ドラゴンすら肥える異世界農園〜最弱スキルで世界の胃袋を掴みました〜

ライカタイガ

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【第25話】モフ、目覚めの刻と守護獣の誓い

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ミモの“封花”スキルの発現から数日が経った。農園の日常は穏やかに流れていたが、空気の奥にはどこか張りつめたものがあった。

 そんな中、変化を見せたのは、俺たちのもうひとりの仲間──モフだった。

「タケルさーん、来てください!」

 リリィの叫び声に温室から飛び出すと、“ミモ庭”の中心で、モフが光に包まれていた。

「モフ……!?」

 モフの体が、まるで風に舞うようにふわりと宙に浮いていた。その中心から、淡い金の光が放たれている。

「これは……まさか、進化……?」

 光が収まると、そこに現れたのは、しなやかな獣の体躯をもった大型のドラゴン

だがその表情は変わらずおっとりとしていた。

「むぅ~」

 それは確かにモフだった。目がくりくりと大きく、背中には今までになかった薄い光の翼のようなものが広がっている。

「つ、強そう……! けどモフちゃん!」

 リリィが感動で目を輝かせる。

 そして、モフの身体がふたたび光りに包まれ、すっと縮んでいくと

元のかわいい、ちびドラゴンの姿に戻っていた。

「……どうやら、任意で変身できるらしいな」



【《守護獣:顕現》──状況に応じて姿を変え、主を守護する】

「……モフ、成長したんだな」



 俺が頭を撫でると、モフは気持ちよさそうに「むー」と鳴いた。

 その夜、俺たちは畑の隅に焚き火を囲み、モフの変身を祝うささやかな宴を開いた。リリィが特製の野菜シチューを作り、ミモも上機嫌でふわふわ跳ね回っている。

「それにしても、モフが進化するなんて……タケルさん、何か心当たりあります?」

「うーん、最近一緒に畑を回ったり、魔力の多い場所で働いたりしてたから……その影響かもな」



 俺は思い出す。特に、ミモと一緒にいた時間が長くなったこと。もしかしたら、ミモの存在がモフの魔力にも影響を与えていたのかもしれない。

「この調子だと、農園の魔力そのものが進化してるのかも……」

 リリィの言葉に、俺は頷いた。

「これからも、もっと何かが変わるかもしれないな」

 モフは焚き火の光に照らされながら、静かに空を見上げていた。

 その瞳には、ただの従魔を超えた何か──まるで、世界の流れを見通すような深さが宿っていた。
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