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第39話 王都への道
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王都への旅が始まり、バルシュ、レオンナンド、オレとゴロウを乗せた馬車は静かに街道を進んでいた。
ゴロウの存在がどこでばれるかわからない為
オレたちは少人数での移動を選び、慎重に行動していた。
そんな中ゴロウはのんきに
「ダイ、王都に行ったら何が待っているのかな?いろんな美味しいものや変わった動物がいるかな?」
さっきまで寝ていたとい思ったら急にこの調子だ。
だが、おかげで緊張し続けていた体に少し余裕が生まれた。
「そうだね、いろんなものが見つかるといいけど。
まずはゴロウの調査が最優先だね。何か手がかりがつかめればいいんだけど。」
ゴロウは嬉しそうに頷いた。
・
・
・
旅を続ける中、遠くの街道に一人の少女が見えた。
年齢は12,3歳といったところか
青みがかった銀色の長い髪をまとめている
ツインテ―ルが歩くたびに背中で揺れている。
彼女は革製の胸当てと小手といった。最低限の防具に
腰には剣を帯びているところから察するに冒険者のようだが、
歩き方にはどこか不安定でたまによろけたりしている。
歩いているだけで剣の扱いには慣れていないことが分かる。
彼女の後ろからくるオレたちの馬車に気づくと、彼女は一度立ち止まり、
道の端に寄ってオレたちを見送る準備をしていた。
レオンナンドが小声でバルシュに声をかけた。
「あの少女、少し様子が気になりますね。
道に迷ったか、何か他の事情があるのかもしれません。
どうされますか?」
慎重に行動するべき旅ではあるが、少し気になっていたので
「父様、少し話を聞いてみませんか?」
馬車を停め、オレは窓越しに少女に声をかけた。
「うむ、そうだな私やレオンナンドがいきなり声をかけてしまうと
無駄に怖がらせてしまう可能性がある。ダイ、子供のお前の方が警戒されないだろう。
少し事情を聴いてみなさい。
だが、怪しい動きを見せたらレオンナンド頼んだぞ」
レオンナンドは「承知しました」と振り返りながら答えた。
オレはバルシュのやさしさに感謝した。
「ありがとうございます。父様」
オレは少女が馬車が通り過ぎるのを待っている場所で馬車をつけてもらい
窓から顔を出して声をかけてみた。
「こんにちは、どこかに向かっているのですか?」
少女は少し驚いた様子だったが、すぐに頭を下げ、控えめな声で答えた。
「あ…、こんにちは。王都へ向かっているんですが・・・その、道に迷ってしまいまして・・・」
彼女の声には少し戸惑いが感じられたが、子供のオレに話しかけられて警戒はしていないようだった。
彼女が持っている剣は新品のようで、どう見ても使い慣れているようには見えなかった。
「王都へ行くのですね!
どこで道に迷ったのか、少し詳しく教えてもらえますか?」
「え、あっはい。私はリタといいます。
昨日、故郷のクルネ村を出発して、しばらくすると地図を忘れてしまった事に気づいて
見覚えのある道を進んでいたのですが、自身が無くなってきてしまって・・・」
リタはオレの言葉に少し安心した様子を見せ、道の状況を説明してくれた。
彼女は王都に向かっているが、途中でどの道を選べばよいか分からなくなり、
少しずつ道を外れてしまったようだ。
レオンナンドが馬から降りて少女とオレの前に立ち
「もしよろしければ、私が王都への道筋をお教えしますが、どうされますか?」
リタは一瞬迷ったが、感謝の気持ちを込めて頷いた。
「ありがとうございます!教えていただけると助かります…。」
レオンナンドが丁寧に王都までの道順を説明している間、
オレはリタの装備を見て興味が湧いたので聞いてみた。
「その剣、新しそうに見えますが、王都にはどんな用事で向かっているのですか?」
リタは少し恥ずかしそうにしながら答えた。
「はい、私は王宮騎士団に入るため修行しに王都に行くんです。
でも、まだ剣の扱いが下手で…。だから、もっと強くなるために努力しなきゃと思って。」
彼女の言葉には確かな決意が感じられた。
オレも、ゴロウの力を完全に制御できていない自分と少し重なる部分を感じ、応援したくなった。
「修行で!すごいですね!私も修行中なのでお互い頑張りましょうね!」
リタは感謝の意を込めて、何度も頭を下げた。
「ありがとうございます!王都で絶対強くなって騎士団に入ります!」
オレたちはリタと別れ、再び王都に向けて進み始めた。
彼女のように夢を追いかける者がいることを知り、
オレ自身も王都への気持ちが高まっていった。
ゴロウの存在がどこでばれるかわからない為
オレたちは少人数での移動を選び、慎重に行動していた。
そんな中ゴロウはのんきに
「ダイ、王都に行ったら何が待っているのかな?いろんな美味しいものや変わった動物がいるかな?」
さっきまで寝ていたとい思ったら急にこの調子だ。
だが、おかげで緊張し続けていた体に少し余裕が生まれた。
「そうだね、いろんなものが見つかるといいけど。
まずはゴロウの調査が最優先だね。何か手がかりがつかめればいいんだけど。」
ゴロウは嬉しそうに頷いた。
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旅を続ける中、遠くの街道に一人の少女が見えた。
年齢は12,3歳といったところか
青みがかった銀色の長い髪をまとめている
ツインテ―ルが歩くたびに背中で揺れている。
彼女は革製の胸当てと小手といった。最低限の防具に
腰には剣を帯びているところから察するに冒険者のようだが、
歩き方にはどこか不安定でたまによろけたりしている。
歩いているだけで剣の扱いには慣れていないことが分かる。
彼女の後ろからくるオレたちの馬車に気づくと、彼女は一度立ち止まり、
道の端に寄ってオレたちを見送る準備をしていた。
レオンナンドが小声でバルシュに声をかけた。
「あの少女、少し様子が気になりますね。
道に迷ったか、何か他の事情があるのかもしれません。
どうされますか?」
慎重に行動するべき旅ではあるが、少し気になっていたので
「父様、少し話を聞いてみませんか?」
馬車を停め、オレは窓越しに少女に声をかけた。
「うむ、そうだな私やレオンナンドがいきなり声をかけてしまうと
無駄に怖がらせてしまう可能性がある。ダイ、子供のお前の方が警戒されないだろう。
少し事情を聴いてみなさい。
だが、怪しい動きを見せたらレオンナンド頼んだぞ」
レオンナンドは「承知しました」と振り返りながら答えた。
オレはバルシュのやさしさに感謝した。
「ありがとうございます。父様」
オレは少女が馬車が通り過ぎるのを待っている場所で馬車をつけてもらい
窓から顔を出して声をかけてみた。
「こんにちは、どこかに向かっているのですか?」
少女は少し驚いた様子だったが、すぐに頭を下げ、控えめな声で答えた。
「あ…、こんにちは。王都へ向かっているんですが・・・その、道に迷ってしまいまして・・・」
彼女の声には少し戸惑いが感じられたが、子供のオレに話しかけられて警戒はしていないようだった。
彼女が持っている剣は新品のようで、どう見ても使い慣れているようには見えなかった。
「王都へ行くのですね!
どこで道に迷ったのか、少し詳しく教えてもらえますか?」
「え、あっはい。私はリタといいます。
昨日、故郷のクルネ村を出発して、しばらくすると地図を忘れてしまった事に気づいて
見覚えのある道を進んでいたのですが、自身が無くなってきてしまって・・・」
リタはオレの言葉に少し安心した様子を見せ、道の状況を説明してくれた。
彼女は王都に向かっているが、途中でどの道を選べばよいか分からなくなり、
少しずつ道を外れてしまったようだ。
レオンナンドが馬から降りて少女とオレの前に立ち
「もしよろしければ、私が王都への道筋をお教えしますが、どうされますか?」
リタは一瞬迷ったが、感謝の気持ちを込めて頷いた。
「ありがとうございます!教えていただけると助かります…。」
レオンナンドが丁寧に王都までの道順を説明している間、
オレはリタの装備を見て興味が湧いたので聞いてみた。
「その剣、新しそうに見えますが、王都にはどんな用事で向かっているのですか?」
リタは少し恥ずかしそうにしながら答えた。
「はい、私は王宮騎士団に入るため修行しに王都に行くんです。
でも、まだ剣の扱いが下手で…。だから、もっと強くなるために努力しなきゃと思って。」
彼女の言葉には確かな決意が感じられた。
オレも、ゴロウの力を完全に制御できていない自分と少し重なる部分を感じ、応援したくなった。
「修行で!すごいですね!私も修行中なのでお互い頑張りましょうね!」
リタは感謝の意を込めて、何度も頭を下げた。
「ありがとうございます!王都で絶対強くなって騎士団に入ります!」
オレたちはリタと別れ、再び王都に向けて進み始めた。
彼女のように夢を追いかける者がいることを知り、
オレ自身も王都への気持ちが高まっていった。
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