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「旦那様、これは世にいうイチャイチャですか?」
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目が覚める。いつもはアンナが起こしてくれるのに。どうしたのかしら?
ゆっくりと目を開くとそこには、はっと息をのむ美しい人が。
「綺麗な人…」
彼は心配そうにこちらをみていて、私の声を聴いて驚いたように嬉しそうにこういった。
「目が覚めたのか?ソアラ。」
まあ。きれいな声。
あら?この声と顔、見覚えがあるような…?
少し考えてはっとする。そう、彼は旦那様にそっくりなのだ。
ふふ、離婚前に旦那様そっくりの人が夢に出てくるなんて、幸せね。
「最後にこんな夢を見れるなんて。」
「夢?」
目の前の彼が少し困ったような顔をする。ああ、そんな顔をしないで。私を…
徐々に意識が覚醒する。そして私はきずいてしまった。
この人が誰かを。
「旦那…様?」
震える声を絞り出して、そう言った。
「ああ、私だ。」
夢ではなかった。そっくりさんでもなかった。ど、どうしましょう⁈
私、旦那様に何か変なこと言ったかしら?
……。
『綺麗な人』
『最後にこんな夢を見れるなんて。』
『夢?』
Ω\ζ°)チーン
お、終わったわ。よりにもよって旦那様に言ってしまうなんて。
興味のない女にこんなこと言われたら気持ち悪い、というか困るじゃない!!
実際困った顔をなさっていたし。もしかしたら、
『は?何こいつ…(引き)』
って思ってたかも…⁈
私はさっきまでの幸せな気分などとうに忘れ、慌てふためいている。
焦りが顔に出ないようにするのに必死だ。
焦れば焦るほど落ち着いて判断できなくなり、私はさらに混乱する羽目に。
そして私は新たな事実にきずいてしまった。
私寝顔を見られたわ…寝ぼけているところも…
一国の王女だった身としてはこんなに恥ずかしいことはない。
まさか男の人にこんな無防備な姿をさらしてしまうなんて…!
一応夫婦ではあるのだが。一年間何もなければ致し方ないだろう。
もうやだ。もう顔見れない。わ、私寝るわ。私は何も知らない。何も見てないわ!
狸寝入りをしようとしている私のおでこに誰かの手がふれる。
きずきたくはないが。だけど明らかに侍女の手ではない。
ソアラの手より大きくて骨ばった温かい手。
そう、旦那様の手がソアラのおでこに触れたのだ。
「まだ熱があるのか?」
み、耳元でささやかないで~(汗)
とても耐えられなくて目をうっすらと開けると、
予想はしてたけどさすがに刺激が強いわ…
海よりも深い青い瞳、漆黒の髪。人目を惹くその美貌。
旦那様の顔が目の前に…
ソアラの心臓は崩壊寸前だった。
だ、誰か助けて…
「失礼ながら旦那様、奥様が困っているかと。」
アンナ、さすがだわ。
『奥様、私に任せてください✧』
「ん?ああ、すまん…」
目じりを下げてそう言う旦那様に
『きゅんっ』
旦那様、私をきゅん死させる気ですか!!!
プルプルと震えるソアラを見て使用人たちは生温かい目を二人に向け、旦那様は混乱するのだった。
「こほん、すみませんが奥様の身支度を整えたいので…」
「このままでも…夫婦なんだから!」
その一言で部屋の温度が下がったことはお察しいただけるだろう。
「旦那様、とりあえず出て行ってください💢」
「え、あの、アンナ…⁈」
「あ、ああ…」
旦那様は幼いころからの侍女であるアンナの気迫に押されてすごすごと部屋を出て行った。
それをとてもいい笑顔で見送る使用人たち。
やがて使用人も持ち場へ戻っていき、
「さ、奥様お支度をしましょう。」
「ええ。」
私はやっと落ち着くことができたのだった。
「ねえ、アンナ。」
「なんですか。奥様。」
「旦那様はどうしちゃったのでしょう?」
「さあ?私からは何とも。奥様も気にしなくていいですからね。」
そう言われてしまえば仕方がない。私は早々に考えることをあきらめた。
でも、もしかしたらさっきのは世にいう
「イチャイチャ…」
アンナはそれを聞いて、とてもうれしそうに目を細めたのだった。
「それにしても、奥様が気を失ったときはどうしようかと思いました…」
「?」
「奥様、3日も眠っていたのですよ。」
「え⁈」
ゆっくりと目を開くとそこには、はっと息をのむ美しい人が。
「綺麗な人…」
彼は心配そうにこちらをみていて、私の声を聴いて驚いたように嬉しそうにこういった。
「目が覚めたのか?ソアラ。」
まあ。きれいな声。
あら?この声と顔、見覚えがあるような…?
少し考えてはっとする。そう、彼は旦那様にそっくりなのだ。
ふふ、離婚前に旦那様そっくりの人が夢に出てくるなんて、幸せね。
「最後にこんな夢を見れるなんて。」
「夢?」
目の前の彼が少し困ったような顔をする。ああ、そんな顔をしないで。私を…
徐々に意識が覚醒する。そして私はきずいてしまった。
この人が誰かを。
「旦那…様?」
震える声を絞り出して、そう言った。
「ああ、私だ。」
夢ではなかった。そっくりさんでもなかった。ど、どうしましょう⁈
私、旦那様に何か変なこと言ったかしら?
……。
『綺麗な人』
『最後にこんな夢を見れるなんて。』
『夢?』
Ω\ζ°)チーン
お、終わったわ。よりにもよって旦那様に言ってしまうなんて。
興味のない女にこんなこと言われたら気持ち悪い、というか困るじゃない!!
実際困った顔をなさっていたし。もしかしたら、
『は?何こいつ…(引き)』
って思ってたかも…⁈
私はさっきまでの幸せな気分などとうに忘れ、慌てふためいている。
焦りが顔に出ないようにするのに必死だ。
焦れば焦るほど落ち着いて判断できなくなり、私はさらに混乱する羽目に。
そして私は新たな事実にきずいてしまった。
私寝顔を見られたわ…寝ぼけているところも…
一国の王女だった身としてはこんなに恥ずかしいことはない。
まさか男の人にこんな無防備な姿をさらしてしまうなんて…!
一応夫婦ではあるのだが。一年間何もなければ致し方ないだろう。
もうやだ。もう顔見れない。わ、私寝るわ。私は何も知らない。何も見てないわ!
狸寝入りをしようとしている私のおでこに誰かの手がふれる。
きずきたくはないが。だけど明らかに侍女の手ではない。
ソアラの手より大きくて骨ばった温かい手。
そう、旦那様の手がソアラのおでこに触れたのだ。
「まだ熱があるのか?」
み、耳元でささやかないで~(汗)
とても耐えられなくて目をうっすらと開けると、
予想はしてたけどさすがに刺激が強いわ…
海よりも深い青い瞳、漆黒の髪。人目を惹くその美貌。
旦那様の顔が目の前に…
ソアラの心臓は崩壊寸前だった。
だ、誰か助けて…
「失礼ながら旦那様、奥様が困っているかと。」
アンナ、さすがだわ。
『奥様、私に任せてください✧』
「ん?ああ、すまん…」
目じりを下げてそう言う旦那様に
『きゅんっ』
旦那様、私をきゅん死させる気ですか!!!
プルプルと震えるソアラを見て使用人たちは生温かい目を二人に向け、旦那様は混乱するのだった。
「こほん、すみませんが奥様の身支度を整えたいので…」
「このままでも…夫婦なんだから!」
その一言で部屋の温度が下がったことはお察しいただけるだろう。
「旦那様、とりあえず出て行ってください💢」
「え、あの、アンナ…⁈」
「あ、ああ…」
旦那様は幼いころからの侍女であるアンナの気迫に押されてすごすごと部屋を出て行った。
それをとてもいい笑顔で見送る使用人たち。
やがて使用人も持ち場へ戻っていき、
「さ、奥様お支度をしましょう。」
「ええ。」
私はやっと落ち着くことができたのだった。
「ねえ、アンナ。」
「なんですか。奥様。」
「旦那様はどうしちゃったのでしょう?」
「さあ?私からは何とも。奥様も気にしなくていいですからね。」
そう言われてしまえば仕方がない。私は早々に考えることをあきらめた。
でも、もしかしたらさっきのは世にいう
「イチャイチャ…」
アンナはそれを聞いて、とてもうれしそうに目を細めたのだった。
「それにしても、奥様が気を失ったときはどうしようかと思いました…」
「?」
「奥様、3日も眠っていたのですよ。」
「え⁈」
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