28 / 75
第五章お兄ちゃんは知っちゃいけないよ!?
5-2対策の対策?
しおりを挟む「へぇ、ここが由紀恵ちゃんのお部屋かぁ」
「どうぞこちらに座って下さい」
私は高橋静恵を私の部屋に招き入れ用意していたテーブルに座らせる。
自分から言い出した事とは言えまさかこうも容易く高橋静恵を我が牙城に引き入れるとは!!
「えへへぇ~、高橋さん今日はお願いしますねぇ~」
「はいはい、私で良ければいくらでも教えてあげるよ? 由紀恵ちゃんがここを提供してくれれば」
ぐっ!
こいつわざとか?
わざとなのか!?
「ん~それじゃ始めよっか?」
高橋静恵はそう言って紫乃に勉強を教え始めたのだった。
* * *
「ところでさ、由紀恵ちゃんのお兄さんなんだけど‥‥‥」
「はい?」
私たちは次の模擬試験に向けて問題を解いている。
しかし高橋静恵はいきなりお兄ちゃんについて振って来た。
「私、やっぱり長澤君の事好きなのよ。由紀恵ちゃん協力してくれない?」
「ぶっ!!」
「ええっ! 高橋さん友ちゃんのこと好きだったんですかぁ!?」
いきなり高橋静恵は真っ向から宣戦布告をしてきた。
「由紀恵ちゃんがお兄さんの事好きなのはわかってるけど、私は由紀恵ちゃんも嫌いじゃないの。だからこそこそしないで真っ向から由紀恵ちゃんには話がしたくてね」
「なななななっ! お兄ちゃんは私のです! 誰にもあげません!!」
私は慌ててそう言うものの高橋静恵は動じず真っ向からこちらを見る。
「兄妹としてお兄さんが好きなのはよく分かるわ。でもね、私は一人の女として長澤君の事が好きなの」
ガーン!!
高橋静恵のその一言は至極まっとうな正論で私がどうしても超えられない壁を易々と超えてしまう一言だった。
「勿論矢島さんも泉さんも長澤君の事は好きよ。私はあの二人にも真っ向から言うつもり。だけどもし長澤君が私を選んでくれても妹の由紀恵ちゃんと仲が悪くなるのは嫌なのよ」
―― 友ちゃんが私を選んでくれないとこの話は始まらないからね ――
恵姉の言葉がふいに蘇る。
「‥‥‥だめ、やだぁ、お兄ちゃんがとられちゃう」
「えっ? 由紀恵ちゃん!?」
気付くと私はぽろぽろと涙を流していた。
「わわわっ! 由紀恵ちゃん何処か痛いの!?」
紫乃が慌ててティッシュを取って私の涙を拭く。
痛いわよ!
ものすごく心が痛いわよ!!
分かってはいる。
兄妹では恋愛は出来ない。
どんなに大切な人でも。
どんなに大好きな人でも。
どんなに私を守ってくれても。
私は「妹」という鎖から決して解き放たれる事は無い。
「うーん、泣かせるつもりは無かったんだけどなぁ。ちょっと強く言い過ぎたかな? でもね由紀恵ちゃん、私も本気なんだよ?」
ちーん。
私は鼻水をかみながら高橋静恵を見る。
でも何も言えない。
「嫌われちゃったかな? でも裏でこそこそしてある日突然長澤君の彼女ですって言うのも嫌でしょ? だから今ここではっきりと言っておくわね。由紀恵ちゃん、私は長澤君の事が好きよ」
正々堂々とそう言われ私は更に言葉を失う。
でも‥‥‥
それでも‥‥‥
「‥‥‥それでも私はお兄ちゃんが好き」
「うん、、今はそれでいいよ。ただ、私も容赦しないからね?」
高橋静恵はそう言ってにっこりと笑う。
まさか正面切って勝負に出られるとは思いもしなかった。
でも私だってお兄ちゃんが好き。
だからまだ引きつく笑いを顔に張り付けて私も真っ向から勝負してやる!
「お兄ちゃんの貞操は私が守ります!!」
そう宣言する私に高橋静恵はもう一度にっこりとほほ笑むのだった。
0
あなたにおすすめの小説
イケボすぎる兄が、『義妹の中の人』をやったらバズった件について
のびすけ。
恋愛
春から一人暮らしを始めた大学一年生、天城コウは――ただの一般人だった。
だが、再会した義妹・ひよりのひと言で、そんな日常は吹き飛ぶ。
「お兄ちゃんにしか頼めないの、私の“中の人”になって!」
ひよりはフォロワー20万人超えの人気Vtuber《ひよこまる♪》。
だが突然の喉の不調で、配信ができなくなったらしい。
その代役に選ばれたのが、イケボだけが取り柄のコウ――つまり俺!?
仕方なく始めた“妹の中の人”としての活動だったが、
「え、ひよこまるの声、なんか色っぽくない!?」
「中の人、彼氏か?」
視聴者の反応は想定外。まさかのバズり現象が発生!?
しかも、ひよりはそのまま「兄妹ユニット結成♡」を言い出して――
同居、配信、秘密の関係……って、これほぼ恋人同棲じゃん!?
「お兄ちゃんの声、独り占めしたいのに……他の女と絡まないでよっ!」
代役から始まる、妹と秘密の“中の人”Vライフ×甘々ハーレムラブコメ、ここに開幕!
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
今日の授業は保健体育
にのみや朱乃
恋愛
(性的描写あり)
僕は家庭教師として、高校三年生のユキの家に行った。
その日はちょうどユキ以外には誰もいなかった。
ユキは勉強したくない、科目を変えようと言う。ユキが提案した科目とは。
罰ゲームから始まった、五人のヒロインと僕の隣の物語
ノン・タロー
恋愛
高校2年の夏……友達同士で行った小テストの点を競う勝負に負けた僕、御堂 彼方(みどう かなた)は、罰ゲームとしてクラスで人気のある女子・風原 亜希(かざはら あき)に告白する。
だが亜希は、彼方が特に好みでもなく、それをあっさりと振る。
それで終わるはずだった――なのに。
ひょんな事情で、彼方は亜希と共に"同居”することに。
さらに新しく出来た、甘えん坊な義妹・由奈(ゆな)。
そして教室では静かに恋を仕掛けてくる寡黙なクラス委員長の柊 澪(ひいらぎ みお)、特に接点の無かった早乙女 瀬玲奈(さおとめ せれな)、おまけに生徒会長の如月(きさらぎ)先輩まで現れて、彼方の周囲は急速に騒がしくなっていく。
由奈は「お兄ちゃん!」と懐き、澪は「一緒に帰らない……?」と静かに距離を詰める。
一方の瀬玲奈は友達感覚で、如月先輩は不器用ながらも接してくる。
そんな中、亜希は「別に好きじゃないし」と言いながら、彼方が誰かと仲良くするたびに心がざわついていく。
罰ゲームから始まった関係は、日常の中で少しずつ形を変えていく。
ツンデレな同居人、甘えたがりな義妹、寡黙な同クラ女子、恋愛に不器用な生徒会長、ギャル気質な同クラ女子……。
そして、無自覚に優しい彼方が、彼女たちの心を少しずつほどいていく。
これは、恋と居場所と感情の距離をめぐる、ちょっと不器用で、でも確かな青春の物語。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
クラスで一番人気者の女子が構ってくるのだが、そろそろ僕がコミュ障だとわかってもらいたい
みずがめ
恋愛
学生にとって、席替えはいつだって大イベントである。
それはカースト最下位のぼっちである鈴本克巳も同じことであった。せめて穏やかな学生生活をを求める克巳は陽キャグループに囲まれないようにと願っていた。
願いが届いたのか、克巳は窓際の後ろから二番目の席を獲得する。しかし喜んでいたのも束の間、彼の後ろの席にはクラスで一番の人気者の女子、篠原渚が座っていた。
スクールカーストでの格差がありすぎる二人。席が近いとはいえ、関わることはあまりないのだろうと思われていたのだが、渚の方から克巳にしょっちゅう話しかけてくるのであった。
ぼっち男子×のほほん女子のほのぼのラブコメです。
※あっきコタロウさんのフリーイラストを使用しています。
【完結】好きって言ってないのに、なぜか学園中にバレてる件。
東野あさひ
恋愛
「好きって言ってないのに、なんでバレてるんだよ!?」
──平凡な男子高校生・真嶋蒼汰の一言から、すべての誤解が始まった。
購買で「好きなパンは?」と聞かれ、「好きです!」と答えただけ。
それなのにStarChat(学園SNS)では“告白事件”として炎上、
いつの間にか“七瀬ひよりと両想い”扱いに!?
否定しても、弁解しても、誤解はどんどん拡散。
気づけば――“誤解”が、少しずつ“恋”に変わっていく。
ツンデレ男子×天然ヒロインが織りなす、SNS時代の爆笑すれ違いラブコメ!
最後は笑って、ちょっと泣ける。
#誤解が本当の恋になる瞬間、あなたもきっとトレンド入り。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる