【実録】『清楚な先輩が、三日で僕なしではいられなくなるまで。――完璧だった彼女の、誰にも言えない秘密の記録』

まさき

文字の大きさ
1 / 1

第1話:非常階段の最上階、期待と絶望の境界

しおりを挟む
第1話:非常階段の最上階、期待と絶望の境界


​冬の日は短く、終業のチャイムが鳴る頃には、オフィスビルの窓の外は深い群青色に沈んでいた。
​「……あの。今日、帰り少しだけいいかな」
​給湯室の陰で僕を呼び止めたのは、別部署の先輩だった。
仕事中はいつも膝丈のタイトスカートを履きこなし、淡々と事務をこなす清楚な女性。おとなしく控えめな彼女が、勇気を振り絞って僕を誘ったのは、これで三度目だった。
彼女が僕に向ける視線の熱に、僕はとっくに気づいていた。けれど、あえて気づかない振りをすることで、彼女の「好き」という感情をじりじりと煮詰めてきた。
​「いいですよ。どこか店でも行きますか?」
「ううん、店だと……誰かに見られるかもしれないし。その、ここの、非常階段の最上階……人、来ないから」
​彼女の頬が、わずかに赤らむ。僕は内側で冷酷に口角を上げた。
​数分の時間差を置いて、僕はビルの裏手にある非常扉を押し開けた。重い鉄扉が閉まる音が、コンクリートの吹き抜けに反響する。
最上階。寒さに肩をすくめ、期待と不安を抱えた彼女が待っていた。僕の姿を認めると、彼女の顔にパッと灯がともる。
​「……来てくれたんだ。ありがとう」
「先輩に呼ばれたら、断れるわけないじゃないですか。……寒くないですか? こんな場所で」
「大丈夫。……ねぇ、君は……私のこと、どう思ってるの?」
​直球の問い。彼女の瞳は潤み、期待で震えている。
​「そうですね、仕事ができて、いつも優しくて……本当に素敵な先輩だと思ってますよ」
​僕がそう答えると、彼女は少しだけ寂しそうな、けれど意を決したような表情を見せた。
​「……私は、一人の男の人として、好きなの」
​僕は困ったような表情を作り、視線を泳がせた。
​「……さ、そろそろ戻りましょうか。冷えてきましたし」
​僕が背を向けようとしたその時だった。
​「待って……っ!」
​彼女が僕の手を強く掴み、引き止めた。その勢いで、僕たちは狭い踊り場で抱き合う形になる。
不意に重なった互いの体温。厚いコート越しでも伝わる僕の「反応」に、彼女の身体が跳ねた。
​僕は何も言わず、申し訳なさそうに視線を伏せた。
だが、彼女は驚きに目を見開いた直後、それを「自分への情熱が抑えきれずに昂ぶってしまったのだ」という、都合のいい確信へと書き換えた。
​(……ふふ、なんだ。あんなに澄ました顔して、こんなに熱くなって……)
​年下の僕を「子供扱い」するような、余裕のある艶然とした笑みを浮かべる。
​「……いいよ。先輩が、可愛がってあげる」
​彼女は自ら跪き、僕の理性を解き放とうとした。冷えた階段室の空気に、隠されていた熱が晒される。
彼女はそれを慈しむように包み込み、ゆっくりと、陶酔した表情で奉仕を始めた。
​おとなしい彼女からは想像もつかないような、熱心な口づけ。彼女は僕を満足させたいという献身的な悦びに浸りながら、甘い吐息を漏らす。
​「……上手ですよ、先輩」
​僕は優しく髪を撫でながら、彼女を褒めた。その言葉に、彼女の動きはさらに熱を帯びていく。
深い愛撫に抗えず、僕は彼女の熱い喉の奥へと、最初の情動をすべて解き放った。
​その時だ。階下から、複数の足音と話し声が聞こえてきた。
​「……見ろよ、屋上へのドア。一応上まで見てくるか」
​足音。そして、一度果てたことで逆に研ぎ澄まされた僕の支配欲。
目の前で潤んだ瞳を見上げるこの女を、自分一人のものとして徹底的に染め上げたいという優越感が、再び僕を猛烈に突き動かした。
​彼女の身体が恐怖で硬直する。口を離そうとする彼女の後頭部を、僕は逃がさなかった。
​「……静かに。声を出したら、全部台無しになっちゃいますから」
​僕は囁くような優しい声で、彼女の耳元に唇を寄せた。
それとは裏腹に、僕は彼女の髪を掴み、さっきまでの慈しみを踏みにじるように、激しく腰を突き出した。
​「んんーーーっ!!」
​喉の奥まで熱い塊を突き刺す。驚愕で目を見開く彼女を無視し、僕は情け容赦のない支配を続けた。
生理的な涙が彼女の目から溢れ、頬を伝う。さっきまでの余裕は微塵も残っていない。
​足音は、一つ下の階で止まり、やがて遠ざかっていった。
そのすぐ真上で、清楚な先輩が後輩の欲情を無理やり飲まされ、涙を流しながら屈服している。
その絶望的なまでの背徳感が、僕を二度目の、そして本当の意味での支配的な絶頂へと押し流した。
​「先輩……今度は、もっと深く飲んでください」
​彼女の奥底へ、すべてを解き放つ。彼女は苦しげに、けれど抗うこともできず、僕のすべてを喉を鳴らして受け入れた。
​僕は彼女から離れ、乱れた彼女の服を整えてあげた。
彼女は床に伏したまま、肩で息をしている。
​「……ねぇ。……今の、私のこと……好きだから、してくれたんだよね?」
​まだ、彼女は縋っている。あんなに蹂躙されたのに、その痛みを愛だと信じたがっている。
​僕は何も答えなかった。
ただ、彼女の瞳をじっと見つめ、そして、残酷なまでに冷徹な笑みを浮かべた。
愛しているとも、違うとも言わない。ただ、次を期待させるような、底知れない闇。
​彼女の顔に、言葉以上の衝撃が走り、やがて深い「依存」の色が定着した。
​僕は彼女を残して階段を降り始めた。
後ろから、彼女が慌てて立ち上がり、僕を追ってくる気配がする。
冬の冷気が支配する非常階段の最上階。僕たちは、誰にも知られない共犯者となった。

第2話:地下書庫の静寂、刻印と置き去りの熱へ続く
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

閉じ込められて囲われて

なかな悠桃
恋愛
新藤菜乃は会社のエレベーターの故障で閉じ込められてしまう。しかも、同期で大嫌いな橋本翔真と一緒に・・・。

春に狂(くる)う

転生新語
恋愛
 先輩と後輩、というだけの関係。後輩の少女の体を、私はホテルで時間を掛けて味わう。  小説家になろう、カクヨムに投稿しています。  小説家になろう→https://ncode.syosetu.com/n5251id/  カクヨム→https://kakuyomu.jp/works/16817330654752443761

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

6年分の遠回り~いまなら好きって言えるかも~

霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
私の身体を揺らす彼を、下から見ていた。 まさかあの彼と、こんな関係になるなんて思いもしない。 今日は同期飲み会だった。 後輩のミスで行けたのは本当に最後。 飲み足りないという私に彼は付き合ってくれた。 彼とは入社当時、部署は違ったが同じ仕事に携わっていた。 きっとあの頃のわたしは、彼が好きだったんだと思う。 けれど仕事で負けたくないなんて私のちっぽけなプライドのせいで、その一線は越えられなかった。 でも、あれから変わった私なら……。 ****** 2021/05/29 公開 ****** 表紙 いもこは妹pixivID:11163077

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

危険な残業

詩織
恋愛
いつも残業の多い奈津美。そこにある人が現れいつもの残業でなくなる

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

甘過ぎるオフィスで塩過ぎる彼と・・・

希花 紀歩
恋愛
24時間二人きりで甘~い💕お仕事!? 『膝の上に座って。』『悪いけど仕事の為だから。』 小さな翻訳会社でアシスタント兼翻訳チェッカーとして働く風永 唯仁子(かざなが ゆにこ)(26)は頼まれると断れない性格。 ある日社長から、急ぎの翻訳案件の為に翻訳者と同じ家に缶詰になり作業を進めるように命令される。気が進まないものの、この案件を無事仕上げることが出来れば憧れていた翻訳コーディネーターになれると言われ、頑張ろうと心を決める。 しかし翻訳者・若泉 透葵(わかいずみ とき)(28)は美青年で優秀な翻訳者であるが何を考えているのかわからない。 彼のベッドが置かれた部屋で二人きりで甘い恋愛シミュレーションゲームの翻訳を進めるが、透葵は翻訳の参考にする為と言って、唯仁子にあれやこれやのスキンシップをしてきて・・・!? 過去の恋愛のトラウマから仕事関係の人と恋愛関係になりたくない唯仁子と、恋愛はくだらないものだと思っている透葵だったが・・・。 *導入部分は説明部分が多く退屈かもしれませんが、この物語に必要な部分なので、こらえて読み進めて頂けると有り難いです。 <表紙イラスト> 男女:わかめサロンパス様 背景:アート宇都宮様

処理中です...