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第三章お兄ちゃんの面倒は私が見てます、私を通さないといけないよ!
3-6勉強会
しおりを挟む「お兄ちゃん、ただいま!」
「ああ、由紀恵お帰り」
「由紀恵ちゃんお邪魔してます」
「こんにちわ由紀恵ちゃん」
「こ、こんにちわ‥‥‥」
「やあ由紀恵ちゃん、また来ちゃったよぉ~」
そこにはあり得ない光景が。
お兄ちゃんの回りに高橋静恵や矢島紗江、泉かなめがいる!?
あ、親友その一もいるのか、こいつはどうでもいいけど。
「由紀恵、今日はみんなで夏休みの宿題やる事になってんだ」
「そ、そうなんだぁ。でも矢島さんまで?」
「先輩に教わりながらやらせてもらってます」
「俺なんかより高橋の方が教えるの上手いんだけどなぁ」
おいこら矢島紗江、お兄ちゃんに近すぎるぞ!
私は引き突く笑顔を顔に張り付かせたままふとある事を思う。
高橋静恵は教えるのが上手い?
もうすぐ紫乃も来る。
そこで私はある事を思う。
「お兄ちゃん、後輩の矢島さんばかり教えてないで私たちの勉強も見てよ! 私これでも受験生なんだよ?」
「いや、由紀恵に教える事なんて無いんじゃ‥‥‥」
よし、乗って来た!
私はすかさず高橋静恵を指さしお願いする。
「高橋さんは教え上手なんですよね? 実は先日プールで会った私の幼馴染の紫乃がもうすぐ来るんですけど、私って人に勉強教えるのが苦手なんですよ。是非とも勉強教えてもらいたいんですよねぇ、紫乃に」
「由紀恵ちゃんでは無くてあの紫乃ちゃんに?」
「ええ、是非とも! 勿論皆さんの宿題終わってからでいいので!!」
「なんなら俺が‥‥‥」
きっ!
横から口を出して来る親友その一を睨む。
親友その一はすごすごと引っ込む。
「わかったわ、未来の後輩の為ですもんね」
高橋静恵はそれでもすんなり引き受けてくれた。
「んじゃ、紫乃ちゃん来たら呼んでくれ。俺たちももう少しで予定の所まで終わるからな」
「わかったよ、お兄ちゃん。じゃあ、飲み物とか持ってくるね」
私はそう言って部屋に戻り急ぎ普段着に着替えてから台所に行って飲み物を準備する。
そして急ぎお兄ちゃんの部屋に行ってお兄ちゃんから可能な限り高橋静恵や矢島紗江を引き離すかのように飲み物を置いて間に座り込む。
「あ、お兄ちゃんそこ間違ってる。ここはこうでしょ?」
「あ、本当だ」
私の指摘にお兄ちゃんは計算間違えを訂正する。
「由紀恵ちゃん、この問題分かるの?」
「微分、積分問題ですよね、これって? とりあえず基礎は既にやってます」
高橋静恵は私を見て驚いている。
「一応高校生の問題なんだけどね? 由紀恵ちゃんて頭良いんだね」
「こいつは俺なんかよりよっぽど良い高校に行けるのになんで桜川東なのかね」
お兄ちゃんは正しい答えを書きながらそう言う。
「それはお兄ちゃんと一緒の高校に行きたいからだよ! 私が桜東に入ったら全力でサポートして地元の国立大に入ってもらうからね! 私も同じ大学目指すから!!」
「ずいぶんと先の長い話を。まぁ、そしたらよろしく」
お兄ちゃんはひらひらと手を振って生返事を返して来る。
しかし私の言葉に反応する女子三名。
「ゆ、由紀恵ちゃん、大丈夫よ長澤君のサポートは私がして長澤君と同じ大学目指すから」
「せ、先輩って地元の国立大学目指してたんですか!?」
「あ、わ、私もそこ目指す‥‥‥」
私はにっこりとほほ笑んで彼女たちに話す。
「大丈夫です、お兄ちゃんの面倒は私が見ます。それに何かありましたら遠慮なく『わたし』に言って下さい。私がお兄ちゃんに伝えますので!」
とたんに私たちの背景が暗くなりまた聖獣たちが後ろに立つ。
「ふふっ、由紀恵ちゃん、お兄さん思いなのねぇ~。でも私に任せてくれても問題無いのよ?」
「ゆ、由紀恵ちゃん、部活同様先輩は私がサポートします!」
「あ、あの私も‥‥‥」
それでも引きさがらない女子三人。
ぬう、ここまで言っているというのに。
ピンポーン!
私たちが睨み合っていると玄関のチャイムが鳴った。
どうやら紫乃がやってきたようだ。
私は仕方なく紫乃を迎え入れる為にこの場を離れる。
「由紀恵ちゃんお邪魔しま~す。やっぱり外は暑いねぇ~お土産にアイス買ってきたよ~」
「紫乃取りあえずそれは冷蔵庫に入れましょう。今はお兄ちゃんの部屋で紫乃に勉強を教えてくれるステキなお姉さんたちがいるわ。さあ、迷わずお兄ちゃんの横からあの女たちを引きはがして勉強を教えてもらいなさい!」
「ほえぇ?」
紫乃が持ってきたアイスを冷凍庫に放り込み紫乃と私の分の飲み物も持っていざお兄ちゃんの部屋に!
訳の分からない紫乃は私に引っ張られて二階へと上がっていく。
「お兄ちゃん、紫乃が来たわ! 高橋さん、是非とも勉強を教えてあげて! 何なら矢島さんでも泉さんでも良いですよ!」
早速お兄ちゃんと高橋静恵の間に紫乃を座らせ、お兄ちゃんの反対側に私が座る。
「え、ええぇとぉ~よろしくお願いしますぅ~」
少しおっかなびっくりしている紫乃はそれでもみんなに挨拶しながら高橋静恵が主体に勉強を教える事となった。
「うわぁ、高橋さんて教えるの上手ですね! 由紀恵ちゃんなんて間違えると途端に倍の問題追加するんですよ~」
「由紀恵ちゃん、スパルタすぎるわよ?」
「だって紫乃はとろい所がありますからどんどんやらせないとだめなんですよ」
プイっとそっぽを向く私。
確かに横で見ていると勉強を教えるのが上手だ。
「しかし由紀恵には教える事なんて無いんじゃないかな?」
「そんな事無いよお兄ちゃん! ほらここ分からない!」
あたしは古文の問題を出してみる。
しかしお兄ちゃんはそれを難しい顔して眺めている。
「あー、これはぁ‥‥‥」
「ああ、先輩これレ点をちゃんと入れないとだめですよ。ほらここにこうして‥‥‥」
ぬう、矢島紗江意外とやるな?
確かに私は古文とか苦手だから助かるけど。
そんなこんなで私たちに高校生組が勉強を教えてくれる。
それは意外と役に立っていて思いの外勉強がはかどってしまった。
「そう言えばぁ、そろそろ花火大会だね? 友ちゃんたちも花火見に行くの?」
ぴくっ!
紫乃のつぶやきに勉強に集中していた私たちは反応する。
そう言えばそろそろ花火大会だ。
問題集から顔をあげた私たちは思わずお兄ちゃんを見る。
「うーん、そう言えばそろそろだっけ? どうするかな今年は。あれ意外と暑いしなぁ」
「何言ってるのお兄ちゃん! 是非とも見に行こう!! 私と二人で!!」
「長澤君! 私新しい浴衣準備するから一緒に行かない?」
「先輩! 私も浴衣準備しますから!」
「あ、あの私も‥‥‥」
「ほえ? 高橋さんたちも行くの?」
みんな一斉に名乗りを上げる。
そしてまた私たちの背景に聖獣が(以下略)‥‥‥
「な、なあ、俺も行っていいのかな、友也?」
「剛志、お前行きたいのか? んじゃ行くとするか?」
ナイス親友その一!
こうなったら私もお母さんにおねだりして新しい浴衣買ってもらおう!
私たちはもうじき来る花火大会を楽しみにするのだった。
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