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第七章
7-7アコードの決断
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7-7アコードの決断
「いや、やはり大きい方が良いぞ!!」
「お言葉ですが小さき者こそ至高でありますぞ!」
既にどのくらい時間が経っただろう?
あたしやティアナがお酌をしてたのが遠い昔に感じる。
この二人、底なしか!?
あれだけ強いお酒を既にこの二人は十本は開けている。
もう残り数本だよ?
他の人は遠の昔に酔いつぶれている。
前世のウォッカに近いアルコールが有るこの蒸留酒は火が付くレベルのモノ。
ちょっと試しに舐めてみたけどそのアルコール度の強さで今のこの体では大変な事になった。
そんなお酒をこの人たちはカパカパと飲んでいる。
「ティアナ、アコード様って底なし??」
「お父様って酔ったところ見たことが無いわ。昔から『エールなんて水だ!』って言ってたもんね」
「そんな事よりなんであたしまで引っ張り出されてお酌しなきゃならないのよ!!」
『まあ周りで美人がお酌した方が殿方は喜ぶってやつよ。いつも暇なんだからたまには仕事しないとね、シェルは』
あたしたち三人と杖は顔を見合わせてため息をつく。
既に時間は午前様を過ぎている。
しかし何が楽しいのかこの二人一向にお開きになる気配がない。
「ティアナ、酒が切れた次を持ってこい」
「シェル殿が注いでくれた酒は格別、シェル殿今晩お暇か?」
アコード様はもう好き放題だし、ゾナー奴はシェルが貧乳なので狙いまくっている。
「エルハイミ! もう嫌だぁっ! こいつ風の精霊で吹き飛ばして良いっ!!!?」
流石にゾナーのセクハラに耐えられなくなったシェルが泣きついてきた。
需要はあるもんだなぁ。
まああのゾナーじゃあたしも勿論ごめんだけど。
そんな他人事のように思っていたら今度はあたしがアコード様のターゲットになってしまった。
「しかし、エルハイミ殿、その気があればエスティマの正妻に本気で押したいのだがどうであろうか? 今すぐとは言わんが成人すれば喜んで受け入れるのだがな?」
「お父様! エルハミは私のモノです!! 絶対にお兄様には渡しません! 駄目ったら駄目です!!」
あたしが何か言う前にティアナが猛反発する。
「しかしだなぁ、お前もエルハイミ殿も女としての幸せを得る事が出来んぞ? それに子供は欲しくないのか? 欲しくても女同士ではどうにもならんではないか?」
「大丈夫です、女同士でも子供を作る方法を探しております。魔道は自然の摂理に準ずるものにあらず。きっと何か方法が有るはずです」
きっぱりとしっかりと言い放つティアナ。
アコード様はやれやれという表情をしてそれ以上は何も言わなかった。
そんな酒盛りも更に数本の酒瓶が空になる頃にはお開きになってアコード様もゾナーもそのまま横になって眠ってしまった。
あたしは浄化魔法をかけてからこの二人に毛布を掛ける。
流石にこちらも限界なので舟をこいでいるシェルを無理やり起こし自室へ送る。
気をつけないとシェルはそのまま襲われそうだしね。
あたしはティアナと部屋に戻るけど、使用人たちに何かあったら呼ぶように伝えて眠い目をこすりながら歩く。
そして部屋に戻り次第浄化魔法で奇麗にして服を脱ぎティアナと一緒に布団にもぐる。
ティアナの胸に顔をうずめながらすぐに眠ってしまった。
* * * * *
翌朝習慣のせいか大体いつもの時間に目が覚める。
気付くと大きく育ったものにはさまれていた。
ぽよんぽよんでまだまだ絶賛成長中の双丘は静かな呼吸で上下している。
う~ん、ティアナぁ~っ!!
思わずそれにほおずりしながら寝ているティアナにちょっといたずらする。
「うんっ‥‥‥」
ティアナが反応し始めてあたしも目が覚めてくる。
だんだん興奮し始めたその時扉がノックされる!!
思いっきりビクッとなってからかけられる声を聴く。
「お休みの所申し訳ございません、アコード様がお呼びです」
使用人が扉越しにそう言う。
こんな朝早くから?
ちょっとびっくり。
「わかりましたわ、準備出来次第参りますわ」
あたしはそう言ってティアナを起こす。
「うう~ん、もう朝ぁ~? なに、どうしたのぉ~??」
まだ寝ぼけているティアナに【状態回復魔法】をかけてすっきりさせる。
「アコード様がお呼びですって。ティアナ、急ぎましょうですわ!」
「こんな朝早くから!? わかった、急ぎましょう!」
そう言ってベットの下に脱ぎ散らかした下着やら衣服やらを身に着けていく。
少ししわになっているけど仕方ない。
一応浄化魔法をかけてから二人そろって急いで昨日の宴会場に行くと‥‥‥
「来たかティアナ、さあ迎え酒だ! じゃんじゃん酒持ってこい!!」
「あ、アコード様、流石にこれ以上は‥‥‥ うっぷっ!」
うあーっ!!
呼びつけて迎え酒ぇ!?
流石のゾナーも青い顔色している。
しかしアコード様は絶好調!
よほどあの蒸留酒が気に入ったのか昨日残ってたお酒も手酌でどんどん飲み干していく。
「お、お父様、流石にお控えになった方がよろしいのでは?」
ティアナの進言にアコード様は変な顔をする。
「何を言っておる、こ奴はお前たちのではさしがねではないのか?」
そう言ってよくよく見るとどっかで見た事のあるメイド服にピンク色の髪の毛の女性が一緒になってお酌しながらお酒飲んでいる‥‥‥
えっ?
ま、まさか!?
「ライム様ぁっ!!!?」
「あらおはよう、ティアナは初めてかしら? このお酒美味しいわねぇ、思わずアコードと酒盛り始めちゃった、てへっ!」
始祖母ライム様がアコード様と酒盛りしている!!!?
「エルハイミ、誰?」
ティアナは警戒して同調してライム様を見ている。
だから気付いているだろう、レイム様にも引けを取らないそのマナと魔力を。
「ティアナ、よく聞いてくださいですわ。あれが私たちの始祖母、ライム様ですわ!!」
「え”っ!?」
既にライム様のことは話している。
あたしたちのご先祖様で自称お母さん。
セミリア様のお使いで爺様の魂を冥界に送り届けたはずだけどそのライム様が何故ここに?
「む? この者はここの使用人ではないのか? では一体何者だ??」
「あら、気付いていなかったの? ダメな息子ね。お母さんそんな子に育てた覚えはないわよ??」
いややいや、育ててないでしょうライム様!!
思わず心の中で突っ込みを入れるあたし。
しかしアコード様はいきなりぽ~っと赤い顔をする。
「わ、私の隠れた趣味を何故知っている!? ティアナ! そこまでサービスしろとは言っていないぞ!!!?」
どんなサービスじゃぁっ!!!?
あ、アコード様、まさかそんなご趣味が有ったとはっ!?
いやいや、何かの間違いじゃないでしょーか?
あたしはぎぎぎっと擬音を鳴らしながら首をティアナに向ける。
みればティアナも青ざめてドン引きしている!?
「お、お父様! それはサービスではありません! 私たちのご先祖様、始祖母のライム様です!!」
「始祖母? ライム様だと?? 誰だそれは??」
『またすごいタイミングですごいのが来たわね?』
「む? なんだこの声は? 頭の中に直に聞こえてくるぞ?」
あうっ!
ややこしい時にまたややこしい杖まで参入してくるとはっ!?
あたしはティアナと顔を見合わせアコード様に説明するのだった。
* * *
「これはこれは見苦しい所をお見せいたしました、ライム様」
「あら、別にいいのよ、お母さん久しぶりに美味しいお酒飲めたから、それに息子と一緒に飲むのって楽しいわねぇ~。そんなに堅苦しくしなくてもいいのよ、エルハイミもティアナもお母さんに甘えてくれないんだもん、お母さん寂しい」
いやいやいや、お母さんって、そんな大それた方に甘えるなんて恐れ多い!
しかしアコード様はほんのりほほを染め嬉しそうにしている。
『ところでライム、あなた何しに来たのよ?』
「ああ、そうそう、あなたたちなら良く知っていると思ってきたのだけど、ジュメルって連中知ってるかしら?」
ジュメルっ!?
「あ、あのライム様! 何故ジュメルの事を!?」
「ティアナ、お母さんて呼んでくれていいのよ? 今はアガシタ様のお使いで動いてるのだけどね、なんかジュメルって連中が面倒ごと起こすかもしれないから何やってるか調べて来いって言われてるのよ。やばいようなら手を出してもいいって言われてるしね」
いやいやいや、ライム様が手を出すってものすごくやばいんじゃないんですか?
お願いだからティナの町を消滅させるような事はしないでください。
あたしたちは現在分かっていることをライム様に伝えた。
「ふむ、そうするとこのアガシタ様が作った世界を破壊するのが目的って事ね? 組織自体はまだ全貌がつかめていないって事かぁ。道理でレイムじゃ対応できなかったはずだ、あの子裏方ばっかやってるからねぇ」
「アガシタ様まで動くって、そんなにやばい連中なんですか?」
ティアナが聞く。
「私もこっちの仕事は始めたばかりなので分からないけど、アガシタ様はバランスが崩れすぎるから修復できなくなる前に何とかしろって言ってたわ。あの御方、面倒事が一番お嫌いだからね」
女神様、ちゃんとお仕事してよ。
道理で現存する女神より魂になって星座になっている他の女神様の方が人気あって神殿なんかも出来るはずだ。
「そんな訳で当分こっちにいるのでよろしくね」
はい?
当分こっちにいるって‥‥‥
「それならば私もしばらくここにいる事にしよう、ライム様、ささ、どうぞ一杯」
「あらぁ、気が利くわねぇ。じゃお母さん頂いちゃおうかしら、アコードも付き合いなさいね!」
「ははっ、お、お母様、ご一緒させていただきます!」
「あらぁ、ティアナやエルハイミと違って素直でよろしい、あなたたちも少しは見習いなさいね」
いや、それはご勘弁ください。
と言うよりもとんでもないお方たちがしばらく常駐するのね‥‥‥
『ま、いつもの事だから仕方ないんじゃない? 諦めなさいって』
無責任なシコちゃんの言葉にあたしとティアナは顔を見合わせる。
あ~、お酒の買い足ししなきゃ。
呆然とそう思うあたしたちであった‥‥‥
「いや、やはり大きい方が良いぞ!!」
「お言葉ですが小さき者こそ至高でありますぞ!」
既にどのくらい時間が経っただろう?
あたしやティアナがお酌をしてたのが遠い昔に感じる。
この二人、底なしか!?
あれだけ強いお酒を既にこの二人は十本は開けている。
もう残り数本だよ?
他の人は遠の昔に酔いつぶれている。
前世のウォッカに近いアルコールが有るこの蒸留酒は火が付くレベルのモノ。
ちょっと試しに舐めてみたけどそのアルコール度の強さで今のこの体では大変な事になった。
そんなお酒をこの人たちはカパカパと飲んでいる。
「ティアナ、アコード様って底なし??」
「お父様って酔ったところ見たことが無いわ。昔から『エールなんて水だ!』って言ってたもんね」
「そんな事よりなんであたしまで引っ張り出されてお酌しなきゃならないのよ!!」
『まあ周りで美人がお酌した方が殿方は喜ぶってやつよ。いつも暇なんだからたまには仕事しないとね、シェルは』
あたしたち三人と杖は顔を見合わせてため息をつく。
既に時間は午前様を過ぎている。
しかし何が楽しいのかこの二人一向にお開きになる気配がない。
「ティアナ、酒が切れた次を持ってこい」
「シェル殿が注いでくれた酒は格別、シェル殿今晩お暇か?」
アコード様はもう好き放題だし、ゾナー奴はシェルが貧乳なので狙いまくっている。
「エルハイミ! もう嫌だぁっ! こいつ風の精霊で吹き飛ばして良いっ!!!?」
流石にゾナーのセクハラに耐えられなくなったシェルが泣きついてきた。
需要はあるもんだなぁ。
まああのゾナーじゃあたしも勿論ごめんだけど。
そんな他人事のように思っていたら今度はあたしがアコード様のターゲットになってしまった。
「しかし、エルハイミ殿、その気があればエスティマの正妻に本気で押したいのだがどうであろうか? 今すぐとは言わんが成人すれば喜んで受け入れるのだがな?」
「お父様! エルハミは私のモノです!! 絶対にお兄様には渡しません! 駄目ったら駄目です!!」
あたしが何か言う前にティアナが猛反発する。
「しかしだなぁ、お前もエルハイミ殿も女としての幸せを得る事が出来んぞ? それに子供は欲しくないのか? 欲しくても女同士ではどうにもならんではないか?」
「大丈夫です、女同士でも子供を作る方法を探しております。魔道は自然の摂理に準ずるものにあらず。きっと何か方法が有るはずです」
きっぱりとしっかりと言い放つティアナ。
アコード様はやれやれという表情をしてそれ以上は何も言わなかった。
そんな酒盛りも更に数本の酒瓶が空になる頃にはお開きになってアコード様もゾナーもそのまま横になって眠ってしまった。
あたしは浄化魔法をかけてからこの二人に毛布を掛ける。
流石にこちらも限界なので舟をこいでいるシェルを無理やり起こし自室へ送る。
気をつけないとシェルはそのまま襲われそうだしね。
あたしはティアナと部屋に戻るけど、使用人たちに何かあったら呼ぶように伝えて眠い目をこすりながら歩く。
そして部屋に戻り次第浄化魔法で奇麗にして服を脱ぎティアナと一緒に布団にもぐる。
ティアナの胸に顔をうずめながらすぐに眠ってしまった。
* * * * *
翌朝習慣のせいか大体いつもの時間に目が覚める。
気付くと大きく育ったものにはさまれていた。
ぽよんぽよんでまだまだ絶賛成長中の双丘は静かな呼吸で上下している。
う~ん、ティアナぁ~っ!!
思わずそれにほおずりしながら寝ているティアナにちょっといたずらする。
「うんっ‥‥‥」
ティアナが反応し始めてあたしも目が覚めてくる。
だんだん興奮し始めたその時扉がノックされる!!
思いっきりビクッとなってからかけられる声を聴く。
「お休みの所申し訳ございません、アコード様がお呼びです」
使用人が扉越しにそう言う。
こんな朝早くから?
ちょっとびっくり。
「わかりましたわ、準備出来次第参りますわ」
あたしはそう言ってティアナを起こす。
「うう~ん、もう朝ぁ~? なに、どうしたのぉ~??」
まだ寝ぼけているティアナに【状態回復魔法】をかけてすっきりさせる。
「アコード様がお呼びですって。ティアナ、急ぎましょうですわ!」
「こんな朝早くから!? わかった、急ぎましょう!」
そう言ってベットの下に脱ぎ散らかした下着やら衣服やらを身に着けていく。
少ししわになっているけど仕方ない。
一応浄化魔法をかけてから二人そろって急いで昨日の宴会場に行くと‥‥‥
「来たかティアナ、さあ迎え酒だ! じゃんじゃん酒持ってこい!!」
「あ、アコード様、流石にこれ以上は‥‥‥ うっぷっ!」
うあーっ!!
呼びつけて迎え酒ぇ!?
流石のゾナーも青い顔色している。
しかしアコード様は絶好調!
よほどあの蒸留酒が気に入ったのか昨日残ってたお酒も手酌でどんどん飲み干していく。
「お、お父様、流石にお控えになった方がよろしいのでは?」
ティアナの進言にアコード様は変な顔をする。
「何を言っておる、こ奴はお前たちのではさしがねではないのか?」
そう言ってよくよく見るとどっかで見た事のあるメイド服にピンク色の髪の毛の女性が一緒になってお酌しながらお酒飲んでいる‥‥‥
えっ?
ま、まさか!?
「ライム様ぁっ!!!?」
「あらおはよう、ティアナは初めてかしら? このお酒美味しいわねぇ、思わずアコードと酒盛り始めちゃった、てへっ!」
始祖母ライム様がアコード様と酒盛りしている!!!?
「エルハイミ、誰?」
ティアナは警戒して同調してライム様を見ている。
だから気付いているだろう、レイム様にも引けを取らないそのマナと魔力を。
「ティアナ、よく聞いてくださいですわ。あれが私たちの始祖母、ライム様ですわ!!」
「え”っ!?」
既にライム様のことは話している。
あたしたちのご先祖様で自称お母さん。
セミリア様のお使いで爺様の魂を冥界に送り届けたはずだけどそのライム様が何故ここに?
「む? この者はここの使用人ではないのか? では一体何者だ??」
「あら、気付いていなかったの? ダメな息子ね。お母さんそんな子に育てた覚えはないわよ??」
いややいや、育ててないでしょうライム様!!
思わず心の中で突っ込みを入れるあたし。
しかしアコード様はいきなりぽ~っと赤い顔をする。
「わ、私の隠れた趣味を何故知っている!? ティアナ! そこまでサービスしろとは言っていないぞ!!!?」
どんなサービスじゃぁっ!!!?
あ、アコード様、まさかそんなご趣味が有ったとはっ!?
いやいや、何かの間違いじゃないでしょーか?
あたしはぎぎぎっと擬音を鳴らしながら首をティアナに向ける。
みればティアナも青ざめてドン引きしている!?
「お、お父様! それはサービスではありません! 私たちのご先祖様、始祖母のライム様です!!」
「始祖母? ライム様だと?? 誰だそれは??」
『またすごいタイミングですごいのが来たわね?』
「む? なんだこの声は? 頭の中に直に聞こえてくるぞ?」
あうっ!
ややこしい時にまたややこしい杖まで参入してくるとはっ!?
あたしはティアナと顔を見合わせアコード様に説明するのだった。
* * *
「これはこれは見苦しい所をお見せいたしました、ライム様」
「あら、別にいいのよ、お母さん久しぶりに美味しいお酒飲めたから、それに息子と一緒に飲むのって楽しいわねぇ~。そんなに堅苦しくしなくてもいいのよ、エルハイミもティアナもお母さんに甘えてくれないんだもん、お母さん寂しい」
いやいやいや、お母さんって、そんな大それた方に甘えるなんて恐れ多い!
しかしアコード様はほんのりほほを染め嬉しそうにしている。
『ところでライム、あなた何しに来たのよ?』
「ああ、そうそう、あなたたちなら良く知っていると思ってきたのだけど、ジュメルって連中知ってるかしら?」
ジュメルっ!?
「あ、あのライム様! 何故ジュメルの事を!?」
「ティアナ、お母さんて呼んでくれていいのよ? 今はアガシタ様のお使いで動いてるのだけどね、なんかジュメルって連中が面倒ごと起こすかもしれないから何やってるか調べて来いって言われてるのよ。やばいようなら手を出してもいいって言われてるしね」
いやいやいや、ライム様が手を出すってものすごくやばいんじゃないんですか?
お願いだからティナの町を消滅させるような事はしないでください。
あたしたちは現在分かっていることをライム様に伝えた。
「ふむ、そうするとこのアガシタ様が作った世界を破壊するのが目的って事ね? 組織自体はまだ全貌がつかめていないって事かぁ。道理でレイムじゃ対応できなかったはずだ、あの子裏方ばっかやってるからねぇ」
「アガシタ様まで動くって、そんなにやばい連中なんですか?」
ティアナが聞く。
「私もこっちの仕事は始めたばかりなので分からないけど、アガシタ様はバランスが崩れすぎるから修復できなくなる前に何とかしろって言ってたわ。あの御方、面倒事が一番お嫌いだからね」
女神様、ちゃんとお仕事してよ。
道理で現存する女神より魂になって星座になっている他の女神様の方が人気あって神殿なんかも出来るはずだ。
「そんな訳で当分こっちにいるのでよろしくね」
はい?
当分こっちにいるって‥‥‥
「それならば私もしばらくここにいる事にしよう、ライム様、ささ、どうぞ一杯」
「あらぁ、気が利くわねぇ。じゃお母さん頂いちゃおうかしら、アコードも付き合いなさいね!」
「ははっ、お、お母様、ご一緒させていただきます!」
「あらぁ、ティアナやエルハイミと違って素直でよろしい、あなたたちも少しは見習いなさいね」
いや、それはご勘弁ください。
と言うよりもとんでもないお方たちがしばらく常駐するのね‥‥‥
『ま、いつもの事だから仕方ないんじゃない? 諦めなさいって』
無責任なシコちゃんの言葉にあたしとティアナは顔を見合わせる。
あ~、お酒の買い足ししなきゃ。
呆然とそう思うあたしたちであった‥‥‥
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