俺の相棒は元ワニ、今ドラゴン！？元飼育員の異世界スローライフ

第51話 試作

料理大会に出場することが決まり、オレはすぐに準備を始めることにした。
しかし、何を作るかがまだ決まっていない。
マヨネーズをどう使えば、王宮の料理人たちにインパクトを与えられるのか。
考えても答えが出なかったオレは、市場をもう一度見て回り、何かヒントを見つけようとした。

「普通の料理じゃ勝てない気がするし・・・」ブツブツ オレは少し焦りながらも、市場を見渡した。

市場を歩いていると、ある露店で見慣れない調味料が目に入った。
黒っぽい液体が瓶に入れられ、独特の香りが漂っている。
それはまるで前世で使っていた「醤油」に似ているものだった。

「これって…もしかして・・・」オレは興味を持って店主に声をかけた。

「これは『カラミソース』といって、この地方特有の調味料ですよ。少し甘みがあって、
肉料理や焼き物に使うと美味しく仕上がるんですが、
この辺りだとなかなか馴染みがなくて全然人気が出ないんですよ」
店主が困り顔で説明してくれた。

カラミソース…これなら、マヨネーズと合わせることで、照り焼き風の料理が作れるかも！
オレはその場でカラミソースを購入し、試作に使ってみることを決めた。

「ダイ、なにこれ！？ジュース？」
ゴロウも興奮してテレパシーで話しかけてくる。

「これは調味料だから絶対に人じゃダメなやつ」
オレはその調味料を手に、急いで借りた台所へと向かった。


オレは早速、カラミソースを使ってハンバーグを作ることにした。
まずは牛肉と豚肉を混ぜてハンバーグのタネを作り、じっくり焼き上げていく。
その間、カラミソースと砂糖や酒を火にかけ照り焼き風のソースを準備した。

焼き上がったハンバーグをさらにあげ
「うまくいくかな…？」オレは少し緊張しながらソースをかけた。

ハンバーグの上にはとろりとしたソースが絡み、見た目にも美味しそうだ。
そこに、りんごの果汁を混ぜた特製マヨネーズを上に乗せてみる

「ゴロウ、試食してみるか？」

だれも近くにいないことを確認し、
一瞬ゴロウに隠蔽を解いてもらい一口分を口に入れる
「すごくおいしい！なにこれ！もっと食べたい！」
尻尾を振りながら答えた。

「良かった。沢山作ってみるからあとで部屋で食べよう！
まずは、これをメインに考えてみよう」

このハンバーグに付加価値をつけるとしたら・・・

ハンバーグをスライスしてパンに挟み、
照り焼きマヨネーズソースをたっぷりとかけた

さらに、もう一品として「卵サンド」にも挑戦してみた。
ゆで卵を細かく刻み、マヨネーズと少しの塩で味付けしたシンプルな卵サンド。
マヨネーズのクリーミーな食感が卵とよく合い、シンプルながらも深い味わいが広がる。

「これもいける！マヨネーズの良さがしっかり伝わる一品だ。」
オレは自信を持って、卵サンドも大会用のメニュー候補に加えた。


そうだな、どれもいい感じに仕上がってきた。
「でも、まだ完璧じゃないから、あと少し調整していこう。」

カラミソースとの出会いが新たなインスピレーションをもたらし、
これまでとは違った一品を作り上げることができた。