呼んでいる声がする

海辺の町を舞台に
前世からの相手がいる人を好きになってしまった不思議な恋の話

 窓を開け、猫男の部屋の窓の方を見てみた。灯りが灯っているのが見える。

 ポツンポツンと星がまたたいている。

 宇宙に吸い込まれる気がした。販売の疲れも薄れる。

 明日は、仕事休み、お金が無いけどこの辺を探検しようかと瑠子は思った。散策をあえて探検と思いたいと思った。散策よりずっと面白そうな響きだから。

 そして、あの嫌な家から脱出出来ただけで、世界は素晴らしい気がした。

 そうだ探検してそれから海へ行こう。

 (呼んでいる声がする第1章その2より
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