含んだ声で言われたその一言に、我慢しきれなくなって勢いよく立ち上がった。
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