異世界で子育てしながら静かに暮らしたい元スパイ

ライカタイガ

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1章

第7話:異変

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翌朝。ゼインはほとんど眠れぬまま朝日を迎えた。昨夜、祠で目撃した“ローブの影”の姿が脳裏にこびりついて離れない。

(あれが、ただの村の者とは思えない……)

朝食を用意しながら、リリィとテオの様子を何気なく確認する。テオはいつも通り元気に飛び起き、パンをかじっていたが、リリィはどこか様子が違った。

「……リリィ?」

「……うん、大丈夫……ちょっと、ねむいだけ」

そう言って笑うが、その顔色は青白く、目の下にはうっすらと影がある。体温を測ると平熱だったが、ゼインの警戒心は高まった。

(村の異変と、彼女の体調……関係がないとは言い切れない)

その後、ゼインは村の作業に出るのを見送り、リリィを休ませることにした。テオも心配そうにリリィの隣で絵本を読み聞かせている。

昼休憩の時間、ゼインは再びリオを訪ねた。

「リリィの体調がおかしい。熱もないのに、目覚めが悪くて、何かに引かれているような……」

リオは険しい顔でうなずいた。

「それは……“精霊の干渉”かもしれん」

「干渉?」

「精霊はこの土地に古くから眠っておる。特に子どもは、その気配に敏感だ。もし目覚めの兆しがあるなら……リリィが何かの“鍵”になっている可能性がある」

ゼインは拳を強く握った。

「放っておくつもりはない。今夜、もう一度祠へ行く。はっきりさせておきたい」

リオは静かにうなずき、懐から一つの小さな護符を取り出した。

「これを持っていけ。巫女だったミアの遺品じゃ。加護が宿っている」

ゼインは護符を手に取り、深く礼を述べる。



心に浮かぶのは、まだ幼い笑顔。

日が暮れる頃、小屋に戻ると、リリィは寝てはいたが。額にはじんわりと汗をかいている。

夢の中で誰かと話しているのか、唇がかすかに動いている。

ゼインはその手を優しく握りながら、再び静かに誓った。

「必ず、お前を守る」

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