私はお兄ちゃんをそんな子に育てた覚えはないよ!?

さいとう みさき

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第三章お兄ちゃんの面倒は私が見てます、私を通さないといけないよ!

3-1夏休み突入

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 「ねぇねぇ、由紀恵ちゃん! 由紀恵ちゃんのおかげで成績上がったよ!!」

 期末テストの結果を渡されていろいろな行事も終わってあと二日後には一学期の終業式になる。

 「当然よ、あれだけ勉強教えてあげたのだから成績が上がってもらえないと困るわよ。で、どうなの? 桜東には届きそう?」

 「うん、このままいけば合格圏内に入れそうだよ。そしたらまた一緒の学校だねっ」
 
 紫乃は嬉しそうにしている。
 私は自分の成績を見てみる。

 勿論問題はないけど、流石に今回は学年トップにはなれないだろう。
 

 ふと新田生徒会長の高笑いの声が聞こえたような気がした。


 ほんと、あの人頭は良いはずなのになんでこう面倒な性格なのかしら?
 今回は私より成績が良いはずだから自慢話をしてくるかな?

 少しげんなりして生徒会に行くのが嫌になって来る。


 「ねぇねぇ、由紀恵ちゃん。そう言えば夏休みの無料夏期講習の申請したの?」

 「勿論してあるわよ。紫乃の分も提出しておいたからね」

 「えっ? 私も参加するの!?」

 「何言ってるのよ! 紫乃の為に参加するようなものじゃない!! 絶対桜東に合格して私と一緒にお兄ちゃんにつく害虫どもを駆除するのよ!!」


 私は先日の事を思い出す。
 少なくともお兄ちゃんにちょっかいを出しそうなのは三名。
 
 今までそんな浮いた話の一つも出ていなかったのにここにきて三人もの女性がお兄ちゃんに引かれているとは!!


 ‥‥‥ま、まあ、お兄ちゃんのすばらしさなら仕方ないけど。
 だって優しいし、さわやかイケメンだし、いろいろと気が利くし、何より私思いな所が最高よ!


 ああ、お兄ちゃん。

 
 うっとりとお兄ちゃんを思い浮かべる私。
 そう言えばお兄ちゃんの夏休みの予定を聞いていなかったっけ? 
 
 夏休みの間はお兄ちゃんと一緒にいられる時間が増える。
 そう考えると途端にうれしくなってきてた。


 ああ、早く夏休み始まらないかな!!


 * * * * * 


 「ふっ、地に落ちたものだな長澤。今回の期末試験結果が三位とは! どうしたというのだ? ふがいない!!」

 生徒会室に行くとやっぱり新田会長が絡んで来た。
 
 「はいはい、私はしがない公務員になる為そこそこの成績で桜川東高校を目指す身分です。会長様の足元にも及びませんよ(棒読み)」

 「はっはっはっはっはっ! やっとわかったか! 中間試験はたまたま僕より上だったが今学期総合ではやはり僕の方が上だ! 身の程をわきまえるがいい!!」

 ちょっとムカッと来るけど相手にすると面倒なのでぐっとこらえる。


 「何かあったんですか長澤先輩?」

 吉野君は子リスのようにきょとんとして私を見ている。
 相変わらず可愛らしい所はとても一つ下の男の子には見えない。
 どう見ても小学生だ。

 「うん、ちょっと悩み事が有ってね。でももうすぐ夏休みだからね、気持ちを切り替えてこの夏を楽しまなきゃね!」

 「そ、そうなんですか。そ、それでですね、親が町内会からもらった市民プールのタダ券が有るんですけど、せ、先輩一緒に行きませんか!?」

 「はい? プール? 私と?」

 「あ、あの、たくさんチケットあるから、みんなででもだめですか?」

 私はちょっと考える。
 そう言えば最近は市民プールに行っていない。
 あそこは滑り台とかあって結構楽しかったんだよね?

 「ねえ、お兄ちゃんや私の友人も誘っていいかな?」

 私はにっこりとほほ笑みながら吉野君にそう言う。

 「お、お兄さんですか? も、勿論良いですよ! あ、そうだ、会長や天川さんもどうですか?」

 「僕は夏休み初日から塾だ! 水につかっている暇なぞ無い!」

 「会長が行かないのなら私もやめときます」

 腕組みしてなぜか机に片足かけてる新田会長を陽子ちゃんはキラキラした目で見ている。

 この二人も平常運転ね。

 でもプールか。
 これは新調の水着が必要だわね。

 私は吉野君にお礼を言ってから遊びに行く予定日を決めて生徒会室を後にしたのだった。

 
 * * * * *


 一学期の終業式も無事終わり明日からいよいよ夏休みが始まる。
 

 「由紀恵ちゃん待ってよぉ~」

 「紫乃早くいこうよ!」


 下校の帰りに近くのショッピングモールで新しい水着を買う事を紫乃と約束していた私はウキウキしながら先を歩く。

 お兄ちゃんには昨日話して一緒にプール行く約束を取り付けた。
 なのでの兄ちゃんに見せる為に可愛い水着を新調しなければならない。

 「由紀恵ちゃんどんな水着にする?」

 「う~ん、やっぱりかわいいのが良いかな?」

 「私、去年より胸大きくなっちゃったから今までの水着きれなくなっちゃったんだよねぇ~。由紀恵ちゃんにプール誘ってもらった時は焦ったよぉ~」

 何ですって!?
 紫乃また大きくなったの!!!?

 そう言えば揺れが強くなっているような‥‥‥

 「由紀恵ちゃんもサイズ合わなくなって来たの?」

 「ぐぅっ!」

 去年のどころか中一の時の水着も胸だけは余裕があるわよ!!

 こうなったら絶対に可愛い水着を見つけてお兄ちゃんを振り向かせてやるんだから!!


 私はそう胸に誓ってずんずんとショッピングモールへと歩いていくのだった。
 
 
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