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断罪の公爵令嬢
変わっていく今
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それからわたくしはすっかり馴染んだ我が家に帰るべく馬車に乗り込んだ。気になるのはあれだけ私に期待を寄せてくれていた屋敷のみなさんと父への罪悪感。
私の結果は決して悪くはない。だが、期待を裏切らせてしまったことには変わらない。
わたくしは落胆する彼らを想像してぶるっと身震いをした。
どんな顔をして報告すればいいのでしょう?
頭の中はそのことでいっぱいになり、今が前と変わっているその事実に喜び浸っていた頭はすっかり冷めきった。
すーと体から興奮していた熱が抜けていき、代わりに失望されないかと、冷たい瞳を向けられないかと、恐れ震える私がいた。
ガタンガタン
馬車が揺れるたびに同じように私の心臓もドクンと跳ねる。怖くて心配で忘れていたはずの恐怖がまた、ユリアを包み込んでいく。
『なに言っとるんじゃ?ユリアは』
『本とそのとおりだよ!』
『主…』
『……泣かないで。』
ハッとした。
そうよね、そうなのよ。今のわたくしは一人じゃない。少なくとも今のわたくしには精霊たちがいる。
抱えていた不安が少しだけ軽くなった気がした。
『……大丈夫だと思うんだけど。』
ガレナなんかいいましたね?
『なんでもないよ。』
あら…?んん?ガレナさん?
『………』
まあ、わたくしのためにいってくれたことですし、問題はありませんね!
気がつけば自然とわたくしは笑みを浮かべてガレナ達と話をしていた。
…今は前じゃないのよ。頑張りましょう?わたくし。
「ユリアお嬢様、お屋敷に到着いたしました。」
ユリアが葛藤している間に馬車はアーベントロート邸に着き、御者が声をかけに来た。
もうついたのね…
わたくしは覚悟を決めて馬車から降りる。
「お手をどうぞ」「ありがとう」
降りた先では屋敷のみんなと先生と父が待っていた。
『おかえりなさいませ!』
屋敷の使用人たちが声を揃えてそう言った。
「おかえり、ユリア」
父が、柔らかい笑顔でそう言い、
「お帰りなさいませ、お嬢様。」
先生は愛し我が子を見るように優しく微笑んでそう言った。
わたくしはぐっと唇を噛んでそれからゆっくりと口を開いた。
「わたくしはデザイナーでした。」
息を呑む音が聞こえる気がします…
「…すごいな!ユリア!」
え?
「すごいわ。お嬢様!!」
え??
ポカンとした表情で顔を上げればそこには嬉しそうに微笑む父と先生。
奥では穏やかに微笑む使用人たち。
ああ、私はとんでもないかんちがいをしていたのですね。
『…よかったね。』
ガレナは一言そう言って微笑んだ。
「ユリア、そろそろ屋敷な入らないか?お茶でもしながら話を聞きたい。」
父がそう言います。
「ええ、そうですね。」
わたくしたちは庭園でお茶をすることになりました。
庭園につくと、既に父先生がいて。
あら?先生?何故?
わたくしは家族でのお茶会に先生がいるのに混乱してその場で固まってしまう。
今日は先生も一緒なのかしら?でもそれだと精霊の愛し子について話せないわ…
混乱するわたくしをよそに父は言った。
「今日はユリアに話があるんだ。そんなところで固まってないで、こっちにおいで?」
いったい何が起きてるというの?
私の結果は決して悪くはない。だが、期待を裏切らせてしまったことには変わらない。
わたくしは落胆する彼らを想像してぶるっと身震いをした。
どんな顔をして報告すればいいのでしょう?
頭の中はそのことでいっぱいになり、今が前と変わっているその事実に喜び浸っていた頭はすっかり冷めきった。
すーと体から興奮していた熱が抜けていき、代わりに失望されないかと、冷たい瞳を向けられないかと、恐れ震える私がいた。
ガタンガタン
馬車が揺れるたびに同じように私の心臓もドクンと跳ねる。怖くて心配で忘れていたはずの恐怖がまた、ユリアを包み込んでいく。
『なに言っとるんじゃ?ユリアは』
『本とそのとおりだよ!』
『主…』
『……泣かないで。』
ハッとした。
そうよね、そうなのよ。今のわたくしは一人じゃない。少なくとも今のわたくしには精霊たちがいる。
抱えていた不安が少しだけ軽くなった気がした。
『……大丈夫だと思うんだけど。』
ガレナなんかいいましたね?
『なんでもないよ。』
あら…?んん?ガレナさん?
『………』
まあ、わたくしのためにいってくれたことですし、問題はありませんね!
気がつけば自然とわたくしは笑みを浮かべてガレナ達と話をしていた。
…今は前じゃないのよ。頑張りましょう?わたくし。
「ユリアお嬢様、お屋敷に到着いたしました。」
ユリアが葛藤している間に馬車はアーベントロート邸に着き、御者が声をかけに来た。
もうついたのね…
わたくしは覚悟を決めて馬車から降りる。
「お手をどうぞ」「ありがとう」
降りた先では屋敷のみんなと先生と父が待っていた。
『おかえりなさいませ!』
屋敷の使用人たちが声を揃えてそう言った。
「おかえり、ユリア」
父が、柔らかい笑顔でそう言い、
「お帰りなさいませ、お嬢様。」
先生は愛し我が子を見るように優しく微笑んでそう言った。
わたくしはぐっと唇を噛んでそれからゆっくりと口を開いた。
「わたくしはデザイナーでした。」
息を呑む音が聞こえる気がします…
「…すごいな!ユリア!」
え?
「すごいわ。お嬢様!!」
え??
ポカンとした表情で顔を上げればそこには嬉しそうに微笑む父と先生。
奥では穏やかに微笑む使用人たち。
ああ、私はとんでもないかんちがいをしていたのですね。
『…よかったね。』
ガレナは一言そう言って微笑んだ。
「ユリア、そろそろ屋敷な入らないか?お茶でもしながら話を聞きたい。」
父がそう言います。
「ええ、そうですね。」
わたくしたちは庭園でお茶をすることになりました。
庭園につくと、既に父先生がいて。
あら?先生?何故?
わたくしは家族でのお茶会に先生がいるのに混乱してその場で固まってしまう。
今日は先生も一緒なのかしら?でもそれだと精霊の愛し子について話せないわ…
混乱するわたくしをよそに父は言った。
「今日はユリアに話があるんだ。そんなところで固まってないで、こっちにおいで?」
いったい何が起きてるというの?
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