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第四章
4-12再び学園都市ボヘーミャ
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4-12再び学園都市ボヘーミャ
「そう言うことなら協力をしましょう。こちらで開発チームを発足してアンナが戻り次第研究を始めましょう」
学園長は湯呑を置きながらそう言った。
「ご協力感謝します、師匠、いえ、学園長」
ティアナは学園長に頭を下げる。
現在俺たちは魔法学園都市ボヘーミャの学園内学園長室にいる。
マシンドールの致命的欠陥である寿命問題が発覚して急遽魔法の研究に長けている学園側に協力を申し込んでいたのであった。
あの後ティアナとアンナさんの動きは速かった。
ティアナが国王、アンナさんは宮廷会議でその必要性を説いて予算確保をあっさりとしてしまった。
そして早馬の馬車でなんと十日ほどで学園に戻ってきたのだ。
ティアナとしてみれば一刻も早く学園側の協力を得て、アンナさんの開発を手伝いたいと思ったわけだが、流石に強行軍の移動はこたえた。
昨日の晩にガレント大使館に着いた頃にはみんなの疲労はピークに達していて冒険者たちが好んで使う回復薬を飲まなければならないほどだった。
「しかし、精霊ですか。精神生命体をこの世界に留めるには普通の方法ではいかないでしょう」
師匠はお茶を飲みながらみんなを見渡す。
確かに今のところ解決策は見つかっていない。
だからこそ学園側の協力が必要なのだ。
「まあ、それはそれで追々方法を考えていきましょう。それより、あなたたち言いつけはちゃんと守っていますか? 鈍っていないかどうかこれから稽古をつけてあげますから準備なさい」
「へ?」
「はい?」
「は?」
俺たち三人は同時に変な声を出す。
「何を驚いているのです? ちゃんと基礎をやっていればそうそう鈍る事は無いでしょう。さ、試験場に行きますよ」
そう言って師匠は立ち上がり俺たちを試験場広場に連れて行く。
そして俺たちが準備をする前にいきなり攻撃を始めてきた!
「にょえぇぇぇぇっっ!!」
「ひゃぁああぁぁぁぁっ!」
「ぐうおぉぉぉぉっ!!」
師匠の一撃に吹き飛ばされる俺たち。
「やっぱり鍛錬をさぼっていましたか、これはまた一から鍛えなおさないとだめかしら?」
そう言って鬼のシゴキが始まった。
俺たちはなすすべもなく気を失うまで攻撃から逃げまくるしかなかったのであった。
◇
約ひと月後、量産機初期生産分を作り終わったアンナさんが学園に戻ってきた。
それでもかなり早い方でその後のガレントでの報告を受けティアナは安堵の息を吐いた。
「そう、配備が終わったとたんに黒の集団も鳴りを潜めたってわけね。まったく、素早いったらありゃしない」
「ですが主要な北側の砦や街道の砦に配備したことにより黒の集団以外の問題も解消されつつあります」
もともと人里離れた国境付近や街道は物騒な輩が出没する。
しかもそう言った中には意外と手練れの者も多く、騎士団も手を焼くことがある。
マシンドールの配備はそう言った輩の排除に徐々に成果を収めつつあるそうだ。
「しかし、気を抜くことはできません、早々に開発に着手しないと」
「そうしたいのはやまやまなんだけど‥‥‥」
「アンナさん、ごめんなさいですわ」
「はい?」
状況理解できていないアンナさんだったが、次の瞬間いきなり現れた師匠の一言で顔色を変える。
「まずはとにかく錆び付いたその感覚を研ぎ澄ましてからですね」
そう言って師匠はまたまたアンナさんを含めて俺たちを鍛えなおすために試験場広場に連れ去るのだった。
そして俺たちの悲鳴と攻撃音だけがこだまするのであった。
「そう言うことなら協力をしましょう。こちらで開発チームを発足してアンナが戻り次第研究を始めましょう」
学園長は湯呑を置きながらそう言った。
「ご協力感謝します、師匠、いえ、学園長」
ティアナは学園長に頭を下げる。
現在俺たちは魔法学園都市ボヘーミャの学園内学園長室にいる。
マシンドールの致命的欠陥である寿命問題が発覚して急遽魔法の研究に長けている学園側に協力を申し込んでいたのであった。
あの後ティアナとアンナさんの動きは速かった。
ティアナが国王、アンナさんは宮廷会議でその必要性を説いて予算確保をあっさりとしてしまった。
そして早馬の馬車でなんと十日ほどで学園に戻ってきたのだ。
ティアナとしてみれば一刻も早く学園側の協力を得て、アンナさんの開発を手伝いたいと思ったわけだが、流石に強行軍の移動はこたえた。
昨日の晩にガレント大使館に着いた頃にはみんなの疲労はピークに達していて冒険者たちが好んで使う回復薬を飲まなければならないほどだった。
「しかし、精霊ですか。精神生命体をこの世界に留めるには普通の方法ではいかないでしょう」
師匠はお茶を飲みながらみんなを見渡す。
確かに今のところ解決策は見つかっていない。
だからこそ学園側の協力が必要なのだ。
「まあ、それはそれで追々方法を考えていきましょう。それより、あなたたち言いつけはちゃんと守っていますか? 鈍っていないかどうかこれから稽古をつけてあげますから準備なさい」
「へ?」
「はい?」
「は?」
俺たち三人は同時に変な声を出す。
「何を驚いているのです? ちゃんと基礎をやっていればそうそう鈍る事は無いでしょう。さ、試験場に行きますよ」
そう言って師匠は立ち上がり俺たちを試験場広場に連れて行く。
そして俺たちが準備をする前にいきなり攻撃を始めてきた!
「にょえぇぇぇぇっっ!!」
「ひゃぁああぁぁぁぁっ!」
「ぐうおぉぉぉぉっ!!」
師匠の一撃に吹き飛ばされる俺たち。
「やっぱり鍛錬をさぼっていましたか、これはまた一から鍛えなおさないとだめかしら?」
そう言って鬼のシゴキが始まった。
俺たちはなすすべもなく気を失うまで攻撃から逃げまくるしかなかったのであった。
◇
約ひと月後、量産機初期生産分を作り終わったアンナさんが学園に戻ってきた。
それでもかなり早い方でその後のガレントでの報告を受けティアナは安堵の息を吐いた。
「そう、配備が終わったとたんに黒の集団も鳴りを潜めたってわけね。まったく、素早いったらありゃしない」
「ですが主要な北側の砦や街道の砦に配備したことにより黒の集団以外の問題も解消されつつあります」
もともと人里離れた国境付近や街道は物騒な輩が出没する。
しかもそう言った中には意外と手練れの者も多く、騎士団も手を焼くことがある。
マシンドールの配備はそう言った輩の排除に徐々に成果を収めつつあるそうだ。
「しかし、気を抜くことはできません、早々に開発に着手しないと」
「そうしたいのはやまやまなんだけど‥‥‥」
「アンナさん、ごめんなさいですわ」
「はい?」
状況理解できていないアンナさんだったが、次の瞬間いきなり現れた師匠の一言で顔色を変える。
「まずはとにかく錆び付いたその感覚を研ぎ澄ましてからですね」
そう言って師匠はまたまたアンナさんを含めて俺たちを鍛えなおすために試験場広場に連れ去るのだった。
そして俺たちの悲鳴と攻撃音だけがこだまするのであった。
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