41 / 61
第2章
呼んでいる声がする第2章(その1)心の隙間
しおりを挟む
それから、何度かその夢にうなされた。
見たくなくても見てしまうので憂鬱であった。
今日も、仕事の帰りに一人で海に寄った。
冬の海は、人も疎らだ。
人の世は淋しくてなどと思った。
瑠子は、子供の頃から架空の母親を思っていた。出て行った母親ではなく、継母でもない
想像上の母親だ。
そんな事を海を見ながら考えると右の方に視線を感じた。
そこには、留萌さんが立っていた。
その後ろ姿は淋し気で海岸の冷たい風がなおさら彼をその様に感じさせた。
瑠子は思い切って後ろ姿の彼に声を掛けた。
「留萌さん!」
驚いた様に彼は後ろを振り返った。そして瑠子を見た途端に微笑んだ。
「おや、瑠子ちゃん。」
イエローハウスに越して来てから少しして名前を聞かれてそれから瑠子ちゃんと呼ばれている。
「また会ったね。」
「ええ。」
「海を見ると心が浄化するね。」
その言葉に瑠子は深く頷いた。
「ねえ、俺夢見ている気がするんだよね。こんな海の側に住む事が出来て。」
「あたしもです。」
「もしかしたら、夢かもしれないね、なんて。」
そう言うと留萌さんは声をたてて笑った。
きっと前世の夢の様に今に目が覚めるかもしれない瑠子は思った。
「夢でも良いです。ただ、これが長く続いてくれたらいいなって思います。
そう瑠子は続けた。
「そうだね。」
ぽつりと留萌さんは海のかなたを見ながら言った。
きっと前世の夢の様に今に目が覚めるかもしれない瑠子は思った。
「夢が覚めたら戦争中かも。怖いですよね。」
瑠子は海の水平線を見ながらぽつりと呟いた
「そうね、戦争は辛いね。夢が覚めたらそんな時代だったらもう真っ暗だね。」
「留萌さんは戦争に?」
留萌さんは笑って言った
「いや、俺はぎりぎりまだ生まれて無かったよ。」
海は二人の話をじっと聞いている様だった。
それから留萌さんはイエローハウスに
そして瑠子は駅前の本屋に出かけた。
つづく
読んでいただいてありがとうございます
遅くなってごめんなさい
見たくなくても見てしまうので憂鬱であった。
今日も、仕事の帰りに一人で海に寄った。
冬の海は、人も疎らだ。
人の世は淋しくてなどと思った。
瑠子は、子供の頃から架空の母親を思っていた。出て行った母親ではなく、継母でもない
想像上の母親だ。
そんな事を海を見ながら考えると右の方に視線を感じた。
そこには、留萌さんが立っていた。
その後ろ姿は淋し気で海岸の冷たい風がなおさら彼をその様に感じさせた。
瑠子は思い切って後ろ姿の彼に声を掛けた。
「留萌さん!」
驚いた様に彼は後ろを振り返った。そして瑠子を見た途端に微笑んだ。
「おや、瑠子ちゃん。」
イエローハウスに越して来てから少しして名前を聞かれてそれから瑠子ちゃんと呼ばれている。
「また会ったね。」
「ええ。」
「海を見ると心が浄化するね。」
その言葉に瑠子は深く頷いた。
「ねえ、俺夢見ている気がするんだよね。こんな海の側に住む事が出来て。」
「あたしもです。」
「もしかしたら、夢かもしれないね、なんて。」
そう言うと留萌さんは声をたてて笑った。
きっと前世の夢の様に今に目が覚めるかもしれない瑠子は思った。
「夢でも良いです。ただ、これが長く続いてくれたらいいなって思います。
そう瑠子は続けた。
「そうだね。」
ぽつりと留萌さんは海のかなたを見ながら言った。
きっと前世の夢の様に今に目が覚めるかもしれない瑠子は思った。
「夢が覚めたら戦争中かも。怖いですよね。」
瑠子は海の水平線を見ながらぽつりと呟いた
「そうね、戦争は辛いね。夢が覚めたらそんな時代だったらもう真っ暗だね。」
「留萌さんは戦争に?」
留萌さんは笑って言った
「いや、俺はぎりぎりまだ生まれて無かったよ。」
海は二人の話をじっと聞いている様だった。
それから留萌さんはイエローハウスに
そして瑠子は駅前の本屋に出かけた。
つづく
読んでいただいてありがとうございます
遅くなってごめんなさい
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語
jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ
★作品はマリーの語り、一人称で進行します。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
地味男はイケメン元総長
緋村燐
青春
高校一年になったばかりの灯里は、メイクオタクである事を秘密にしながら地味子として過ごしていた。
GW前に、校外学習の班の親交を深めようという事で遊園地に行くことになった灯里達。
お化け屋敷に地味男の陸斗と入るとハプニングが!
「なぁ、オレの秘密知っちゃった?」
「誰にも言わないからっ! だから代わりに……」
ヒミツの関係はじめよう?
*野いちごに掲載しているものを改稿した作品です。
野いちご様
ベリーズカフェ様
エブリスタ様
カクヨム様
にも掲載しています。
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる